しいたけ皮膚炎 | 日本のお姉さん

しいたけ皮膚炎

見た目は何もないのに非常に痒く、バリバリと痒い場所を指で掻くと
指で掻いた部分にツブツブが盛り上がってきて赤くなる。
掻いた場所に赤い線ができる。
ブツブツのてっぺんに水泡ができている。
まさにしいたけの中毒です。最近、大量にしいたけを買って毎日しいたけスープを作って飲んでいたからな。ちゃんとゆであがっていないのもあったと思う。

友人は、長い間じんましんに悩まされていたが、ある病院に行くと直ぐに医者が「コリン性じんましん」ですと言ったそうだ。
そのコリン性のじんましんは、針灸整骨院の院長が針で治してくれたので、今は全然出てこないそうです。
友人はコリン性じんましんと判断されるまで、あちこちの病院を回ったそうです。直ぐに病名を当てる医者は実は名医なのですが、病人には不満が残る場合があるらしい。ちなみにコリン性じんましんは、普通の病院に通ってもちっとも治らなかったそうです。逆にステロイドで皮膚がボロボロになったとか。友人は良い針灸医に出会えたということです。

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しいたけ皮膚炎
再び、(三度?)しいたけ皮膚炎 最近、しいたけ皮膚炎と思われる患者さんが、来院しました。年間に2~3人はあるように思います。今回は、初めの問診では「シイタケなんか食べてません。」とのことです。しつこいようですが、「ここ数日の間に食べていませんか?」と再度聞きますと、「そういえば昨日食べた春雨に一寸混じっていたようですが、でもほんの少しです。」とのことでした。多分量は少しでもシイタケから出たエキス、汁の成分がかなり影響していたのではないかと思いました。 しいたけ皮膚炎は線状、鞭打ち状に赤みや丘疹が出来るのが特徴です。掻いた痕に一致して浮腫性の紅斑が線状に配列して見られます。これをケブネル現象といって、刺激によって元の皮疹がでるものをこう呼びます。乾癬でのケブネル現象が有名です。 このような発疹を生じるのは他には抗がん剤のブレオマイシンの薬疹ぐらいですので、知っていればまず診断は簡単です。 さて、なぜしいたけ皮膚炎がでるのだろう、という原因については今ひとつ正確には判っていません。生しいたけを食べた場合が多いので生しいたけに含まれる成分で加熱によって破壊される成分によるものだろうといわれています。しかし茹でたもの、調理をしたもので出たという報告もあります。 現在の所、生しいたけに含まれるレンチナンという多糖類成分によるものやアガリスクにも含まれるチロシン、チロシナーゼなどが原因だろうといわれています。しかしその機序もはっきりしません。アレルギー説、中毒説などありますが確定していません。 ある物質に対して一旦アレルギーになれば次回もその反応がでるのが普通です。しかしこのしいたけ皮膚炎では再現性は乏しいといわれています。すなわち一旦皮膚炎になったら次回も必ず出るとはいえないのです。普段食べていて問題ない人も発症します。また同時に多く食べた人が何ともないことが普通です。生しいたけを焼いて食べた例が最も多いですが、アガリスク、しいたけ戻し汁、しいたけエキス、しいたけチップ菓子での発症報告もあります。明確な発症機序は未だ明らかではないと言えます。 しかし、やはり生しいたけは注意したほうが良いようです。
余計なことかもしれませんが、このしいたけ皮膚炎で一言思い出したことがあります。 皮膚科の疾患は、知っていれば(見たことがあれば)この’しいたけ皮膚炎のように’一瞬で診断がつくものもあります。それで昔から皮膚科ではこれをドイツ語でBlick Diagnose、英語でsnap diagnosis(一瞬の診断)と呼んでいて、それができるのは名医の条件でもあります。かつてあるベテランの皮膚科の先生が、内科の医師が色々な検査をしてしかも診断がつかなかった膠原病を一瞬の間に診断して驚嘆された、という事を聞きました。(そして、その内科医師は苦虫を噛み潰していたとか)。こういった話はよく耳にします。 名医はその頭の中に千以上もの病気を記憶していて、一瞬のうちに鑑別診断することができ(ることもあり)ます。いってみればスーパーコンピューターが備わっているようなものです。そして、目で見て診断ができれば色々な機器や血液検査などが省けるのですから患者さんの負担にならずにしかも安上がりなのです。 しかし、この目の値段が一般には判らないのが現実です。ちらっとみて話を聞かなくても的確な診断がつくことがあります。ですからそれが時には患者さんの不満になる事もありえます。あの医者はちらっとしかみてくれなかった(名医に対して)、あのお医者さんはじっくりみてくれて検査までしてくれた(実は疾患をよく判っていなくて色々スクリーニング的な検査をやった)ということもありえます。 皮膚科は見て触ってmm単位で判断することができます。その気になれば毎日でもその皮膚病変の変化を追うことも可能です。CTもMRIも内視鏡もmm単位でみてはいませんし頻繁に見ることはできません。 なまじよく見えるために目の値段の評価が低いのが実態かもしれません。しかも患者さんも目で見えるのでちっとも治らない、と不満も多いようです。 最近はダーモスコピーが導入されて皮膚科医も少しは易者から医者らしくみられるようになってきたかもしれません。一瞬で判ってもその診断に至った手順を時間をかけて説明すること、一般にわかるような言葉で説明する努力も患者満足度につながるのかと思いました。
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