海で遭難したら、背浮きで流されていた方がいい。
19時間・40km漂流の末救助された男性が奇跡の生還語る
フジテレビ系(FNN) 7月28日(月)18時50分配信
27日、静岡・伊東市の沖合で行方不明になった男性が28日、19時間の漂流の末、およそ40km離れた下田市の海岸で救助された。生還した男性がFNNの単独取材に応じて、生き延びることができたわけを語った。
「諦めようかと思った」などとFNNの単独取材に語ったのは、兵庫・神戸市の会社員・中嶋祐輔さん。
中嶋さんは「やっぱり、もう諦めようと、幾度となく思う時もあったので。本当に助かったっていうのが正直」と語った。
水中メガネのあとがくっきりと残るほどの顔の日焼けのあと。
炎天下で長時間漂流した過酷さを物語っていた。
中嶋さんは27日午後3時半ごろ、伊東市の海岸で友人たちと泳いでいたという。
中嶋さんは「体力がちょっと奪われたので、浮いて体力回復するまで待とうかなと思ったら、だいぶ流されちゃったので、これはえらいことになったなと」と語った。
伊東市の海岸で続けられた捜索。
そして、漂流から19時間後、中嶋さんが発見されたのは、漂流した海岸から、およそ40km南の下田市白浜の海水浴場だった。
中嶋さんは午前10時半ごろ、ライフセーバーに発見され、声をかけたところ、無言で砂浜に倒れこんだという。
救出したライフセーバーは「わたしが最初に行って、非常に寒がっていたので、黄色いパトロールシャツをかけて、とりあえず保温した。口が非常に塩辛いと言っていたので、口をゆすいであげた」と語った。
沖へ流されることなく、40km南の沿岸にたどり着いた中嶋さん。
その理由について、いとう漁業協同組合の河合 択氏は「きのうは南に潮が流れていて、風も陸に向けて吹いていたので、沖に流されず、陸伝いに流されたのではないか」と語った。
自力で砂浜に着いた中嶋さんは、病院で手当てを受けているが、命に別条はないという。
中嶋さんは「最初から行かなければよかったなと、真っ先に思いましたね。引き返したら、足つっちゃって、そこで体力を奪われたので。浮いて体力を回復しようと思ったら、だいぶ流された」と語った。
東海大学海洋学部教授の山田吉彦氏は「ラッシュガードは保温効果があるので、体温が維持できた。足ひれなど、浮力のあるものを持っていたことで、浮いていることができた」と語った。
そして、19時間にも及ぶ漂流中、中嶋さんは、あお向けで水面に顔を出し流れに身を任せていたという。
顔の日焼けは、まさにその時についたものだった。
中嶋さんは「あお向けになって、一番楽な姿勢なので。泳ぎは得意じゃなかったので、溺れたときのレクチャーではないが、一番楽なのが、あお向けに寝ると聞いていたので、実践した」と語った。
こうして体力を温存させることが、漂流した際には大切だと専門家は話している。
山田氏は「もがいていなかった、体力を消耗する行動を取っていなかったことも1つの要因だと思います」と語った。
中嶋さんは「(助かってよかったですね?)みんなに会えるのがよかったです」と語った。
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