安重根記念館「私が指示」習主席
中韓首脳、日本の歴史問題に対し共闘の姿勢
< 2014年3月25日 3:49 >
オランダで23日、中韓首脳会談が行われ、両首脳は、伊藤博文を暗殺した韓国の独立運動家・安重根の記念館が中国・ハルビンに開館したことを評価した。
会談で両首脳は、今年1月にハルビン駅に開館した安重根記念館について次のように述べた。
中国・習近平国家主席「朴大統領の希望を重視し、ハルビン駅に安重根記念館を設置するよう指示しました。
これは中韓両国の国民感情を強化する絆になっています」
韓国・朴槿恵大統領「両国で尊敬を集める安重根義士をたたえる記念館は、韓中友好協力のよい象徴になると思います」
両首脳はこのように言葉を交わし、記念館の開館を評価した。
朴大統領は25日に日米韓首脳会談に臨み、初めて安倍首相と正式に会談するが、日本の歴史問題に対しては中国と共闘する姿勢を示したかたち。
http://www.news24.jp/articles/2014/03/25/10248029.html
安重根記念館「私が指示」習主席、日本をけん制
読売新聞 3月24日(月)11時8分配信
【ハーグ=中川孝之、五十嵐文】中国の習近平(シージンピン)国家主席と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は23日夜(日本時間24日未明)、ハーグ郊外で会談した。
韓国の同行筋によると、習氏は、1月に中国黒竜江省ハルビン駅に開館した朝鮮独立運動家・安重根(アンジュングン)の記念館について、「建設は私が直接指示を下した」などと述べ、朴氏も謝意を伝えた。
安は、1909年に同駅で初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した人物。習氏には、25日の日米韓首脳会談を前に、歴史問題での韓国との連携を誇示し、日本をけん制する狙いがあるとみられる。朴氏もこれに応じた形だ。
会談は1時間に及んだ。
習氏は冒頭で安重根の話に触れ、記念館開館は「中韓国民の結びつきを強めるものだ」と強調した。
さらに、日本の植民地統治期、「光復軍(クァンボクグン)」と呼ばれる朝鮮の抗日部隊が駐屯した中国陝西省・西安に、新たに石碑を建設中だとも明らかにした。習氏は「間もなく完成し、除幕する。多くの韓国の国民に見に来てほしい」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140324-00000318-yom-int
【大阪から世界を読む】
安重根の石像建立は中国騒乱の序章 呼び覚まされる朝鮮「民族主義」…中韓「古代史論争」激突の可能性
2013.12.20 07:00 (1/4ページ)[大阪から世界を読む]
ソウルの日本大使館前で、抗議集会をする民族団体や安重根の顕彰団体の会員ら=2013年11月22日(共同)
わが国の初代総理大臣、伊藤博文を暗殺した朝鮮人、安重根の石碑を暗殺現場である中国黒竜江省のハルビン駅に建立する計画で、中国政府が関連事業に着手した。中国は日本と韓国の歴史論争に関して、韓国と“共闘”する姿勢を鮮明にしたわけだが、完成した石碑はやがて黒竜江省を含む中国東北部に住む朝鮮族のシンボルとなり、北京政府を揺るがすことになるはずだ。
(笠原健)
銅像がダメなら石碑で…
韓国の聯合ニュースによると、中国政府が石碑建立の関連事業に着手しており、「中国が独自に事業を始めたとの話を聞いた」とする北京の外交筋の話を紹介している。また、韓国紙・朝鮮日報によると、駅構内の事件現場周辺に目隠しがされ、何らかの工事が行われている。接近が禁じられているため、どのような工事が行われているかは不明だという。
石碑建立計画は、韓国の朴槿恵大統領が2013年6月に訪中した際に習近平国家主席に提案し、朴氏が同11月に訪韓した中国高官に対し、計画が「うまく進行している」として謝意を伝えていた。
安重根をめぐっては、韓国人が06年にもハルビンにその銅像を建てたことがあったが、中国は「外国人の銅像は認められない」と撤去させた。これを受けて、朴大統領は6月の訪中で「銅像がダメなら、石碑はどうか」と中国側に要請。関連事業の着手は中国がその要請に正式に応えたことを意味する。
首相の靖国神社参拝や教科書の記述など、わが国に対して歴史認識問題を振りかざしている中国は、同じように歴史認識問題を対日外交の切り札としている韓国と共同歩調を取る姿勢を示したことになる。
石碑建立で呼び覚ます朝鮮民族のプライド
中国には安重根の石碑を建立することで反日政策を推し進める韓国の歓心を買い、東アジアにおける「日本孤立化」を図ろうという狙いがある。確かに短期的には中国の思惑通り事が運ぶかもしれない。韓国では安重根を「独立の義士」「民族の英雄」と評価しているが、わが国にとっては、明治憲法制定に大きな役割を果たすなど近代国家建設の柱石となった伊藤博文を暗殺したテロリストでしかない。
中国は日本と韓国をてんびんにかけて、韓国の方が歴史認識問題で共闘できると踏んだのであろう。中国国内では抗日活動を展開した楊靖宇の像を安重根と並べて設置すべきだとの声もさっそく挙がっている。
だが、安重根の石像設置は対日批判だけではなく、朝鮮民族のプライドも呼び起こすことになる。00年の人口センサスによると、中国東北部には吉林省をはじめ遼寧省、黒竜江省などに約192万人の朝鮮民族が暮らしており、韓国と北朝鮮以外では最大級の朝鮮民族のコミュニティーとなっている。
その中国東北部をめぐっては、中韓両国の間で古代史論争が繰り広げられてきた。中国東北部南部から朝鮮半島北部までを治めた高句麗(紀元前1世紀後半~668年)、沿海州から朝鮮半島北部を領有した渤海(698~926年)が、中国の「地方政権」だったとする研究成果が中国で発表され、韓国が激しく反発した経緯がある。
自らの首を絞める中国
韓国では、高句麗は朝鮮民族の古代王朝の一つであり、渤海はその末裔(まつえい)が建国したという説が主流となっている。高句麗は中国古代王朝の隋の度重なる遠征を退け、渤海は、隋を滅ぼして中国大陸を治めた唐から「海東の盛国」と呼ばれた。韓国からすると、「中国が高句麗や渤海を中国史の中に勝手に組み込もうとするのはけしからん」ということになる。
中韓両国のこの歴史論争は現在、沈静化しているが、いつ再熱してもおかしくはない。伊藤博文暗殺の現場となった中国東北部は、高句麗や渤海の版図に入っており、建立された安重根の石碑は「中国東北部はもともと、朝鮮民族が古代から活動していた領域である。朝鮮史の中にこそ位置付けられるべきだ」という民族意識を刺激しかねない。それは韓国内だけではなく、もちろん中国東北部に住む朝鮮族にも及ぶことになる。
中国は90パーセント以上を占める漢民族、それに55の少数民族から構成される多民族国家であり、北京政府は少数民族に対しては、懐柔策を時には施す一方で、チベットやウイグルに顕著なような弾圧策も取っている。北京の天安門前で平成25年10月に起きた車両突入事件で分かるように北京政府にとって少数民族対策は最重要課題の一つであり、政権を直撃しかねない。
韓国は黒竜江省に住む朝鮮族対策のため言語、文化、芸術を継承する「朝鮮民族芸術館」という施設をハルビン駅から約1キロ離れた場所に建設。芸術館の中に安重根を紹介する記念館を設置するなど、歴史や思想面でも取り組みを強化しており、石像の建立は韓国の影響力が浸透している象徴となってしまいかねない。北京政府もうかうかとしてはおれない。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131220/waf13122007000001-n1.htm
中韓首脳、歴史問題で対日共闘 日米韓会談前に連帯強化
2014年3月24日 10時55分
オランダで中国の習近平国家主席(右端)と会談する韓国の朴槿恵大統領(左から2人目)=23日(新華社=共同)
【ハーグ共同】欧州歴訪中の中国の習近平国家主席は23日、オランダで韓国の朴槿恵大統領と会談した。韓国大統領府によると、習氏は朝鮮の独立運動家、安重根の記念館が中国黒竜江省ハルビン市に建設されたことで中韓両国民の連帯感が強まったと表明。朴氏は中韓の友好関係の象徴となると応じ、中韓が25日の日米韓首脳会談に先立ち、歴史問題で対日共闘姿勢を確認した。
初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した安重根の記念館は、今年1月に開館。菅義偉官房長官が安重根について「死刑判決を受けたテロリスト」と述べ、韓国側が反発した経緯がある。
習氏と朴氏による正式な首脳会談は今回で3回目。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014032401001294.html