妥協を知らないのが支那人の特質
平成26(2014)年 2月6日(木曜日)
通巻第4137号 <前日発行>
インドはハイダラバード出身のネデラ氏がマイクロソフトの新CEO、
日本が援助する技術大学はハイドラバード、地元は大歓迎、歓呼の嵐
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安倍首相のインド訪問は大歓迎を受けた。インド共和国式典に毎年ひとりだけ招待される国賓に、今回は安倍首相が選ばれたのだ。
ちょうどインドにいた筆者は、インドのメディアが連日、日本賛歌の嵐のような報道ぶりを目撃してきた。テレビはトップニュースだった。
昨秋にも天皇皇后両陛下がインドを訪問されたばかりである。
インドに於いて安倍首相は多数のプロジェクトへの支援を表明した、
とくに北東部のインフラ開発は、インドと中国の領土係争地をふくむ地域であり、中国が驚き、かつ警戒する。
これは北京から看れば挑発的にみえるだろう。
じつはもうひとつ画期的なプロジェクトがある。
日本の援助プログラムの中に、ハイダラバードに日本のJICAが支援して技術大学が創設され、東京大学が設計の段階から全面協力するのだ。
いうまでのなくハイダラバードは、高原都市のバンガロールと並んでインドのハイテク工業団地、IT産業のメッカ、世界のハイテク企業が勢揃いする場所であり、もちろん、日本の企業も相当数が進出している。
そのハイダラバードへも行った。チェンナイから飛行機で一時間チョット。デリーからだと二時間半ほどかかる。
現在のインドはテロを警戒しているため国内線もチェックインは二時間前から、荷物検査にくわえて厳重な身体検査、チケット、手荷物にまでセキュリティ検査のスタンプが必要なので、余計な時間がかかる。
さてハイダラバードのホテルへ入って市内見物に出かけたが、筆者が驚いたのは、酒が飲めないこと(爆笑)。
タバコも全てのレストランで禁煙である。分煙席さえない。
学園都市と隣接してハイテクセンターが完成していた。ハイダラバードのIT新都心では、若者達が恰もシリコンバレーのような、伸び伸びした環境の中で日夜次の技術開発にしのぎを削っていた。付近には高層マンション群がにょきにょきと建っている。
▼ネデラ新CEOはまだ、47歳の若さ
このハイデダバードで生まれたインド人が、世界一のコンピュータソフト企業「マイクロソフト」の新CEO(最高経営責任者)になった。日本の新聞もちょっとだけ伝えたが、インドはお祭り騒ぎである。
インド人で全米有数の企業トップになったインド人はほかに二人しかいない。ペプシコのインドラ・ノオイとマスターカードのアジャイ・バンガだけである。
新CEOのサトヤ・ナデラはまだ47歳。ハイダラバードの高校を卒業し、渡米、ウィスコンシン大学で学位(コンピュータ科学)、シカゴ大学でMBA,オラクルとサンマイクロシステムを経て、92年にビル・ゲーツのもとに駆けつけ、おもにベンチャー部門、クラウド開発の責任者としてビル・ゲーツの信任篤く、就業から二十二年を経て、ついにトップとなる。
ナデラの昨年の年収は推定8億円(本給、ボーナスの他、株式オプションを含む)。とくにシアトル時代は週末に飛行機でシカゴへ通い、優秀な成績でMBAと取得したことは語り草になっているという。
マイクロソフトといえば、「ウィンドーズ」「ワード」「エクセル」、そして「アウトルック・エクスプレス」など、すでに常識的用語となっている。
しかしマイクロソフトは好敵手アップルにスマートフォンで大差を付けられ、またクラウド開発に遅れたため、ゲーツは顧問に退き、新しい社長をむかえようと外部に打診してきた形跡がある。かつてステーヴ・ジョブを退任させ、外部からCEOをもってきたアップルのように。
『ザ・タイムズ・オブ・ インディア』(2月5日)によれば、フォードのアラン・ミュラリィ、ノキアのステファン・イーロップ、グーグルのサンダー・ピチャイ、モトローラのサンジャイ・ジャなどが候補にあがっていたが、けっきょくマイクロソフト社内からクラウド事業に明るく、次の世代ハイテク製品をスピーディに開発できるチームを纏める能力が高いとしてネダラに決まった。
なおクラウドとは、インターネットを基盤としたコンピュータ資源の利用形態で、ユーザー側は、コンピュータによる処理やデータの格納をネットワーク経由で利用し、その度に料金を支払う。
これからのコンピュータ企業の中核を形成するビジネスになるとされる。
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(読者の声1) 3月12日に靖国神社啓照館にて「小野田寛郎お別れ会」が開催されます。
小野田自然塾
http://www.onodashizenjuku.or.jp/
案内文
謹啓 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。この度、亡き小野田
寛郎 (享年九十一歳) のお別れ会を、下記の通り執り行うことと致します。ご参集を賜りますようご案内申し上げます。
故人はフィリピン・ルバング島で終戦後も遊撃戦を約三十年にわたって続け、昭和四十九年三月十二日、祖国へ帰還致しました。お別れ会は、その日から四十年目にあたります。帰国後、ブラジルへ渡り、原野を切り拓いて牧場を営みました。その傍ら、日本の子どもたちが自然を畏敬し、自然と共に生きるように、福島県・塙町に拠点を置く「小野田自然塾」を創り、理事長として次世代の育成に晩年を捧げました。
この希有な人生の折々に賜った皆様のご厚誼ご厚情に対し、改めて深く御礼を申し上げます。どなた様でもご参集下さいますよう、平服にてご参列を賜りますようお願い申し上げます。
また、供物、供花、御芳志の一切をご辞退申し上げます。
喪主 小野田 町枝 財団法人小野田自然塾
記
とき 3月12日 (水) 午前11時~午後3時
ところ 東京・九段 靖国神社「啓照館」(住所:東京都千代田区九段北3-3-1)
当日は、会場出口におきまして写真展を開催致します。
問い合わせ先 小野田自然塾事務所 TEL:03-3533-7895 / FAX:03-3533-7894
(宮崎正弘のコメント)故人とは発見者の鈴木さん、ご両親をふくめて、小生も奇縁の連続でした。ご冥福をお祈りします。合掌。
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(読者の声2)従軍慰安婦に関する河野談話や靖国参拝についてマキアヴェリは500年もまえに教えてくれています。続きです。
「君主は、自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない。たとえそれを耐えぬく自信があったとしても、この種の妥協は絶対にしてはならない。
なぜならほとんど常に、譲歩に譲歩を重ねるよりも、思いきって立ち向っていったほうが、たとえ失敗に終ったとしても、はるかに良い結果を生むことになるからである。もしも正面衝突を回避したい一心で譲歩策をとったとしても結局は回避などできないものだからだ。
なにしろ譲歩に譲歩を重ねたところで相手は満足するわけでもなく、それどころか相手の敵意は、あなたへの敬意を失ったことによって、より露骨になり、より多くを奪ってやろうと思うようになるのがオチなのだ。」と。
また「謙譲の美徳をもってすれば相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯すはめに陥る」と。
(足立)
(宮崎正弘のコメント)妥協が美徳という日本のモラルが世界に通じないことも同時に理解できますね。妥協を知らないのが支那人の特質でありますから。
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<宮崎正弘の対談シリーズ>
『2013年後期の中国を予測する 習近平の断末魔の叫びが聞こえる』
(石平氏との対談第4弾 ワック 940円)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック、980円)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾 ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック、933円)
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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