ベトナムの漁船沈没、中国側が「危険行為」
「石油施設、中国船100隻」南シナ海一触即発
読売新聞 5月28日(水)7時27分配信
【南シナ海パラセル(西沙)諸島沖=丸山修】中国の石油掘削にベトナムが強く反発し、両国間の対立の火種となっている南シナ海・パラセル(西沙)諸島。ベトナムの沿岸警備隊の巡視船に同乗し、27日、現場海域に入った。
巨大な掘削施設の前では、双方で100隻を超える中国船とベトナム船がにらみ合い、一触即発の状態が続いていた。
27日昼、気温30度を超える暑さの中、18キロ・メートル先に、黒っぽい掘削施設が浮かび上がった。双眼鏡で見ると、巨大な要塞のような施設の前に、多くの中国船が浮かんでいた。作業のため施設が動くたびに、要塞を守るかのように位置を変えていた。少し離れた所にベトナム船が見えた。中国船の動きに合わせ、方向を変えていた。
「中国船は100隻、我々は30隻だ。常に中国船が上回っている」。沿岸警備隊の幹部が説明した。
ベトナム中部ダナンを出港してから約12時間後、約350キロ・メートル沖合のパラセル諸島で目にした光景だった。
沿岸警備隊の幹部、ホアン・クオク・ダト氏によると、中国船は、海軍の艦船、漁船、貨物船、中国海警局(海上保安庁に相当)の公船で、半径10キロ・メートル以内に掘削施設を取り囲むように展開し、5キロ・メートル離れた所にベトナム船が対峙(たいじ)している。ベトナムの漁船が26日に中国の漁船に体当たりされ、沈没した海域に近い。
中国が5月2日、この海域で掘削作業を始めてから、両国の緊張が続く。ベトナム側は30隻体制で、現場海域を2週間近くパトロールした後、給油のために帰港している。
別の巡視船のホアン・トゥアン・アイン船長は先週、船を掘削施設に近づけ、スピーカーで「ベトナムの排他的経済水域(EEZ)である」と警告した。だが、中国船が何の前触れもなく、体当たりしてきたという。船長は「中国は目的のためなら手段を問わず暴力的だ」と憤っていた。
乗組員によると、中国船は2隻でベトナム船を挟み撃ちして放水したり、夜間に突然衝突してきたり、最近、行動を過激化させている。ダナンには艦船を修理する軍施設がある。乗組員は「最近は船が頻繁に損傷するため、ダナンへの寄港が増えた」と打ち明けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140527-00050168-yom-int
ベトナムの漁船沈没、中国側が「危険行為」を非難
CNN.co.jp 5月28日(水)11時49分配信
(CNN) 中国とベトナムが領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で26日、ベトナムの漁船が中国船と衝突して沈没した問題で、中国外務省の報道官は27日、ベトナム船による「危険行為」が原因だと非難した。
両国の関係は、中国がパラセル諸島付近で石油掘削作業に着手したことをきっかけに、悪化の一途をたどっている。
中国外務省の秦剛報道官は27日の会見で、沈没したベトナム船は掘削作業の妨害を図って現場に侵入し、中国の漁船に突っ込んだと説明。「ベトナムに対し、こうした破壊的活動の即時停止を改めて求める」と述べた。
これに対してベトナム沿岸警備隊の幹部は27日、CNNとのインタビューで、ベトナム船からは「中国船に衝突された」との通報があったと指摘した。
沈没した船の乗組員10人は、近くのベトナム漁船や巡視船に救助された。
ベトナム当局者らは、中国の軍や民間の船が同諸島付近でベトナム船への体当たりや放水銃の発射を繰り返していると非難。一方で中国側は石油掘削作業の合法性を主張し、挑発しているのはベトナム側との立場を貫いている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140528-35048549-cnn-int
中国・ベトナム100隻、放水・衝突繰り返す 記者目撃
朝日新聞デジタル 5月28日(水)11時18分配信
ベトナムの漁業監視船(右)を追跡しながら放水する中国海警の公船=28日朝、西沙諸島近海、葛谷晋吾撮影
中国が石油掘削活動を続ける南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島近海で28日早朝、中国海警の船がベトナム漁業監視船に放水した。記者が近くを航行中のベトナム海上警察の巡視船上から目撃した。
午前5時50分(日本時間午前7時50分)、大型の中国海警の公船から放水銃が放たれ、右手にいたベトナム漁業監視船に大量の水がかけられた。監視船が逃げるのを追いかけるように、放水は約25分間続いた。
現場周辺では100隻以上の両国船が集まり、互いに相手を海域から追い出そうと、放水や接近、衝突を繰り返している。(西沙諸島近海=佐々木学、写真・葛谷晋吾)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140528-00000020-asahi-int