世界世論がベトナムの味方について、ますます孤立深める中国「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年5月14日(水曜日)弐
通巻第4230号
世界世論がベトナムの味方について、ますます孤立深める中国
ケリー米国務長官「挑発的である」と北京を強く非難した
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中国に大甘な姿勢をみせてきたオバマ政権も、あまりに凶暴かつ国際秩序を無視して傍若無人にふるまう中国に怒りをあらわにした。
ケリー米国務長官が、中国のカウンター・パートである王毅外相に電話して、南シナ海における海洋リグ建設と抗議するベトナム船への暴力的妨害行為を「挑発的だ」と強く批判していたことが分かった。
ベトナムにおける反中抗議活動は暴力化した。
ベトナム南部平陽県にあるシンガポール資本の工業団地にデモ隊が乱入し、一部の工場に放火、駐車中の四大の車にも火がつけられ、暴徒化した。この工場団地には香港、台湾企業のほか、日本企業も入居しており、従業員は数千人規模。
ところが工場団地のなかで、襲撃されたのは中国企業ばかりか、台湾資本の履物工場が含まれており、漢字の看板だけをみて台湾企業まで巻き添えを食って襲撃されたことが分かり、台湾がホーチミンにある経済オフィスを通じて厳重に抗議したことが判明した(『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』、『台北タイムズ』などの報道)。
台湾にとっては凶暴中国と同一視されたことに不満を抱いている。日本企業も窓ガラスを割られるなど被害がでた。
パラセル諸島(西砂)で中国はベトナムとにらみ合いを続けているが、南沙諸島のジョンソン南礁(フィリピン名はマピニ礁)に中国はレーダー施設を建設するための機材を持ち込み、岩礁の埋め立て工事を展開していることが判明した。
ことし二月に中国の埋め立てのため大量の砂の搬入が確認されていたが、基地化するための工事がさらに進んでいた。このジョンソン岩礁はフィリピンの排他的経済水域である。
これに対応してフィリピン国防省はガグアサ島にある滑走路(1・3キロ)の整備工事に着手する。バクアサ島にはフィリピン海兵隊が50名規模で駐屯している。一般住民も百人程度が暮らしている。
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中国のアジア侵略阻止、抗議行進が行われます
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5月31日 12時30分 街頭演説 於・渋谷ハチ公前広場
14時00分 デモ集合 於・三河台公園 (六本木4-2-17)
15時00分 デモ出発 15時45分 笄公園到着
16時00分 中国大使館前抗議活動
注意事項 プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)。
国旗以外の旗類・拡声器の持ち込みはご遠慮ください。
主催頑張れ日本!全国行動委員会
お問合せ頑張れ日本!全国行動委員会
http://www.ganbare-nippon.net/
TEL 03-5468-9222
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1078回】
――「そして治療は労働者は全部無料ですよ」(木下6)
「近くて遠い国、北鮮」(木下順二『世界の旅 8』中央公論社 昭和38年)
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村岡のダボラは、帰還事業に専心し、『新潟協力会ニュウス』で編集責任者を務めた小島晴則が「二度とはありえぬ歴史の記録として」出版した『新潟協力会ニュウス』の創刊号(=昭和35年3月1日)から五周年特集号(=昭和39年12月25日)までを復刻した『幻の祖国に旅立った人々 北朝鮮帰国事業の記録』(高木書房 平成26年)に収められている。
同紙の記事を追ってみると、当時、どのような人物が率先して帰国事業に協力し、日本人の北朝鮮誤解を誘導していたのかを知ることが出来る。木下は、同紙に登場する人物共々、北朝鮮に対する幻想を振りまいた責任、いや犯罪に確実に手を染めていたのだ。
ここで参考までに、『新潟協力会ニュウス』に登場し、「北朝鮮帰国事業」に協力した主な人物の名前を、同紙紙面に登場した年代順に列記しておこう。なお、肩書は当時のもの。
北村一男新潟県知事、山崎和雄新潟県議会議長、渡辺浩太郎新潟市長、藤田友治新潟市議会議長、川原乙松日朝協会新潟支部会長、北林谷栄(劇団民芸)、岩本信行衆議院議員(自民党)・在日朝鮮人帰国協力会代表委員、帆足計衆議院議員(社会党)、高橋保新潟県教職員組合執行委員長、村田春子新潟市連合婦人会会長、西垣二郎新潟県民生部長、青木松男新潟市議会厚生常任委員長、鈴木武男新潟県副知事、苅部長藏新潟商工会議所会頭、望月優子(映画女優)、高木武三郎日石代表、稲葉修自民党新潟県連代表、阿部考治新潟市民生部長、内山由蔵長岡市長、窪田繁雄新津市長、小泉純也自民党副幹事長(帰国協力会代表委員)、田辺繁雄日赤副社長・・・まだまだ続くが、この辺で切り上げておく。なぜなら際限がないからだ。新潟だけが突出して盛り上がっていたわけでもあるまい。おそらく、あの当時は国を挙げて舞い上がっていたということだろう。いまから振り返れば、いや当時すでに、ここに列記した人々は北朝鮮の国家犯罪に加担していたことになる。罪深い話だ。
それにしても、である。思いがけないところで、反原発元首相の父親である小泉純也自民党副幹事長とは・・・。「ブルータス、お前もか」ではなく、「ブルータス、お前かよ~」。いや「ブルータス、お前だな」。
『新潟協力会ニュウス』には、いま読み返せば“悲痛”としかいいようのない文章に満ちているが、その代表例を2つ紹介しておきたい。
先ずは「私は祖国に帰って夢のようです ――張さん(島田)からの便り――」である。「私は、今、異国で渇望していた、母なる祖国、――朝鮮民主主義人民共和国の温かい懐に抱かれ、祖国の同胞達の物心両面の真心のこもつた幇助を戴きながら楽しい新生活を営んで居ります」。かくして、「祖国の隆盛発展する姿がハツキリとみえます。このような祖国に抱かれた私は、私のもつている智慧、技術を余すところなく発揮して共産主義社会のために捧げます」と。「張さん(島田)」の勇ましく雄々しい心意気が、余りにも哀しい。
「差別のない朝鮮、私はこのように生活しています」と題する「夫に従って帰国した一日本人妻の手記」は、「私は朝鮮にきて清津でも、ここ民主首都平壌でも隣近所の奥さんや、職場の人から『日本の人ですか、それは大変でしたね、本当に苦労なさいました』と慰められるたびに、思わず目頭が熱くなるのでした」。病院でも「東ドイツやソビエトの先進医学が普及していて食事のカロリーから量の加減など、その時の病状に応じてでるのはいうまでもなく〔中略〕重ねて徹底した無償医療の完全さを感心したのでした。/したがつて私は何の心配もなく、朗らかに明るく仂きに出られることの幸せをつくづく有難いと思つております。差別のない朝鮮、私はこのように生活しています」と綴られ、最後は「日朝婦人の一層の友好発展万才」と結ばれている。「思わず目頭が熱くなる」文章ではないか。
もはや何をかいわんや・・・ウソで塗り固められていた虚妄の社会だったのだ。
《QED》
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(読者の声1)貴誌4228号、『中国共産党高官、その脳幹も腐り始めた』とは適切な表現ですが、今月号『中央公論』でもエマニエル・トッドが、そういう批判をしていて、ずいぶんと参考になりました。宮崎さんはトッドをいかに評価されますか?
(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)フランスの人口学学者のトッド(フランス国立人口学研究所)は人口比率からソビエトの崩壊を予測して大ブレーク、世界的著名人ですね。エマニエル・トッドの所論(「腐敗は頭部から始まっている」、『中央公論』14年5月号)では、中国批判もさりながら、主題は高齢化、少子化の大国の『暗い未来』を論じたものです。
そして中国に関しては「(共産党幹部)自身も、自分ではコントロールできない力の支配下にあるのであって、このことは、潜在的に見て、中国社会にきわめて危険な影響を及ぼしかねません」と発言しています。
そしてこう言い切ります。
「中国のとっての真の脅威は、みずからの誇大妄想的な野望だ」
まさに箴言です。
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(天安門事件25周年 東京集会 掲示板) 6月4日まで日々更新されます
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陳破空氏(民主活動家出身、作家)、米国から来日決定
6月4日の下記集会にも登壇、テレビ出演も決定しております
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「台湾ひまわり学連」指導者も来日交渉中!
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「天安門事件25 周年 世界同時アクション『天下圍城』」ホームページ
http://www.tiananmen1989.net
このサイトで世界中の反中国共産党の動きが分かります
「東京集会」のお知らせ
あの衝撃の天安門事件〔1989年6月4日〕から四半世紀。ことしは世界各地で中国共産党の凶暴な独裁政治を糾弾し、自由・民主・法治・人権をもとめる集会が開催されます。
東京でも有志あいつどい、中国人留学生の民主活動家とともに、おなじく弾圧の悲哀に苦しむウィグル、チベット、蒙古、旧満州。そして独立を封じ込められている台湾の闘士、中国の海洋侵略に立ち向かうフィリピン、ベトナムから代表(民間人)をまねいて大集会が開催されます!
記
とき 6月4日〔水〕午後6時~8時15分(午後5時半開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 三階大ホール(JR・メトロ「市ヶ谷」徒歩三分)
http://www.jstc.jp/map/kenshu-mapARCADIA.html
入場(会場分担金) おひとり1000円 (外国人留学生と学生は無料。ID提示)
<どなたでも、予約なしでご参加いただけます!>
主催 「天安門事件二十五周年 東京集会」実行委員会」
呼びかけ人 黄文雄、石平、相林、ペマ・ギャルポ、宮崎正弘 水島総
共催 「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄 代表)
「国防問題研究会」(玉川博己 代表幹事)
プログラム 天安門事件の犠牲者に黙祷
基調講演 石平「私は天安門事件で中国を捨てた」
ゲスト 陳破空(在米、亡命作家)
発言 ペマ・ギャルポ(チベット)、イリハム・マハムディ(ウィグル)
相林(中国)、オルホノド・ダイチン(蒙古)、王明理(台湾)、ベトナム
フィリピン、ミャンマー代表ほか水島総、藤井厳喜、西村幸祐
ならびに国会議員挨拶など・
浄財の送り先 郵便振替 00180(6)486092
名義人 「天安門事件25周年東京集会」
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賛同者(五十音順、敬称略)
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浅野和生、阿羅健一、荒木和博、一色正春、井尻千男、井上和彦、伊原吉之助、入江隆則
植田剛彦、潮匡人、梅原克彦、呉 善花、大高美貴、大原康男、岡田英弘、岡崎久彦
小田村四郎、小山和伸、加瀬英明、加地伸行、鍛冶俊樹、門田隆将、加藤康男
川口マーン恵美、河添恵子、川村純彦、工藤美代子、小林 節、小堀桂一郎 酒井信彦
佐々木良昭、佐藤雅美、佐藤 守、澤 英武、新保裕司、杉原志啓、関岡英之、高池勝彦
高森明勅、高山正之、高田 純、田久保忠衛、竹本忠雄、田母神俊雄、塚本三郎、堤
堯
頭山興助、富岡幸一郎、中西輝政、中村彰彦、永山英樹、西尾幹二、西村幸祐、花田紀凱
板東忠信、日暮高則、福井雄三、?田 逸、藤井厳喜、馬渕睦夫、三浦小太郎、三橋貴明
宮脇淳子、三輪和雄、宗像隆幸、村松英子、室谷克実、鳴 霞、茂木弘道、山内健生
山際澄夫、山口洋一、山田吉彦、山田恵久、山村明義、柚原正敬 渡部昇一、渡辺惣樹
劉燕子、林建良
(5月14日現在です。賛同者はあと数十名ほど増えます〕。
後援 日本ウィグル会議 チベット百人委員会 モンゴル自由連盟党
台湾独立建国連盟日本本部、日本ベトナム島嶼会議 日比連絡会議準備会
協賛 史実を世界に発信する会、日本文化チャンネル桜 日本李登輝友の会、呉竹会
台湾研究フォーラム 士気の会
http://annai.sblo.jp/
(上サイトにも案内があります)
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宮崎正弘最新刊の案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
六月十日発売決定!
宮崎正弘の最新作予告
『「中国の時代」は終わった』
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(海竜社、予価1000円プラス税)月末ごろ予約募集を開始します
宮崎正弘 vs 川口マーン惠美
『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック、972円)
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取り戻せ 日本の正気』(並木書房、1620円)
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――アベノミクスの芯にあるのは吉田松陰、高杉晋作、三島由紀夫である
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『黒田官兵衞の情報学(インテリジェンス)』(晋遊舎新書、864円)
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< 宮崎正弘のロングセラーズ >
『中国を動かす百人』(双葉社 1620円)
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『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、1620円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4890632999/
< 宮崎正弘の対談シリーズ >
『2014年の中国を予測する―中国大陸から次々と逃げ出すヒトとカネ』(ワック)
石平氏との対談第五弾
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『2013年後期の中国を予測する』(石平氏との対談第4弾 ワック)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック)
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店)
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