長崎の浦上地区(現・長崎市)の隠れキリシタンが隠し持っていた絵
隠れキリシタンの絵、パリから150年ぶり返還
2014年05月28日 11時32分
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カトリック長崎大司教区に返還される絵画
江戸幕府によるキリシタン弾圧が続いていた1860年代後半、信仰を守り続けた長崎の浦上地区(現・長崎市)の隠れキリシタンがフランス人神父に託し、パリで保管されていた水彩画が、約150年ぶりにカトリック長崎大司教区(長崎市)に返還される。
29日、長崎市のカトリック中町教会で返還式が行われる。
浦上地区の隠れキリシタンは約250年間にわたって信仰を守り、1865年、長崎市の大浦天主堂で、フランス人のプチジャン神父に信仰を告白した。この「信徒発見」は宗教史上の奇跡と呼ばれている。
大司教区によると、水彩画は縦約63センチ、幅約40センチ。
日本で描かれたものか、海外から持ち込まれたものかは不明だが、中央に聖母マリア、周囲にはアッシジの聖フランチェスコや聖女らが描かれている。
信徒発見の後、別のフランス人神父が隠れキリシタンから絵を預かり、プチジャン神父がヨーロッパに運んだ。
浦上地区では信徒発見後の1867年、3000人以上の信者が全国に流され、拷問された大弾圧「浦上四番崩れ」が発生。信者が使っていたロザリオやメダルなどが長崎奉行所に押収され、残った資料も多くは長崎原爆で消失した。
絵の存在はプチジャン神父の書簡によって知られていたが、保管場所は分かっていなかった。
2、3年前、フランス人女性の調査でパリのカプチン・フランシスコ修道会フランス管区本部で保管されていることが判明。
長崎大司教区の高見三明大司教が昨年、パリ外国宣教会を通じて返還を求め、無償で応じてもらえることになった。
高見大司教は「絵が残っていたのは奇跡だ。大事に展示したい」と話している。
2014年05月28日 11時32分 Copyright c The Yomiuri Shimbun