習近平一族の蓄財は四億ドル弱、香港不動産が中心「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 | 日本のお姉さん

習近平一族の蓄財は四億ドル弱、香港不動産が中心「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年11月11日(月曜日)
通巻第4061号
「温家宝前首相なんかに負けてたまるか」
習近平一族の蓄財は四億ドル弱、香港不動産が中心
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ニューヨークタイムズとブルームバーグが中国共産党高官の不正蓄財を暴いたニュースを配信しようとして、記者のヴィザ発給が注視されることを懼れ自主的に配信を止めるという事件があった。
香港の『明報』(11月10日)に拠れば、習近平の姉、斉斉橋夫妻の蓄財が香港で目立ち、およそ3憶7600万米ドル(376億円)。レアアース企業、携帯電話企業に投資しているほか、香港に七つの不動産物件を保有しているという。
これは以前から噂されていた。
ほかに弟ともう一人の姉が派手に展開している企業経営や豪州の豪邸などは資産価値が不明、母親の斉心(革命元勲・習仲勲未亡人)は老齢ながら矍鑠として広東省の深センで暮らしており、家族に投資や投機行為をやめろと諭しているらしい。
が、弟は頻度激しく豪と行き来を繰り返しており、すでに豪の永住権を取得したと噂されている。
習近平一族の蓄財を調査してメディアにリークしたのは博訊新聞網の傳才徳記者だったが、以前から北京当局に睨まれている博訊新聞社は大陸内での取材がしにくくなった。
とくに昨秋にニューヨークタイムズが温家宝首相一家の不正蓄財を図解を用いて詳細に暴露して以来、高官の財産などについての報道が禁じられている。
それにしても習近平皇帝一族が、この程度の蓄財であるはずがなく、香港では他人名義で購入した不動産のほかに海外にも資産があり、香港では十数社の企業を経営している。
その不正蓄財の実態は誰もしらない。
しかし習の兄貴分だった薄煕来夫妻の蓄財でさえ、習一族のそれより数倍は大きかったし、温家宝一族は邦貨換算2000億円を超えていた。
樋泉克夫のコラム
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【知道中国 991】
――「・・・うっかりものもいえんなあ、と誰かが笑った」(火野の21)
「赤い国の旅人」(火野葦平 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
火野らを乗せた列車は京漢線を北京に向けて奔る。
「どの駅にも毛主席の肖像画があり、『抗美援朝・解放台湾』のポスターがあった。空はどんよりと曇っているが、雨はやんだ」。
50年6月に勃発した朝鮮戦争は、火野らの中国旅行の2年ほど前の53年7月に終わっている。その際の名残が「抗美援朝」のポスターだろう。一方の「解放台湾」だが、建国後初の元旦に当たる1950年1月1日の「人民日報」が社説で「台湾、海南島の解放は今年の任務である」と高らかに宣言して以来の悲願だが、54年9月には中国側は台湾側の金門島を砲撃し、55年1月になると台湾側最前線の一江山島を急襲し占拠している。2月8日から11日にかけ、台湾側はアメリカ海軍との共同作戦によって最前線の防衛拠点を放棄せざるをえなかった。
火野らの旅行は、それからほんの2ヶ月ほどの後。「解放台湾」のポスターで人々を煽り立てようとしていたのだ。
車中でのこと。「昨日きめた閲歴書を出すこととなった」。どうやら当時は、中国旅行の際には赤裸々に自らの過去を告白しなければならなかった、ということか。「みんなの閲歴報告書が集まったのを見ると、壮観といってよかった」。
「大部分の人の履歴書はかがやかしい階級闘争の記録である。弾圧とたたかった左翼運動、逮捕、投獄、なかには血で彩られているものもあった。・・・革命家をもって任じている人ばかりであった。また、肩書がやたらに多いのも一偉観である」そうな。
ここで火野は、「国鉄労組の新田さん」から例の常久の履歴書にはウソがあることを知らされる。「僕も戦争中は支那の鉄道にいたのですが、常久さんは僕より上役でした。そのころ面識はありませんでしたけど、常久さんのことはよくおぼえています。なにしろ軍のお気に入りの鉄道技師でいばっていましたから」と、新田が話す。漢口で見学した機関車工場も、戦時中は常久の管轄だったというのだ。
「この閲歴書には、戦争中のことがみんな落ちています」と新田が続ける。
常久の閲歴書を目にして火野は、「もとよりたった一枚の閲歴書に人間の全貌が描きつくせるものではない。しかし、それは逆な意味では、全貌を示す資料となっているともいえる。
私はあらためて文章というものの恐ろしさを考えないでは居られなかった」と綴る。
招待した中国側は恐らく、いや恐らくではなく確実に、常久の閲歴書のウソを見抜き、戦争中の常久の一切を掴んでいたはずだ。だが、そんなことは一切明かさない。知っていながら知らぬ素振りをして常久を泳がせる。一方の常久は「軍のお気に入りの鉄道技師」だった自らの戦争中を知られたくない。隠し通したい。
であればこそ、余計に招待者側の意に沿った形で“革命的”に振る舞った。火野を繰り返し反動呼ばわりするも、それだ。
ここにも、敗戦を機に「鬼畜米英」の皇国戦士から「米国製民主主義万歳」の民主派闘士へと立ち位置をスルリと変えながら恬として恥じなかった、戦後日本の民主主義・社会主義礼賛者に共通する拗けた心根がみられるように思える。常久もまた戦後民主主義者の典型だろうが、そういう人物に狙いを定め中国側は招待したに違いない。
中国旅行中に十二分に洗脳し、本人が自覚しないままに立派な宣伝工作要員に仕立て上げ、日本に送り返す。帰国後には各地で中国寄りの宣撫工作に専心邁進するはず。“芸術的”な招待外交だ。
食堂車に行くためにいくつかの車輛を進む。途中に母子専用車輛があり、母子共に快適な旅を続けている。駅構内でも同じようだった。「新中国では母親と子供とが大切にされるようになった」と語る通訳は、続けて「このため、ひとの赤ん坊を借りて来る女もあるが」と。判った時、どんな罪になるのかと問うと、すかさず「反革命の罪です」。
《QED》
(読者の声1)貴論文(『正論』12月号)、大いに心強く嬉しく思いました。まさに我が意を得たりで、深い共感がありました。
超大国アメリカの国民が、数年前にマケインを選ばず、無能な民主党に騙された我が国悲劇どころではない。オバマははじめから駄目とわかっているのにケネディ一家が支持したことも解せませんね。いずれにしても、世界の安全と平和がどうなるか不安ですが、それだけに日本国民に世界の危機を気づかせる好機として、核武装の問題に関心をもたせるべきです。
御提案の「核シェア」や巡航ミサイル、パーシング?の配備も大いにPRするべきだと思います。
『正論』今月号のの貴論がひろく読まれますよう、今後のご健筆を祈ります。
(SK生、長崎)
(宮崎正弘のコメント)正論今月号の拙論、編集部によりますと、よくぞ言ってくれたと反響が大きかったようです。
(読者の声2)貴誌前号の貴コメントに「ヤンゴンのチャイナタウンの夜店ではバッタの天ぷらをどんと積み上げて売っていました。大きな三つの籠に山盛り、それだけの屋台店です。ゴキブリも揚げて食べるようです」
とあります。
多分、それはゴキではなくて、タガメとかゲンゴロウの類だと思います。タガメ(メンダー)は一見それにみえますから(わたしははじめて、バンコク・ナナ・エンターメントプラザの前でみたとき、胃の中が逆流しました。数字を数えて持ちこたえましたが・・・)。
チェンマイのワロロット市場で毎日スナックとして売っていますね。慣れてきますが、店の前では息を止めて移動していました。チェンマイは緬国境まで150キロ程度しか離れていませんし、虫食文化の雲南にも近い。
マダガスカルゴキ(大型種)は食糧になるそうですが、家庭にいるアレは病原菌の巣窟だから無理でしょう。
Bear Grllisはタランチュラ(カンボジア内戦時の食料不足からでクメール人が食い始めた。タランチュラの佃煮はカンボジアでみたことあります、食わなきゃ行けない状況になれば食えるでしょう。焼くと美味しいそうです。)やサソリ(椅子と飛行機以外食うシナ人の大好物)をよく食っていますが・・・。
ミャンマーのバッタてんぷらというのは、細長いバッタですか? それともイナゴですか? 多分、イナゴのほうだと思うのですが・・。
以下、日本のASEAN各国へのFDIをまとめてみます。
(タイ)2013/1-9で日本からの投資認可額は19.8%減の64億米ドル。高水準ですが大幅減です。人件費増が影響しています。タイ投資委員会(BOI)は投資優遇措置の見直しをすすめ、2015年から新制度になるようです。
(インドネシア)同/1-9で前年同期倍増で36億米ドル。タイ、ネシアとも日本が最大の投資国です。主に自動車関連。最近は消費も。
(ベトナム)労働集約の縫製、事務用機器など。2013/1-10で日本からの投資認可件数は337件、認可額で48億米ドルです。但し、韓国も401件、40億ドルとなっています。サムソン電子はシンガポール法人経由で投資していて、実質は韓国の越への投資は日本を上回っています。サムソン電子はタイグエン省とバクニン省(ともにハノイ近郊)で大型設備投資し、同社全体の携帯電話製造の60-70%はベトナムで行うことになります。つまり、韓国内は空洞化が進みます。
(カンボジア、ラオス)タイの人件費増で、タイで製造している自動車部品や電子部品の一部工程を分工場の形にして移転しています。タイとラオスではかなりの賃金格差があります。南部回廊、東西回廊またはローカル飛行場利用ですね。
(ミャンマー)電力不足、インフラ未整備で駐在員事務所進出ばかり。おかげでヤンゴン都心部のインターネットや電話設備の良いビルの賃貸料が急騰しました。
(R生、ハノイ)
(宮崎正弘のコメント)その写真付きレポートを近く雑誌に発表しますので、そのおり、お知らせするか、メールを差し上げるかします。ゴキブリだと思います。
(読者の声3)貴誌前号(金曜日発行)の読者評(東埼玉人様)ですが、私は原著(渡辺望『蒋介石の密使 辻政信』)を読んでおりません。宮崎さんの書評の範囲内での論評でし たから幾分か誤解があったかも知れません。
(東海子)
(読者の声4)中国と軍事的対峙するベトナムのことです。「チュオンサ諸島(英語名:スプラトリー諸島)における中国によるベトナム人を惨殺」と題するユーチューブ動画(11分間)があります。昨年にこの動画を発見しましたが、現在まだ幸いにも削除されていません。

人間の鎖で守るベトナム兵64名を木っ端微塵に撃ち殺し、輸送船を砲撃撃沈しました。1988年のことです。
スプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)の一部であるシントン島で1988年3月14日に起こったベトナム海兵隊と中国海軍の紛争、ベトナム領内に侵攻した中国海軍に対してベトナム海兵隊は3隻の輸送艦で籠城したものの、無防備なベトナム軍輸送艦にたいして、重武装の中国海軍艦艇は集中攻撃、輸送艦を撃沈、また海兵隊の救出活動を中国軍は妨害した。そして今もなお、シントン島は中国の占領下にある。
以前に投稿させていただきましたが、1979年の中越戦争のことを学校の教科書では「北の国から侵略をうけた」と書いてあるそうです。
ベトナム政府は今の所、表向きは中国を名指し批判を避けているようです。
しかし、ベトナムは、中国の大規模な軍事基地のある海南島を望むダナン市近郊の山頂のレーダー基地(旧米軍施設)によって常時監視しています。ベトナムは今も高度な準戦時下にあるといっても過言ではないと思います。
(寺本生)
(宮崎正弘のコメント)五月にベトナムへ行き、旧サイゴンのチャイナタウンへ行きました。華字紙新聞が発行されていないという現実に驚きました。ハノイには数十万の華僑がいるようですが、チャイナタウンがありませんね。ベトナムの対中国姿勢はきわめて微妙です。
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