副腎不全の患者さんが注意したい、ストレスと感染症 | 日本のお姉さん

副腎不全の患者さんが注意したい、ストレスと感染症

毎日ステロイドを点滴して喘息の治療をしていた人が、抜歯のストレスに耐え切れず卒倒してしまった。
~~~~~~~
副腎不全の患者さんが注意したい、ストレスと感染症
著者: あせちるこりんさん
http://karadanote.jp/5409
副腎不全とは?
副腎不全という病気をご存知でしょうか?
この病気は、主にステロイド剤の長期間の使用によって、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコドと呼ばれる、抗ストレスホルモン)の分泌が低下することで引き起こされる、重い症状を伴う病気です。糖質コルチコイドは、発熱や手術、精神的苦痛などのストレスが発生したときにそれを抑制する効果があり、生命維持に必須のホルモンだと言われています。これが、例えば長期間ステロイドホルモンを使用していた方(外用薬の使用により自己分泌能力が低下してしまっている状態)が、急にその服用をやめたりすると発熱、倦怠、嘔吐などに続いて痙攣や意識障害などが引き起こされたりする場合があります。
具体的な感染症例とは?
昨年にNHKで放送された、症候診断の番組の中で、このような例の患者さんについて紹介されていた回がありました。ある中年男性は喘息がひどく、ほぼ毎日病院で治療のため点滴を受けていた。そのため症状は緩和し、毎日元気に出社していたが、ある日抜歯をした際に、非常に倦怠感を感じ、その後卒倒してしまった(意識はある)。
これが「急性副腎不全」であると診断されていました。
原因は何か、ということですが、先にご紹介した通り、この2つが原因でした。
1)喘息の治療薬(ステロイド剤)を長期間使用していた→副腎皮質ホルモンの分泌機能低下が起こる
2)抜歯をしていた→生体にとってストレスになり、ホルモン分泌量が数十倍になる
そして、副腎皮質の機能低下により、ホルモンが十分に出ないと、(低血圧、低血糖、吐き気、嘔吐)などを引き起こし、重度の場合、意識が無くなり死亡するというケースもあります。
具体的な治療法は?
副腎不全がすでに生じてしまっている場合は、ステロイド薬を用いることが唯一の治療法となります。投与することで、症状はすみやかに改善します。 まだ副腎不全が発症していない場合、その予防法としては(感染症、小手術、ストレス)などに注意をするということになります。特にステロイド剤を中止して間もないときは十分な注意が必要です。ここでは、その中のひとつ感染症の予防についての対策をご紹介したいと思います。
感染症の予防法とは?
感染症を予防するためには、以下の項目を守ることが重要となります。
<基本的な生活習慣>
・睡眠時間を7時間以上とる
(7時間未満の場合、風邪にかかる確率は3倍になる)
・禁煙を心がける
・1日30分程度の運動を心がける
(運動しない人は、30%程度感染率が上昇)
・控えめな飲酒を心がける
(毎日ワイン1~2杯程度の飲酒は感染率を低下、それ以上はリスクがある)
・休暇は人のタイプによって取るかを決める
(人によっては休暇がストレスになる場合もあるため、強制はしない)
・人間関係の和を広げる
(人数ではなく、社会的な役割による種類の数が1~3種類の人は、6種以上の対人関係を持つ人よりも4倍の感染率になるというデータがある)
<避けるべき場所やポイント>
・風邪をひいた人を避ける
(風邪をひいた人が部屋にいると、表面積の30%にウイルスが付着する)
・手洗いを頻繁にしっかり洗う
・アルコールによる手の消毒を行う
・良く人の手が触れる場所を消毒する(ドアのノブや電気のボタンなど)
・手で顔に触れない
最後に
副腎皮質ホルモンは様々な副作用があるのは良く知られていることで、この薬を使用しないと症状が緩和しないという患者さんはたくさんおられると思います。使用を制限することは難しくても、徐々に減量していく際に他の疾患の原因となるストレスや感染症防止などに対して工夫できる策はあります。
まずは第一歩として、質のいい睡眠を確保すること。睡眠ひとつで、免疫、疲労感はがらりと変わることがある、と言われています。
本記事は、2013-06-06掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
~~~~~~~
気になる病気・症状
副腎疲労症候群の傾向をチェックする!
著者: あせちるこりんさん
http://karadanote.jp/5756
副腎疲労症候群という病気をご存知でしょうか?
この病気は、副腎皮質から分泌される、
・コルチゾル
・アルドステロン
・アンドロジェン
この3種類のホルモンの分泌が低下することにより、慢性疲労のような倦怠感やうつ症状を引き起こす病気のことを言います。
この3種のホルモンのうち、コルチゾルは、ストレスに対応するためのホルモンですが、激しいストレス環境にいる人は、このホルモンの分泌が多過になり副腎が疲労して、その分泌機能が弱まってしまった状態にあります。この症状が重度の人では、ベッドから起き上がれない、といったような慢性疲労と同じような状態になるようです。副腎は、その活動時に大量のビタミンCを消費しますので、(血中濃度の約150倍ものビタミンCが含まれている)、治療の方法としては、高濃度ビタミンCの点滴などが主な方針になるようです。
ここではまず、副腎疲労症候群の徴候のチェックと自宅で出来る検査法のご紹介をしたいと思います。
<副腎疲労症候群のチェックリスト>
1)毎日疲労を感じている
2)朝起きるのが辛い
3)起きた後も倦怠感を感じる
4)食事を抜くと症状がひどくなる
5)しょっぱいものがほしくなる
6)以前よりストレスの処理が出来なくなった
7)物忘れがひどくなった
8)うつ気味である
9)性欲が減退した
10)怪我や病気の治りが遅い
11)立ちくらみがする
12)毎日を過ごすだけで精一杯である
※チェックが5つ以上当てはまった場合は、次の検査を行います。
<自宅で出来る副腎検査(瞳孔チェック)>
この検査方法は、あるクリニックのホームページにて紹介されていた方法です。
(瞳孔に光を当てますので、決められた時間以上の長時間の照射は避けてください)
1)縮瞳テスト(瞳孔の収縮可能時間を測る):
懐中電灯を使用して、鏡を見ながら自分の瞳孔に光を当てます。虹彩が光に反応して収縮しますが、徐々に開いてきます。副腎機能が低下している場合は、この散瞳(瞳孔が開く)は2分以内に起こるとのことです。また、この散瞳は、筋肉が収縮能力を取り戻すまでの30秒~45秒持続するということです。月に一度の検査でも結果が分かるようです。
副腎が回復するにしたがって、縮瞳できる時間は長くなっていきます。
※途中で縮瞳ができなくなることは、軽度では見られず、中から重度の副腎疲労に見られるということです。
2)血圧測定:
血圧測定器がある場合は、血圧によって副腎疲労であるかを見分けることができます。特に気をつけたいのが、「起立性低血圧」とのことです。この症状の方のほとんどが、副腎疲労の徴候があるようです。
通常:起立時の血圧は10-20mmHg上昇。低下であれば、副腎疲労か脱水が疑われる。水分を摂って10分後に再検査をした際、まだ低ければ副腎疲労だということです。
最後に
ここで行った検査は簡易的なものですが、本来の副腎疲労症候群の診断には唾液検査を行うようです。唾液検査を行っている病院はごく限られているようで、また保険も利かないため1万円程度かかってしまいます(郵送検査という方法もあるようです)。しかし、毎日の疲労の正体が分からない、他の検査を行ったけれど全て異常が無かった、という方は診療によってその悩みが改善される場合も考えられますので、一度検討してみることも必要かもしれません。
本記事は、2013-06-12掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。