出鱈目なレアアース精錬と垂れ流しが黄河をさらにひどく汚濁させていた | 日本のお姉さん

出鱈目なレアアース精錬と垂れ流しが黄河をさらにひどく汚濁させていた

中国「資源外交」窮地 レアアースの輸出先失い業界悲鳴
産経新聞 10月26日(土)7時55分配信
【済南(中国山東省)=河崎真澄】レアアース(希土類)をめぐる通商紛争で世界貿易機関(WTO)が日米欧の主張に軍配をあげたことは、中国による過去20年来の資源外交戦略の失速を意味する。
ピーク時に世界のレアアース需要の97%を供給していた中国。最高指導者だったトウ小平は1992年当時、「中東に石油あり。中国にはレアアースあり」と語り、資源輸出に戦略性をもたせることが外交カードになる、と考えていた。
中国は3年前の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の中国漁船衝突事件後に事実上の対日禁輸措置としてカードを切ったが、対中依存度の高さを反省した日本企業は、米国などレアアース調達先の多様化や、使用済みレアアースのリサイクルなど、2年もたたず自助努力で中国の資源外交を切り崩した。
中国のレアアース業界関係者は、「3年前は日本がレアアースほしさに政治的妥協を急ぐと思ったが、結果は中国が最大のレアアース輸出先を失って大失敗した」と頭を抱えている。
中国の昨年のレアアース輸出量は1万6千トンと、政府が許可した3万トン余りの輸出枠の半分程度にとどまり、関連業界は生産停止に追い込まれるなど業績が悪化した。
今年は米国の需要増に伴って輸出量は微増しているものの、国際価格の下落が続いており、輸出額は前年の半分にも満たない。
通商紛争でWTOの判断が有利に出て、外交カードにレアアースを取り戻すことに、いちるの望みをかけてきた中国。トウ小平の言葉も空虚な響きとなった。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年10月24日(木曜日)
通巻第4050号
レアアース騒動の糠喜び、日本企業は次のステップへ
出鱈目なレアアース精錬と垂れ流しが黄河をさらにひどく汚濁させていた
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あの「レアアース騒動」はいま、何処?
次代の自動車といわれた電気自動車やラップトップ・コンピュータに欠かせない鉱物資源は中国に生産が集中している。レアアースの85%が中国である。
顕著なレアアース工業区は内蒙古省パオトウ市の西側。広大な工業団地に進出企業はまばら。鉄道駅近くに34階の偉容を誇るのはレアアースホテル(希土類飯店)、ここにレアアース取引所も入居している。
2012年夏に、筆者はこれらの地区を見て歩いたが、人影も少なく、鳴り物入りのホテルに宿泊客がまばらで、滅法景気が悪い。
いったい日本の報道とは大きな齟齬があるのは何故かと考えていた。内蒙古省は団派(共産主義青年団)の人脈が食い込み、政府の要職をしめて、レアアース、レアメタルの鉱区の利権を抑えた。日本の需要を横目に、いきなり値上げ、さらにはクオータを表向きの理由に輸出停止という暴挙にでた。
その直後に筆者はパオトウの現場にいた。
日本企業は悲鳴をあげたが、ただちに次の行動に移行し、米国、カザフスタンなどに供給元の多元化をはかる一方で、レアアースを使わない磁石材料の研究開発に取り組んできた。この結果、中国の思惑はごろりと外れ、いまレアアース市場は大暴落、在庫の山を抱える。
あまつさえ密漁ならぬ不法な鉱区での採掘がすすみ、江西省では山々が荒れ地となって、ひどい汚染に曝される。
当局が「レアアース・マフィア」による密売を取り締まれなかったからである。
後者江西省の汚染は暴力的企業が化学剤を注入して後始末をしないという滅茶苦茶な精錬をおこなうため、過去二十年の間に地下水がすっかり汚染されて、川下の広東省にも拡がり、政府がどれほどの公害対策予算を講じても間に合わなくなった。
この中国の汚染はWTOの議題にもなった。米国の人気歌手はぜんそくのため、北京公演をとりやめる騒ぎも起こった。
泣きっ面に蜂は天津からもやってきた。
天津ではレアアース精錬が盛んだが、公害設備のない、垂れ流しの工場から廃液される廃棄物は多くの毒物を含み、そのまま地下に染みこみ、黄河に流れ込んだ。
この黄河流域に住む一億五千万の人々が汚染に悩まされ、対策が講じられないために奇病の発生も見られるという。
(読者の声1)多田恵氏と王明理氏のW講師で「第12回台湾セミナー」を開催します。
とき 10月26日(土) 午後2時~5時(1時30分開場)
(読者の声2)貴誌前号「中国から見たら「英雄」となる五人の日本人とは鳩山由紀夫、宮崎駿、矢野浩二、蒼井空、井上清は「背叛的日本人」への感想です。
戦後の中共の招待旅行の話を読むと日本人文士の間抜けな対応が滑稽で隔世の感があります。いまどきこんなノーテンキな日本人はいないでしょう。しかし当時マスコミ、政治家以下文化人など著名な人士がみな恐ろしい中共共産軍閥に媚態を示したことはつくづく日本人の恥でした。
特に文士は著名ですが経済基盤が弱いので利用されたのです。
最近、中共の天下取り歴史ドラマ「三国志」をみましたが日本と違い欲望の本音と建前論の偽装が交錯しておもしろい。日本の大河ドラマはすぐに「エセ平和」などの偽善的な建前論を振り回すのでつまらない。
支那人が評価するのは、権力に反対する側です。権力は批判の対象です。そして裏切り者は厳しく批判し処断するのが決まりです。
外国の反逆者は、謀略で利用しますが道具として使うだけで尊敬はしません。用済みになれば殺してしまいます。金のために自分の国を売るのですからまた裏切ります。到底信用できません。口封じもあるでしょう。逆に支那人は、中共権力に非難されている人を尊敬します。かれらは疑い深く裏に通じているので、迎合者のへつらいに騙されないのです。
(東海子)
(読者の声3) 11月30日に、日本の日韓議員連盟と韓国の韓日議員連盟の合同総会がある。
そのなかで、議題の一つとして、日韓オリンピック相互協力について話し合われる(夕刊フジH23年10月23日号)。韓国は、平昌での冬季オリンピックが決定したが、資金と技術がなく、その開催が危ぶまれている。
日韓オリンピック相互協力といっても、韓国は、日本から金を借りて返さない、いつもどうりの手法を狙っている。聞くところによると、日韓共催のサッカーワールド カップの時に日本から300億円の金を借り、いまだに返済が無いそうだ。借金踏み倒しは、韓国のお家芸だ。そこで我々はデモやメール、FB,などあらゆる媒体、機会を通じてこう言おう、『韓国は、日本から返すつもりの無い金を借りて、冬季オリンピックをやるのをやめろ』と。
皆さんがこのメールを拡散することも大事です。そしてあらゆる機会に叫んで下さい。「韓国は、金が無いのに日本から金を借りて冬季オリンピックをやろうとしている。そして、借りた金は借りる前から返すつもりが無い。」と。見栄っ張りな韓国人がどう反応するか、それは我々の動き(拡散)次第だろう。
(TK生)
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『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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