つづき | 日本のお姉さん

つづき

日本人講師が中国で特別連続講義
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毛馬 一三
中国の北京大学で、特別講義をしたのは、畏友浅野勝人氏。2011年11 月から2013年9月までに連続7回行っている。浅野氏が、7回も「特別講義」を行っていたとは全く知らなかった。
それを知ったのは、浅野氏が、「同講義の総議事録」を、「日中反目の連鎖を断とう」という著書を発刊(NHK出版)し、発売前に私に送って呉れたからだ。拝読したら、多岐の日中諸問題に関する講演を行っている。

著者浅野氏は、NHK政治記者から政界に転出し衆議院議員、参議院議員を務めた。この間、外務副大臣、内閣官房副長官等を歴任している。今は政界から退いて一般社団法人・安保政策研究会理事長を務めているが、これら経歴を通じて、中国との友好関係を深めてきている。
当講義は、中国要路の知人から誘われて始めたもので、「日本人講師が何を語るのか」に学生の興味が集まり、北京大学の300席階段教室が、毎回満席になったという。
さて、著書「日中反目の連鎖を断とう」に網羅された北京大学での「講義議事録」を示す、目次は、下記の通りである。
第1章 プーチョートン=ゴタゴタするな(2011年11月10日・第1回講義)
第2章 二等辺三角形の構築(2012年5月31日・第2回講義)
第3章 日本の人口が14人になる(2012年7月10日・第3回講義)
第4章 尖閣を「脅威の島」にするな(2013年7月16日・第4回講義)
第5章 長江と墨田川(2013年7月16日・第五回講義)
第6章 不可欠な反日教育の是正(2013年9月26日・第6回講義)
第7章 草創と守文と孰れが難き(2013年9月26日・第7回講義)
<・上記4章の末尾に、浅野講義を聴いた学生の「感想レ ポート」が添えられている。>(注:上記講義は、同じ日に2回行われたのが2度ある)。
この著書には「中国のためは日本のため、日本のためは中国のため、日中のためはアジアの国々の平和と繁栄のため」という浅野氏の想いと主張がしつかり盛り込まれている。
そこで、7回講義のうち、特に興味を惹かされた浅講義議録の一部概略を上げてみる。
まず、「尖閣を「脅威の島」にするな」の4回目講義の概略。
<尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題については、1978年8月、日中平和友好条約締結の折、?小平副主席は、園田外相に「このまま放っておけばいい」と述べて、尖閣諸島・釣魚島の帰属をめぐる論争を避け、条約の調印にこぎつけました。これが「領有権の帰属棚上げ」「喧嘩の棚上げ論」です。(中略)。
ところが、今になって。園田・?小平の会議議事録にそのくだりが見当たらないというのが「棚上げ論」否定の根拠になっています。
私は、むしろ微妙な暗黙の合意を文字にして残しておかないほうが無難だと、両者とも判断したのではないかと推測しています。
指摘しておきたいのは、多くの場合、「領有権の棚上げ」と「領有権の帰属をめぐる論争の棚上げ」とを混同して議論されている点です。「領有権の事実上の放棄」と「ひとまず言い争いは止めよう」というのとでは、全く内容が異なります。まるで意味が違います。(中略)。
領有権を主張し合ったら、条約交渉は大詰めで決裂です。お互いにテーブルを離れ、領有権の扱いには触れないで、領有権をめぐる帰属論争を棚上げ・先送りして、条約交渉を決着させることで「老練な政治家同士が握った」(合意した)のだと私は確信しています。(中略)。
そもそも尖閣諸島は、曲りなりにも日本が実行支配しています。
日中平和友好条約の締結から35年が経ちました。?小平が「20年でも30年でもこのまま放置しておけばいい」と言ってから、その歳月も過ぎ去りました。こんな状況をいつまでも放置しているのは、政治に知恵がなさ過ぎます。
日中双方が互譲の精神に基づき、原点に返って、争いを封じ込める新しい考え、尖閣諸島が両国にとって脅威とならない存在にしなければなりません。そのための話し合いのテーブルに着くことは。アジア・太平洋の平和と繁栄に責任を共有する日中両国政府の務めです。この問題の早期解決を図ることこそ賢者の選択です>。
上記が、浅野氏講義一部の概略だが、これに対して、北京大学物理学院11級学生が次のような感想を述べている。
<私にとって日本人の話に耳を傾ける初めての経験でした。中国と日本には長い歴史のつながりがあるにもかかわらず、お互いに本当の意味における相互理解が欠けているため、常にさまざまな偏見によって理性がまともに機能しなくなっています。(中略)。
しかし今こそ、日中両国の民衆は交流を深め、協力を増やし、お互いにもっと知りあうように努めて共に前進することがなにより大切です。
私たち中国人も包容心を持って、日本人と仲よくし、お互いにさまざまな誤解を克服して初めて、両国の真の平和につながると確信します。浅野先生が熱意を込めて訴えた「足りない相互理解の努力」を実践していきたいと思います>。
このように浅野氏の「講義」を評価し、これからの日中関係の進むべき方向性をしっかり捉えた感想を、中国学生が率直に記述していることは異例なことだ。
更に加筆しておきたい「講義」を進めている。それは日本への重大な影響をもたらす可能性のある「中国の環境汚染問題」だ。
「急げ!北京のスモッグ対策」と題して、まず大気汚染状況を取り上げている。
この中で、WHOの調査を参考に、そのひどい順番は、二酸化硫黄の大気濃度は重慶、北京、上海。二酸化窒素の大気汚染は北京、上海、重慶。粒子状物質の大気汚染は重慶、北京、上海となっていると、浅野氏は指摘している。
なお心配なのは、PM2.5の微小粒子物質に数値が跳ね上がり、喘息や不整脈を招き、更には肺がんのリスクも懸念される。中国政府も防止対策は進めているものの、この冬はひどい状況になっていると、自ら目撃した状況を述べている。
また、自動車から排出される窒素酸化物と発がん性を有する粒子状物質の規制も重要で、これを急いで実行していく必要があると指摘した。
さらに重要なのは、この20年間に中国の電力需要は6倍に伸び、石炭火力発電に中国では約70%頼っていることだ。今後10年間に1000基の発電所新設が見込まれると予測される。
ところが、「石炭火力」は、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素を大量に排出する難点があり、かつ地球温暖化の元凶ともいわれる最悪の難題を抱えている。だkら、石炭火力による排出物の制御に力をいれる急務があると力説している。
とにかく、地球環境の保全は、日本だけが大気の汚染を少なくしたところで大きな効果は期待出来ない。中国やインドを中心に、アジアの国々が協力することによって担保できるものだと語った。
そのために、北京大学の学生諸君は、日本の技術を学び、日本を追い抜いていく熱意と気概が求められていると、浅野氏は訴えたのだ。
これに関連し、講演聴取の北京大学の学生が、下記の感想を記述している。
<浅野先生の講義は、データを駆使して、中国が高度な経済発展を遂げる一方で、凄まじい環境汚染に見舞われている実態に懸念を示しました。
かって同じ問題に直面した日本が、政府と民間が一体となって深刻な環境汚染を克服した具体的な事例を挙げて、中国の環境改善への努力を促しました。
浅野先生の中国に対する関心度の高さに私は感動し、震撼とさせられました。私たちの仲間は、先生の姿勢に民族を超越した博愛に気づきました。
現在の中国では民族主義感情が日一日と高まり、私たちの心の中で中華民族の利益を全てに優先させるのが何より重要なことだと認識していました。その意味では、浅野先生の講義が私たちに与えた衝撃は多大でした。
自分たちの立場を改めて考え、世界を見直す必要のあることを感じさせられました。
講義に出席してみて、中日関係が国交正常化以来、最悪の時だからこそ、北京大学まで足を運んでくれた浅野先生に感謝致します>。
浅野氏は、今後も、引き続き、同大学で「アジア太平洋地域における日中関係を軸とする国際関係論の講義」を続けるそうだ。
浅野氏が本書を郵送してきた時の「添え文」に、「日中国交正常化以来、40年余の歴史に対して良心に恥じない著作と自負しております。1人でも多くの日本人に読んでもらって、隔たらない中国観を感じる素材にしてほしいと念願しています」と記していた。
実の処、今の日中関係は、日中国交正常化以来最悪に近い状態と言っても過言ではない。しかしそんな中、次世代を背負う中国学生相手に、日中の友好関係の再構築の必然性と合理性に溢れた講演を行い、北京大学学生から理性に基づいた積極的な賛同を得られた浅野氏に敬服したい。
とにかく、北京大学学生が「対日友好関係再構築」の将来方向の想いを、率直に講座記録の著書に併記したこと自体、過去には例のないことで、素晴らしい「著書」になっていると言っていいだろう。
だから特に日本の学生諸君に、是非この書籍を読んで貰いたいと願っている。
同書は11月20日から全国の書店で発売される(了)
2013年11月17日
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話 の 福 袋
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◎●●◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇写真情報網◇◆◇◆◇◆●●
*******週刊AWACS 2013年11月17日*******
エビ問題は一体何をしたいのだろうか?既に何年も食べていたのに、自分
の舌が騙されていたと憤慨する人はどれくらいいるのか?芝エビじゃな
く、バナメイエビのチリソースだとその場で怒る人はいたのだろうか?
松坂牛だって、輸入禁止である筈の中国にもたくさんメニューに書かれて
いる。松坂猪(ブタ)だってあるくらいだ。日本人の性格をよく知っている
某国人が仕掛け人となっているんじゃないかな?日本の信用を落とすため
の工作である。アサヒやNHKはいつもやっていることだけど・・・
では、今週号をお楽しみください。IZAからアメブロに移りました。字数
制限があり、3本に分かれています。
その1/ブログ
その2/ニュース
その3/誕生後の音楽映像
2013/11/17 唸声
◎日本企業のシナ進出を促進援助する団体。河野談話、反原発の河野一
族の資金源。いったいどこの誰にとっての利益?シナの尖閣・沖縄戦略を
援助していることになる。
(情報収録:中山)
◎日本人の元査察局長、ノーベル平和賞授賞式に招待 OPCW
共同通信 2013.11.16 14:39
今年のノーベル平和賞受賞が決まった化学兵器禁止機関(OPCW)で、
初代査察局長を務めた元陸上自衛隊の秋山一郎さんが、12月10日にノル
ウェー・オスロで開かれる授賞式に招かれたことが、分かった。OPCW
が、式典に出席する代表の一人として招待した。
秋山さんは兵庫県出身。1997年に設立されたOPCWに自衛官の身分のま
ま派遣され、初代査察局長に就任した。
オウム真理教がサリンを製造した「第7サティアン」の解体・撤去の
際に、査察を統括した。(共同)
「ウィキペディア」
秋山 一郎(あきやま いちろう)
【略歴】
1949年(昭和24年)3月26日 兵庫県生まれ。兵庫県立尼崎高等学校卒
1971年(昭和46年)防衛大学校・応用化学科(第15期)を卒業後、陸上自
衛隊に配属。
1972年3月幹部任官。
1979年(昭和54年):イリノイ大学大学院修了(理学博士号を授与される)
帰国後、師団司令部付隊化学防護隊長として勤務
1982年(昭和57年)7月:3等陸佐
1986年(昭和61年)7月:2等陸佐、第101化学防護隊長等
1990年(平成2年)1月:1等陸佐に昇任
主な職歴として
新潟地方連絡部長、陸上幕僚監部装備部武器・化学課化学室長。
1997年(平成9年)6月29日:同年4月に設立されたOPCWの初代技術事務局
査察局長として外務省へ出向
(外務事務官兼陸将補)
日本国内においてはオウム真理教第7サティアンの解体・撤去に際し査察
を統括 2002年(平成14年)7月2日:
第24代陸上自衛隊化学学校長兼大宮駐屯地司令
2004年(平成16年)8月1日:OPCW技術事務局査察局長として再度派遣。
2007年8月1日UC(Uniform-Civilian 自衛官から文官へ)転官。
2009年(平成21年)7月31日:任期満了に伴い退職
(情報収録:中山)
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反 響
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1)「特定秘密保護法案」の国会審議における、いくつかの集団の主張
に関連し、小生の感想を述べさせていただきます。
○情報活動(収集、加工、配布、活用など)は、人為であり、その質と
量の向上は、内外の秘密情報業務関係者の相互の信頼度の質と量の増加関
数である。秘密保護法は、国内における秘密情報業務関係者(秘密情報に
関わる国会議員、公務員などの個人及び集団)間の信頼度と友好国などの
日本に対する信頼度を高め、秘密情報の交流・共有の質と量を充実、向上
させる手段である、この基本部分が、いくつかの集団では消化・吸収され
ていないように見える。
○情報活動の一部または全部がいつかは公開(秘密指定の解除を含む)されるとすれば、関係者間の信頼度を低下させ、その情報活動に支障を来たし、これを劣化させたりするおそれがある。
例えば、収集が困難になったり、加工、配布などをやめてしまう可能性もある。特に、情報大国の関係者などは、常に、これらを意識・検証しながら、活動しており、交流量などを削減するかもしれない。
よって、“秘密情報もいつかは公開”は、わが国の情報力、情報活動の質・
量の充実を阻害する恐れが大きいものである。秘密情報の公開、破棄など
のあり方は、情報源、原初的製造者の意向を最大限に尊重できるようにし
ておくことが肝要と考える。
○“特定秘密の指定基準が曖昧だから法案に反対する”というのも、“秘密
指定の適切さを審査する第三者機関の設置を賛成の条件とする”という主
張も、秘密情報業務関係者、国家公務員への強すぎる不信の表明であり、
うなずけない。
個別具体的な情報の秘密度などは、その取得、加工、配布、活用などに携
わった関係者が、情報源の意向なども熟知しており、最も適切に判断する
ことができるもので、当該情報活動を熟知しているはずのない個人又は集
団、第三者が適切に判断できるはずはない。
“指定基準の曖昧さの修正”も“第三者機関の設置”も、秘密情報の限定公開を強要するものとなる可能性もあり、関係者間の信頼度の向上には寄与するものではなく、“いつかは公開”と同様の弊害をもたらすおそれが大きい
ものである。
○秘密指定の厳正さの確保は、秘密情報業務関係者の奉公精神、国家公
務員性に信頼を置いて対応する性格のものである。それが不十分であると
判断するのであれば、その向上施策を提示して論議すべきものと考える。
それによっても、恣意的に運用されたとか、厳正さが失われたとか、判
断される事象が生じたときには、立法府において追及し、法による裁きを
受けるほか、政権交代、歴史の審判などの民主主義政治の原則に則って是
正されるべきものと考える。
(2013年11月17日 宝珠山 昇 )
2)15日、我が国の現状を語って、2年前に(当時の3.11の後で)「7つもの工場が停止しても、供給不足にならなかった」と書いて、荒木純夫氏から関係されている「出版社で用紙不足の事態に陥ったのは何故か」とお叱りを受けのを思い出しました。
その際には敢えてお答えしませんでした。それを思い出して、ここに当時想定した原因を述べます。しかし、これは投稿の積もりではなく、荒木氏がどう思われるかは解りません。因みに、私は出版会社というか、この種の定期物の分野を担当したことはありません。飽くまでも推定ですから沈黙した次第です。
(1)仕入れ先。
おそらく、その出版社は停止した日本または三菱製紙の工場の何れかの紙を購入されていたのでしょう。この両社は出版界に得意先が多いのですからあり得る事態でした。そこが突然止まった場合には、中間の販売店が対応できなかったと考えられます。即ち、在庫を持っておらず、適当な代替品もなかったような緊急事態だったのでしょう。
確か輸入で間に合わせたと言っておられたと記憶しますが、如何に緊急に発注または輸入しても到着まで最短でも1ヶ月はかかります。余分な在庫でもあったのかも知れません。
(2)販売店の実力。
これが不足していれば、製紙会社から優先して供給されないこともあるでしょう。その販売店に優先順位があったかも知れませんが、そこまでは私には解りませんし、立ち入れません。
(3)価格。
売れるものが不足すれば、高く買ってくれている先を重んじたかも知れません。そこも私には解らない当事者が判断する分野のこと。
(4)歴史と伝統。
紙流通の分野は江戸時代からの歴史がある代理店や販売店もあり、客先との結びつきの度合いや歴史などは、外野からは想像できません。
荒木氏がここまでご承知で言われたのであれば、お答えしなかったのは失礼だったかも知れないと反省します。
要するに、3.11後の需要量と現在のものとは余り変わっていない残念な事態だと言うことです。価格も需要家が黙って値上げに応じる事態には至っていないと聞きます。これが紙流通業界だけの事かどうかも解りません。
(前田正晶)
3)16日付け 古澤 襄氏の「勝ち負けのない妥協案は何か」は領土問題解決の難しさが良く描写されております。
古澤氏による解決の結論は出ておりませんが、私は四分六の割合で、択捉はロシア、その他3島は日本に帰属の線が妥当に思います。これに過去のインフラ整備費として1兆円を渡す。
歴史を振り返っても、話し合い解決では折半が常識です。それも、軍事衝突等を経ての話。日本は悔しいですが、ここは涙をのんで現実的な解決を図るべきでしょう。
ロシアは「島が欲しければ戦争をしろ」と言った高官が居りました。多分ロシアの本音でしょう。
軍事小国の日本はロシアに対し4島一括返還では、永久に返りません。安倍首相は国内の反対派を押し切っても、現実的な解決を図るべきです。解決の暁には名宰相として、歴史に刻まれることでしょう。
(東京都・松村 隆彦)
4)エネルギー源論:前田 正晶
目下小泉元総理の「即刻原発ゼロ」で方々で議論が沸騰しているかの如き現状だ。一昨日だったかの古館の報道ステーションにコメンテーターで登場した藻谷圭介(こういう字だったか)という論客が「木質バイオ燃料にすればCO2が化石燃料より削減できるし、我が国には木材が豊富だ」と推薦していた。一聴、尤もだが、実現の可能性は低い。
1975年、当時でもアメリカというか世界でも最大級の木材会社だったW社のワシントン州南部の工場で「木は全てを無駄にすることなく有効活用できる」と教えられた。

南部とは言ったがこの地域は寒いので、工場の事務棟はスティームで暖房されていた。その熱源は工場の発電所で余った蒸気を使っている。そこの燃料は自社林の間伐材、風倒木、虫に食われた木、払った下枝、製材工程で剥がした樹皮、鉋屑等々である。
更に、余った電力はこの地区の電力会社(配電網)に販売している」と聞かされた。当時の私には驚きのシステムだった。因みに、W社が保有する森林の面積は約600万エーカーで、四国より広い。
アメリカの林業はドイツ系であるものが多いと聞いた。どういうものかと言えば、大型のトラック(logging truck)が通れる林道(logging road)を広大な山中に設けて、そこまで伐採した巨木をワイヤーに吊して運べるような塔を建てて、平地の製材所まで輸送するのだ。
伐採した後には自社の大規模な種苗園(nursery)で育成した苗を植えて育てて再植林していく。こういう山林は余り急斜面にはない。因みに、植林もその後の管理も人手でないと出来ないほど細かい作業だ。
即ち、種を蒔いて苗を育てて人力で植林し、管理し、伐採し、輸送し、樹皮を剥ぎ、製材し、製材できない滓をチップをパルプと紙の原料に使用し、その過程で発生した全ての残渣をエネルギー源とするのが、アメリカ式の紙パルプ・林産物企業の形態である。
ところで、「我が国はアメリカと比べれば10%にも満たない国土の面積で、その70%近くが居住に適さない、樹木に覆われた森林か山か丘陵地帯である。その豊富な木材に覆われた地域は概ね傾斜が厳しく、アメリカのように簡単に林道を設けて木材を輸送するには不向きだという悪条件がある」と、私は聞かされている。しかも、林業は不振だった上に輸入品に依存しているので、益々衰退したとも聞かされた。
その森林地帯ににこれから新たに林業のシステムを導入して、木質バイオマス燃料を生産していこうという計画は非常に結構だとは思う。だが、これからインフラを整備して、流通機構まで確立するコストは如何になるかと考える時、現実的な妥当性があるのか考え込んでしまう。山林には全く素人の私が見ても、多くの広葉樹林は最早全く管理されていないようで、そこを開発していくのは容易ではないと見える。
しかし、電力のコストを高め、CO2の発生量を抑止できない石油系の燃料依存は回避せねばなるまい。木質バイオマス燃料は有力な代替熱源の候補だろうが、そこまでに持って行くには課題が多すぎると思う。藻谷氏は国内の山林を伐れば材木が無くなると言っていたが、それは再植林で補っているのがアメリカの森林経営である。W社では"Managed forest"と称していた。それが上記の種からの一貫態勢である。
私は木質バイオマス燃料が現在の石油等を消費する発電所でそのまま使えるものか否かも知らない。小泉元総理はこういうことまでお考えてであれこれ言っておられるのだろうか。アメリカにも行って林業をご覧になってみればどうだろうか。
因みに、ここではW社の例を挙げたが、我が国の大手製紙会社は皆自社林
を国内外に保有され、同じようなことをやっておられるのは言うまでも無いこと。そこまで言わないとfairではないかも。
5)東京都代表決定戦を一寸見て:前田 正晶
16日に全国大会の東京のA地区(?)代表決定戦の中継を見た。修徳と成立の対戦だった。延長までいって修徳が勝ったのだったが、内容にはやや失望した。戦術的に下手だと言っているのではない。責任逃れパスがいやなのだ。
それは、高校の時点で全日本代表と同様でと言うか、この時点で既に「見事なバック(ワード)パスの連発」なのである。換言すれば日本代表のパス回しのためのパスと責任逃れパスの基礎が固まっているということ。虚しかった。サッカーの技術そのものは決して低い水準では無いのだが、「俺がやってやろう」という自己顕示良く的な気迫が感じられないのだ。
この点は、かの釜本が「今はキープして抜いて出てはいけないと教えているのか」と嘆いた通りなのだ。多少の救いがあったのは、代表よりはペナルティ-・エリア内にキープして入って行ってやるという積極的なプレーが幾つか見られたことがあった点。こういうサッカーも時代の変化か、代表の真似かとウンザリだった。
このパスのためのパス回しは何時だったか、本田圭佑自身が「シュートに持っていく前の手数が多すぎる」と反省して見せていたにも拘わらず、一向に是正されない。あのイタリア人監督を低評価している当方は、その点に手を付けない監督の手落ちだと思っている。
その他には、現在の世界中のサッカーに蔓延している基本技の無視というか不正確さを指摘したい。それは「右サイドにいる者は左から来たパスは左足でシュートする」、「左サイドはその反対」という昭和20年代に教えられた原則を完全に無視したサッカーをやっていること。これは南米や欧州の一流選手たちが、その卓越した技術で基本を無視しても見事に蹴り且つこなすので、「ま、良いか」となったのではと疑っている。
それに高校生はトラッピングとストッピングが不正確で遺憾だった。あのまま代表まで行ってしまえば、南米は欧州の一流どころに付け込まれるのは当たり前だと思う。そうだとすれば、彼らを基礎から教えている中学ないしはクラブか、Jリーグの下部組織のコーチたちが悪いのだと言いたい。私は先ず原則をキチンと教えて込んでから、応用編としての原則無視方式をやらせるべきではと考えている。
現状では足し算・引き算が満足に出来ていないにも拘わらず、かけ算と割り算をやっているに等しいと思っている。特に、トラッピングの不正確さは困ったものだと思っている。ブラジルの人たちは上手いと言うが、彼らはろくに靴も履かずに唯一の遊びで覚えたサッカーから世界的選手になってくるようだから、その経験と高度の球慣れと運動神経で、あの域に達しているので、お手本にはならないと思うのだが。
6)17日(日)朝のNHKラジオは、「空母のように広い甲板を持つ護衛艦」を台風被害のフィリピンに差し向けると言っておりました。
これって、どういう感覚でニュース原稿を作っているのでしょうか?
休日の新聞テレビラジオは、内部での検閲がない分、ほんとうに、ありとあらゆる素材が出てきます。
新聞代や放送料の内、休日(毎月10日位はある)部分の係わる料金は、支払いたくない。(酒井 富雄)
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身 辺 雑 記
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17日、休刊、すみませんでした。20日も親族の葬儀の為休刊するかもしれ
ません。其のときはまたご寛恕をお願いします。
読者:5279人。
渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>