ロシア政治経済ジャーナル★プーチンの論理2 | 日本のお姉さん

ロシア政治経済ジャーナル★プーチンの論理2

ロシア政治経済ジャーナル
★プーチンの論理2(プーチンがぶちキレタ瞬間)
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
(●全米につづき、全豪津々浦々に「慰安婦像を建てる!」と宣言した韓国。
そんな韓国に、「倍返し!」したい方は、必ずこちらをご一読ください。↓

(●ウクライナ新政権の黒幕、秘密を知りたい?
詳細は【編集後記】で!)
今回の話は、
●プーチンの論理1(クリミア編入は善である!!??)↓
のつづきになります。
まだの方は、まずこちら↑からご一読ください。
プーチンは3月18日、クリミアに関する「大演説」を行いました。
映像はこちら。

私たち日本人がなかなか理解できないこと。
プーチンは、ウクライナ領クリミア自治共和国とセヴァストポリ市を「サクッ」とロシアに編入してしまった。
それを、ロシア人のほとんどが支持している。
これは、いったいなんなのでしょうか?
今日は、再び「プーチン本人の言い分」を聞いてみましょう。
今回の話は、「基礎知識」がないとわかりづらいかもしれません。
まだの方は、まずこちらからご一読ください。
●ウクライナ革命1~これまでの経緯↓
●プーチンは、なぜウクライナに【軍事介入】するの?↓
●プーチン本人、ウクライナ軍事介入を語る

●クリミアはロシアに編入される。そして、ロシア─ウクライナ戦争へ?
●クリミア住民投票、96.77%がロシア編入を支持!~各勢力の思惑
とこれから

さて、3月18日の演説ですが、朝日新聞の超カリスマ記者・関根さんが「翻訳」を配信してくださっています。
全文を読みたいかたは、こちらから。
私はプーチン演説から特に重要部分だけ、引用させていただきます。
(●【要注意!】これから書くことは、「プーチンの演説」「プーチンの考え」です。北野の意見ではありませんので、よろしく。)
▼クリミア独立の「法的根拠」
さて、プーチンはここから、「クリミア独立」と「ロシア編入」の「法的根拠」について語りはじめます。
プーチン
「独立を宣言と住民投票を発表した際、クリミア自治共和国議会は
国連憲章を根拠とした。
民族自決の原則だ。
思い出してほしい。
当のウクライナもソ連から脱退するときに同様の宣言をした。
ウクライナは民族自決を使ったのに、クリミアの人たちはそれを拒
否される。
なぜなのか?」
げっ!
そういえば、ウクライナがソ連から独立する時も、「民族自決の原
則」を根拠にしたのですね。
ロシア、ベラルーシ、ラトビア、リトアニア、エストニア、グルジア、
アゼルバイジャン、アルメニア、トルクメニスタン、ウズベキスタン、
キルギス、カザフスタン、タジキスタン、モルドバ
もソ連から独立するのに「民族自決の原則」を使ったのですね。
じゃあ、「なんでクリミア自治共和国が同じことしちゃダメなのさ?」
とプーチンは問います。
皆さん、どう答えます???
プーチン
「このほかにも、クリミア指導部は有名なコソボの先例を参考にし
た。
それは西側が自ら作ったものだ。
全くクリミアと同じケースであり、セルビアからコソボが分離するこ
とを認めたものだ。
これも一方的な独立宣言だったが、そのときは中央政府の許可
は何ら必要とされなかった。 」
欧米は、「ウクライナ新政府の許可を得ていないクリミアの住民
投票は無効である!」としている。
しかし、コソボは2008年2月、セルビアからの独立を宣言した。
そのとき、もちろんセルビア政府はこれを認めなかった。
「コソボとクリミア、一体何が違うんだ?」とプーチンは問います。
皆さん、どう答えます???
プーチン
「国連の国際裁判所は国連憲章第1条2項の原則に同意し、201
0年7月22日付の決定で次のように指摘した。
文字どおり引用する。
「安全保障理事会は一方的な独立宣言について、一律禁止にす
るような結論は出さない」 」
↑つまり、国連の国際裁判所は、「一方的独立宣言もありですよ
!」と結論していると。
次、プーチンは、コソボ問題でのアメリカの対応に触れます。
プーチン
「国際法は、独立宣言について適切な禁止、というものを規定して
いない」。
すでに明かだろう。
引用を強調したいわけではないが、私は抑えることができないので、
公的文書から抜粋をもう一つ紹介したい。
それは2009年4月17日付の米国による覚書だ。
それはコソボの審理のときに国際裁判所に提出されたものだ。
「独立宣言は国内法に違反することが度々起こる。
しかし、それは国際法に違反していることを意味しない」。
自分たちで書いて世界に向けて吹聴したのだ。
すべてをねじ曲げ、そして今度は憤慨している。
どういうことだ? 」
プーチンは、アメリカが「独立宣言は当然国内法に違反するが、
国際法には違反していない」と主張していた事実を指摘します。
それなのに、同じことをしたクリミアについては怒っている。
要するにこれは、アメリカの「ダブルスタンダード」を批判したわ
けです。
▼プーチン、欧米の世界支配を批判
次にプーチンは、欧米の世界支配体制を批判します。
プーチン
「米国率いる西側は、政策を実行するのに、国際法ではなく、「力
の原則」に従う方を好んだ。
彼らは自分たちが選ばれたもので、例外だと信じた。
世界の運命を決めることができるのは常に彼らだけに与えられた
権利だと。
彼らはそのように振る舞っている。
それが正しいと言わんばかりに。 」
ここで、欧米は他国には「国際法に従うこと」を強要し、
一方で自分たちは「国際法」を守らず、「力を行使した」ことを指
摘しています。
具体的には?
プーチン
「国家の主権に対して武力を使い、同盟を組むのが常套手段だ。
我々に賛同しないものは、我々の敵だとみなす。
攻撃を合法だと装い、国際機関の必要な決議を破り、様々な理
由で都合が悪くなれば、国連、安保理をすべて無視する。
ユーゴスラビアでもそうだった。
1999年のことをよく覚えている。
自分でも目の当たりにしたが、信じられなかった。
欧州の偉大な都市の一つであるベオグラードが数週間のうちに
空爆で破壊されたのだ。
そしてその後、本当の武力介入が始まったのだ。
果たして安保理決議は、ユーゴスラビアのこの問題について、
こんな風に解決しようという内容だったか?
そんなわけはない。
そしてアフガニスタン。
イラク。
リビアではあからさまに国連安保理決議に違反した。
飛行禁止区域を守る代わりに空爆が始まったのだ。 」
ユーゴ、アフガニスタン、イラク、リビアなどで、欧米は国際法を
無視して他国を攻撃したと。
▼プーチンが欧米の欺瞞に「キレタ」瞬間
欧米のダブルスタンダードに憤るプーチン。
次に、「いつ我慢の限界を超えたのか?」を語ります。
プーチン
「同じようなシナリオがウクライナでもあった。
2004年の大統領選で必要な候補を押しつぶすため、法的には規
定されていない3回目の決選投票が行われた(オレンジ革命のこと)。
憲法に照らせば、ナンセンスであり、お笑いぐさだ。
そして今、用意周到に武装した人たちが投入された。 」
ここでプーチンは、04年のオレンジ革命は、「欧米がやった!」と
断言しています。
しかも「違法」な形で。
そして、今回のウクライナ革命で欧米が武装勢力を投入して政
権を強奪したと非難しています。
プーチン
「ロシアは誠実に欧州側と対話を目指してきた。
常にかぎとなる問題については協力を呼びかけた。
信頼レベルを強化したいし、私たちの関係を対等で開かれた、純粋
なものにしたいと思っている。
だが、相手方からの歩み寄りはなかった。 」
日欧米から見ると、プーチンはいつも「力」を行使しているような
イメージですが、ロシアから見ると、全然逆なのですね。
次にプーチンは、「具体例」をあげます。
プーチン
「それどころか逆に、何度も我々はだまされてきた。
我々の見えないところで事が決められ、実行された。
例えばNATOの東方拡大やロシアの国境近くに軍事施設を設ける
ことなどだ。
彼らは同じことを繰り返してきた。
「それはあなた方に向けたものではありません」。
信じられない。
(欧州)ミサイル防衛システムの展開もそうだ。
我々にとっては脅威にもかかわらず、施設や装置は設置されている。
ビザ問題交渉もそうだ。
グローバル市場における自由なアクセスと、純粋な競争についての
約束もそうだ。 」
ここでプーチンは、「ロシアは実質何も決める権利がなく、すべては
欧米が勝手に決める」と怒っています。
われわれ日本人にも、この気持ちはわかります。
プーチンの怒りが爆発する時が近づいてきました。
プーチン
「我々は根拠を持って次のように推察する。
すなわちロシアを抑制しようとする悪名高い政策は、18世紀、1
9世紀、20世紀にわたって続いてきた。
そして今も続いている。
我々は常に追い込まれている。
その理由は、我々が独立した立場を取り、それを守り、率直に言い
、偽善者ぶらないからだ。
しかし、我々にの我慢にも限度がある。
ウクライナのケースでは、欧米は一線を越え、乱暴で無責任でプ
ロ意識のないことをやった。 」
プーチンは、忍耐に忍耐を重ねてきたが、ついに我慢も限界に
きたと宣言しました。
怒りが爆発したのですね。
▼今後を占う重要な言葉
これからのウクライナ情勢について。
欧米が何をしても、ウクライナが戦争を決意しても、クリミアを
ロシアから取り返すことはできないでしょう。
これは、ある面「解決ずみ」なのです。
問題は、ウクライナ新政府が、
1、戦争をして敗北し、クリミアを失うか?
2、戦争をしないでクリミアを失うか?
です。
そして、次の大きな問題は、「プーチンはウクライナ東部、南部に
進むのか?」という点。
プーチン
「ロシアを利用してあなたたちを脅す人たちを信じないで欲しい。
クリミアのあと別の地域だと叫んでいるような人たちのことだ。 」
ここでプーチンは、「クリミアから先に進むこと」を否定しています。
ここまでプーチンは、
黒海艦隊のある超重要軍事拠点クリミアを、ウクライナからロシア
のものにすることに成功しました。
ウクライナ新政権は、ロシア黒海艦隊を追い出し、米海軍、NATO
軍を駐留させようとしていた。
プーチン
「キエフではウクライナがNATOに入るという話も出ている。
クリミアとセバストポリにとってそれは何を意味するか?
ロシアの偉大な軍事都市に、NATOの軍艦が出現することはロ
シア南部にとって脅威となるだろう。
それはつかの間もことではなく、全く具体的な脅威なのだ。 」
プーチンは、この軍事的脅威を排除することに成功しました。
道徳的、法的な話は抜きにして、現実的な勝利をおさめています。
ポイントは、ここでストップできるかです。
クリミアで止まれば、ウクライナ新政権が戦争を決意しても決意
しなくても、この問題は短期間で収束することでしょう。
というわけで、プーチン自身による「プーチンの論理」でした。
日本人の私たちにも、いろいろ考えさせられる点がありますね。
それにしても、世界は「戦国時代」です。
こんな「残酷な世界」で日本はどうやって「自立」を成し遂げることができるのでしょうか?
知りたい方は、いますぐこちらをご一読ください。
全部わかります。
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