頂門の一針「対中抑止で“安保連携の輪”確立を」杉浦 正章 | 日本のお姉さん

頂門の一針「対中抑止で“安保連携の輪”確立を」杉浦 正章

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対中抑止で“安保連携の輪”確立を
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杉浦 正章
習近平が「アジア新安全観」でオバマに対峙
上海は厳戒態勢に入っている。日本ではマスコミの怠慢でほとんど報道されないが秋のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議と並んで中国が重視する「アジア信頼醸成措置会議」(CICA)が来週に予定されるからだ。
ロシア、中央アジア、韓国など親中国の国々の首脳、閣僚を集め20,21日に開催される。
注目されるのは中国国家主席・習近平がこの場で米大統領・オバマのリバランス(再均衡)政策に対抗してアジアにおける安保協力の新メカニズム「アジア新安全観」を打ち出すことだ。
ウクライナ問題で米欧諸国から孤立しているロシアのプーチンはこれに乗る可能性が強い。
東南アジア情勢は西沙諸島事件に端を発して、中国対日米基軸による軍事ブロック対峙の様相を一段と強める方向となった。
日米は既に出来つつある対中連携の輪を確立して対抗すべきである。
他国の横っ面をひっぱたいておいて信頼醸成会議でもあるまいが、同会議は1992年カザフスタン大統領が提唱して、24か国がメンバー。
日米などはオブザーバーとして参加する。
西沙諸島で対峙しているベトナムもメンバーであり、このところ中国にすり寄っている韓国は柳吉在(リュ・ギルジェ)統一部長官を出席させる予定だ。
この席で習近平は「アジア新安全観」を打ち出す。
この新安全観について外交部報道官の華春瑩は4月16日の記者会見で、「中国側はCICAでアジアの新安全保障観の確立を推進し、アジアの安全保障と協力の新メカニズムの構築について検討することを希望する」と発言している。
さらに同報道官は「アジアの問題はアジア主導で解決すべきであり、アジアの安全保障もまずアジア諸国自身の協力強化を通じて実現すべきだし、それは完全に可能だとの声を共同で世界に発することを望んでいる」と説明した。
中国側から漏れ来る情報を総合すると習近平は、米国が日米、米豪、米フィリピン、米韓同盟など二国間同盟で中国包囲網を形成しつつあることに対抗して、多国間による安保協力関係を確立したい意図が見られ、信頼醸成会議をその第一歩とするものとみられる。
さらにロシアとの接近を目指す習近平はプーチンとも会談、新安全観への同調を求める。
プーチンは世界的な孤立の中にあり、渡りに舟とばかりに賛同するものとみられる。
もともと西側諸国間では「中ソ軍事同盟」の危険がささやかれており、両国にとっても米欧、東南アジアけん制で大きなメリットがある。
習の狙いはオバマの日、韓、フィリピン、マレーシア歴訪で確立されつつある対中包囲網に反転攻勢をかけるところにある。
日本の一部評論家の中には西沙事件を軍部の独走などと主張する向きが居
るが、これは噴飯物だ。なぜなら石油掘削の発表はオバマ歴訪の4日後で
あり、明らかに米国が手を出しにくい急所を狙っての対米けん制だ。もち
ろん習近平も承知の上での海洋覇権行為だ。
中国はさらに秋のAPEC首脳会議に向けて外交攻勢を強めるものとみられる。ただ中国はフィリピンやベトナムが想像以上に反発したことに戸惑いを見せている。
西沙諸島事件に関する国内の報道も極力抑えており、事態の進展によっては指導部への直撃になることを警戒している。
フィリピンやベトナムの対中強攻策の背景には、オバマのリバランス効果に加えて、首相・安倍晋三が頻繁に東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国を訪問、尖閣問題と南シナ海の問題での共同歩調を訴えたことが想像以上の効果となって現れていることを物語っている。
ASEAN が10日、事実上中国に自制を求める首脳宣言を採択した背景にも
“安倍効果”がうかがえる。
日本がとるべき外交戦略としては、さらにこの安倍路線を進めるしかある
まい。首脳外交が最大のプロパガンダになるのである。日米とも6月4日の
G7首脳会議で対中けん制に動くことは可能である。
しかしアジアにおける主要会議は11月にオーストラリアで開催されるG20首脳会議が対中けん制の大舞台になり得るが、それまでにはまだ時間がある。ぼやぼやしていると中国の外交・軍事攻勢に席巻される恐れがある。
ここは日米主導によりオーストラリア、フィリピン、マレーシアにベトナムなど共通の利害のある諸国をこの夏にも東京かワシントンに集めて安全保障に関する首脳会議を開催すべきではないか。
今後放置すれば中国は南シナ海ばかりでなく東シナ海でもより一層の海洋覇権行為を仕掛けてくることが予想される。
共通の利害を持つ国々が連携の輪を確立することで抑止力を強め、中国の“戦意”をくじいておくことが必要だ。
当面東南アジア情勢は中国対日米を軸に激しい外交・安保上の拮抗(きっこう)段階に入るものと予想される。
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プライドと偏見が交錯する
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加瀬 英明
プチン大統領のロシアって、いったい、どんな国なのだろうか?
正式な名称は、ロシア連邦だ。連邦の傘下に、およそ80の共和国、自治州、自治管区があって、160以上の民族をかかえ、100以上の言語が話されている。
ロシアは先端兵器をつくっているが、他にみるべき工業製品がない。世界で“メイド・イン・ロシア”のラベルがついた消費財を、見かけることはない。私はロシアを、採集・狩猟経済の国と呼んでいる。
外貨を稼ぎだしている産品といったら、石油、天然ガス、キャビア、ウォッカ、貂や、熊の帽子や、毛皮といったように、採集・狩猟経済の時代に属している。
ロシア経済は、うまくいっていない。原油価格が高止りだったあいだは、うけに入っていたものの、このところ振わない。プチン大統領の人気に、翳りが生じるようになっていた。
私はソチ冬季オリンピック大会の開会式の演(だ)し物を、テレビでみて、ロシア人が自国の歴史に強烈な誇りをいだいているのを、あらためて痛感した。
今回、プチン大統領がウクライナから、クリミアを強引には;ぎ取ったのに対して、中華思想に似た大ロシア主義と、しばしば外から侵略を蒙ったことに由来する被害意識と、西側に対する劣等感が入り混じった、ナショナリズムが燃えあがった。
プチン大統領は鶏小屋を狙う、鼬(いたち)のような眼をしている。大統領になった時から、「20世紀の最大の悲劇は、ソ連が解体したことだ」
と、公言してきた。そして中央アジアからウクライナまで網羅する、新ソ連版の「ユーラシア連合」を構築しようとしていた。
プチン大統領をみていると、遠大な計画があるように思えない。出たとこ勝負で、行動する。
2月にウクライナの首都キエフで、せっかく手懐けたヤヌコビッチ大統領を、民衆が立ち上って、追放した。そのために、プチン大統領はウクライナを、丸ごと「ユーラシア連合」に取り込もうとしていたところだったから、かっとなって、ロシア住民が60%以上を占めるクリミアを、ウクライナから切り取ることを決めたのだろう。
ロシアでは、プチン大統領の支持率が急上昇した。
アメリカ、EU(ヨーロッパ連合)が、猛反発した。「新冷戦」といった警告がマスコミを賑わせたが、大企業がロシアに投資しているために、厳しい経済制裁を加えたくないので、プチン大統領の側近たちに、入国ビザを発給しないなどの軽いものになった。
アメリカとEUが恐れているのは、ロシアがクリミアに味をしめて、やはりロシア住民が多い、ウクライナ東部を奪うのではないか、ということだ。そうなったら、「新冷戦」に近い状況が生まれて、ロシアに対してもっと重い制裁を、加えなければならない。
だが、プチン大統領はクリミアを盗んだために、大損したのではないか。
アメリカ、EUがどのように騒ぎ立てても、プチン大統領がクリミアを吐き出すことは、ありえない。
ウクライナは貧しいが、人口が5000万人近い、旧ソ連のなかでもっとも重要な国だ。クリミアを取り上げたために、ウクライナは2度と、親ロシア政権を持つことがあるまい。「ユーラシア連合」は、ウクライナ抜きでは、みすぼらしいものにしかならない。
ロシア連邦の共和国、自治州のなかには、住民投票によって連邦から脱退して、独立したいと願っているところが、いくつもある。クリミアが住民投票によって独立したのを、前例にしたいと思おう。
アメリカのシェール・オイル・ガス革命によって、原油価格が下落してゆくことになるが、ロシアの将来は薄暗い。
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私の「身辺雑記」(102)
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平井 修一
■5月10日(土)。朝は室温21度、快晴、温暖、少し風が強い。
午前中は図書館へ。ニューズウィーク5/13の「制御不能に陥ったウクライナ危機」が興味深かった。
<トーマス・グレアム元米国家安全保障会議ロシア担当は言う。
「米政府は何をすべきか分かっていないからロシアに先を越される。だから身動きできず、まともな政策も打ち出せない」
グレアムは米政府がロシアの世界観を正しく理解できていないと見る。
「私たち(米国民)は、ロシアはなぜ隣国(ウクライナ)の繁栄や民主化に反対するのか」と考えてしまう」。だからキエフの独立広場に集まったデモ隊の反ロシア感情の高さを見誤り、ロシアの強い反応も予想できなかった。
ウクライナが西側諸国との親善回復を図っていることにロシアが腹を立てるのは、領土拡張の野望があるからではなく、自国の安全を懸念するからだ。プーチンはウクライナを支配し、その発展と繁栄に責任を負いたいわけではない。「露骨にロシアと敵対する組織」、つまりNATOにウクライナが加わらないという確約が欲しいだけと(グレアムは)言う。
ウクライナをNATOに加盟させないと保証すればいいと、ロンドン大学の政治学者アナトール・リーベン教授は指摘する。「政治的には難しいが、道義的にも現実的にも極めて望ましいことだ」>
ウクライナの親露派武装勢力はロシア軍関係者(退役軍人?)とそれに従う(武器供与を受ける?)ロシア語系ウクライナ人らしいが、身元を知られたくないという覆面集団だから、国際法上は「便衣兵(ゲリラ)」の非正規軍であり、殺戮しても法的には問題にはならない。
この覆面勢力は、最近はプーチンの思惑通りにはならなくなり、プーチンは手を焼き始めたようである。
ウクライナをロシアと欧米の緩衝地帯にしておきたいというのはロシアの国益だ。欧米もロシアの天然ガスをウクライナ経由で買っているのだから、ウクライナが緩衝地帯として安定していることは国益である。
今回のウクライナ危機の導火線に火をつけたのは親欧米派の野党系組織ユーロマイダンで、ヤヌコーヴィチ大統領を選挙ではなく“革命”で追放したことによる。
ウクライナの今後は「親露派」武装勢力と「反露派」ユーロマイダンという二つの不確実要素から不透明だが、現在でも末期的な経済はロシアがガスの元栓を閉めたら壊滅することは確実だ。欧米、ウクライナ、露の4者が損する。中共だけが「露を取り込む好機」とほくそ笑む。
落としどころはあるのか。欧米とウクライナが「当面はウクライナはNATOに加盟しない。この件についてはウクライナ、欧米、露で3年以内に協議する」とプーチンと手打ちをし、露軍を撤収させるのが現実的だろう。
ロシア革命(1917)の拡大を抑えるためにシベリア出兵した日本が、100年後の今度はウクライナ革命がプーチンの不安を煽らないように仲介したらどうか。
今は欧米、プーチンとも拳の下ろしどころを探っているのだから、双方の面子が立つようにすればいい。安倍は特使を派遣せよ。現実はそう簡単に済む話ではないだろうけれど・・・
図書館でコルトレーンのCD3枚と、軍事・外交評論家の松井茂著「世界軍事学講座」、元・陸自中部方面総監の松島悠佐著「戦争の教科書」を借りた。
帰路にスーパーでチリ産ワイン(1本税別387円、安い、旨い!)を3本と刺身などを買う。とても混んでいた。結構なこと。
■5月11日(日)。朝は室温21度、快晴、初夏の日射し。
「韓国人による恥韓論」の著者シンシアリー氏がブログで「沈没する大韓民国に船長の姿はない」と嘆いている。以下は要約。
・・・
セウォル号についてもっとも大事なのは「責任逃れ」です。韓国人は責任を取ろうとしない悪い癖があります、特に指導者たちが。
船長など責任を取るべき人たちが真っ先に逃げました。最初に船の沈没を海警に携帯で通報したのは、船に乗っていた学生でしたが、船長がその通報によって駆けつけた海警の船に乗って逃げたのです。通報した学生は遺体で発見されました。
最後まで船に残って、遅くなったものの「海に飛び込んでください」とまで放送し、乗客の脱出を手伝った放送係の女性も、遺体で発見されました。
別に船長だけではありません。セウォル号を所有した海運会社のオーナー一族の財産を管理していた人は、すでに外国に逃げた後でした。
韓国人のほとんどは、船長や航海士などが先に逃げたことを見て、それは韓国社会の断面であると思いました。危機に直面すればこっそり逃げていく韓国社会の指導層、例えば財閥会長や国会議員の姿と似ていたからです。
昔から同じです、韓国の指導者たちの責任回避パターンは。
有名なのが、朝鮮戦争の時の李承晩大統領です。彼は「ソウルを死守します」とラジオ放送を流しました。それを信じて大勢の国民がソウルに残っていましたが、それは嘘でした。
李承晩大統領および指導層がこっそり逃げ出し、国民だけがソウルに取り残されました。さらに韓国軍は「北朝鮮軍の追撃を防ぐため」と、漢江の橋を爆破するという謎の作戦を敢行、ソウル市民たちは逃げることも出来なくなってしまいました。
そういえば、シンシアリーの祖父(母の父)も、あの時に他の家族を避難させて「戦争はすぐ終わるそうだから、私は家を守るとしよう」と、家に残ったと聞きました。もちろん、それからどうなったかは誰にもわかりません。信じたから、損をしたのです。
いやいや、別に指導層だけではありません。韓国行政研究院が2013年に中央・地方公務員1000人を対象に「公務員の事なかれ主義の原因は何だと思いますか?」というアンケートを行いました。もっとも多い35.4%の回答者が「仕事を作って、それがうまく行かなかったら、自分で責任を取らないといけないから」と答えたとか。
2014年4月19日、「朝鮮BIZ」の記者コラムは、「朝鮮戦争から64年が経っ
たが、韓国社会は変わっていない」「大統領、被害者家族、海警、マスコ
ミに至るまで、信頼関係などどこにも無い」などを指摘しながら、「セ
ウォル号だけではない。大韓民国が沈没している。沈没している大韓民国
号に、船長の姿はどこにもいない」と書いています。
そうです。セウォル号だけではありません。韓国そのもの、誰も責任を取ろうとしません。責任を取らない社会で、信頼関係が成立するはずがありません。
他にも、責任のなすりつけ合い、または政治的、私的利益のための利用・・・そういう醜い姿が溢れました。被害者家族の代表をしていた人が、実は被害者家族でもなんでもなく、地方選挙の候補の一人だったことには、さすがに唖然とするしかありませんでした。
お前のせいだ、あいつのせいだ、そいつのせいだ、こいつのせいかも。俺のせいでなければどうでもいい。
ピンチになった朴槿恵大統領もまた、早速「船長のせい」を強調するため、2014年4月21日、セウォル号の船長など乗務員たちに対して「殺人のような行為だ」と公式にコメントしました。
このようにセウォル号沈没事件は、韓国社会が責任逃れという問題を抱えていたことを、見せてくれました。私は、その責任逃れこそが、この国の歴史上、反日思想として現れていると思っています。
私は「韓国人による恥韓論」にて、韓国の反日思想は一種の「逃げ」「言い訳」のようなものだと書きました。
韓国は全てを日本のせいにしています。歴史においても、「誇らしい大韓民国」と子供たちに教えるに相応しくない歴史においては、全てを「人のせい」、特に「日本のせい」にしています。
韓国が認めようとしない「自分自身の気に入らない部分」。しかし、それも全て韓国の一部です。それら全てを認め、時には前へ進む力に、時には止まって振り返る力に変えない限り、発展はありません。誇らしい祖国は生まれません。
しかし、韓国はまるで潔癖症にでもかかったように、少しでも「韓国」というブランド・イメージを傷つけるものは認めません。それが歴史だろうと、文化だろうと、場合によっては客観的事実であろうと、認めません。
全て「日本のせい」にしています。反日思想は、韓国にとっては不都合なものを消すための消しゴムみたいなものだとも言えます。
この邪悪な呪縛から逃れる方法、それは「私の責任です」と認めることです。いろいろあったけど、結局、もっとも重いのは自分の責任、言い換えると「韓国の力が世の流れに耐えるに及ばなかった」ことであると、認めることです。
反日のために韓国は「反省も謝罪もしない邪悪な存在」たる日本の姿を作り出し、全ての責任を日本になすりつけました。しかし、反省し、責任を痛感すべき存在は、日本ではありません。韓国、言わば自分自身です。
なのに韓国は責任を取ろうとせず、全て他人のせい(日本のせい)にするから、結局は嘘をつくしかないのです。日本に対してだけではありません。
内部の責任を外部にまわす人たちが、その内部でちゃんと責任を取るはずがありません。韓国内部でも同じです。不信社会とは、即ち構成員の紐帯(ちゅうたい)が崩れているという意味であり、紐帯とは日本で言う「絆」のようなものであるがゆえに、社会構成員同士の絆が崩れているという意味であり、それは即ち「嘘をつく社会」という意味であります。
相手に騙されないために自分も嘘をつくことを「賢い生き方」であると認識してしまう、恐ろしい社会です。韓国がそうなりつつあります。
韓国は、その全てを「自分の責任」とせず、反日という黒魔術に逃げ込んでいます。結局、反日は、韓国という社会の全てを侵食していくでしょう。
嘘で嘘を塗りつぶすという最悪の形で。韓国が自分の責任を認めない限り、その「言い訳」はこれからも続き、悪化していくことでしょう。まさに、恥韓論そのままです。(以上)
・・・
著者同様に小生もなんかやり切れない思いがする。黒魔術が解けるのだろうか。「我が国には憲法の上に国民感情法がある」という国柄だから・・・大嫌いな隣人だけれど、どうなるのだろうと心配になる。
母の日で昼餐会。ピザ、唐揚げ、サラダなどを7人で楽しむ。「私もお姉もあれこれ忙しいので昼餐会にしてね」とNが言っていたから、そうしたものの、誰も食後に帰らない。
結局、しっかり夕食を食べて、風呂に入り、弁当を作り、さらにピザを焼いてお土産にして帰っていった。1日に2回のパーティー! Nの嘘的言辞というか希望的観測に翻弄されて、いささか消耗。
■5月12日(月)。朝は室温21度、快晴、初夏の日射し、風が少し強い。
Nが午後1時から家裁で最初の協議。「来る者拒まず、去る者追わず」を知らない、未練たらたら的な男との慰謝料、養育費、面会権をめぐる争いが始まる・・・Nは頭がいいだけに、ああ言えばこう言う式のネチネチ系の面があり、妥協は苦手のようだから、どうなるのだろうと多少は心配になる。
この件に関しては介入するととんでもないことになるから、とにかく距離を置くことだと小生は思っている。「世界で一番大好きな人が、世界で一番嫌いな人になる」、離婚は悲劇だ。結婚の百倍のエネルギー、手間暇がかかる。最悪だ。
宗教も影響しているのだろうが、フランスでは離婚騒動を恐れて多くの人が入籍を避けると聞く。大統領のオランドも“事実婚”だ。まともな家庭は少数派、出生率はそこそこだけれども、法律的には私生児だらけ。
日本をそんな風にはしたくないものだが、“事実婚”というのはスケベニンゲン(地名)の小生には魅力的だ。「お嬢さん、僕と事実婚しませんか。タネはあります、責任はとりません」ってか。
Nが家裁で舌戦を交わしている間(実際は夫婦別々に聴取とか)、小生は5歳6か月の孫娘を預かった。昼食時に2人で食事をしていたら、「なんでヂイヂは坐って食べてるの?」。以前に「ヂイヂが立って食べるのは、胃袋がないからね、坐って食べるとつっかえちゃうんだよ」と言っていたから、疑問に思ったのだろう。
いろいろ言っても分かりそうにないから、百科事典の「人体」の項目で図面を見せ、「これが胃袋、これが心臓、これが肺。ヂイヂは胃袋がないから小腸と大腸で食べているの。坐って食べると小腸が曲がっちゃうから、つっかえちゃうんだよ。今日はつっかえないから坐って食べてるの」と説明した。
食後は「富士山はどっちにあるの?」。ネットで調べて、「ほら、君がいるのがここ、富士山はここ。西の方だよ」と説明。5月1日の富士山の24時間を2分にまとめた動画を見せて、「ね、お日様が東から上がって西に沈んでいくと、富士山はいろいろ変わるだろう」。
その次は「妖怪を見たい」。「妖怪」ではいい情報がなかったので「お化け」で検索したら、ユーチューブに子供向けの映像があった。
その後は孫娘が大好きな「プリキュア」を4本、1時間ほど見せていたら、Nが憔悴して帰ってきた。一卵性母娘再会。大喜びでペロペロ、ベタベタ。小生の子守は終わり。夕飯を食わして、風呂を楽しんでもらい、機嫌よく帰ってもらった。(2014/5/12)