中国のイナゴの大群は次、どこへ
中国のイナゴの大群は次、どこへ
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年5月16日(金曜日)弐
通巻第4234号
カナダ政府、中国からの移民締め出しへ動く
豪州もダメなら、中国のイナゴの大群は次、どこへ向かうか
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イナゴの大群がつぎに向かう先として、意外な国々のリストがでてきた。
ラトビア、キプロス、スロバキアである。
スロバキア(斯洛伐克)は15万ユーロ(2100万円)で不動産を購入する中
国人は「投資移民」として歓迎され、滞在ビザは何回でも更新できる。そ
して5年間居住すると永住権を獲得できる。ただし、5年6ヶ月後にスロ
バキア語の言語試験が行われる。
スロバキアはチェコから分離してからというもの、農業・牧畜以外、これ
という産業もなく経済力も薄く、観光客も殆ど寄りつかず、誰もが見向き
もしない国と考えるのは日本人くらい。
同国はEUの加盟国であり、EUメンバーは域内どこへでも出入り自由で
ある。この利点を生かさないことはない。そのうえ医療が優遇され、学校
教育は唯に近い。中国人は目の色を変えた。
キプロス(塞裏路斯)は、30万ユーロ(4200万円)の投資が必要だが、永
住権がすぐにもらえる。だからEUからはみ出したアングラマネーのファ
ンドや、ロシアのマフィアが多く、治安は悪い。
申請書類には資金の由来も書かなくて良い。キプロス国籍のパスポートさ
え持っていれば、世界84ヶ国がノー・ヴィザで入国できる。
しかも国籍取得に言語の必要性がないという恵まれた条件だ。
これまでこのキプロスの特典をフルに利用したのはロシアだったが、いま
や中国人の投資ブームが湧いている。
ハンガリーは15万ユーロ。条件はスロバキアと同じ。
さてラトビア(拉脱維亜)だが、首都のリガなら10万ラダ(邦貨換算で
2000万円前後)、地方都市なら5万ラダさえ出せば、5年間の居住権を取
得できる。あるいは不動産でなく、20万ラダを最低5年間の定期預金にし
ても良い。
ニュージーランドも、移民のトップにインドを超えて中国人が出てきた。
かくてカナダから追い出され(制限が強化されたため4万6千人の中国人の
「投資移民」申請がペンディングとなっている)、豪も規制強化に踏み切
る動きがある。
今週の『週刊新潮』でも筆者がコメントしているが、「460万のシドニー
に中国人が40-50万、あれはシナニーだ、という冗談も聞こえる」のである。
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◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆
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サラエボの銃弾は戦争の切っ掛けでしかなかった
第一次世界大戦の実相は歴史の後知恵、講釈では解けない謎があるのだ
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別宮暖朗『第1次大戦陸戦史』(並木書房)
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1914年6月のサラエボ事件に端を発した第1次世界大戦は、30カ国以上が
参戦し、ヨーロッパを主戦場に4年3カ月も続く史上初の総力戦だった。
戦車、機関銃、飛行機、毒ガス、潜水艦などの近代兵器が初めて戦場で本
格的に使われ、延べ6500万人の将兵が動員された。兵士たちは凍てつく大
地や泥濘の塹壕で戦い、860万人の戦死者を出し、民間人の犠牲者はさら
にそれを上回った。
戦争はいかに始まり、どのように戦われ、ヨーロッパに何をもたらしたの
か?
開戦経緯から各国の戦争計画、主要会戦の実相、終戦まで、多くの戦争指
導者に焦点をあてながら明らかにする。長年研究を続けてきた著者が膨大
な資料をもとに知られざる第1次大戦の全容に迫る。開戦100周年記念出
版である
安倍晋三首相は、今年1月に開催された世界経済フォーラム(ダボス会
議)で、現在の日中関係の緊張を、第1次世界大戦前の英国とドイツの対
立関係になぞらえて発言し、大きな話題を呼んだ。
欧米系メディアは歪曲した伝えため、誤解の向きがまだあるが、第1次大
戦の開戦経緯を知れば知るほど、首相の発言は決して的外れではないこと
が分かる。
1914年6月28日、オーストリアの皇太子夫妻が、サラエボでセルビア人の
青年に暗殺された。
ヨーロッパの火薬庫といわれたバルカン半島で発生したテロ事件が、人類
初の世界規模の戦争へと発展し、市民を巻き込んだ大被害をヨーロッパに
もたらした。
しかし、サラエボ事件が大戦の直接の引き金になった訳ではない。事件か
ら1カ月後の7月28日に、オーストリアがセルビアに宣戦布告したことで
事態が大きく動いたのだ。
7月30日、こんどはロシアのニコライ2世がサラエボ側に立って総動員を
下令した。このロシアの総動員こそが世界大戦の直接の引き金となった。
当時、ヨーロッパは5大国(イギリス・フランス・ロシア・ドイツ・オー
ストリア)が君臨し、この5大国は露仏同盟と独墺同盟をそれぞれ結んで
いた。もし戦争になればドイツはロシアとフランスの二正面作戦を余儀な
くされる。
ロシアの総動員を知ったドイツは翌8月1日、事前戦争計画『シュリー
フェンプラン』を発動し、4日にはベルギーに侵攻した。まずフランスを
叩き、それからロシアと戦うというのがドイツの計画だった。そして同じ
4日、イギリスがドイツに宣戦布告し、以後4年3カ月にわたる総力戦が
始まったのだ。
もともとオーストリアのベルヒトルト外相は、セルビアとの局地戦を意図
していたが、事態はその思惑をはるかに越え、初の世界大戦となった。
という風に考えると現在のウクライナ情勢や、南シナ海・東シナ海におけ
る中国と周辺国の軋轢がなにかのきっかけで大戦争にならないとも限らな
いだろう。
第1次世界大戦はいかに始まり、どのように戦われ、ヨーロッパに何をも
たらしたのか?
本書は、開戦経緯から各国の戦争計画、主要会戦の実相、終戦まで、多く
の戦争指導者に焦点をあてながら明らかにしている。
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1079回】
「そして治療は労働者は全部無料ですよ」(木下7)
「近くて遠い国、北鮮」(木下順二『世界の旅 8』中央公論社 昭和38年)
▽
ここで、再び木下に戻る。
木下は座談会に出席している20歳前後の娘たちから、「一人一人手短に身
の上話」を聞いた。金日成の大ウソにすっかり騙され、金王朝の奴隷と化
し、油まみれになって働いている彼女らは、「ほとんど例外なしに、解放
前の貧農の娘さんたち」だったそうな。
たとえば「眼の前で両親を、アメリカ兵と韓国治安隊員に殺されたという
19の少女」がいたが、その「16と15になる彼女の弟たちは、今それぞれ
ルーマニアと中国へ勉強にやってもらっているという」。また「1950年に
この北部に来て、いま模範労働者と幸福な結婚をしているという人」もい
たとのこと。
忠実な自動筆記機と化した木下は、座談会での話を記し続ける。
彼女らの「現在の境遇は、客観的に見てたしかにきわめて恵まれたもの」
であり、「みな寄宿舎にはいっているが、食費と日用品が全収入の大体20
パーセント強。あとの80パーセント弱は使いようがないから結婚のための
貯金と家への送金にあてている」。
「国家から無償配給が、年間作業靴と作業着4、ふつうの服2、それにふ
つうの靴がつき、ほかに軍手12、石けん12というのです。地下工場である
ゆえに、給与はほかより30パーセント多く、そして毎月牛肉1キロ、油2
キロの特配がある」だけでなく、さらに生産現場では労働者の「改良創意
に対して奨励金が出される」
まさに至れり尽くせり。金日成の北朝鮮を“地上の楽園”とは、よくぞいっ
たものだ。しかも、である。いうに事欠いてか木下は、娘たちの話を「嘘
だと思えません」と自信を込めて記す始末だ。
だが、それしても、収入の20%だけで生活が維持でき、残りの80%を貯蓄
やら親元への送金に回せるなどとは荒唐無稽に過ぎやしないかい。ウソも
程々に。
ここで疑問が2つ。
先ずは戦争が終わって米軍の爆撃がなくなったわけだから、地下工場を維
持すべき特段の理由はないはず。加えて「地下工場であるゆえに、給与は
ほかより30パーセント多」ということは、単純に考えて生産コストが30%
余計にかかる。つまりムダということ。
ならば、工場設備を地上に移しコスト削減をすべきだと思うが、これも
「金日成首相のことばを守れば必ずいい結果が生めるという確信」のゆえ
なのか。
次の疑問は、北朝鮮が金日成時代の“地上の楽園”から、息子の金正日や孫
の正恩の“生き地獄”に転落してしまった原因である。だが、この疑問はそ
もそも最初から成り立たない。
なぜなら、金一族がでっち上げた北朝鮮は最初から“生き地獄”だったから
である。であればこそ、日本社会に“地上の楽園”のイメージを振りまく詐
術に加担した木下の罪は重い。いや永劫に消えない。
「ぼくが日本の事情を少し話し」た。
「その中で次の2つのことが、彼女らは全く理解できずにキョトンとして
いた」そうだ。「一、日本の紡績の娘さんたちも、ほとんどが貧しい農家
から来ているが、自分たちの貧しさを恥ずかしいこととしてお互いにかく
しあっている」ことであり、「二、日本の女子労働者のなかからは、一台
の機械でつながっているグループが、協力してわからないように能率をさ
げるサボタージュというケースも生まれて来ている。
――この話はてんきり分らない。何となれば、能率をあげることこそが、彼
女ら自身の利益でもあり国家の利益でもあるからだ」と、木下の性懲りも
ないデタラメが続く。
このように書き写しながら腹立たしくもあり、虚しくもなる。というの
は、この文学者のカンバンを下げた木下というゴ仁は、外国、しかも北朝
鮮というデタラメ独裁国家にノコノコと出かけて行って、何が憎くて、か
くも日本を蔑む発言を繰り返すのか。その辺りの木下の性根が「てんきり
分らない」。
北朝鮮に籠絡された・・・そうに違いない。
《QED》
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)6月号のVoiceにコーヘン元イスラエル大使のインタヴュー
が掲載されております。国防のこと等にも触れておられ、貴重な内容だと
思いますが、そのインタヴューがインターネットでも見られるようになり
ましたので、転送させて頂きます。
http://shuchi.php.co.jp/article/1921
(IA生、大阪)
(宮崎正弘のコメント)おりからネタニヤフ首相が来日され、安倍晋三首
相と懇談しました。コーエン大使の中味はご自身が書かれた『国のために
死ぬのは良いことだ』(日新報道、青木偉作訳)のなかに述べられた愛国の
情念について触れており、現在日本人は、この発言をいかに聴いたか、そ
れを知りたいところです。
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(読者の声2)講演会のお知らせです。平成26年6月28日(土)14時から海浜
幕張にて、勉強講演会が開催されます。講師は元警視庁刑事 通訳捜査官
の坂東忠信氏です。近隣はもとより、遠方からの参加も大歓迎であります。
記
講師 坂東忠信先生・(元警視庁刑事・通訳捜査官)
【演題】元通訳捜査官が明かす外国人犯罪の実態
テーマ「国内在日中国人の生活と工作」
【日時】平成26年6月28日(土) 受付13時30分 14時開演 16時30分終了予定
【場所】千葉市幕張勤労市民プラザ(千葉市美浜区若葉3-1-8)
【アクセス】JR京葉線・海浜幕張駅北口 徒歩13分 駐車場有
【参加費資料代】 1.500円
【司会】 自治基本条例に反対する市民の会 永井由紀子副会長
【御来賓】 自治基本条例に反対する市民の会 村田春樹会長他
【主催】 中?塾・真正保守草莽会
【連絡先】 043-375-7535 ・ 090-6534-8780
【メール】sinseihosyuodawara@yahoo.co.jp
坂東忠信先生を囲んで懇親会は 先着18名までです。
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(読者の声3) 貴誌前号(4233号)の「読者の声2」に関連してですが、
拙著「マッカーサーの頚木(くびき)・アメリカへの警告」は安倍さんに
も耳が痛いものです。尖閣に侵略が起きてオバマが在沖米軍すらも出動さ
せないというシチュエーションを設定しました。
「日米同盟」が虚構であったと日本国民が目覚め、同盟関係が終わるとい
うシナリオを組み立て、やがて日本人は核装備を望む。
ぼくの友人で米陸軍大佐だったギリシア系のC氏は、「日本はそろそろ
核弾頭を搭載する潜水艦を一艦でも作るときだよ」と。彼は退職時には、
ペンタゴン法務課勤務だった。
米軍人は、日本がむしろ核装備することを望んでいるのだと。なにしろ米
軍は軍事費の大削減中、沖縄那覇港の原子力空母も要らなくなるわけです
からね。
ところで、ぼくが書いた「胡椒の王様」を下記ブログで公開中です。
http://falcons.blog95.fc2.com/
短編ですのでご笑覧下さい。
ついでながら、ご質問があったので、僕は米国ルイジアナの湖畔に住んで
います。700坪の森の中なので快適ですが、乾燥気味の天候なので、薔薇
が咲き、今は梔子(くちなし)、白蓮が美しいです。
(伊勢ルイジアナ)
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(天安門事件25周年 東京集会 掲示板) 6月4日まで毎日内容が変わ
ります
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「中国のアジア侵略阻止」、中国大使館へ向けて抗議行進が行われます
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5月31日 14時00分 デモ集合 於・三河台公園 (六本木4-2-17)
15時00分 デモ出発 15時45分 笄公園到着、中国大使館前抗議活動
主催 頑張れ日本!全国行動委員会
http://www.ganbare-nippon.net/
TEL 03-5468-9222
◎
♪♪
6・4「東京集会」のお知らせ
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すでにニューヨーク、ワシントンでは抗議行動が開始されています!
あの衝撃の天安門事件〔1989年6月4日〕から四半世紀。ことしは世界各
地で中国共産党の凶暴な独裁政治を糾弾し、自由・民主・法治・人権をも
とめる集会が開催されます。
記
とき 6月4日〔水〕午後6時~8時15分(午後5時半開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 三階大ホール(JR・メトロ「市ヶ
谷」徒歩三分)
http://www.jstc.jp/map/kenshu-mapARCADIA.html
入場(会場分担金) おひとり1000円 (外国人留学生と学生は無料。
ID提示)
<どなたでも、予約なしでご参加いただけます!>
主催 「天安門事件二十五周年 東京集会」実行委員会」
呼びかけ人 黄文雄、石平、相林、ペマ・ギャルポ、宮崎正弘 水島総
共催 「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄 代表)
「国防問題研究会」(玉川博己 代表幹事)
プログラム 天安門事件の犠牲者に黙祷(司会 古川郁絵)
基調講演 石平「私は天安門事件で中国を捨てた」
ゲスト 陳破空(在米、亡命作家)
発言 ペマ・ギャルポ(チベット)、イリハム・マハムディ(ウィグル)
相林(中国)、オルホノド・ダイチン(蒙古)、王明理(台湾)、ベトナム
フィリピン、ミャンマー代表ほか水島総、藤井厳喜、西村幸祐
ならびに国会議員挨拶など・
浄財の送り先 郵便振替 00180(6)486092
名義人 「天安門事件25周年東京集会」