鳩山由紀夫、宮崎駿、矢野浩二、蒼井空、井上清は「背叛的日本人」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年10月23日(水曜日)
通巻第4049号
中国から見たら「英雄」となる五人の日本人とは
鳩山由紀夫、宮崎駿、矢野浩二、蒼井空、井上清は「背叛的日本人」
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平成25(2013)年10月23日(水曜日)
通巻第4049号
中国から見たら「英雄」となる五人の日本人とは
鳩山由紀夫、宮崎駿、矢野浩二、蒼井空、井上清は「背叛的日本人」
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中国で「英雄」視されている五人の日本人がいる。
軍事メディアなどを総合すると、南京の「虐殺記念館」を訪問して謝罪した鳩山由紀夫元首相、反戦平和のアニメをてがけた左翼漫画家の宮崎駿、中国の抗日戦争映画で悪逆日本軍人として登場する矢野浩二、そしてポルノ女優で「釣魚島是中国的」と署名した蒼井空、尖閣諸島は中国領であると中国の言い分をそのまま主張した左翼歴史家・井上清の五人である。
多維新聞網(2013年8月11日付け)によれば、これら五人は「日本の右翼が『売国奴』と非難している」と解説が附せられている。
日本人が誰も知らない映画俳優や、とうに忘れられた左翼歴史家に、いまさら焦点を当て直して中国のメディアが盛んに祭り上げるのも、ほかにこれという日本人がいないからかも知れない。
題名がすこし長い気もするが、じつにわかりやすい。本書は中味も平明でわかりやすく、複雑そうにみえる世界市場、金融システムの解明を独断的にすすめながら、日本が経済的に復活してゆく予測を論理的に、且つわかりやすいグラフを多用して羅列している。
つまり中国経済が挫折し、オランダ発の金融危機が迫る環境下、つぎに世界のマネーは新興国の債券や株価、通貨を売却して日本を買うだろう、という。すなわちグローバルマネーの逆流がおこるというのである。
経済を見る目とはマネーの動きであると固い信念に支えられる渡邉氏は中国のシャドーバンキング、不動産投資の無謀から銀行間の金利が暴動している経緯を捉え直し、これは「異常事態」であると断定する。
「(中国の)銀行間取引金利が30%を超えたというのは、完全な異常時代であると言える。他の銀行からは『いつつぶれてもおかしくない』と見られている」のだ。
すなわち「心臓の血液が止まれば、末端まで血液が行かなくなり、そこはやがて壊死してしまうことになる」というわけで「中国はすでに血流が止まった状況にあるわけで、そうなると弱いところから破綻するリスクがどんどん高まっていく」と明確に予測する。
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 984】
――「・・・うっかりものもいえんなあ、と誰かが笑った」(火野の14)
「赤い国の旅人」(火野葦平 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
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寄宿舎、託児所、工員住宅などを含む工場を見学したが、案内者が自慢するほどのこともなかったようだ。
一行の中の「国鉄労組の連中も、日本の方がりっぱだといっていた。しかし、やはり、一行の大部分の人たちは、すばらしい、感心した、とい言葉をくりかえしている」のであった。
翌25日は雨のなかでの漢口の見学だった。
「昔はどこの街にも城壁や家の壁に、『仁丹』『老篤眼薬』『大学眼薬』『若葉』『味之素』などの広告文字がデカデカをだされてあった。そのほとんどは消し去られたが」、「民家の壁に黒黒となお『仁丹』の文字が残っている」のに気がついた。
一行の中には戦時中に中国各地に滞在し「中国通」を発揮している副団長のような人もいるが、大部分は口を噤んでいる。
だが、「沈黙している連中のなかにも、戦時中いた者があるらしい」。そこで火野は、「戦争中、中国にいたということは、占領者たる日本軍の一員として、なにかの任務についていたということだから、下手すると戦犯呼ばわりされる。
そういう人は私同様に、現在の中国を歩くことに身のちぢむ思いをしているであろうか」と考え、続けて「それは個人的な内面問題であると同時に、日本人の責任という問題にもつながっているので、私は大切なことを考えている」と綴るが、そういう問題を話し合えるような雰囲気が一行にはまだ生じてはいないらしい。
この日の最初の見学は中央人民政府鉄道部(省)の車両修理工事だった。一行が先ず通された二階の応接室の正面に掛けられていたのは、「唇の下にイボがある」「巨大な毛沢東主席肖像画」だった。「これはどこに行ってもある」ということだから、文革当時ほどではないだろうが、すでに毛沢東に対する個人崇拝は始まっていたことになる。
同時に「中国政府が各国のさまざまの団体を招待すると、視察のスケジュールを作り、そのプランにしたがって案内するので、もはや順序や様式がちゃんと紋切り型にととのっているようである」と記されているところから、すでに招待外交が本格始動していたということだろう。
所長が登場して工場に関する紋切り型説明を行った後、革命において同工場で展開された血の労働運動史を語ると、「一行中の労働運動家、国鉄労組の若い代表、左翼教授たちの眼がいきいきと輝く」。そして例の常久が通訳を介して「われわれ日本の労働者も、あなた方の輝かしい勝利の記録にならって、資本主義や帝国主義とたたかいます。どんな困難があってもかならず革命を成就させる決心です。どうぞ、お二人ともそれまで長生きして、日本の革命を見て下さい」と、日本革命への“固い決意”を披瀝する。
それを聞かされた「老闘士は返答に窮したように当惑した微笑をうかべ、黙ってうなずくばかりだった」。
それもそうだろう。その「老闘士」からしてホンモノとはいい難い。
だいいち彼らにとって“日本革命との連帯”など、なんのことやら莫明其妙(チンプンカンプン)だったはず。相手は「視察のスケジュールを作り、そのプランにしたがって案内する」。であればこそ、登場してくる「老闘士」だって、それなりに振る舞うべく配された演者と看做すことができたはずだからだ。
それはともかく、こういった場面にでくわすと感極まり、「どんな困難があってもかならず革命を成就させる決心です。どうぞ、お二人ともそれまで長生きして、日本の革命を見て下さい」などと過剰に反応してしまう常久のような日本人が、往々にして見受けられる。文革中、この手の不謹慎極まりない日本人が“大量・異常発生”したものだが、尖閣をめぐって“利敵言動”を繰り返す連中をみていると、恥曝しは後を絶たないようだ。
《QED》
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(読者の声1)貴誌前々号でしたか、西尾幹二先生が宮崎さんの出版記念会での祝辞全文が掲載されていました。
そのなかで「宮崎さんはどういう時間の使い方をしているのだろうか? いろいろな人の本を次々と書評もしている。私と同じ時期に送られてくる新刊本、整理べたの私がまだ本の封筒の袋を開けていないときに早くも宮崎さんのメルマガの書評欄にその本の書評がもう出ている。一体どうなっているのか。宮崎さんはどういう時間の使い方をしているのだろうか。ほとんど怪物だと思うこと再三でした。記憶力抜群、筆の速度の天下一、鋭い分析力と時代の動きへの洞察力――もう負けたと思うこと再三でした」
とありました。
全文を何度も読み返しました。西尾先生がこれほど人を褒めたことがあるでしょうか?
ともかくお身体くれぐれも大切になさって下さい。飲酒と喫煙を控えられますよう、益々のご活躍をお祈り致します。
(AO生、伊豆)
♪
(読者の声2)貴著新刊『黒田官兵衞のインテリジェンス』を拝読しました。書店でははやくも六冊ほど黒田官兵衞モノが並んでいました。
読了後、宮崎さんの本は、なるほど、あまたある類書とまったく異なって、武将列伝ではなく、インテリジェンスの視点から戦国時代を総括すると、現在の日本のインテリジェンスはなっていないということがよくよく飲み込めました。
黒官の爪の垢を煎じて飲めば、すこしは日本の外交は改善されるのでしょう、というのがおおざっぱな感想ですが、これは行政方面の友人に勧めたい書です。
(GH生、茨城)
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宮崎正弘の最新刊
『黒田官兵衞の情報学(インテリジェンス)』(晋遊舎)
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秀吉の軍師として知られ、インテリジェンスを駆使して戦国大名にのし上がった黒田官兵衞は57戦全勝記録。諸葛孔明をしのぐ軍略の神髄とは何か?
従来の戦国武将の物語とはまったく違う角度から国家が生き延びるために必要なインテリジェンス戦略の極意に挑み、現代日本の劣化した情報の状況と戦列に対比する歴史評論。
新書版 840円
雄渾な筆致で力強く日本の歴史の興隆の原動力を描いた
日本浪漫派の巨匠は明日の日本を背負う世代にこれだけの読みものを残した
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保田與重郎『ふるさとなる大和 日本の歴史物語』(展転社)
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日本浪漫派の巨匠、伝説の文人、保田與重郎が、平明に書いた歴史物語を四編収めているが、評者(宮崎)にとっていずれも初読である。
このような、子供向け(若者向け)を企図して、その力強き文体、しかもやさしい物語を保田さんが書いていたことを知らなかった。
序文をよせたロマノ・ヴィルピッタ京都産業大学名誉教授がいうように「異質な四部作」である。
「しかし『日本の行方を懸念して若い世代に希望を託した保田の志を示す、貴重な証言である』」という見方には賛意を表したい。
保田は戦後しばし櫻井に逼塞したが、しずかに教育の再建をねがって、教育活動を始めていた。それは新学社という教育出版に情熱を注いだように、若者の教育を知識の詰め込みではなく、人間の形成に重きを置いたからだ。
したがって保田は「道義を尊び、人類の崇高な理念を確立すること」を教育の目標として、これら四編をたぐいまれなほどおおらかな筆致で書いた。じつに雄勁にしておおらか、ほのぼのとした情念の世界、和歌の世界の深さと広がりを行間にたくみに埋め込みながら、保田與重郎ならではの独特の世界を築きあげている。
神武天皇、日本武尊、聖徳太子、万葉集物語(大伴家持、柿本人麻呂、天武天皇、大伴旅人など)の四編が収められた。
たとえば神武天皇の箇所でこういう表現がある。
「国家に一大事という時、国の存亡の危機を国民が意識した時、建国の日の苦しみを回想することは、東西古今に見るところです。危機再建に日に、建国の大事業を回想するということは、興隆の原動力である。我が国の過去の歴史を見ましても、万葉集の時代から国の重大な危機には、神武天皇建国に日を思って、康生の活力を、自他の心に奮い起こしました」
たとえば、聖徳太子のところでは、
「日本人は、この天上の神々の教えを守れば、この日本の国は高天原とおなじ神国となり、万世一系につづくのだということを固く信じてきました。このことは神々のお約束だったからである。権力や財力や、または武力によって、永久に栄えさせようというような考えからではない」。それゆえ新嘗祭、大嘗祭が連綿と続くのである、と優しく説かれる。
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渡邉哲也『この残酷な世界で日本経済だけがなぜ復活できるのか』(徳間書店)
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