中国軍、フィリピンの補給線を妨害。米国も「挑発的行為」と強く非難 | 日本のお姉さん

中国軍、フィリピンの補給線を妨害。米国も「挑発的行為」と強く非難

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年3月14日(金曜日)弐
通巻第4184号
中国軍、フィリピンの補給線を妨害。米国も「挑発的行為」と強く非難
アユンジン浅瀬(セコンド・トーマス環礁)の守備隊が飢餓に直面
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フィリピンの主権が及ぶアユンジン浅瀬(タゴロイ語、英語名=セコンド・トーマス環礁)を守備するフィリピン海軍守備隊(海兵隊十名程度)へ食料を運搬するフィリピン輸送船が、中国海軍のフリゲート艦などによって妨害され、食料をもち込めないとう状況の陥った(3月11日)。
フィリピンは1999年から同環礁に守備隊を置いてきた。
『マニラ・タイムズ』(3月13日)は「守備隊は飢餓に直面している」と報じた。
比国防省は空軍による食料投下に踏み切らざるを得ないと記者会見した。米国国務省報道官も「これは航行の自由を脅かす重大な国際法への挑戦」と強いトーンで中国を批判した。
中国は2002年に突如、セコンド・トーマス環礁を「仁愛礁」などと命名し、中国の主権が及ぶと云いだし、付近に軍艦を派遣してきた。
2013年には中国海軍が付近に出没するようになり、同年6月21日には「フィリピン守備隊の駐屯は違法である」と叫びだした(ロイター、2013年6月21日)。着々と侵攻の牙を研いできたのだ。
他方、フィリピン国防軍は装備がお粗末な上、空軍はほとんど装備らしき装備を保有せず、戦闘機は韓国製FA50を十二機、購入するという契約を結んでいるが、まだ実戦配備されていない。FA50は13年五月に開催されたバグダットの兵器展示会で契約したとされる。
しかしながら米比安保条約を締結している米国はスカボロー岩礁をすでに中国が軍事占拠し、コンクリートブロックを工事している事実を目撃しても、アキノ大統領が「中国はナチ」と非難している現実を前にしても、軍事的反応行動を支援せず、このオバマ政権の対応に「ピボット」「リバランス」は単なるリップサービスだったのかという失望が、フィリピンばかりか同じ領土問題で中国に主権を侵されたインドネシア、マレーシア、ブルネイなどアセアン主要国に急拡大している。
中国は米国の対応を慎重に探りながら、次の侵攻を計画しているのだろう。こうした流れを一瞥するだけでも、中国がつぎに本気で尖閣諸島の奪取をもくろんでいることは明白である。
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1049回】
――「全行程を通じて、三びきのハエを見ただけであった」(中島24)
「点描・新しい中国」(中島健蔵 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
北京を代表する名勝の1つである北海公園で、中島は遊びに興じている若い学生の笑い声を耳にしながら、「なぜ日本人の多くは“中国”といわずに“支那”というのだろうか、と」考えた。
「日本人が“支那”という時、別に悪意はないという。英語でChinaと呼ぶことには不快を感じないのに、それと同じ語源の“支那”がなぜいかんのか、という。ほんとうにそうであろうか。なかにはむしろした親しみの情をこめて“支那”と呼んでいる日本人もいるであろう。しかし、やはりこの呼び方の中には、救いがたい日本人の根性が隠れているのではないか。相手が希望することを、そのまま受けいれてそれに従うのが嫌いで、相手が嫌うことをわざとやってみせて、それで自分の主観的な優越感を満足させているに近いといったらいいすぎであろうか」と記した後、「礼儀の問題を離れて、冷静な利害だけから考えても、明らかに相手が嫌っているような呼び名をやめないのは、全くの愚行なのである。損はあっても、“とく”はないのである」と続ける。
そういえば、数年前、天津で出会った中国の青年が「他国はともかく、日本人だけからはシナと呼ばれたくない」と半ば興奮気味に抗議口調で話していたことを思い出した。
ところで中島の主張を言い換えるなら、「支那」という「呼び方の中には、救いがたい日本人の根性が隠れてい」る。そんなことは「自分の主観的な優越感を満足させている」だけであり、「冷静な利害だけから考えても、明らかに相手が嫌っているような呼び名をやめないのは、全くの愚行なのである。損はあっても、“とく”はないのである」――敢えて相手が嫌っているようなことを行うことは愚かであり、ソロバン勘定からいっても損だから止めよう、ということになるだろう。
だが考えてみれば、戦後の両国関係に対する日本側の対応は一貫して「明らかに相手が嫌っているような」ことを避ける一方で、ソロバン勘定を第一に「“とく”」になることを中心に動いて来たのではなかったか。
もちろん、日本の首相としては戦後初めて台湾を訪問し、帰国後の1957年11月、参議院外務委員会で、共産党政権が最も嫌った「二つの中国」を前提に、「台湾海峡の争いは二つの政権があるためで、日本は国民党と共産党の争いを調整したい」と発言した岸首相などは極めて稀有な例であり、おしなべて「明らかに相手が嫌っているような」ことを避けて来たといえる。
さらに中島は、「日中文化交流は、一つの特別な目的をもっていた。日本がわでもよく承知していたことであるが、まず第一に、これは隣りあわせの日本と中国との人々の学びあいによって、相互理解を深める、という目的のためにおこなわれていた」。「その目的のさらに奥のところには、どんな形にしても、近い将来における真の友好関係への道を開き、平等な条件による平和共存を確実にする、という目的が存在した。それは、法律解釈や、損得の問題に先立つ条件であった」と、続ける。
加えて「理くつぬきで、そういう目的をよく理解するか否か、そして、それを希望するか否かが、第一の分かれ道である」。「この基本目的がはっきりしているかぎり、たいていの問題を克服することができた。逆に、少しでもこの目的が忘れられると、たちまち困難が大きくなった」。行間から、日本側は「この目的を忘れ」るが、中国側は原則に従って忠実に履行している。だから「日本として、中国に学ぶべきことはいくらでもある」。かくして、「自分にとっていやなことは相手にとってもいやなことであることを知るのが第一の道である」との結論が導かれている。
だが、そもそも「真の友好関係」「平等な条件による平和共存」は可能なのか。
《QED》

本日、午後六時! 「島嶼問題を考える」(尖閣、南沙・西沙諸島)緊急シンポ
本日、午後六時!
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「島嶼問題を考える」(尖閣、南沙・西沙諸島)緊急シンポ
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中国、国防費12・2%増加! 米軍情報筋は「中国の軍事訓練は短期決戦型」(尖閣を想定)。おりからのウクライナ危機、隙を突く中国の尖閣諸島奪取は近いのではないか?
マレーシア航空機事故現場はベトナム海域だが、中国海監は夥しい艦船を派遣したうえ、「それゆえ当該海域に中国軍の基地と滑走路がいるのだ」と軍高官が発言した!
スプラトリー諸島、パラセル諸島はいかにして中国に盗まれたかを教訓としなければならない !
とき 3月14日(金曜) 1800-(1730開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 五階「穂高」
(JR、メトロ市ヶ谷駅徒歩三分)
入場無料 どなたでも予約なしで御参加いただけます。
主催 「日本・ベトナム島嶼会議」(議長代行 藤井厳喜)
<プログラム> 総合司会 宮崎正弘
ゲスト挨拶 浜田和幸(参議院議員)
映像 中国軍、南沙侵攻の実態(8分)
<シンポジウム(50音順、敬称略)> 1825-2015
有本香(ジャーナリスト)
佐々木良昭(中東研究者)
高山正之(コラムニスト)
藤井厳喜(政治学者)
司会 水島総(桜チャンネル代表)
ふるってご参加下さい! 予約の必要はありません。

読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
(読者の声1)貴誌前号。マレーシア航空機の事故をも利用して覇権を進めようとする支那。使えるものなら何でも使う支那らしい下衆丸出しの行動ぶりです。
(MY生、板橋)
(読者の声2)中国の大気汚染PM2・5はまったく迷惑なことですが、山西省の石炭にはウランが混在されているという情報があります。もし、そうだとすれば、被害はもっと甚大申告ですが、如何なのでしょうか?
(IU生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)PM2・5には殺虫剤ガソリンによる煤煙、毒性の強い粉塵などがふくまれており、肺ガン発生率は世界第一位です。ウラン混入石炭ですか。調べてみます。
たしかに三年前3月12日(東日本大震災の翌日)、長野県の放射能測定が最悪でした。福島から長野に風は吹いておらず、当時黄砂が発生していました。となると、あの国から偏西風ではこばれてきた粉塵の中にウランが含まれていたことになります。
直後、在日中国人十八万人が急遽帰国しましたが、もっと汚染された国に自分から帰ったことになります。
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