馬総統側は学生らの要求に対して全く譲歩していない
台湾国会占拠のデモ隊、退去を開始
2014年04月10日 20:54 発信地:台北/台湾 【写真】 【ブログ】
【4月10日 AFP】台湾で、中国との「サービス貿易協定」に反対し、立法院(国会)の議場を3月18日から占拠していたデモ隊が10日、退去を開始した。
学生リーダーの林飛帆(Lin Fei-fan)氏は記者会見で、「理想を掲げてここに来たが、さらに重荷を背負って出て行くことになった」と述べた。その直後の午後6時(日本時間同7時)ごろ、黒いTシャツを身に付けたデモ参加者数十人が建物から退去した。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3012320?ctm_campaign=txt_topics
台湾議会占拠の学生ら ひまわりの花を手に撤退
[画像]議場内で最後の会見をおこなう学生たち(地元紙「アップルデイリー」提供)
「私たちは、理想や夢を持って、この議場に入りました。そして、今は責任を持ってここから出ます」── 「両岸サービス業貿易協議」に抗議する学生らが、台湾の国会に当た
る立法院を占拠していた問題で、学生側は4月7日、立法院からの撤退を発表。そして4月10日夜、すべての学生が議場内から撤退した。
[画像]ひまわりの花を手に持ちながら議場を後にする学生リーダー・林さん(地元紙「アップルデイリー」提供)
■24日におよぶ議会占拠、デモに50万人集結
学生らは3月18日、中国-台湾の間で調印された「両岸サービス業貿易協議」への質疑を、馬総統や与党・国民党がわずか30秒で打ち切ったことへの抗議として、国会に当たる立法院を占拠。その後、学生らは協議の撤回と、審議内容を監督する法律の成立を先に行うよう要求した。しかし、その後も譲歩の姿勢を見せないことから、3月30日に総統府周辺で抗議集会を開催。参加者は主催者発表で50万人以上、警察発表でも10万人を超える規模となった。
■議場からの撤退、学生ら「終わりではない」
立法院長(議長に相当)の王金平氏が4月6日、立法院に足を運び、「協議を監督する法律が成立するまで、与野党協議は招集しない」と宣言。学生らには議場からの早期撤退を求めた。これを受けて4月7日、学生側が記者会見し、日本時間4月10日午後7時に議場から撤退することを発表。
4月10日夜、学生らは議場内で最後の会見を行い、「今日、議会から撤退するのは『終わり』ではない。もし、今回の議会占拠で挙げた成果が“破壊”されるようなことがあった場合は、みんなでもう一度、議場もしくは総統府にまで抗議の活動を拡げる」と宣言。
午前中より議場内を清掃するなどして撤退の準備をしていた学生らは日本時間午後7時7分、今回の学生運動の象徴となった「ひまわりの花」を1本づつ手に持ちながら議場を後にした。
(TomoNews/台湾)
http://thepage.jp/detail/20140410-00000016-wordleaf
学生ら「悔しいけど頑張った」 台湾議会占拠の撤退
[写真]立法院からの撤退を発表する学生リーダーの一人、陳為廷氏(地元紙「アップルデイリー」撮影)
台湾-中国間の「両岸サービス業貿易協議」締結に反対して立法院を占拠した台湾の学生らが、4月10日午後6時(日本時間午後7時)に議場から撤退すると発表したことを受けて、馬英九総統や野党側が肯定的な評価を示した。しかし、馬総統側は学生らの要求に対して全く譲歩していないことから、学生らとの最終的な「合意」までには、まだまだ時間がかかりそうだ。
■学生ら「悔しいけど頑張った」
学生側の林飛帆、陳為廷両代表は「議場からの撤退は活動の終焉ではない、新しい始まりだ」と強調した。議場内で20日間を過ごした経済学部の学生・陳さんは「撤退するのは悔しくて寂しい。まだ馬英九総統からは具体的な答えが出ていないため、去るべきではないとは思うが、学生たちは皆よく頑張った」とコメント。立法院前で座り込み抗議を続けてきた社会人の傅さんと徐さんも退去の決定を支持し「これほどの成果を挙げたことについて褒めてあげたい」と話した。
■野党は学生らに声援
台湾の最大野党・民進党は「学生運動のよい手本だ」と肯定的な評価を示すとともに、協議を監督する法律の早期通過を目指す意向を示した。また、「国民の意思に反する行為をしないでほしい」と、与党・国民党を強く批判した。
■馬政権との対立は続く
立法院長(議長)の王金平氏が6日に宣言した「中国との協議を監督する法律が成立するまでは、与野党協議を招集しない」との言葉を受け入れ、学生側は立法院からの撤退を決めたが、馬総統は7日夜の記者会見で、「王氏の発言は、政権側の主張とは矛盾していない」との姿勢を崩しておらず、監督法案と協定審議を「同時進行」するとの方針を改めて強調した。
馬総統の発言を受け、学生側のリーダー陳氏は「馬総統の主張は共通認識に達していない」「馬総統の発言は自己欺瞞(ぎまん)だ」と語り、政府側が提出した監督法案には監督機能がないと主張した上で、「個人の意志で国会を操るやり口をやめて欲しい」と呼びかけた。
(文責:TomoNews/台湾)
http://thepage.jp/detail/20140409-00000001-wordleaf