LPガスと雪の間にある"危ない関係"とは? | 日本のお姉さん

LPガスと雪の間にある"危ない関係"とは?

LPガスと雪の間にある"危ない関係"とは?
いやぁ~、札幌コンサートホール「キタラ」の音響は、素晴らしいの一言。
このホールで、交響曲は初めて聴いたのですが、弦楽器の音が正に心に響く。
一つ一つの楽器の音、それらがアンサンブルに成った時の音、グレートです。
私の両親は・・・
これが「原因」で、亡くなりました。2000年2月11日、正確に言うと、
その時には、この「原因」がまだ判然としていませんでした。11年ですか。
先日、D新に、まさに、その「原因」と思われた記事が掲載されていました。
事故の発端は・・・
『LP(液化石油)ガス』。全国で、約2500万世帯が利用するエネルギー。
「原因」は、住宅屋外のガス供給設備を直撃する「屋根からの落雪」である。
これが、ガスメーターと配管の継ぎ目部分に当たり、衝撃で破損等を起こす。
放置しておくと・・・
継ぎ目の部分に、隙間が出来、そこから「ガス漏れ」。更に放置しておくと、
降り積もる雪の重みで、配管等にもひびが入り、脱落する可能性も含まれる。
「ガス漏れ」段階で発見なら、未だ良いが「爆発」「火災」に至るケースも。
現在・・・
北海道の一般住宅は、60%以上が「無落雪屋根」。この構造は一見すると、
平坦な形状。これに緩い勾配を設け、雪を下に落とさず、屋根の上で自然に、
溶かし、残った水分をダクトを通して、排出するという物。落雪事故は減少。
しかし・・・
風向きによって生じる「雪庇(せっぴ)」がせり出す様に出来、落ちる場合が。
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*更に、大雪で、暖気が来る等の条件が重なると「無落雪屋根」の処理能力
を超え、どうしても、「雪庇」が下に落ちざろう得ない状態になる。
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札幌市では1~3月にこうした事故が集中。今年も、2/14現在で、4件発生。
何れも「無落雪屋根の雪庇」が落ちた事が「原因」。「無落雪」じゃないよ。
市内では・・・
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【昨年までの10年間(2000~2010)】調:札幌市消防局
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同様の事故 → 計20件
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今年(2011年)4件(2/14現在) → 2005年7件 2006年5件
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*今年は、2005年と2006年に続き、多い。もう起きないで。
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原子力安全・保安院によると・・・
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全国的には、北日本を中心に、今年 計35件
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*内、北海道内では、札幌4件、岩見沢3件、江別1件の計8件。この中
には「隣家の屋根からの落雪」で配管が壊れた事例も報告されている。
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*秋田、山形、岩手、鳥取の4県では、
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「漏れたガスに灯油ボイラー等から引火」→ 「爆発」「火災」
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*雪下ろしの際「誤って、LPガス供給設備を雪で埋めてしまい、重みで
設備を破損した」「設備に誤って、雪をぶつけてしまった」という例も。
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【私の両親のケース 2000.2.11】
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●札幌市西区西野は、市内でも有数の「大雪地帯」及び「寒冷地帯」
●「無落雪屋根の雪庇」が落ち、住宅屋外のLPガス供給設備を直撃
●配管等を、損傷(その他の設備機器に損傷があったのかは不明)
●漏れたガスが、住宅下部にあった排気口を通り、地下貯蔵庫に溜まる
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*LPガスは、空気より重く、下に滞留する特徴を有する。更に漏れた
場合に、直ぐ気付くように、「玉葱の腐ったような臭い」を着ける。
だが、不幸にも、溜まった場所が地下貯蔵庫。玉葱様の臭いがしても
不思議ではなかった。
*その上、燃焼範囲の下限が低く(ガス濃度が低くても)、燃えやすい。
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●メインの灯油ストーブだけでは寒かったために、ポータブルの灯油ス
トーブを地下貯蔵庫の取り出し口のある台所に置き、暖を取っていた。
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↓ その結果
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■漏れていたガスが、ポータブル灯油ストーブに引火。住宅は、直後、
「爆発」「火災により炎上」し、漸く、約5時間後に、鎮火した。
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*恐らく、両親は最初の「爆発」のショックで、即死したと思われるが、
死亡診断書においては、両名とも「焼死」とされている。
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*不幸中の幸いは、「爆発」の数分前に、隣家の兄妹2人が、両親宅の
前を通り、「爆発」の時には、既に自宅に帰り着き、事なきを得た事。
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問題はこれだけではない・・・
実は、容器(ボンベ)から、ガスメーターまでの設備(供給設備)は、液化石油
ガスの販売業者に維持管理義務がありますが、ガスメーターの出口から燃焼
器迄の設備(消費設備)は「消費者」に管理責任アリ。この範囲が問題の根元。
一応・・・
『液化ガス石油法』という法律によって"5年に1回"(2000年当時は2年)は、
配管、ガスメーター、ガス栓、ガス器具等について、検査を受ける義務アリ。
こんな義務、知ってました?共同住宅なら知らなくても来るが一軒家では×。
良心的な業者なら・・・
教えてくれるかも知れないが、拝金主義の悪質な業者ならアウト。しかも、
LPガスという非常に危ない燃料を使っているのに"5年に1回"で大丈夫?
いざ、事故が起こった時に、揉めるのが上記の「管理責任の範囲」なんです。
しかも・・・
私の両親のケースの様に、住宅自体が「爆発」「炎上」してしまった後では、
管理責任の範囲といったって、証拠が残っていない。実際に札幌市消防局や、
科警研まで引っ張り出し、調査しても、根本「原因」は、有耶無耶にされた。
一回だけ・・・
私の自宅を訪ね、その時の液化ガス販売業者が、線香を立て、手を合わせた。
その人自体は、良心的な人物に見えたが、肝心の「責任問題」については、
のらりくらりと逃げる。一時は弁護士と相談し、告発しようとしたが止めた。
その時・・・
私は、この問題に拘って生きるより、自分の生き甲斐を見つける事を最優先。
その後、色々あったが、この選択自体は、間違っていなかったと今でも思う。
けれど、今でも「ガス漏れ」という言葉や報道には、敏感に反応してしまう。
ところで・・・
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【雪害(落雪による損傷部位)】
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●ボンベ内の高圧ガスをバーナーに合った圧力まで落とす調整器 50%
●配管など 19%
●ガスメーター 13%
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【ガス供給設備・消費設備の改善点】
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■配管を口径の太いものにする。
■継ぎ目のねじ山が丈夫なものにする。
■ボンベなどの供給設備全体を保護する収納庫を設置。
■強度のある板(或いはコンパネ)を、供給設備全体をカバーする様に、
壁に掛ける。その際には、風通しを妨げないように注意する。
■地下貯蔵庫の取り出し口付近には、火気を発するものを置かない。
■ドスンという落雪の音を聞いたら、直ぐに、供給設備を見に行く。
■"5年に1回"のガス器具の検査も怠っているような業者がいたら、
直ぐに連絡し、どやしつけ、法定義務である検査を即実行させる。
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【LPガスの臭いを感じたら】
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■使用中の火気は、全部消して、ガスの元栓を閉める。
■火気は絶対に使わない(煙草は吸うな、酒は飲むな)。
■火花が出て、着火源となる恐れのある換気扇や電灯等のスイッチ、
コンセントには、手を触れないようにする。
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↓上記の対策をした上で
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◆ガス販売業者、及び、119番に、通報する。
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11年前・・・
私が、両親の家の爆発炎上を知ったのは、ローカル番組「夕方DonDon」
映画のワンシーンのようだった。信じられなかった。半信半疑の儘、現場へ。
この世とは思えない地獄絵巻が展開されていた。車庫には、親父の車が存在。
その車を・・・
見た途端、私は二人の生存の可能性を諦めた。その後、向かいの隣人宅から、
叔父と一緒に、消防隊の消火作業の様子を、眺めていた。考えられなかった。
これは真実なのか。どうしてこんな事に。両親が何か悪い事をしたとでも…。
私は・・・
無意識の儘、TVのインタビューにも応えていたらしい。後で叔父から聞く。
何かが突き抜けてしまって、涙も出なかった。でも、目の前では、16歳で
住み始めた実家が燃えている。両親を中に残したままで烟を上げて、燃える。
大雪と大寒の中で・・・
2人はこの世を去り、極楽浄土に。こんな事故は起きない方が良い。切願す。
もっと知りたい方はこちら
http://www.unlimit517.co.jp/gnews265.htm