つまり房嶺輝が独断で強硬発言をしているわけではなく、
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年6月26日(木曜日)
通巻第4281号
(読者の声2)けさ(6月26日)の産経新聞コラムに石平さんが「軍が習政
権を乗っ取った」として、多くの政策の最終決定権は軍に移行しており、
房嶺輝・総参謀長が実験を握っているのだと推測していますが、この分析
をいかに思われますか。
(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)房嶺輝は新彊ウィグル自治区から蘭州軍区、そし
て広州軍区から北京の首都防衛に携わり、2009年国慶節の軍事パレードを
所管した。胡錦涛のとなりに立って軍事パレードを閲兵し、胡錦涛の覚え
愛でたきを得て大将となった、きっすいの軍人。
政治の方向性は総政治部長の張陽(張震の息子)が所管し、軍事委員会は
その上に副主席の許基亮と氾長龍がいます。トップはもちろん習近平です。
つまり房嶺輝が独断で強硬発言をしているわけではなく、軍事委員会の総
意を総参謀部長が代弁したというかたちになります。房に関しての詳細は
拙著『中国を動かす百人』(双葉社、235p)をご参照下さい。
軍のなかの強硬派(「反日四天王」は羅援、朱成虎、熊光偕、劉亜州)は
いずれも閑職に追いやられています)。