備えと覚悟は絶対に必要
失政の責任を日本に転嫁、戦争を起こしかねない周辺国
その挑発に絶対に乗ってはならない
2014.03.12(水) 篠田 芳明
特に注目すべきは、国内情勢が相当歪な状況であることだ。世界第2の経済大国とのことだが、貿易収支は凄いが、持続可能な経済政策が取られず、人民生活に支障を来すほどの環境悪化を放置していることである。
我が国や西欧先進国でもこれは過去に経験済みで、今は改善されたがその貴重な教訓を全く無視するどころか歴史上かつてないほど無謀な実験を自分たちの生活空間で強行している。
また、伝え聞くところでは政府高官の腐敗・堕落の実体が相当酷いとのことであるが、政(まつりごと)で最も危険な行為はまさにこのことであろう。世界史上これはいつも繰り返され、我が国でも大なり小なり露見することはあるが、中国共産党政権の腐敗は(現状の秘密主義をもってしても)覆い隠せない酷さであるようだ。
“国家(政権)は外敵によって滅ぶことは希であり、その多くは内部から熟し柿が落下するように滅ぶ”
と言われているが、我が国の指導者にも肝に銘じてほしい格言である。
ところで、これらが中国共産党だけの内部爆発で終演すればいいが、このことが原因となって我が国に波及しつつあることが最も恐ろしい。現に、国内政治への統制に限界が見え始めた昨今、我が国や近隣国家への挑発が頻繁に発生しており、人民の不満が政府に及ばないよう挑発を捌け口に利用している。
特に、過去の“借りてきた猫”のような日本の政権と違って“国際常識に照らして正しいと思われることを”堂々と発信する安倍政権は極めて目障りであり、願ってもない口攻撃の標的であるらしい。
自国は毎年軍事費を12%以上増強し、大軍を保有すると共に空母、弾道ミサイル、ステルス戦闘機などの最新兵器で重武装して米国に次ぐ軍事力を持ちかつ強化しながら、“日本は軍国主義の道を走っている”とは呆れる。
しかし、現実の国際政治の場面では何が起こるか将来のことは予想し難い。ことに近隣国を攻撃する能力と攻撃の意図を隠そうとしない中国共産党の最近の挑発的行動を見て“身構えるな”と言う方が無理である。
備えと覚悟は絶対に必要
いかに不確定・不安定な世界情勢の中であっても、我々日本民族は生き延びて行かなければならない。
それに異を唱える日本国民は一人もいないと思う。かつて、平和主義者という人と話をしたとき、「戦争が起きたら外国に逃げる」との言を聞いて呆れたことがあるが、そういう人には「どうぞご自由に」と応えるしかなかった。
平和主義者が大好きな「永世中立国スイス」では全国民に徴兵制があるのをご存じなのか?と思ったものである。
さて、日本が生き延びる方法であるが、絶対軽はずみな行動に出て、戦争に巻き込まれることは避けなければならない。
太平洋戦争も今にして思えば、避ける方法があったかもしれない。日本首脳部はもちろん、米国と戦争して万が一にも勝てるとは思っていなかったし、むしろ避けるべきだと考えていた。
米国の全般体勢としても一部を除き、戦争を望んでいたわけではなかったようだ。もう少し冷静になってお互いを知るべきであった!・・・と言っても今さら致し方ないことではあるが・・・その苦い教訓は生かすべきだ。
しかし、歴史を見ると不安定な政治対決の局面で不幸なことが重なると偶然が作用して大きく戦争へのトリガーを引いてしまう。従って、日本はこのトリガーを自ら引かされないよう我慢・我慢・・・そして・・・我慢をして堪え忍び、国際協調できる国家と強固な連携を図ることが何よりも肝要である。
特に今日の世界を見渡してもかなり健全な国家民族と思われる日本に言いがかりを付けて最初のトリガーを引かせようとする国は、自国内部に深刻かつ危険な問題点があり、現政権維持の瀬戸際に立っている可能性がある。
このような状態で戦争が勃発すれば“国際法も何のその!勝てば官軍”とばかり手段を選ばない過剰破壊さえ躊躇しない可能性があって非常に危険であると私は思う。
従って、日本の我慢が臨界状態を多少過ぎても堪え切る覚悟が必要で、無法国の自壊までこの苦しみに耐え抜く根性と工夫が必要であろう。
だが、それでもなお戦闘が勃発する事態になれば、我が民族の全知全能を総動員してこの国を守らなければならない。
左図に彼我の戦力発揮が自国の領土から離隔すれば減衰する概念図を示したが、陸・海・空の特性によって発揮できる様相が異なる。
日本防衛という観点で忘れてならないのは、陸上戦力は国土に張り付いて、正確強力な対空能力や近海での地対地・地対艦撃破能力もあることだ。陸上戦力は攻略軍による橋頭堡の構築を排除し、海空戦力と統合すると強大な防衛力を発揮する。
幸いなことに、我が日本は海に囲まれた島嶼国家であり、攻撃側にとって最新装備を備えた大兵力を持ってしても攻略は容易ではないはずで、大国といえども莫大な国力を消耗することになろう。
万が一そのような事態なれば日本国民は一致団結して勇敢に戦い、攻略国が「全く勘定の合わない賭けごとであった」と判断する時点まで(いつまで続こうとも)死力を尽くす覚悟が必要だと思う。
我が国は有史以来1300年以上も連綿として1民族で奇跡的な平和と独立と伝統を守り続けてきた。
ほとんどすべての日本人はこの国を愛すると私は信じる。そして、愛するものを守る者は犠牲をも省みず勇敢で強靭であるとも思う。