マレーシア航空機事故捜索にかこつけて中国は南シナ海に軍事力誇示 | 日本のお姉さん

マレーシア航空機事故捜索にかこつけて中国は南シナ海に軍事力誇示

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年3月14日(金曜日)
通巻第4183号
マレーシア航空機事故捜索にかこつけて中国は南シナ海に軍事力誇示
ベトナムは過敏に反応、マレーシアは静かな怒り、アセアンは中国軍の行動を注視
************
MH370便が消息を絶って一週間。依然として手がかりが無く、乗客乗員239名のうち、150名以上が中国人、しかもスパイ企業として名高い華為技術の社員が30名前後も搭乗していたため、「捜索が遅い」と北京は居丈高にマレーシアをしかりつける。
そればかりか中国人民解放軍は南シナ海に「全面展開」(Full display)しており海域のマレーシア、ブルネイ、ベトナムをいらだたせている。「事故捜索」にかこつけて、まるで南シナ海で全面的な軍事演習をしているではないか、と。
とくに人工衛星を十個、軍艦を四隻、航空機八機という異様な展開ぶりで、なかでも二万トン級で攻撃能力の高い戦艦「金剛山」と「昆倫山」の弐隻が加わっていることに米海軍も注目した。
ベトナムは中国の空域からの捜索要請をはねつけ、「当該空域は完全にベトナムが掌握している」と伝えた。
ベトナムの南の海上にあるコンダオ島からさらに南方の海域が遭難現場とされたからである。
マレーシアは華僑が経済実験を握っているため親中的外交を展開してきたうえ、通貨スワップでも香港についで弐番目に承認したほど中国寄り姿勢だった。スプラトリー諸島への中国海軍の侵攻に関しても形ばかりの抗議をしてきただけだった。
ほんの弐ヶ月前、マレーシア海域にあるジェイムズ岩礁に中国軍艦が接近し、投錨し続けた。この岩礁はサラワク(マレーシア)から僅か80キロ、中国からは1800キロの地点である。
それでもマレーシアは中国非難を避けてきた。
▲なぜ、中国はかくも軍事的演習を誇示するのか?
だが今回の北京政府の口汚いマレーシア航空機事故非難は、あまりの品位のなさと傲慢さが目立ち、おとなしいマレーシア人も静かに怒りを広げている。
アセアン各国は中国軍の「偉容」を目撃して、心理的にも神経質になっており、米海軍と日本の自衛隊が本格支援に乗りだしてきたため、ようやくにして南シナ海のバランスをはかることができた。
○◎
こんな状況下、ベトナム共和国から主席(大統領)が来日し、天皇陛下宮中晩餐会のほか国会で演説することがきまった。16日来日、17日晩餐会。安倍首相は「南シナ海の航行の自由、国際ルール遵守」の共同声明を発表する予定という。
(このタイミングは偶然ですが、今夕、「日本ベトナム島嶼会議」による、尖閣、南沙、西砂問題を考える緊急シンポジウムが開催されます。今晩1800 市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)五
階「穂高」。入場無料。詳しくは下欄を)
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 1048回】
――「全行程を通じて、三びきのハエを見ただけであった」(中島23)
「点描・新しい中国」(中島健蔵 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
故宮博物院を見学する少数身族の立ち居振る舞いを目にして、中島が「少数民族が、平等の扱いをうけていることはいうまでもない」と感じた6日後の11月19日から27日まで、中共西蔵工作委員会が拡大会議を開いたのである。
会議は、「西蔵(チベット)各地域における党組織内で整風運動を展開することは十分に必要である。運動において、官僚主義、主観主義、セクト主義を全力で克服する以外に、大民族主義と地方民族主義の教育に反対しなければならない」という考えで一致したのだ。
ここに示された「大民族主義」が具体的には何を指し、「大」と「地方」の民族主義にどのような違いがあるのかは不明だが、中共西蔵工作委員会拡大会議と銘打っているところから判断して、民族主義は共産党政権が掲げる漢族中心の民族主義ではなく、チベット族にとっての民族主義と考えて間違いないだろう。
じつは反右派闘争を機に、共産党政権は民族政策を大きく転換する。建国当初から50年代を通じては少数民族の囲い込みに政策の重点が置かれていた。そこで?自治区や自治州を設定して広範な自治を与え、?少数民族の認定作業を行い、?少数民族の幹部を養成し、少数民族の言語教育を行い、?漢族ほどに過激に社会主義化を進めない――を柱にしていた。だが、反右派闘争を機に真反対の方向に舵を切った。少数民族が独自の民族的立場を求める動きを「地方民族主義」と批判する一方で、漢族による少数民族支配の正当化を目指す「民族融合論」を打ち出す。多くの少数民族出身の幹部は失脚し、仏教やらイスラム教徒に与えられていた特権は廃止され、政治と経済の両面からの国家的統合を掲げ、少数民族地区には大量の漢族が送り込まれる。
共産党は建国翌年の50年1月1日の機関紙『人民日報』の社説で、年度内の目標として「チベット、海南島、台湾の解放」と掲げていたように記憶している。その時から60有余年、いまだ「台湾の解放」は達成されてはいないが、チベット、海南島の「解放」は実現している。海南島はともかくも、チベットの「解放」とは先ずは人民解放軍を送り抵抗闘争を力で抑え込み、次いで「民族融合論」に基づき大量の漢族を移住させ徹底した「漢化」を図ることだが、50年の「解放」を指揮したのは?小平、89年の「動乱」針圧を指揮したのは胡錦濤――共に“民主派”と評される指導者だった。ということは少数民族制圧に関するなら民主派もヘチマもない。コチコチの漢族至上主義者だった。
因みに54年に全国人民代表大会副委員長に就いたダライ・ラマだったが、共産党政権のチベット政策に猛反発し、59年3月にインドに脱出。ダラムサラに亡命政権を樹立して現在に至っている。
チベットを例に建国以来の少数民族政策を簡単に振り返ってみても、口が裂けても「少数民族が、平等の扱いをうけていることはいうまでもない」などと公言できないはずだが、中島は「現在、少数民族の特徴を生かすこともおこなわれ、民族舞踊や民族歌謡が珍重されているが、人間としては急速に水準化され、平均化されていくであろう。各民族の要求に応じて、(少数)民族学院の中には、各宗教の祭壇も作られている。故宮博物館で見た(少数民族の)奇習も、彼らが欲するならばそのままにしておくという態度に関係があったと思う」と、空っ惚けて記す。
少数民族政策大転換直前の北京での体験を素直に綴ったともいえるが、少数民族が「人間としては急速に水準化され、平均化されていくであろう」という反応からは、少数民族の心情を慮る心など微塵も感じられない。漢族が上に立ち下に配された少数民族を統べる構造を持つ漢族至上の「中華民族主義」にも、やはり中島は毒されていたのだ。
《QED》
□○
(読者の声1)いつも貴重な情報をありがとうございます。貴誌前号に分析のあったカタールの問題も目を離せません。
ところで今月1日に昆明で起きた無差別殺傷事件についてですが、相も変わらず、支那共産党はウイグル人のテログループの責任にしています。
しかし周永康一派の取り調べが進み、周の粛清が近づき、江沢民一派が周を守る為に武力組織を使って政府に反撃を加えたと言う噂もありますが、実際のところどうなのでしょうか?
ところで私はフィンランドに住んでおりますが、いくつもの中国レストランは客数が極端に少なかったり、営業していないのにも関わらず、店だけは半年や1年も存在する事です。移民のために中国政府が資金を提供しているのではないかと思っています。
(SS生、在フィンランド)
(宮崎正弘のコメント)ウィグル過激派の犯行ではないようですが、ご指摘の情報源は香港の人権ウォッチグループで、今回のマレーシア航空事故も、ハイジャックして中南海へつっこむテロ未遂だった等と流しています。後者は眉唾の可能性が高いです。
3月1日の雲南省昆明駅殺傷事件は、パキスタンにいる過激派(カシュガル事件の主犯)がまだ犯行声明を出していないためウィグル過激派の犯行と断定できません。
第一に犯行現場にあったとされる「旗」は三日月にブルー。いかにもウィグル過激派を装っていますが、かかれた文字はアラブ語で、現在ウィグルで使われているウィグル語とは異なる。
第二に犯行に使われた刀は、ウィグル人が使うものではない。
第三に射殺されたウィグル人女性は「犯人」ではなく「被害者」の可能性があり、たった八人で10分間に170名も殺傷したなどとは考えにくい。事情通は、地元やくざと共産党の抗争ではないかと読んでいるようですね。
またマレーシア航空機ですが、レーダーから消えたのはベトナムのコンダオ島の南方海域です。じつは昨年五月、この島を取材しました。戦争中、過酷な政治犯虐待で悪名高い監獄がありました。いま、監獄が観光資源として記念館になっています。
そして、このコンダオ島をリゾート開発し、海水浴客がわんさか押し寄せている現実の風景には驚かされました。
(読者の声2)「小さな愛国運動! 御國のために戦った兵隊さん ありがたう♪ 兵隊さんのおかげです♪」
靖國の國家護持がままないどころか、兵隊さんの国営墓地 軍人墓地は忘れ去られなんとしてゐます。
都心も都心 青山墓地に軍人墓地はあります。

日清戦争開戦前 明治20年 127年前 畝傍艦といふ軍艦はシンガポール海上に沈没しました。墓所が建設されました。

常陸丸は記念碑が靖國 大村益次郎銅像の傍らに祭られてますが、墓地は青山に在ります。
明治37年 近衛聯隊の乗船する輸送船常陸丸は勇躍征途に赴き、渡満途上、日本海上 にて露西亜海軍に包囲されました。

降伏を潔しとせず、軍旗を奉焼して連隊長以下一千余名ほぼ全員が散華された痛ましい事跡です。畝傍艦墓地と常陸丸墓地は櫻並木を挟んで相対してあります。常陸丸墓所、畝傍艦墓所ともに香華が供えられています。

ご先祖様のお墓参りは自らの紐帯です。軍人墓地のお参りは國との紐帯を求めるに他なりません。彼岸のお中日 小さな愛国運動に ぜひご参加ください。
とき 彼岸のお中日 3月21日 午後1時
ところ 青山墓地 墓地下側 畝傍艦墓所(ネットでひけばヒットします
供養の花 線香は 主催者が用意いたします
私たちは忘れない!軍人さんのお墓を清掃する会
世話人 比留間
お問い合わせ higeoyazi2614@gmail.com
(読者の声3)日本李登輝友の会青年部が日台交流の最前線で活躍する李久惟氏を講師に講演会が開催されます。
演題「台湾に残る日本人の志~日台交流秘話」
日本李登輝友の会青年部はこれまで台湾料理教室や片倉佳史氏講師の講演会、台湾研修などを積極的に開催して同世代の青年に数多く参加していただき、それぞれに好評を博して参りました。今度は、「『日本人は語学ベタ』は真っ赤なウソ!」と日本人を驚かせた『本当は語学が得意な日本人』でブレイク中の15ヶ国語を話すスーパーマルチリンガル、李久惟(ジョー・リー)氏を講師に講演会を開催します。
台湾・高雄市生まれ李久惟氏は東京外語大学卒業後、台湾新幹線プロジェクトやWBCをはじめとする野球の国際試合やサッカーの国際試合で通訳を務め、日台交流の最前線で活躍しています。日本を愛し、日本精神を受け継ぐ若き台湾人の、日本人への熱いメッセージをぜひ聴きに来てください。
とき 3月15日(土) 午後6時~8時30分(5時45分開場)
ところ 文京シビックホール 3階 会議室1
(正面玄関入って右手のエレベーターをご利用下さい)。
東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
【交通】地下鉄:丸ノ内線・南北線 後楽園駅 徒歩2分
都営三田線・大江戸線 春日駅 徒歩3分
JR総武中央線 水道橋駅 徒歩10分
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_shisetsukanri_shisetsu_civic.html
講 師: 李久惟氏(マルチリンガル語学講師・日本李登輝友の会会員)
演 題: 台湾に残る日本人の志~日台交流秘話
参加費: 1,000円(会員および学生) 1,500円(一般)当日ご入会の方は会員扱い
申込み: 申込フォーム、メール、FAXにて。 *当日受付も可
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/quezbqdbobfw
E-mail:info@ritouki.jp
FAX:03-3868-2101
◆懇親会:講師を囲んで会場の近くにて[参加費=男性:3,000円 女性:2,500円 学生:1,000円]
◆主 催:日本李登輝友の会青年部(杉本拓朗部長)
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
facebook:http://goo.gl/qQUX1
本日、午後六時!
♪♪
「島嶼問題を考える」(尖閣、南沙・西沙諸島)緊急シンポ
*********** ********** *
中国、国防費12・2%増加! 米軍情報筋は「中国の軍事訓練は短期決戦型」(尖閣を想定)。おりからのウクライナ危機、隙を突く中国の尖閣諸島奪取は近いのではないか?
マレーシア航空機事故現場はベトナム海域だが、中国海監は夥しい艦船を派遣したうえ、「それゆえ当該海域に中国軍の基地と滑走路がいるのだ」と軍高官が発言した!
スプラトリー諸島、パラセル諸島はいかにして中国に盗まれたかを教訓としなければならない !
とき 3月14日(金曜) 1800-(1730開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 五階「穂高」
(JR、メトロ市ヶ谷駅徒歩三分)
入場無料 どなたでも予約なしで御参加いただけます。(当日カンパ箱が設置されますので100円でも千円でも浄財支援があれば、申し受けます)。
主催 「日本・ベトナム島嶼会議」(議長代行 藤井厳喜)
<プログラム> 総合司会 宮崎正弘
ゲスト挨拶 浜田和幸(参議院議員)
映像 中国軍、南沙侵攻の実態(8分)
<シンポジウム(50音順、敬称略)> 1825-2015
有本香(ジャーナリスト)
佐々木良昭(中東研究者)
高山正之(コラムニスト)
藤井厳喜(政治学者)
司会 水島総(桜チャンネル代表)
ふるってご参加下さい! 予約の必要はありません。
◎△□ ◇ △◎○ ○○○
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘最新刊の案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の最新刊 大増刷出来!
『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、998円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
http://www.amazon.co.jp/dp/4198637385/
♪♪
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1050円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――中国の支配政党の独裁システム崩壊シナリオを七つの視点から予測
http://www.amazon.co.jp/dp/4759313494/
♪♪♪
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1050円)三刷!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――中国のバブル崩壊を予測した先駆作 斯界騒然の話題作!
http://www.amazon.co.jp/dp/4759313303/
♪♪
『取り戻せ 日本の正気』(並木書房、1575円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――アベノミクスの芯にあるのは吉田松陰、高杉晋作、三島由紀夫である
http://www.amazon.co.jp/dp/4890633111/
< 宮崎正弘のロングセラーズ >
『出身地を知らなければ、中国人は分らない』(ワック 998円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898316840/
『黒田官兵衞の情報学(インテリジェンス)』(晋遊舎新書、840円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4863918569
『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店、1000円)
http://www.amazon.co.jp/dp/419863579X/
『世界は金本位制に向かっている』(扶桑社新書 720円+税)
http://www.amazon.co.jp/dp/4594067778/
『中国を動かす百人』(双葉社 1575円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575304875/
『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、232p、並製。定価1575円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4890632999/
『現代中国 国盗り物語―――かくして反日は続く』(小学館101新書、定価756円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4098251450/
<宮崎正弘の対談シリーズ>
『2014年の中国を予測する―中国大陸から次々と逃げ出すヒトとカネ』(ワック)
石平氏との対談第五弾
http://www.amazon.co.jp/dp/4898316891/
『2013年後期の中国を予測する 習近平の断末魔の叫びが聞こえる』
(石平氏との対談第4弾 ワック 940円)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック、980円)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾 ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック、933円)
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)

宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2014 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示