つづき | 日本のお姉さん

つづき

(読者の声2)ドイツのメルケル首相訪中、さっそく手土産がありました。
「独フォルクスワーゲン(VW)と一汽集団は7日、両社合弁の乗用車メー
カーである一汽大衆汽車(吉林省長春市、一汽大衆)の新工場建設に関す
る共同声明に調印した。
山東省青島市と天津市の2カ所に新たな生産基地を設ける。調印式には、
中国を公式訪問中のメルケル独首相と李克強首相がともに参列。メルケル
首相は6日、一汽大衆の成都工場を視察した。VWと一汽集団は今年3
月、ドイツのベルリンで調印した共同声明で一汽大衆の新工場建設を表
明。候補地には湖北省武漢市なども挙がっていたとされるが、今回正式に
青島と天津に決めたことを発表した。VWは今年から2018年までに中国で
182億ユーロ(約2兆5,200億円)を投じる計画を表明済みで、投資額の多
くを新工場の建設に振り向けるとみられる。一汽大衆の生産・販売量は13
年は150万台に達し、今年は170万台が目標。年末には累計販売が1,000万
台の大台を突破する見通しだ。」
http://news.nna.jp/free/news/20140708cny011A.html
ますます中国にのめり込むドイツ、日本企業撤退の穴をどんどん埋めて
いくつもりなのでしょう。
「東京のハーケンクロイツ」(白水社、中村綾乃著)では第二次大戦当時の
日本や中国のドイツ人社会が描かれます。なかでも興味深かったのがドイ
ツ人社会の多くを占めた貿易商や大企業の駐在員など上層の人々がナチズ
ムに協力しながら利を追う姿。さらに戦後の戦犯追求では中国の大物ドイ
ツ人は閻錫山に守られ、戦犯とされたのは小物が多かったという。ほかに
も膠州湾租借地の中心としてドイツにより建設された青島は投資が収入の
数倍という大赤字だった(ドイツから見れば投資回収前に日本に横取りさ
れたともいえます)。
ワイマール共和国時代は政党によりそれぞれ主張する国旗が違い、在外
公館では国旗が掲揚されることはなかったというのは驚きでした。第一党
の社会民主党は「黒・赤・金」の三色旗、独立社会民主党は赤旗、その他
多くの市民政党はドイツ帝国以来の「黒・白・赤」の三色旗を主張。
ヒト ラーが政権を握るや帝国時代の三色旗が復活し、ハーケンクロイツ
のナチ 党旗とともに掲揚され、多くのドイツ人は感激したという。国旗
ひとつ決 められない共和国ドイツ、経済成長はすれど国家の体をなして
いません。
ヒトラーがたびたび攻撃する議会制度の悪しき面なのか、ドイツの議会
制 度が未熟だったのか。もし現在の中国で民主政治が行われたとすると
買収 と政敵の暗殺はあたりまえ、群雄割拠の時代に戻るだけかもしれま
せん ね。(PB性、千葉)
(宮崎正弘のコメント)ドイツのナショナル・アイデンティティ喪失と、
周回遅れの中国投資。なぜそうなるか。是非とも小生と川口マーン惠美さ
んとの共著『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)をお読
みいただきたいと思います。ドイツ人と中国人はビジネスの割り切り方が
よく似ているのです。
そもそもドイツへ親近感を抱く日本が一方的思いこみであって、ドイツ人
は日本のことを偏見と色眼鏡でみています。ドイツのマスコミの日本報道
はまるでドイツ語の『人民日報』と変わらないほどです。

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私の「身辺雑記」(121)
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平井 修一
■7月6日(日)。朝は室温23度、晴、ちと寒いが午後には28度になった。
産経の読者の声欄だったかに気になる文章があった。「お医者様とヘル
パーさん」と、敬称を使い分けているのだ。責任が重い大事な仕事をする
人と、単純労働をする人を区別しているのである、福翁のように。
「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」は先月6月11日に
可決され、来年4月1日に一部の規定を除き、施行されるという。この法律
について法務省は、
<専門的・技術的分野における外国人の受け入れに関する企業等のニーズ
に柔軟に対応するため、業務に要する知識等の区分(文系・理系)に基づ
く「人文知識・国際業務」と「技術」の区分を廃止し、包括的な在留資格
を創設>
などと説明しているが、役人文書だから小生にはチンプンカンプンだ。
「包括的な在留資格を創設」というのはなんだろう。
2月に政府は「移民を毎年20万人受け入れ」構想を発表したが、どうも介
護士やメイド(女中)、建設労働者といった単純労働の移民も受け入れて
いく考えのようだ。政府の経済財政諮問会議の専門調査会「『選択する未
来』委員会」では、この構想を叩き台に検討しているようである。
2月のこの会合では、石黒不二代氏(ネットイヤーグループ社長)がこう
発言している。
<私の認識では、日本の移民政策は、入り口を止めるとか止めないという
ことであって、移民に対する戦略というものがないような気がしている。
ここ(の会合)でも移民を何となく十把一からげに、何人入ってくるのだ
という議論になっているのが気になる。
私はアメリカに10年ほどいて、自ら永住権を得た経験や、友人のスタン
フォード大学のPhDの人で、NASAから大きな投資を受けていた人には永住
権が容易に与えられた経験、また、移民専門の弁護士との議論の中で得た
知識からお話をすると、例えばアメリカでは恐らく移民の種類を2つに分
けて考えていて、
言葉を選ばないといけないが、1つは経済発展を牽引するような人、極端
な話、財産をたくさん持っている人は移民しやすいし、才能や技術を持っ
た人には優先的に永住権やビザが与えられている。
もう一つは、安価な労働力を提供してくれる人、こういう方々も意外と入
りやすい。もちろん、これらは公に明記はされていないのだが、ある程度
の戦略を持っていると私は感じている。
当然、アメリカでも、移民に対して、国内の雇用は守るというところと対
立するものが多いのだが、究極的には経済成長をさせるというところでの
落としどころが戦略になっていると思うので、日本でも移民に対する戦略
というものを1つ掲げたほうがいいのではないかと考えている>
確かに我々は移民についてあまり考えてこなかった。半島人は元日本人
で、戦後も引き続き日本で暮らしている人は追い出すわけにはいかないか
ら移民(特別在留者)として受け入れざるを得なかったので、「移民=国
民負担増=NO」という考えがあったからだろう。
元々が移民の国である米国以外に移民受け入れで成功した国はほとんどな
い、つまり失敗した国ばかりだから、日本人は移民への拒否感が強いよう
に思う。また、基本的に単一民族で数千年やってきたから他民族への違和
感もある。
「ロシアの声」の記事「日本における外国人労働力 期待とためらい」から――
<人口の高齢化と出産率の低下は、日本において焦眉の問題だ。なぜな
ら、その結果、労働力不足が深刻化するからだ。
元法務官僚で東京入国管理局長を務め、現在、移民政策研究所長である坂
中英徳氏は、移民の受け入れに極めて慎重な日本政府を批判してきた。氏
は、移民1000万人政策を提唱し、移住を推進しないで衰退する「小さな日
本」ではなく、移住を推進する「大きな日本」を目指すべきだと主張して
おり、高齢者や女性の就業を奨励する政策について「どんな犠牲を払って
も移民を避けようと望む政府の必死の試みだ」と捉えている。
日本は実際、あらゆる外国人に門戸を開くつもりはない。政府内では、犯
罪の増加と労働の価値低下を避ける規範の数々が策定されており、それに
従って(移民)候補者が選択されるだろう。公式筋が明らかにしたところ
では、プログラムに含まれるのは、プロフェッショナルな職業的成長に関
心を持つ人達だけだ。
これに関し「東京ロシア人クラブ」のミハイル・モズジェチコフ会長は、
次のようにコメントしてくれた。
「なぜ日本政府が、外国人の国内流入増加を急がないのか、私は理解でき
る。悲しむべき経験があるからだ。20年ほど前、道路建設のため、かなり
多くの人達をイランから受け入れた。しかし彼らは、工事現場である期間
働いた後、帰国せず静かに日本国内に広がり、売春や麻薬犯罪に手を染め
るようになってしまった。また付添看護婦として、1年間働くため入国
し、その後、他の職種に移ることもあった。
そうした例は、枚挙に暇がない。日本に住む外国人は人口の2%に過ぎな
いが、刑務所で外国人が占める割合は20%にも達する。現在、日本におい
て外国人労働者に対する偏見は、政治的で正しくないものであるかもしれ
ないが、それなりに完全に現実的な根拠も持っている」
現在、日本の人口は1億2700万人で、労働ビザを持つ外国人の数は72万人
だ。今の所、外国人が働けるのは、研究者や講師、音楽家そしてコックな
どユニークな専門性を持った極めて限られた領域である。もっとも、しば
しば他の領域で働ける抜け道は、あるにはあるのだが…>
単純労働の移民受け入れは問題が大きすぎる。産経新聞論説委員・河合雅
司氏がこう警鐘を鳴らしている。
<人口減少下で移民を大量に受け入れる政策とは、人口規模の維持と引き
替えに、われわれ日本人が少数派になるのを許容することなのである。
それは、日本という国を現在とは全く異なる「別の国家」にすることに他
ならない。われわは、移民政策を考える時、日本人のほうがマイノリ
ティーになる社会とはどんな社会なのかを想像する必要がある。
「反日」国家が組織的に送り出してくることにでもなればどうなるのか、
警戒を怠るわけにはいかない。移民政策とは、安全保障に直結する問題で
もあることを知らなければならない>(月刊正論6月号)
単純労働の移民を受け入れると国柄まで変わり、やがては国体まで変わり
かねない。
人材派遣業の竹中平蔵・パソナ会長にとって移民拡大で“持ち駒”が増える
ことは歓迎だ。昨年7月に「東洋経済」の取材にこう答えている。
<移民というと、一般の方々は直感的な反発を持ちますが、オーストラリ
アやアメリカの例を見ても、成長戦略を議論するときには必ず最初に移民
が出てきます。これは当たり前の話です。
日本は2050年までに、3200万人の人口がなくなります。3200万人というと
カナダの人口です。この国から、カナダの人口がいなくなるわけです。
2030年を超えると毎年100万人がいなくなります。100万人というと、私の
出身の和歌山県の人口です。ひとつの県が毎年なくなっていきます。ちゃ
んとした労働力を加えていかないと、それだけの人口減少に(日本)は耐
えられません。
私が教え子の女性に「何が欲しいか」ときくと、まず「メイド」と答えま
す。メイドがいれば、女性が仕事に専念できますし、女性の職業参加率も
高まるはずです。移民の問題は今回突破できませんでしたが、どこかで向
き合う必要があります。今すぐ移民を入れようという話ではないですが、
少なくとも議論は始めないといけません>
家事・育児という大事な仕事を外国人メイドに任せろというのは、経済が
上向きさえすればすべてよし的な市場開放・構造改革論者の竹中氏ならで
はの言葉だ。ヒト、モノ、カネの移動を自由にせよ、グローバル化を進め
よというわけだが、氏はご存じないのだろうか、豪州では白人と移民との
対立が目立つようになった。低賃金でも働く移民が、白人の雇用を奪って
いるという問題がある。欧州各国でも同様だろう。
英国では一つの街がイスラム系移民に占拠され、治安の悪化が激しいとい
う。先住民が逃げ出したのだ。またノルウェーの学力低下は著しい。移民
の子供の教育レベルが低いからだ。今ではスイスもカナダもニュージーラ
ンドも移民制限に傾き始めた。
いたずらな移民の拡大は問題が大きすぎる。高度な能力を持つ人のみを受
け入れるのか、単純労働も受け入れるのか、しっかりした議論が必要だ。
間違えるととんでもないことになる。
■7月7日(月)。朝は室温24度、降ったり止んだり。
「現代コリア」7/4に野副伸一氏が「政治家・朴槿恵再考」をアップして
いる。とても勉強になった。以下ごく一部を転載。
・・・
今回の(コラム)レーダーでは、朴槿恵大統領を改めて俎上に載せ、色々
と考えてみたい。2012年12月の大統領選挙で、朴槿恵候補が勝利した時、
韓国に関心のある日本人の多くはほっとし、今後の日韓関係はよりスムー
ズに明るくなっていくのではないかと期待もしたのではなかろうか。筆者
もそんな日本人の一人であった。
しかし朴大統領が打ち出してきた対日政策は理解も、ましてや共感も全く
しにくいものであった。自分自身の不明を恥ずるしかなかった。政治家・
朴槿恵の人物研究の必要性に改めて気づかされた。
その意味で、筆者がかねてから注目していたのが7年前に出版されていた
朴槿恵の自叙伝(邦訳『絶望は私を鍛え、希望は私を動かす』、晩声社、
2012年2月刊)である。筆者は12年の3月に翻訳本で『自叙伝』を一度読ん
ではいる。この時の印象は良く、「彼女は育ちが良く、大丈夫だろう」と
いう、楽天的なものであった。問題意識が弱かったせいでもあろう。
今回は、特に二つの点に関心を絞って『自叙伝』を読み直してみた。第一
が、朴槿恵の反日的行動の原因はどこにあるのかという点、第二はどうし
て彼女は「不通(人間関係がぎくしゃくしている)」なのか、である。
(中略)
(自叙伝の)第五章「私の信念は世界の舞台で継続する」では、これまで
朴槿恵が行った外交活動、それを支える哲学、各国指導者との交流の様子
が紹介されている。朴が「外国訪問の日程を決めるとき、原則としている
ことがある。韓国を助けて下さった方々に感謝の気持ちを伝えることだ」
としている。また「私は北朝鮮の核武装だけは絶対に防がねばならないと
考えている。今もその考えに変わりはない。北朝鮮の核は完全に廃棄され
るべきだ」と強い語調で語っている。
本章では、2006年3月にあった日本訪問についての感想や印象が語られて
いる。
「私は、訪日中、森喜朗前総理、扇千景参議院議長、河野洋平衆議院議
長、安倍晋三官房長官、麻生太郎外務大臣ら、多くの政治家と会った。一
様に日本側の論理で武装した人たちだったが、私は歴史問題を私たちの世
代で解決せねばならず、後の世代に負担をかけてはいけないと述べた。
面談はすべて予定時間の二倍を大幅に越え、真剣に話し合った。歴史問題
さえ除けば、経済、外交、韓日交流など各分野での考えを一致させられ
た。やはり、歴史問題を解決できなければ、韓日両国は無限の可能性を
持ってはいるが、一歩たりとも先に進めないことを証明した場でもあっ
た。特に、小泉総理との対話ではこうした感じをいっそう強くした」とし
ている。
日本との交流の最後に、朴は扇千景参議院議長の「近くても遠い国ではな
く、近くて近い国にしましょう」という言葉を紹介し、「私(朴)を含
め、(それは)韓国国民が望むところである。お互いに頻繁に会い、率直
に語り合えば、結果として信頼が積み重なっていくと信じる」で結んでいる。
筆者は自身の問いに答える必要があろう。まず第一の疑問、即ち朴槿恵大
統領の反日政策の原因はどこにあるのだろうか、について。
『自叙伝』の内容からは、はっきりしない。敢えて言えば、日本の政界
リーダーとの対話で明らかなように、朴槿恵は「日韓の歴史認識は一致す
べきである」と思っているのに対し、日本側では「歴史認識は国によって
違ってしかるべきである」と思っている人が多かったのではないか。だか
ら朴が期待するような意見の一致が見られなかったのである。それが朴の
対日強硬姿勢の原因になっているようだ。
『自叙伝』で興味深かったのは、朴槿恵が英語、フランス語、スペイン
語、そして中国語に強い関心を表明しているのに、日本語への関心には全
く言及がなかったことである。朴槿恵の反日政策に韓国政府が推進した反
日教育の存在が大きな役割をしているという見方があるが、それは間違い
ないであろう。
しかしそういった反日教育を受けた世代でも、60年代、70年代までは日本
語への関心は大変高かった。それ故、朴の日本語への関心のなさは逆に興
味が注がれるのである。何か日本語に対し、屈折した感情があるのではな
いか。
第二の疑問点、即ちどうして朴槿恵は「不通(人間関係がぎくしゃくして
いる)」なのか、について。筆者は昨年(2013年)3月、ソウルに現地調
査に行った。その折現地で話題になったのが、前年12月にスタートした安
倍晋三政権と前月スタートしたばかりの朴槿恵政権の違いであった。
安倍政権はデフレ脱却のため果敢な金融緩和政策を推進、その結果円安が
推進され、株価も大きく上昇するなど、日本社会には久々の明るいムード
が広がっていた。
それに対し“準備された大統領”を標榜する朴槿恵政権は、政権発足当初に
あるはずの盛り上がりに大きく欠けていた。この点は筆者にとって意外な
点でもあった。
その原因の一つとして指摘されたことは、朴槿恵大統領が論功賞(論功行
賞)人事を一切やっていないことにあった。朴大統領は当選に功労のあっ
た“一等功臣”を全く登用しなかった。朴のシンクタンクと見られていた国
家未来研究院からも誰も重要ポストに採用されなかった。その結果政権発
足時の支持率は49%と低く、歴代最低を記録している。
ソウルで聞いた話を総合すると、朴槿恵政権の躓きは彼女の性格から来る
という見方が強かった。朴正熙の娘として極めて限られた空間の中で育
ち、両親の死の衝撃、孤独、独断専行、協調性に欠ける性格、等が災いし
ていると見られていた。
筆者にとって、これは大きな驚きでもあった。論功賞人事といった常識的
な対応がどうしてできないのであろうか。『自叙伝』を読む限り、そう
いった印象は弱いのであるが、父親の死後の全斗煥政権の対応、身近な人
の裏切り等がトラウマとして朴槿恵大統領には残っているのかも知れない。
朝鮮日報の報道では、朴大統領は青瓦台で夕食を一人でとることが多いと
いう。折角優秀な料理人を抱えているはずだから、色々な分野の人をどん
どん呼んで交流をすれば良いのにというのが筆者の素朴な感想でもあっ
た。朴大統領はそれをやっていないことが加藤達也のエッセイ「朴槿恵
『反日大統領』の深い孤独」(『文藝春秋』2014年4月号)でも言及され
ている。
朴槿恵の人となりを理解するうえで、興味深い記事がある。それは与党の
元老政治家崔秉烈元ハンナラ党党首が、朝鮮日報と行ったインタビュウ記
事(2014年6月2日)である。同氏は2012年の大統領選挙では朴槿恵候補を
支援する“7人会”のメンバーでもあった。インタビュウは6月4日の統一地
方選挙の直前に報じられた。
「殆ど国政は漂流状態で混沌とした状況のようです」とのインタビュウ
アーの問いかけに対し、同氏は「その通りです」と同意しながら、「友達
と会えば“大変だ”という言葉だけです」と打ち明ける。
「国政の最高責任者が大統領ですから混沌の最終責任は大統領にあると
いって良いでしょう。このまま行くと本当に心配な状況に直面することに
なるでしょうから、大統領や参謀達は腕まくりして出なくてはいけませ
ん」と注文を付ける。
「(朴槿恵は)大統領になる前は我々と食事も一緒にして気安くジョーク
も飛ばしながら過ごしましたよ。しかし青瓦台に入って変わってしまいま
したね。怖い人です。メンバーの何人かは大統領と会っていません…。
大統領自ら雰囲気を変えなければ。外の人たちを呼んで、あれやこれや話
をする余裕をちょっとでも持てばと思います。夕食の席に批判的な言論人
を呼んで直接話を聞いて見て、そうすれば何か通じることになるのではな
いか。それが本人の精神衛生にも良いのではないですか」と語る。
セウォル号事件以降、韓国社会を大きく覆っている閉塞感を打破するため
には、先ず朴槿恵大統領から変わらなくては駄目というのが、元老政治家
の苦言でもある。(以上)
・・・
平井思うに歴史認識は、日共や社民のようなイデオロギー政党以外はテン
デンバラバラだ。党が異なれば当然、歴史認識は違うし、自民党内でも左
から右までバラバラ。国や民族が異なれば正反対の解釈があっても当然だ。
運命共同体の夫婦でさえもそうで、たとえば安倍氏と夫人は正反対ではな
いか。朴はなぜ「歴史問題を解決できなければ、韓日両国は一歩たりとも
先に進めない」と思うのか。
思うに、朴は社会経験がないからではないか。揉まれたことがない。嫌な
奴とも付き合わざるを得ない、不愉快でもニコニコする、そういう修業に
より人は角が取れるのだが、朴はその機会がなかったのだろう。角栄の娘
のように他者は「敵か味方か下男下女」で、朴は敵とは口をきかない、味
方にも不信感を持っているから「不通」になる。結局周りにまともな人材
がいなくなる。
朴はリケ女で大学を首席で卒業した。理系は1+1=2以外は認めないのだ
ろうが、文系は「まあ2が普通だろうけれど、中韓の連携なんて安保上は
-2になりかねないわなあ」なんて思う。こういう多角的視点というかア
バウトさを純粋(単純素朴?)な朴は許せないのかもしれない。
自立する力がないという自国の現実を見ないで「独立させてくれなかっ
た」と、日本を逆恨みした安重根の蒙昧に似ている感じがする。韓国民は
どうも単純思考が過ぎるようだ。
「韓国を強国に変えた男 朴正煕」などの著書がある評論家の河信基氏は
こう語っている。
「留学中に韓国で文世光事件が起き、母親が暗殺された。帰国して父親の
ファーストレディーを務めていたが、5年後の27歳のときに、その父親も
暗殺された。
多感な娘時代、それだけでも衝撃ですが、青瓦台(官邸)を去るや、それ
までチヤホヤしていた父親の部下たちが急に冷たくなった。それがショッ
クで、以降、人間不信に陥ったのです」(日刊ゲンダイ4/6)
朴自身も2006年5月には遊説中に男にカッターナイフで切り付けられ、右
耳下から顎にかけて10センチの傷を負い60針縫う手術を受けた。人間不信
はさらに高じただろう。
韓国は憲法の上に「国民感情法」があるという国柄だから、選挙に勝って
政権を維持するために、朴は反日踊りを倒れるまで踊るしかない。今回の
習近平訪韓では、韓国メディア=国民は「日本叩きがほとんどない!」と
怒っているそうだ。
朴や韓国民につける薬はなく、日韓友好も永遠にない。日本人の多くは
「もう彼らと付き合わなくていいんだ」と清々している。
朴はせいぜい「困ったときの反日カード」の在庫を切らさないことだが、
下手を打つと“日朝接近”を促して南北から挟撃されかねないから、当分は
動けまい。手詰まりということ。
誰も愛さず、誰からも愛されず・・・孤高のリケ女宰相の落日は迫っている。
■7月8日(火)。朝は室温26度、快晴、強い日射し、暑くなりそうだ。
Record China 7月4日の報道――
・・・
2014年7月2日、(カナダの)華字メディア・明鏡新聞は、評論家の趙楚氏
による「日中はどちらも普通の国になるべき」と題した記事を掲載した。
普通の国となった日本を帝国主義日本と同一視できる証拠はなく、普通の
国となる必要性は中国の方が高いと主張している。以下はその内容。
<日本は戦後一貫して敗戦体制の束縛の下にあり、その独特な国際的地位
の象徴として、日本国憲法第9条の掲げる「集団的自衛権の放棄」(原文
ママ)がある。この独特の政治状態、日本でいう「普通でない国」の状態
は、敗戦体制における控えめな自称であった。
ソ連の脅威の消滅と中国の台頭によって、米国がアジアに割く力の配分は
すでに縮小し、第二次大戦後の体制はアジア太平洋、西太平洋でその客観
的基礎を完全に失ってしまっている。
日本は法的、政治的に歴史から脱却し、自らのために現実と未来の中で立
場を手にしようとしている。その情熱自体は理解できなくはない。そし
て、普通の国と化す日本を戦前の軍国主義の帝国日本と同一視できるとい
う確かな証拠はどこにも存在しない。
日本の再武装と普通の国化は、日米同盟に亀裂が入ることの象徴ではな
く、反対に、中国の台頭を背景として、日米の戦略的協力がさらに深まっ
たことの成果だと言える。
中国の国内事情を見てみると、長きにわたって社会と政治のモデルチェン
ジを成し遂げることができず、社会の矛盾と政治的安全の問題の激化とい
う危機感の下で、対外政策における政治と経済の乖離(かいり)がいっそ
う激しくなっている。
天安門事件以降、指導者たちは天文学的な資源を投じて、対内的には警察
国家化した管理を行っているが、内政での(強権・抑圧的な)方針と国際
政策における平和宣言が、矛盾した国であるというイメージを生んでいる。
このような矛盾のために、経済分野での幅広い恩恵的な施策も信頼と友情
を勝ち取ることができず、対外拡張の野心だとみなされている。いずれ
も、中国が普通でない国としての道を選んだ戦略的ミスによるものだ。
悲しいことに、国内の指導者は悲痛なナショナリズムの動きを容認、支持
し、このような誤った戦略に対してあるべき反省ができていない。そのた
め、そういった意味からも、中国が普通の国になる必要性は日本よりも高
く、これはもはや国家として避けることのできない責務であるといえる>
(以上)
・・・
そう言えば昨日は盧溝橋事件の日だった。中共は人民網7/6で「77年前の7
月7日、日本は中国で盧溝橋事件を引き起こした」と吠え、こう紹介して
いる。
<服部良一元衆議院議員は、「憲法第9条は日本のアジアや世界に対す
る、二度と戦争を起こさないという約束だ。安倍内閣が集団的自衛権を解
禁したことや、実質的に憲法第9条を破壊するさまざまな動きに断固反対
する」と話す>
服部良一は社民党のアカ、2012年12月の総選挙で落選している。
言うまでもなく盧溝橋事件は日本ではなく中共が、日本軍と国民党軍を噛
み合わせるために引き起こしたのである。
<サーチナ(2009年5月15日付)によると、広東省の地元紙「羊城晩報」
に掲載された論説で、「中国共産党陰謀説は荒唐無稽な説」としながらも
「劉少奇が盧溝橋事件を起こした」「劉少奇が盧溝橋で、日本軍と戦っ
た」との記述が、共産党支配区域で配られた「戦士政治読本」と言うパン
フレットに確かに書かれていると伝えている。
ただし、これは中国共産党がプロパガンダのために嘘の戦功を書いたので
あって「われわれ中国人の伝統的ないい加減さ」を指摘する論旨であり、
このような嘘がかえって自分達の主張の信憑性を貶めていると結んでい
る>(ウィキ)
語るに落ちるとはこのことか。「中国人はいい加減で信憑性を貶めてい
る」、その通り。中共は自分に都合が悪いことは「あれは嘘だった」「日
本がやったのだ」と今さら言ったところで、嘘八百の体質は最早世界が
知っている。ベトナム漁船が中国海警船や中国海上民兵船に体当たりされ
た映像は瞬く間に世界中に拡散した。
中共の友好国は韓国だけ。ともに「普通の国」になりはしない。無理心中
して世界の平和に貢献してくれ。(2014/7/8)