日米戦争についての青年の感想は一言「ヤッベー」である。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年4月18日(金曜日)
通巻第4208号 <前日発行>
米国務省秘密報告書「アフガニスタンは崩壊の瀬戸際」
指導者らの腐敗、無能力、統治への熱意欠如。いずれ危機が目の前に
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カルザイ政権の終焉は秒読み、つぎの政権が誰になろうともアフガニスタン政府は統治能力が希薄であり、閣僚らの腐敗が凄まじい上、政治理念の根本が疑わしい。無能な政治家が、アフガニスタンの民主化へむけて統治を続けるのは難しいだろう。
アフガニスタン政府予算の半分が米国の援助による『歳入』。それが名目とは違う方面に使われていて汚職が蔓延している。
という分析と予測は小誌がたびたび展開してきたところだが、驚くなかれ最大の援助国である米国務省の秘密報告が同じ危険性を指摘していると『ワシントン・タイムズ』がすっぱ抜いた(同紙、4月15日)。
「この衝撃的報告をむしろ国務省が隠してきた」と同紙の批判の矛先はカルザイ政権より国務省である。米国の納税者の不満が噴出するのが明らかであり、こういう報告書は航海がはばかれたわけだ。
過去十二年間にわたるアフガニスタン援助は、幹部の腐敗、汚職、流失に多くが使われ、『適切に使われた』と報告された財務省や教育省の出費でも怪しげなプロジェクトにカネが投下されていた」という。
すでに米軍の戦費だけでも6000億ドルを費やした。
ほかに国土再建のためのインフラ整備プロジェクトに1000億ドルが投下され、いまだにカブールの街は瓦礫の山。地方へ行くとイスラム原理主義過激派が猖獗を極め、タリバンの爆弾テロが相次いでいる。米軍がてこ入れした軍も警察も能力が低く、まったく当てには出来ない。
オバマ大統領は「アフガニスタン戦争はただしい戦争」と言った。ブッシュ政権の戦争開始から十二年、タリバンはむしろ強くなり、カルザイ大統領はインドへの亡命準備に忙しいようである。
こうやってアフガニスタンで疲れ切ったオバマがシリアやウクライナへ介入できないのも、米国への不信が世界で増大しているのも、当然といえば当然の流れであり、ワシントンが北京との「新しい大国関係」を声高に言う背景である。
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(読者の声1)貴誌前号「ケネディ大使への手紙 靖国といとこの君の「特攻」をめぐって」についての感想です。
日米戦争については、日本人は戦後「奇襲は卑怯だ」などと散々非難されてきたので、開戦事情の真実を米国に伝えたいという気持ちは分かる。しかし相手はとうに知っているのである。
ただ日米戦争で17万人もの戦死者を出しているので、遺族の手前いまさら間違った戦争だったとは言えないのだ。
開戦事情については、ヘレン・ミアーズ女史は戦後早くも、「アメリカの鏡日本」の中で、「戦前の日米外交記録を読めば、米国が日本を圧迫し、日本が必死に回避しようとしたことは誰の目にも明らか」と記している。また真珠湾を書いた歴史家のモーゲンスタインは、「近代では敗戦国に全ての戦争責任を負わせる慣習なので、開戦事情を調べることは喜ばれない」とまで書いている。
だから米国の日米開戦関係の文書や映画はすべて、ハルノートも貿易封鎖も日本資産凍結もフライングタイガーも除かれ、いきなり真珠湾事件から始まっているのである。
真珠湾事件も軍事的には攻撃であるが、政治的には反撃だった。すでに支那事変中の日本軍は米軍フライングタイガー部隊から南支那で攻撃を受けていたからである。そして真珠湾反撃はいわれるような奇襲ではなかった。半年前にグルー駐日大使が公電でハル長官に奇襲攻撃の可能性を報告しているからだ。
このように、日本が正しい歴史の真実は沢山あるが日米の歴史観の共有は政治的に難しい問題である。ただし米国はすでにグルー大使の問題の公電をインターネットでわざわざ公開している。
これは、戦後の反日洗脳で薬の効きすぎた日本人に真珠湾が奇襲ではなく、卑怯な攻撃ではなかったことに気付けと言っているのであろう。
また日本人は米国に広報するよりも日本人に近代史の広報をすべきである。というのは日米戦争自体あったことを知らない若者が沢山いるからである。日米戦争についての青年の感想は一言「ヤッベー」である。
また反日反米の共産党にいまだに百万単位の投票が行われている。これでは米国の識者から日米戦争の歴史観の修正をいうより自分の頭の蠅を追えといわれるのではないか。
(東海子)
(宮崎正弘のコメント)大東亜戦争のただしい評価はまず日本人がGHQのでたらめな史観の洗脳からさめて正しい認識をすることから始まるでしょう。
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(読者の声2)ラジオ日本からお知らせです。4月18日(金曜日)午後一時から二時の番組に宮崎正弘さんが生出演します。
番組名「マット安川のずばり勝負」
宮崎正弘の出演予定は同日1250-1357の予定です。
ラジオ日本は1422MHZです。
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