こんどは東陶の上海松江工場で従業員の山猫スト
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年5月10日(土曜日)
通巻第4224号
一難去ってまた一難。中国の日系企業の困惑
こんどは東陶の上海松江工場で従業員の山猫スト
*********************
上海の松江地区に1994年から操業するトイレット設備メーカーの東陶工場で、「賃上げ」を要求する従業員らの山猫ストが継続中であることが分かった。
5月6日からストライキに突入、従業員数百名が参加、殆どの生産が停止している。
中国に限らず、インドではトヨタ工場で労使対立、会社側が工場をロックアウトした。
タイでも政情不安から生産に支障が出始めた。世界のシェア争いという会社命令とカントリーリスクを比較し総合的に判断しながら、日本企業は各地に分散投資してきたわけだが、やはり中国偏重は否めない。
しかし中国の度重なる妨害、法律違反、国際協定無視、ついには商船三井に理不尽な要求を掲げて係留中の船舶を差し押さえて和解金をむしり取るなど、自滅的行為がくりかえされたため14年第一四半期、日本企業の対中投資は47%減(半減)を示した。
今後も日本企業の中国撤退、アジアシフトが続くだろう。
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 1076回】
――「そして治療は労働者は全部無料ですよ」(木下4)
「近くて遠い国、北鮮」(木下順二『世界の旅 8』中央公論社 昭和38年)
▽
平壌入りを前にした新義州で、「きれいな看護婦さんが一人」とは、お膳立てが整いすぎていないだろうか・・・いや、これを下衆の勘繰りというものか。
閑話休題。
「そしてその日のよるの、〔中略〕九時五十分、平壌に着きました」。もちろん、「平和委と、十周年記念事業実行委と、そして市民とによる盛大な駅頭の出迎え」である。とはいうものの宿舎は急造だったようで、「ホテルといっても、職業総同盟の事務所だったものに調度を入れただけのもの」だった。だが木下は「いわば間にあわせのこの宿舎に泊めてもらったことで、どれだけ朝鮮の人のきもちと朝鮮の実情がくみとれたか知れないと思っています」と綴る。
床には三種類の絨毯がパッチワーク状に敷かれ、電線は裸状態。「食堂にならべられた約二十人前のコップにしても、薄手の小さいのがあるかと思えば、部の厚い気泡のはいった、びん詰めの古ではないかと思われるものがある。〔中略〕すべては足りない中でせい一杯の手をつくし心をつくしたという感じです」
そこで朝鮮側が口を切る。「まだまだ朝鮮は足りないことだらけなのですよ」。だが、「皆さんをお迎えしたいという誠意だけは皆一杯なのですが、何しろあれだけ激しい闘いをやったあとなのですから、いくら新しい建設が進んでいるといっても、までお泊めする宿がこんな状態なのです。〔中略〕皆さんの御不自由はよくわかるのですが。それに皆さんを接待する若い人たちも、誠意だけはほんとうにせい一杯なのですが、何しろ外国のお客さんをお迎えすることに馴れていないのですから、どうか不行届きは遠慮なくそういって下さい」と、じつに謙虚である。
そうこうしているうちに、「白い診察衣を着た平壌医科大学のお医者さんが、さっきとは別の看護婦さんを連れてはいって来られました。私は毎日朝と昼と晩とに廻って来ますから、少しでも具合の悪いかたは申し出て下さい。どうか遠慮しないで」と。
まさに至れり尽くせりの接待ぶりである。木下ならずとも、感激しないわけにはいかない。この時点で、洗脳工作はほぼ完了ということだろうか。
そこで、次なる洗脳工程に移る。
「平壌と新義州のほぼまんなかを北東に少しはいって、国営亀城地下紡績工場を訪れた」。「従業員約二千人、一万錘を超える、ふつうと何の変りもない大きな紡績工場が、岩山の横っ腹をくりぬいてそのなかにすっぽりと納められている」。朝鮮戦争中の1952年4月に、「最初はわずか六人の紡績技能者を中心に、「手掘りとダイナマイトで工事がはじめられ」、「爆撃を受けた地上工場のこわれた機械を拾って来、埋めてあって錆びついた部品を掘り出し、それらを牛車に積んでここに集めて何とか組み立てながら」と、“無から有を生み出す”ような苦心談が続いたと思ったら、しばらくして話は金日成に行き着く。これ、定石。
「停戦協定成立のあと、やっと操業を開始した直後に金日成首相がここを訪れた。そしてこの工場は非文化的で設備が悪いといわれた。操業をやめてでも労働者の文化施設を高めろといわれた。そこで直ちに二ヵ月間操業を停止して改善したんです」。その結果、「今では、三ヵ年計画の中でことし上半期は超過完遂ですし、第一・四半期には内閣優勝旗をとっています」。かくして、「金日成首相のことばをまもれば必ずいい成果が生めるという確信をわれわれは持った」そうだ。
だが歴史は、「金日成首相のことばをまも」ったお蔭で“地上の楽園”が一向に出現しないことを教えている。ともあれ、木下の歯の浮くような金日成賛歌は続く。
《QED》
~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)南シナ海での中国船がベトナムの巡視船に体当たりした事件、さすがベトナムは肝がすわっています。
4月初めですが中国とベトナムの対立を象徴するようなニュース。
【ベトナム】「“中華街”があるのは好ましくない」 ダナン市で中国語看板の取り締まりを強化[04/08](引用開始)「越南中部沿岸地方ダナン市人民委員会は3日、同市ソンチャー区およびグーハインソン区のチュオンサ通り、ホアンサ通り、ボーグエンザップ通りに並ぶ、レストラン・ホテル・土産物店などで看板広告表記の調査を行い、広告法に違反した中国語看板を多数発見した。広告法によると、看板広告に表記する文字はベトナム語でなければならず、外国語を併記する場合は文字サイズをベトナム語より小さくしなければならない。市当局は、「ダナン市に“中華街”があるのは好ましくない」として、違反が見つかった店舗に対し、看板の修正を命じた。これを受け、各店舗は当日中に看板を下げるか、カラーテープを貼って中国語表記の部分を見えないようにした。また、同市人民委員会は、同市文化スポーツ観光局に対し、区・郡レベルの人民委員会と協力して市内にある看板広告の表記状況を調査し、規定に反する看板を一掃するよう求めた」
http://asiannewsch.blog.fc2.com/blog-entry-1530.html
http://asiannewsch.blog.fc2.com/img/res_sWODhvXzAa.jpg/
ベトナム人の中国嫌いがよくわかる記事でした。
(PB生、千葉)
◎
中国の侵略的横暴をこのまま放置して良いのか!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
あの衝撃の天安門事件〔1989年6月4日〕から四半世紀。ことしは世界各地で中国共産党の凶暴な独裁政治を糾弾し、自由・民主・法治・人権をもとめる集会が開催されます。
東京でも有志あいつどい、中国人留学生の民主活動家とともに、おなじく弾圧の悲哀に苦しむウィグル、チベット、蒙古、旧満州。そして独立を封じ込められている台湾の闘士、中国の海洋侵略に立ち向かうフィリピン、ベトナムから代表をまねいて大集会が開催されます!
「天安門事件二十五周年 東京集会」のご案内
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「南京大虐殺はなかったが、天安門事件の虐殺はあった」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次の要領で「天安門事件25周年」の集会が開催されます。
記
とき 6月4日〔水〕午後6時~8時15分(午後5時半開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 三階大ホール(JR・メトロ「市ヶ谷」徒歩三分)
http://www.jstc.jp/map/kenshu-mapARCADIA.html
入場(会場分担金):おひとり1000円 (外国人留学生と学生は無料。ID提示)
どなたでも、予約なしでご参加いただけます!
主催 「天安門事件二十五周年 東京集会」実行委員会」
呼びかけ人 黄文雄、石平、相林、ペマ・ギャルポ、宮崎正弘 水島総
共催 「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄 代表)
「国防問題研究会」(玉川博巳 代表幹事)
プログラム 天安門事件の犠牲者に黙祷
基調講演 石平「私は天安門事件で中国を見限った」
発言 ペマ・ギャルポ(チベット)、イリハム・マハムディ(ウィグル)
相林(中国)、オルホノド・ダイチン(蒙古)、王明理(台湾)
フィリピン、ミャンマー、ベトナム代表ほか水島総、藤井厳喜
ゲスト多数。ならびに国会議員挨拶など・
(趣旨)世界に恐怖の衝撃を与えた中国・北京、天安門事件(1989年6月4日)から四半世紀を閲しました。
多くの犠牲を目撃したのち、中国国内には知識人を軸に「六四再評価」をめぐる論争と政府への要求がおこり、世界中から非難の声があがりましたが、中国共産党は一切の批判を許容せず、ノーベル平和賞の劉暁波ら民主活動家を拘束したまま、また「中国之春」を結成し、「自由・民主・人権・法治」を訴えた王丙章博士を無法な裁判にかけて無期懲役を言い渡し、全世界で澎湃とあがった、これら自由、民主、人権を要求する知識人の釈放要求に耳を貸そうともしません。
そればかりか中国共産党は民主活動家の弾圧を強化し、問題をすり替えるために「南京大虐殺」などの虚説を政治宣伝に利用し、国民には「天安門事件は外国の陰謀(和平演変)である」と悪質な洗脳教育を続けたままです。全体主義の体質は四半世紀前とまったく変化が見られません。そればかりか国際秩序を守らず、身勝手な自己主張のみを展開して、「これからの世界秩序は中国が決める」と言わんばかりの傲慢な姿勢を示しています。
中国人民解放軍が保有する核兵器、ミサイルばかりか、海軍の軍拡は周辺諸国に脅威を与え、 あまりの横暴にアジア諸国は一斉にたち上がりました。海洋の安全航海のルー
ル尊重と国際秩序の遵守を中国に要求し、かつ欧米豪など世界各国も同様な要求を中国にしています。
ところが中国は「挑発しているのは日本であり、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアだ」と逆の政治宣伝を繰り返すばかりで、そこにはいっぺんの誠意もなく、他方で中国国内に目を転ずれば、相変わらずチベット、ウィグル、内蒙古、旧満州で暴力的な弾圧を繰り返し、独立運動を抑圧しています。「中国の夢」を自己中心主義的に獅子吼しても「世界人類の夢」に関しては、一切の言及がありません。これで「平和を希求する」と言えるのでしょうか?
あの天安門事件での虐殺から四半世紀を経て、中国共産党を糾弾する人々が世界中で立ち上がり、香港には「天安門記念館」がオープンしました。
6月4日にはNY,サンフランシスコ、香港、マドリッド、パリ、台北など世界三十ケ国以上で天安門事件二十五周年の記念集会やデモ行進が開催されます。こうした動きに呼応しつつ日本でも有志が呼びかけ、著名人百名の賛同を得た上で、アジア諸国からの多数の留学生を招いて集会を開催する次第です。
中国が国際的なルールを遵守し、一日も早く「自由、民主、人権、法治」を尊重する国になることを願い、同時に天安門事件での血の弾圧を猛省することを要求します
天安門事件25周年 東京集会
~~~~~~~~~~~~~
賛同者(五十音順、敬称略)
~~~~~~~~~~~~~
浅野和生、阿羅健一、荒木和博、一色正春、井尻千男、井上和彦、伊原吉之助、入江隆則、潮匡人、呉善花、大高美貴、大原康男、岡田英弘、岡崎久彦、小田村四郎、小山和伸
加瀬英明、加地伸行、鍛冶俊樹、門田隆将、加藤康男、川口マーン恵美、河添恵子
川村純彦、工藤美代子、小林節、小堀桂一郎 酒井信彦、佐々木良昭 佐藤雅美、佐藤守
澤英武、新保裕司、杉原志啓、関岡英之、高池勝彦、高森明勅、高山正之、田久保忠衛、竹本忠雄、田母神俊雄、塚本三郎、堤 堯、頭山興助、富岡幸一郎、中西輝政、中村彰彦
永山英樹、西尾幹二、西村幸祐、花田紀凱、板東忠信、日暮高則、福井雄三、?田
逸
藤井厳喜、馬渕睦夫、三浦小太郎、三橋貴明、宮脇淳子 三輪和雄、宗像隆幸、村松英子
室谷克実、茂木弘道、山内健生、山際澄夫、山口洋一、山田吉彦、山田恵久、山村明義
柚原正敬 渡部昇一、渡辺惣樹、林建良
(5月10日現在。当日までに賛同者はあと数十名ほど増えます〕。
後援 日本ウィグル会議 チベット百人委員会 モンゴル自由連盟党
台湾独立建国連盟、日本ベトナム島嶼会議 日本フィリピン連絡会議準備会
協賛 史実を世界に発信する会、日本文化チャンネル桜 日本李登輝友の会、呉竹会
▽
このイベントの案内状をご希望の方は下記に(1)郵便番号(2)ご住所(3)お名前をお知らせ下さい。おりかえし案内状をお送りします
Sna76980@nifty.com
(ただし案内状の発送は13日以後になります。当日予約なしでどなたでも参加できます)
△
宮崎正弘最新刊の案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘 vs 川口マーン惠美
『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック、972円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
大好評発売中!
(下記はアマゾン。24時間で発送します)
Http://www.amazon.co.jp/dp/4898316964/
♪♪
『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
http://www.amazon.co.jp/dp/4198637385/
♪♪♪
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――中国の支配政党の独裁システム崩壊シナリオを七つの視点から予測
http://www.amazon.co.jp/dp/4759313494/
♪♪♪
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――中国のバブル崩壊を予測した先駆作 斯界騒然の話題作!
http://www.amazon.co.jp/dp/4759313303/
♪♪
『取り戻せ 日本の正気』(並木書房、1620円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――アベノミクスの芯にあるのは吉田松陰、高杉晋作、三島由紀夫である
http://www.amazon.co.jp/dp/4890633111/
♪
『黒田官兵衞の情報学(インテリジェンス)』(晋遊舎新書、864円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4863918569
▽
< 宮崎正弘のロングセラーズ >
♪
『中国を動かす百人』(双葉社 1620円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575304875/
♪♪
『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、1620円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4890632999/
< 宮崎正弘の対談シリーズ >
『2014年の中国を予測する―中国大陸から次々と逃げ出すヒトとカネ』(ワック)
石平氏との対談第五弾
http://www.amazon.co.jp/dp/4898316891/
♪
『2013年後期の中国を予測する』(石平氏との対談第4弾 ワック)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック)
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2014 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示