こんどは中国の不動産王らが逃げ出した「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年11月18日(月曜日)
通巻第4067号
欧米企業、香港不動産王ばかりか、こんどは中国の不動産王らが逃げ出した
不動産タイクーンらは本能的に不動産バブルの崩壊を知覚している
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中国最大の不動産デベロッパーは万科集団(英語名VANKE)。すでに欧米各地に豪華マンションを建てた。大手の「SOHOチャイナ」はニューヨークの豪華物件を購入した。
そこにはブラッド・ピットやレオナルド・デカプリオが入居しているという。
中国財閥第一位の大連の万達集団(王建林社長)は、不動産から娯楽産業へのシフトを図り、世界最大の映画館チェーンをねらって全米最大のチェーンを買収し、本場ハリウッドに乗り込んで映画製作に乗り出すと表明した。
青島に巨大なスタジオを建設して中国最大の「映画村」とする。不動産が本業だった時代に比べると、王建林ははやばやとバブル崩壊を見越して次の時代を先取りしていることになる。
王は「財産の五分の一は海外事業展開に振り向ける」と豪語した。
すでに小誌でも報じたように欧米の金融機関の中国撤退は顕著、狂気の投機の結果、中国至る所に幽霊マンション、ゴーストタウンが林立している。内蒙古オスダスが悪名高いが、河北省唐山、遼寧省の栄口も巨大都市が完成し、入居ゼロに近く、「夜間は真っ暗闇になる」と新華社も伝え始めた。
不良債権の爆発は時間問題。「しかるに大都市で不動産価格が不思議に上昇し続けており、また二番目のマンション購入は70%の頭金、しかも20%の税金が課せられるというほど当局は冷却化政策をとっているにも関わらず、いったい誰が買っているのか? 地方の幽霊マンションは地方政府、銀行、そして国有企業がひそかに購入してバランスを取っているが取引価格は不明」(英誌エコノミスト、11月16日号)
つまり庶民には手が届かず、中産階級がいかほどの購入をしたかはまったく分からない。中国経済の闇である。
大手コングロマリットの「複星国際集団(英語名FOSUN)」は、NYのワンマンハッタンプラザ(複合の摩天楼)を購入し、またSOHOチャイナはウォールストリートに近い地区にあったGMビルを購入した。
(読者の声1)貴書『取り戻せ、日本の正気』(並木書房)は近頃、稀な、骨の髄から熱くなる思いで読みました。誰にもまねできない広い俊敏な行動と軌を一にした思想が書かれています。
宮崎さんのパーソナリティが目前に感じとられるところが、何とも魅力です。
文中にある「櫻井の訣別」の歌は、たしか、小津映画の1本に出てきますね。何の作品だったか、忘れがたい宴席での合唱の場面があり、ああここに小津安二郎は思いをこめたのだなと思いました。昔、名画座で見たのですが、もういちど見たいと思いました。
(TT生、港区)
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(読者の声2)日増しに寒さがつのるこの頃ですが、こういうおりに貴著『取り戻せ、日本の正気』を拝読しました。これぞ宮崎正弘さんの真骨頂をしめす一冊です。
日本の再生の礎となる保守思想の系譜が印象鮮やかに跡づけあれています。じっくり読み直したいと思いました。
(HU生、千代田区)
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(読者の声3)貴著新刊「取り戻せ 日本の正気」を本日読了いたしました。先生のこういう書物を待っていました。政治も経済ももちろん大切ですが、それは現在・只今を語ることであり、そこには悠久の歴史と相まみえるというロマンはありません。
「正気」を語る先生の筆致には躍動感があり、我が国の歴史に連なることへの大いなる誇りを感じることができたように思います。例え量産はされなくても、こうした書物にこそ、先生の真骨頂があるものと思います。
(MA生、千葉)
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(読者の声4)貴誌連載中の樋泉さんの廬溝橋事件の稿ですが、感想があります。
まずは引用します。「A<.引用>盧溝橋を前に、火野は火野なりの「感慨」を吐露する。「昭和十二年七月七日、この地点で大戦の火蓋を切ったのは、牟田口将軍の部隊であった。その後、戦火はとどまるところを知らぬ勢いでひろがり、昭和十六年、太平洋戦争へと発展」したのだが、「十九年の夏」というから、ちょうど雲南省西部辺境の龍陵、拉孟、騰越などの各地で、米軍供与の圧倒的な火力で装備を固めた?介石隷下の雲南遠征軍(当時、日本軍は「米式重慶軍」と呼んだ)を前に、日本軍兵士が絶望的な戦闘を強いられていた頃である。火野は「最後の決戦といわれたインパール作戦に従軍して」いた。
「インパール作戦の惨憺たる敗北は強引をきわめた牟田口中将の無謀戦略によるものだが」、戦場である「チン丘陵のジャングル内で会ったとき」、「将軍は昂然として、しかし悲痛な面持ちで」、「自分は盧溝橋からこの戦争をまきおこした責任がある。したがって、この戦争に結末をつける責任もある。インパールを攻略してその責任をはたすのだ」と、火野に向かって「言明した」という。続けて火野は、「この将軍の責任がなにを解決したのであろうか。久しぶりで私は窓外に盧溝橋を見たが、瞬間に頭に浮かんだのは牟田口将軍の青ざめた顔であった。無論、彼一人が戦争の責任者であるわけではない。真の責任者は別にある」と綴る。ならば、火野が考える「真の責任者」は誰だ。火野は口を閉ざす」
<引用終わり>
感想です。
火野の怪しい伝聞:盧溝橋事件(1937.7.8)は単発事件ではない。ヒトラーの対ソ攻撃計画、スターリンの東西挟撃を恐れた東部国境工作、1936.12の西安事件、蒋介石の反日転向(1937.4のソ連の息子蒋経国の釈放帰国)、1937.8.13の上海事変という世界史的大事件の流れの間で起きた一つの事件である。だからはじめから計画されたものだった。事件そのものも、義和団議定書で30年以上米英仏などとともに駐屯していた国際平和軍の日本軍が演習中に突然蒋介石側から銃撃を受けて始まった。
牟田口将軍はたまたま現地にいて当然の応戦をしただけである。だから牟田口将軍が第二次大戦に決着をつけるなど、何を言っているのか意味不明である。ということでこれは火野の虚偽の発言であろう。火野が報道班なら他にも報道記録があるはずだ。
インパール作戦の意味:これは印度の対英蜂起を期待したものであるが、印度国民軍のモハンデシン大尉によるともっと早くチャンドラボースをドイツから呼んでやるべきであったという。そうすれば勝利の可能性があった。時機を失したのである。印度国民軍の兵士は祖国奪還に特攻攻撃をした。負傷兵までコヒマ攻略に参加を希望したという。その結果印度国民軍も大損害を受けたが軍規崩壊しなかった。だから今でもインパール作戦の大きな犠牲は逆に印度軍の誇りになっている。インパール作戦は日本軍にとっては悲劇であったがアジアの解放という意味では立派に意義があったのである。大東亜戦争が思想戦であったということに注目したい。
Bこれは貴誌投書欄のご意見です。
<引用開始>「20世紀の最大のアメリカの失敗は蒋介石を悪者とし、毛沢東/周恩来の詐術に騙され 中国を共産化してしまったことです。1949年10月1日(共産中国の誕生)にびっくりして「冷戦モード」に急カーブを米国がきりますが、「時すでに遅し」です。ウェデマイヤー が「俺の言ったようにやっておけばこんなことにならなかった・・・・」マッカーシーが、これに便乗して「赤狩り」が始まりますが、「中国はしょせん中国のもの。アメリカがとややかく言う話ではない」とラティモアを中心に大反論・・・・このドラマの話です。毛沢東/周恩来 蒋介石 FDR、ジョージ・マーシャルだけでなくヘミングウエーもしゃしゃり出て、アメリカの対中政策は混乱を極め、挙句の果てに朝鮮戦争、ベトナム戦争に引き込まれていきます。個人的には雲南、湖南の旅行は 臨場感をもってこのストーリにかかわってきます」
<引用終わり>
感想:米国の支那政策については、1951年にマッカーサーが米国議会で、「支那・満洲の喪失と共産化は米国太平洋政策百年の最大の誤り」と総括しています。ということは戦前の米国は支那満洲を狙っていたのです。そのためにルーズベルトはソ連の支那事変に便乗し傀儡蒋介石軍閥を援助して対日代理戦争を行いました。
そして邪魔な日本を滅ぼしたのです。
しかし戦後スターリンがヤルタ協定を違約し、代理占領した満洲を蒋介石に移管せず、毛沢東に移管したので国共内戦が始まると蒋介石は負けて1949年支那の全拠点から米国は追い出されます。この時米国内では「支那が失われた」と大さわぎになります。本音です。米国の戦前からのアジア政策は取らぬ狸の皮算用に終わりました。日本は大変な巻き添えを食らったことになります。
この結果米国は日本占領が無意味になり1950年吉田首相に日本独立を要請します。
だから米国の対日政策が実質日本破壊から独立へ変わったのは1945年ではなく1949年だったのです。赤狩りは冷戦の発生がありますが、戦前米国上層部に浸透したソ連スパイの通信記録の解読(ベノナ文書)も大きい。米国の対ソ協力者はマッカーシーが指摘した(200名)よりも遙かに多かったと言われています。
(東海子)
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(読者の声5)比国の今次大災害は、国際情勢の重大な地殻変動が進行中でありますこと、末尾に転載する台湾の記事より伺われます。
支那の侵略的膨張には是々非々で臨む態勢が整いつつある今日、我が国の憲法改正は何より世界が待ち望んでおります。
皇軍化が将来的になされますならば、我が国は常に正義と信義を基調とした軍事行動をもって世界の安寧に寄与できることになるでしょう。台湾への如何なる侵略も認めない態勢を早く獲得してもらいたいものです。さすれば、印度を海陸で挟撃せんとする支那は、海より図る威力を減ぜざるをえない羽目に陥り、東亜のみならず西亜の平和もまた打ち建てられることになるのですから。
(なるほど・ザ・台湾より引用)「フィリピンの災害支援に輸送機派遣 台湾政府は12日、台風30号で甚大な被害を受けたフィリピン中部へC-130輸送機2機を派遣した。輸送機のフィリピンへの災害時派遣は初めてではないが、今回は機体の国章を隠していない。また、記者会見の開催も認められるなど、いくつかの外交上の「壁」を突破した。台湾とフィリピンの間には漁業権を巡る争いがあるが、軍同士の交流は続いており、迅速な輸送機派遣につながった(エコノ台湾)」(引用止め)
(熊本護国生)
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(読者の声6)首相官邸前フェイスブック英語版、11月14日のフィリピンの台風被害に対する日本の自衛隊による支援表明に対し、フィリピンから感謝のコメントが1万件以上寄せられています(日本語版のコメントは400件ほど)。
https://www.facebook.com/Japan.PMO
そのコメントのほとんどが携帯からのもの。スマートフォンの普及により誰もがネットにアクセスできるようなったことが実感できます。英語のコメントばかりでなく、日本語(ローマ字)混じりのコメントも多数。
" Kokoro kara hontoni domo arigato gusaimasu... bansai Nippon bansai!!!"
"Arigatou gozaimasu Nijon! Mabuhay Philippines!"
"domo arigato gasaimasu! maraming salamat po.!"
"Great nation, great people! Arigato!... Mabuhay Japan!"
Mabuhay はフィリピンパブでは「乾杯!」ですが、上記の場合は"God bless .." の意味ですね。
フィリピンがカトリック主体の国だとわかります。隣国の日本を貶めるための海外広報に対し、日本は具体的な支援を表明するだけでこれほど感謝されている。
新聞やテレビが報じない生の声です。
安倍総理が歴訪中のカンボジア・ラオスの話題もあります。カンボジアでは日本の協力で乳幼児の死亡率が半減、ラオスは日本が初めて青年海外協力隊を派遣した国。
https://www.facebook.com/sourikantei
12月にはアセアン重視外交の締めくくりとしてアセアン10カ国全ての首脳を日本に招待しての特別首脳会議を開催。
一方、中国では愛知県稲沢市義が覚醒剤密輸の容疑で逮捕。取引先のナイジェリア人から預かった荷物に覚醒剤が入っていたといいます。ナイジェリア人といえば六本木の犯罪外国人の筆頭です。中国当局に嵌められたのかと思いきや、ナイジェリア人から航空券を受け取り、スーツケースに覚醒剤約3.3キロとなると本当に運び屋だったのかも。
いずれにせよ今回の事件で中国撤退に拍車がかかりそうです。
(PB生、千葉)
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(読者の声7)西尾幹二全集刊行記念講演会のご案内
西尾幹二全集第8巻(教育文明論)の刊行を記念し、「12月8日」開戦記念日に因み、下記の要領で講演会が開催いたしますので、是非お誘い あわせの上、ご聴講下さいますようご案内申し上げます。
「大東亜戦争の文明論的意義を考える - 父 祖 の 視 座 か ら」
戦後68年を経て、ようやく吾々は「あの大東亜戦争が何だったのか」という根本的な問題の前に立てるようになってきました。これまでの「大東亜戦争論」の殆ど全ては、戦後から戦前を論じていて、戦前から戦前を見るという視点が欠けていました。
今回の講演では、GHQによる没収図書を探究してきた講師が、民族の使命を自覚しながら戦い抜いた父祖の視座に立って、大東亜戦争の意味を問い直すと共に、唯一の超大国であるはずのアメリカが昨今権威を失い、相対化して眺められているという21世紀初頭に現われてきた変化に合わせ、新しい世界史像への予感について語り始めます。
「12月8日」にふさわしい講演会となります。
記
とき 平成25年12月8日(日)
(1)開 場 :14:00
(2)開 演 :14:15~17:00(途中20分 程度の休憩をはさみます。)
ところ グラン ドヒル市ヶ谷 3階 「瑠璃の間」
http://www.ghi.gr.jp/access/index.html
入場料 1,000円 (事前予約は不要です。)
懇親会 講演終了後、サイン(名刺交換)会と西尾先生を囲む懇親会がございます。
どなたでもご参加いただけます。(事前予約は不要です。)
17:00~19:00 同3階「珊瑚の間」(会費 5,000円)
お問い合わせ 国書刊行会(営 業部)電話 03-5970-7421
FAX 03-5970-7427
E-mail: sales@kokusho.co.jp
坦々塾事務局(中村) 携帯090-2568-3609
・ E-mail: sp7333k9@castle.ocn.ne.jp
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