周永康の犯罪的不正蓄財の全貌 | 日本のお姉さん

周永康の犯罪的不正蓄財の全貌

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)7月15日(火曜日)
通巻第4293号

周永康は結局何をしたかったのか
住宅だけで326軒、金塊は42850グラム(2億円弱)、クルマ62両。
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周永康の犯罪的不正蓄財の全貌が次第に明らかとなってきた。
不動産投資は全国津々浦々に326軒(市場価格17億6000万元=邦貨換算3300億円)。
保有していた金は金塊、コイン、プラチナを含めて42850グラム(日本円にして2億円前後)。絵画骨董書画は55点。市場価格8億元(邦貨136億円相当)。クルマは62両。いずれも家族名義を含む。
隠し持っていた現金は人民元が1億5270 万元(邦貨換算=26億円前後)、米ドル275万ドル(2億8000万円)、ユーロ66万2000ユーロ(9200万円)、英ポンド11万(1900万円)、スイス・フラン55万(6200万円)。合計して邦貨換算で30億円強にもなる。
(隠し場所が大変だろうなぁ)。
そして周永康とその家族、ボディガードらが所持していた武器は中国ピストル5丁、ドイツ、露西亜、英国、ベルギー製拳銃各核1.合計9丁。
結局、周永康は何をしたかったのか?
◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー
驚くべし、日米安保条約の改定から半世紀を経ても
『核持ち込み』の『事前協議』は一度も開かれていない

河内孝『誰も語らなかった「日米核密約」の正体』(角川oneテーマ21)
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「核は持ち込まれていた」というライシャワー元駐日大使の爆弾発言(1981年)からすでに33年を経過した。「密約」があったとする陰謀説的言説が日本の政官界とマスコミを蔽った。
1960年、岸内閣は政治生命を賭して不平等条約を改定し、とりあえずの政治目標を達成した。最大の問題は事前協議のことであり、集団的自衛権ではなかった。
ところが密約はなかった。
存在したのは日米間の阿吽の呼吸であった。
著者の河内氏はのちに毎日新聞の記者。夜討ち朝駆けで往時の当事者に取材した。毎日新聞は特別チームを組んで、この謎に挑んだが、最終的には古森義久記者がライシャワー大使にインタビューして、この時点での結論が出た。
だが、河内氏はいうのだ。
最初から「密約ありき」という歴史観を定着させていいのだろうか?
「歴史のあやというか、微妙な、再検証すべき未解明な部分は残されていないだろうか?」とする著者は、「1957年からの安保改定交渉を跡付けながら、『それでも密約はなかった』」と明確に結論づけた、いってみれば戦後の密約史観に挑戦した画期的な労作である。
とはいえ日米間には「抜かずの剣」が存在している。
とくに米側が都合の悪い資料の公開を憚っているのだが、難関は「事前協議制度」である。驚くなかれ、事前協議は日米安保条約改定から半世紀をこえても、まだ一度の開催されていない。
ではどうやって状況を切り抜けてきたかと言えば「安保4条の随時協議という仕組みを使って日米間で、原子力潜水艦の入港問題、米空母の母港化の問題などを事前に協議(密議)してきた」のである。
本書の指摘する歴史的変遷と外交文書、当時の取材メモなどの分析の中でも、ライシャワーが1963年に大平正芳と会見の際の討議の内容が明かされた。
そこには――。
「事前協議に言う『核持ち込み』とは、もってきて置くことで、核兵器搭載の艦船、航空機の一時立ち寄りは『核持ち込み』に該当しないのではないか」とラ大使発言に大平は見解を述べていない。
だが、国際常識から言えば、核戦略とは機密を要する性格があり、核兵器がどこにあるかなどと公開するバカはいない。もし隠し場所や潜水艦の位置が判明されれば敵に攻撃的余地をあたえ、自らを不利にするからだ。したがって、どの国であれ、政府はトップシークレットを貫く。
「外国政府に通知するはずがない。とすれば核搭載艦船の寄港や、航空機の通過について米側から事前協議を提議される可能性は、限りなくゼロに近い」と河内氏は言う。
だが、しかし。日本はこんなことでいつまでごまかし続けるのか。
自立自尊とは自主防衛、自主憲法が前提であり、吉田松陰なら、こうした欺瞞、偽善の外交を徹底して糾弾していただろう。
▲突如、三島由紀夫の箴言が出てくる
という思いにとらわれながら本書を読み進んでいると、最後のところで、河内氏は突然、三島由紀夫の名前をだして次の格言を引用されているのだ。
(割腹自決の1年まえ)「林房雄との対談で三島は、次のように語っている。『右翼が左翼に戦後取られたものは3つあるんですね。ひとつはナショナリズム、もひとつは反体制、もうひとつは反資本主義、3つ取られたでしょう。右翼がみんなもっていた(中略)。
日本国民は自分が自主独立の国民でありたいという気持ちを一方に持ち、一方では、せっかく生活もここまで、繁栄させてきたから楽をしたい。楽をするためには安保条約もしょうがないかということはありますね』」。
だから国民は鵺的な自民党に入れてきたと三島は嘆いた。
そして河内氏はかく慨嘆するのだ。
「要は甘えを捨て、核抑止の微妙なバランスの上に立つ国際社会を生き抜く決意と智恵を日本人がもてるかどうかである。集団的自衛権の解釈変更も重要ではあるが、それは『手段』に過ぎない。だから来るべき安保再改定は、米国に対する交渉と言うよりも、日本人自身の生き様に対する内省作業になる」
評者(宮崎)の個人的体験をちょっと脱線で。
1980年は「安保改定」から20年。岸信介が日本側代表となり、米国からはフォード前大統領以下、上下院議員が大挙、日本に押しかけ、「20年を祝い、次の20年を考える国際シンポジウム」が開催された。
これは民間の発議により『日本安全保障研究センター』(加瀬英明理事長、三好修所長)が米国のシンクタンク「ヘリティジ財団」との共催で、評者は広報責任者として会場のホテルに1週間ほど泊まり込んだ。
そしてこのシンポジウムで安保再改定が提議されたのである。
しかし日米両政府によって再改定の提議はまったく無視され、マスコミは殆ど報じなかった。時代環境は、それから30年以上を閲しても、まったく変わっていない。日本の自主独立の気概は、まだ本格的に燃えあがってはいない。
(読者の声1)貴誌前号「すきやばし次郎」の北京出店ですが、完全なガ
セ情報で、まっさきに報じたウォールストリートジャーナルが訂正記事を
だしています。(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)ウォールストリートジャーナルは銀座の店側に確
認を取らず、北京の出資者と称する中国人の情報をもとに書いたようで、
どうやら話をもって回った中国人が詐欺の可能性がありますね。
北京では水道の水も米も悪いし、日本と同質の寿司を握れる筈はないと思
います。
(読者の声2)貴誌前号「読者の声3」と宮崎さんのコメントに対して思っ
たことを、少し書かせていただきます。
どこかの新聞サイト(記憶になく申し訳ありません)で、オバマ大統領は、
すきやばし次郎に行く前に出前で「銀座久兵衛」のおすしを一人前召し上
がってからすきやばし次郎にいかれたという記事を読みました。
後、中国側の誘致する方を取り巻く方たちが、すし職人を家などに招いて
のパーティーでしたら、公になりませんよね。
中東・アラブ系のお金持ちはプライベートパーディーをしてすしを食べて
いるとのこと。おすし屋さんはがらがらでも,かなり潤っていると聞いた
ことがあります。(AE生)
(読者の声3)貴誌前号、(読者の声1)で「直近の統計で日本人の海外渡
航先が台湾がトップに、韓国は十位以内からも脱落したことが分かりまし
た。」とありましたが、誤解を招く表現かと思われます。
正確には日本旅行業協会(JATA)が会員会社の社員を対象に、夏休みの人
気の方面調査を行い、人気ランキングにまとめたものです。
http://www.jata-net.or.jp/data/trend/ranking/pdf/140630_rank.pdf
2013年のランキングと比較するとタイとインドネシア(バリ島)がランク
外へ、香港・スイスがランクインしています。
http://www.jata-net.or.jp/about/release/2013/130626_natsudk.html
日本人の国・地域別出国者数を調べてみたのですが、日本政府観光局
(JNTO)では2013年までのデータしかありません。法務省のデータは
4月まで。観光庁に至っては他省庁へのリンクでお茶を濁す程度で見る価
値なし、お役所仕事の典型です。「出国者 アウトバウンド」で検索する
とJTB総合研究所がヒット。2000年以降、2014年5月までのデータがエクセ
ル形式でダウンロードできます。
http://www.tourism.jp/statistics/outbound/
5月のデータでは日本人出国先トップは中国で 222千人、ついで韓国 201
千人、台湾は 28.6%アップの 133千人で第三位。
韓国は李明博が竹島に上陸した翌月から21か月連続の前年割れという悲惨
な状況。韓国が円安ウォン高のせいだ、韓国は悪くない、と開き直ったと
ころでロッテホテルの反日が大々的に報道され今後とも回復することはな
いでしょう。
政情不安のタイも5ヶ月連続前年割れ。航空券(燃油サーチャージ・海外
諸税込)は8月のお盆期間でも10万円以下から、お盆以外ならベトナム航
空の4万円前後や中華航空の5万円前後など格安です。軍政で治安も回復、
ホテルもプロモーション価格で狙い目かもしれません。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)正確なデータを有り難う御座います。
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中国軍最高幹部の党籍剥奪
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茅原 郁生
「浄化」と「闘争」2つの意味
中国国営新華社通信によると、6月30日に中国軍最高指導機関である中央
軍事委員会の前副主席である徐才厚氏が収賄などの違法行為で党籍剥奪の
処分を受け、検察機関で刑事責任が問われている。
徐才厚氏の最終階級は大将にあたる上将だった。かねて軍上層部の汚職腐
敗が問題になっていたが、中国共産党中央政治局員に任じられた軍最高幹
部までが摘発された事件は衝撃的であった。
これまで人民解放軍は、革命の功労者とされ、共産党政権を支える「党の
柱石」として不可侵的な存在であった。その軍高官が汚職事件で処断され
たのには2つの観測がある。
一つは精強であるべき軍の上層部の浄化だ。総後勤部副部長で中将だった
谷俊山氏の巨額収賄事件もすでに発覚しており、軍内での反腐敗運動であ
ると考えられる。
もう一つは、習近平国家主席選出にまつわる権力闘争説だ。党中央政治局
員で重慶市党委員会書記だった薄煕来氏の失脚事件があり、一連の党幹部
摘発が続く中で、徐才厚氏の事件もその一環との見方である。その延長に
は周永康・前党中央政治局常務委員にまで司直の手が伸びることが視野に
入ってくる。
ここでは前者の見方に焦点を絞って実態を紹介してみたい。軍人の汚職事
件にはポスト売買の人事汚職と、軍需産業や地方権力との権力・金銭取引
による癒着汚職があるが、徐才厚氏は職権乱用による昇任人事が絡む収賄
容疑で、昨春から内偵が続いていたとみられる。解放軍内では昇任とポス
ト売買の常態化がいわれている。
ここで徐才厚氏はどのような人物かみてみたい。ハルビン軍事工程学院を
卒業後、陸軍将校として瀋陽軍区内の部隊に入り政治将校の道を歩んだエ
リート軍人であった。江沢民国家主席の政権下の2002年に軍人事元締めの
総政治部主任に就任。
その後中央軍事委員会副主席、中央政治局員となった。制服軍人として
トップに上り詰めたが、現在、がんで入院中という。
ちなみに上将という階級は解放軍の最高位であり、230万人を擁する世界
最大規模の軍隊の中の超エリートである。
徐才厚氏の汚職事件は氷山の一角とみられるが、それに対する習近平主席
の処断は中国のネット書き込みで「汚職退治の勇気」として称賛された。
それは逆に精強、清廉であるべき軍内が腐敗に犯され深刻な状態にあるこ
との証左で、解放軍の恥部がえぐりだされたことになる。
(拓殖大学名誉教授)
(フジサンケイビジネスアイ2014.7.15)