中国にはやはり「戦略がなかった」 | 日本のお姉さん

中国にはやはり「戦略がなかった」

中国にはやはり「戦略がなかった」
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年11月29日(金曜日)
通巻第4077号
自らを窮地に追い込んでしまった中国にはやはり「戦略がなかった」
防空識別圏の設定は日米の団結を強め、「子分」の韓国からも怒り
をかった
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1996年、中国が台湾にミサイルをぶっ放して脅したとき、弱腰だっ たクリントン政権が台湾海峡へ空母艦隊を派遣した。
総統選挙では中国が誹謗した李登輝が圧勝し、北京はメンツを失った。
2001年、米軍偵察機EP3が領空侵犯したおり、中国機が体当たり (パイロット死亡)、海南島に不時着させられて米軍機の乗員24名が 11 日間も拘束された。
ブッシュ政権は中国に対して不信感を露わにした。
11月26日、尖閣上空を自国の領空と言い張る中国は「防空識別圏」 を一方的に設定し、世界を唖然とさせた。防空識別圏は英語では「ADIZ」(Air Defense
Identification Zone)という。
このADIZには韓国の済州島付近上空ならびに台湾領空が含まれ、とくに韓国が激怒を示した。中韓関係に亀裂が入るほどの衝撃を韓国政治にももたらし、韓国軍は哨戒機を飛ばして、中国が言い張る「ADIZ」に中国へ通告せず飛行した。
レイムダック、無能と批判されるオバマ政権は、B52機を2機、中国 が一方的に宣言したADIZに飛ばした。
中国からの緊急発進も電波妨害もなく迎撃機も出現しなかった。
これはむしろレイムダックのオバマ大統領にとっては政治的チャンスとなり、バイデン副大統領は来週予定している北京訪問で「重大な懸念」を表明する。
なかでも注目は米国のメディアが中国批判を強めていることで、尖閣諸島の帰属では日和見主義の米国だったが、日本と揉めている尖閣諸島の所属問題で中国がエスカレートしても、領海侵犯問題では関与しなかった米国が領空問題ではB52を飛ばした上、日本の自衛隊との合同演習に空母 艦隊を派遣するなど直接的関与を示したからだ。
イランにもシリアにも空爆をためらった米国が、軍事的挑発に出たのだ。
「これは米国からの挑発」と中国は受けとり、またすっかりメンツをつぶされてしまったと認識する。
ニューヨークタイムズは「中国の明確な誤算」と書いた。
ウォールストリートジャーナルは、社説で「日米は連帯を強めた。中国は見通しを誤ってしまったのだ。弱い者イジメをつづけてきた中国が、この態度を続ける限り、日米の団結はさらに強まるだろう」(11月28 日)。
◆書評 ◇しょひょう
戦国武将の思いや野心が息づく名城を訪ね歩き、歴史の空気をすう
カメラをかついで筆者の城めぐりは玄人の領域、撮影も専門家肌
濱口和久『日本の名城(上)――戦国武将と出会う旅』(青林堂)
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天下の名城は日本国内に山のようにある。廃城になっても、公園として
残ったり、近年に設計図を元に鉄筋コンクリートで再建されたり、観光資
源としての活用も見られる。熊本城などは毎年160万人が訪れる。
荒れ地のままの高天神城や伊豆各地に散らばる山城の跡は北条早雲が攻め
て滅ぼし、以後は痕跡を僅かに留めるくらいの城跡もある。
明治維新政府が各地の城を破却したため、昔のままのかたちで奇跡的に
残ったのは彦根、熊本、姫路の各城くらい。広島城は戦災で破壊された。
戦後、いち早く再建されたのは大阪城などで犬山城などは個人の篤志家が
立て直した。清洲城は、原型とまったく異なる鉄筋つくり、安土城は、城
郭跡がそのまま残り、往時の信長の勢いを示すが、これは本能寺の変で織
田信雄が焼いて岐阜へ退却してから四百数十年後に天主が再現された。設
計図が出てきて復元されたのだ。
評者(宮崎)は金沢生まれなので、小さい時から城内の公園で遊んだ
り、兼六園には毎日のように行った。だから城と茶室、池のある庭園跡地
は日常の光景にとけ込んでいた。高校時代には無銭旅行で東北、北海道か
ら関東、近畿をまわったこともあるが、各地で城を見た。
それが高じて、 いつしか全国の城跡を訪ねることが多く、とくに戦国武
将のことを書いて いた四半世紀前までには殆どを見た(つもりだった)。
ところが本書を手にして、おっとまだ見ていない城がぞろぞろと出てき
た。著者の濱口さんとは10年来の知己だが、政治の話をしたことはあって
も、城跡や城の研究に関して話し合ったことがなかった。だから『夕刊フ
ジ』に城シリーズを連載されていることに気がつくまで、濱口さんが城の
研究家とは知らなかった。
城に興味を抱くのは、歴史が詰まっているからだ。むろん築城者の思想
が濃厚に現れ、単に防御砦のものから、芸術的建築として世界遺産になっ
た姫路城など、世界に誇るべき伝統芸術として鑑賞することも可能であ
る。「城にはそれぞれドラマがあり、戦国武将の思い、歴史の空気を感じ
取る旅が出来る」と濱口氏は言う。
さて。
本書に登場する城は安土、上田、宇和島、大阪、熊本、彦根、弘前、松
本、伊予松山に丸岡城の十の城が第一章。これらは評者もみんな見てい
る。安土、彦根、弘前、伊予松山、大阪、熊本などは二回以上みたが、何
時行っても城の中も外側も壕の設計の面白く、偉大な建築物を思う。
第二章に出てくる城のなかで、評者が実際に歩いたのは赤穂城以下、今
治、宇都宮、大垣、大洲、岡(竹田城)、岡崎、小谷、鹿児島、春日山、
唐津、川越、清洲、久保田(秋田)、小諸、佐賀、高嶋、躑躅ケ崎館、鳥
取、富山、長浜、人吉、福井、福山、松前、山形、米沢、和歌山の各城
で、合計38城ある。それぞれに濃淡はあるが、思い出がある。
わけて も松前城は函館からバスで3時間以上かかった。ここが戊辰戦争最
後の決 戦地、榎本武楊も、土方歳三もここまでやってきたのかと感動的
だった。
ところがこの上巻に収録されたなかで評者が見落としている城がかなりある。
飫肥城、月山富田、金山、郡上八幡、篠山、新発田、白石、洲本、竹田、
関宿、平戸、福知山と12もある。このうちどうしても行きたいのは「日
本のマチョピチョ」と呼ばれる竹田城(兵庫県)、郡上八幡、平戸城だ
が、はたして行く気持ちをもっていても、何時になるかなぁ?
ともかく著者の濱口氏はカメラをもって、これら50の城を廻ったのだ。
よほどのマニア、しかも写真の腕も冴えている。
下巻には当然でてくると予測されるのは会津若松の鶴ケ城、二本松城、仙
台青葉城、函館五稜郭あたりだろう。評者個人として収録を望みたいのは
高知城、宮崎城、砂土原城、秋月城、黒田(福岡)城、掛川城。。。。。
もちろん、金沢城もお忘れなく。
(読者の声1)貴誌前号投書欄の「GV2様」を読んで、明治維新では、頼山
陽の「日本楽府」「日本外史」が各藩武士の必読書とされ、国民意識が強
化されたとききます。わたしは渡辺昇一先生の現代語訳を読んで涙しまし
た。日本人には日本人による歴史感を持つ権利が存在します。
ところで、航空自衛隊のF15スクランブルは大手柄ですね。国民栄誉賞で
す。タイでもベトナムでも外国人の土地購入は原則できません。日本だけ
脇が甘すぎでは。秘密保護法なんて当たり前のことじゃないですか。スパ
イ防止法も必須でしょう。
宮崎先生の近著「・・・日本の正気」。。。帰国時に購入します。ぜひ読
ませていただきたいです。
(R生、ハノイ)
(宮崎正弘のコメント)頼山陽の『日本外史』は岩波文庫でも読めます
が、小生が学生時代は音読も流行りました。
(読者の声2)大東亜会議70周年シンポジウム「日本とアジア つながる
近現代史」の御案内です。
日時:11月30日(土)14時~17時(開場13時半、会後懇親会アリ)
会場: 慶應義塾大学日吉キャンパスB棟J11教室(東急/横浜市営地下
鉄「日吉」駅すぐ)
[基調講演]渡辺利夫拓殖大学総長「中国の国際秩序観念」
山口洋一(元マダガスカル/トルコ/ミャンマー大使)
演題 「親日アジア諸国と日本をつなぐ歴史」
他、特別ゲストによるごあいさつ調整中
会費: 会員2,000円/非会員3,000円(学生院生一律500円、当日入会可能)
主催: 日本国史学会
http://www.kokushigaku.jp/
E-mail info@kokushigaku.jp
電話 03-6435-1358/FAX 03-6435-1953
(宮崎正弘のコメント)山口大使はミャンマーの歴史を説いた上下2巻の
著作もあります。先般、ヤンゴンでたまたまお目にかかったので、トレー
ダーズホテルで呑んだものでした。1ヶ月前の話です。
(読者の声3)三島由紀夫研究会から『文化防衛論』シンポジウムの記念
冊子が刊行されました。
5月25 日に開催された「文化防衛論」シンポジウムの内容をまとめた記
念冊子が今般「憂国忌」に合わせて刊行されました。(A5版、80 頁)。
内容は
(1)「文化防衛論の描く戦前と戦後」
(2)「文化防衛論と国防思想」
(3)「天皇と文化防衛論」の三つのテーマ。
研究会の3人(菅谷誠一郎、佐々木俊夫、浅野正美)による基調報告と、
それぞれのコメンテーター(宮崎正弘、藤井厳喜、西村幸祐の三氏)によ
る発言がまとめられ、最後の全体討論では松本徹氏と富岡幸一郎氏を加え
ての活発な議論が展開されています。
このシンポジウムは「文化防衛論」をテーマとした画期的な企画であり、
その内容はまた極めて今日的なそして今後の日本がどうあるべきかを論じ
る重要なものであったと思います。
また当研究会が長年積み重ねてきた研究成果のあらわれであり、質的レベ
ルにおいても多くの三島研究者の批判に耐えうるものであると自負しま
す。本記念冊子は三島由紀夫研究会会員と憂国忌賛助会員には年内に送付
される予定です。
一般の方にも1部5百円で頒布します。購読ご希望の方は研究会事務局ま
でお申込み下さい。
yukokuki@mishima.xii.jp
(読者の声4)憂国忌事務局からお知らせです。
憂国忌墓前奉告祭が12月1日に多磨霊園で行われます。
日時 平成25年12月1日(日)午後1時半
集合 午後一時 多磨霊園正門前「よしの家」
府中市紅葉丘2の7の4 042(361)2176
http://www.yoshinoyasekizai.com/info/map.html
当日はスタッフが「よしの家」の前で「憂国忌墓前奉告祭集合場所」と書
いた紙を持って立っています。直接行かれる方は、多磨霊園十区一種十三
側 平岡家のお墓前にお越し下さい。終了後、「よしの家」にて直会を予
定しています。
(読者の声5)とくしゅう会スキャンダルで猪瀬東京都知事がピンチ。夕
刊紙のゴシップには「次は小池百合子か舛添要一か」なんて、早とちり記
事が出ていますが、この事件の見通しはいかにご覧になりますか? 小生
は猪瀬さんに投票したので、なんとか逃げ切って欲しいと望んでおります
が。(YY生、大田区)
(宮崎正弘のコメント)ノーコメントです。というより興味が薄いです
ね。今週の週刊新潮と週刊文春は猪瀬都知事批判一色でした。
(読者の声6)ようやく宮崎さんの『取り戻せ 日本の正気』(並木書
房)を読みおえました。全体の流れのなかで、光厳帝の登場は、すこし違
和感がありましたが、ここにヤマトタケル、聖徳太子、北条時宗がはいる
と通史としても完璧ではないかと思います。
それにしても、この本こそ、宮崎正弘さんの本領発揮、代表作のひとつに
なると感動して読みました。
(TG生、大分)
(読者の声7)中国の「防空識別圏」で米国が日本以上にいきり立ってバ
イデン副大統領も抗議し、ケネディ駐日大使も講演で中国を批判しまし
た。反日的論調を掲げてきたニューヨークタイムズでさえも中国非難です。
ところで同紙のネットコメント欄を読むと、「尖閣は中国領」「アメリカ
は内政干渉するな」などと中国よりのコメントが並んでいて驚いていま
す。アメリカ人って、いったい何だろうという錯綜した気分になりまし
た。(HI生、福岡)
(宮崎正弘のコメント)在米留学生や華僑、華人らが組織的に米国の主要なメディアに書き込みをやっていますね。反日のネット攻撃隊が米国内にもいるようです。中国国内の「五毛幇」が政府寄りの意見を書き込んだりしていますが、あれが米国でも活躍していると考えたほうがわかりやすい
そこで英語の得意な人はニューヨークタイムズのネットコメント欄へ次々と反論の投書をして下さい。しかし同紙は日本を貶める嘘新聞の代表的ペーパーでもありますが。。。
(読者の声8)天皇陛下・皇后陛下におかれましては、明後日30日から
来月6日までの御日程で、インドを御訪問あそばされます。
つきましては、下記の通りに奉送迎を執り行います。
【奉送日時】11月30日(土)午前9時50分集合(皇居出発御予定は午
前10時11分)
【奉迎日時】12月6日(金)午前10時15分集合(皇居到着御予定は午
前10時35分)
【奉送迎場所】皇居前広場(二重橋前)
以上の通り、御案内申し上げます。
多くの皆様の御参集を熱望いたしておりますので、御家族や御友人等お誘
いください。なお、奉送迎は晴雨にかかわらず実施いたします。
(三澤浩一)