太田述正コラム#6416(2013.8.28)-気に入った記事
太田述正コラム#6416(2013.8.28)
<皆さんとディスカッション(続x2004)>
「中国で両首脳の「立ち話」を促す論調も出る中…中国外務次官、G20での日
中首脳接触に消極姿勢…」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130827/chn13082722120005-n1.htm
「中国行きツアー4分の1に…」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130827/biz13082716040010-n1.htm
中共当局は対日融和に出るタイミングを計っていると見たいな。
NYタイムスのサイトにずっとアクセスできない。サイバー攻撃を受けた?
http://www.nytimes.com/
と書いたら、CNNでシリアのアサド政権系のハッカー集団の攻撃を受けた可能性が高いってさ。
http://edition.cnn.com/2013/08/27/tech/web/new-york-times-website-attack
/index.html?hpt=hp_t3
アサド、先に攻撃するとはねえ。
<よこ>(同上)
<チューリッヒの売春ドライブイン(コラム#6414)についてだが、>ま、全面
禁止して地下に潜られるよりは表に出してきちんと公的管理したほうが良いのかもしれない。
「世界で一番古い職業」は決してなくならないのだから。
<oh9E4W1k>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
警察とか一般的な正当防衛に喩えて軍隊が実力行使することの必要性を論じる<(コラム#6414)>のはとても説得力が有るね。
テレビに出たときもこういう分かりやすい話をしてくれていれば、ハッと心に響
いた視聴者がもっと多かっただろうに。
<98BrbiuY>(同上)
<ch9riU.kクン(コラム#6414)、>ただ単にOINKなだけ。
「国際法上、無理筋と分かっている」からじゃなく「国際慣行はもとより、条約
・協定まで無視するという韓国の当局や司法機関の姿勢」が出てしまったから。
「オンリー・イン・コリア」の略語OINKに込められた軽蔑や怒り
「韓国は法治国家なのか ソウル高裁が「反日判決」 遠い司法権の独立・・・
朝鮮半島情勢に詳しい元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「韓国の裁判所では『司法権の独立』はあり得ない。以前は、政府の意向に従って判決を下してきたが、最近は、世論にも迎合している。日本や欧米諸国が考える法治国家ではない」と語っている。」http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130711/
frn1307111540004-n1.htm
俺には、法学者より裏の世界に詳しい菅沼の意見のほうが説得力を持っているとしか思えない。
仏像事件もOINKなわけやしね。
<ch9riU.k>(同上)
>ただ単にOINKなだけ。「国際法上、無理筋と分かっている」からじゃなく「国際
慣行はもとより、条約・協定まで無視するという韓国の当局や司法機関の姿勢」が出てしまったから。
韓国政府(官僚)が条約・協定を反故にしたって段階にはまだ達していないことをもって、法的には解決済みって承知してるからじゃない?、という話をしています。
>仏像事件もOINKなわけやしね。
この件での韓国政府の対応もまだ検討中じゃないの?
「日本政府は文化財不法輸出入禁止条約に基づき仏像の返還を求める方針で、韓国政府や裁判所は条約履行と仮処分決定の順守義務のどちらを優先するか検討を始めたもようだ。」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG26064_W3A220C1CR8000/
>菅沼光弘氏は「韓国の裁判所では『司法権の独立』はあり得ない。
こういう話もありますよ。
http://twilog.org/YukiAsaba/date-130827/asc
木村幹:浅羽論文面白いけど、どうして「今」、韓国の司法が一連の判決を出しているのか、と言うことに対しては答えになっていないような気がする。「(いつかはともかく)いつか爆発することになっている爆弾だから爆発した」という感じの説明のような。管見の限りだけどちょっと不満。
浅羽祐樹:なぜ「今」なのかについての仮説。
誰も指摘しないけど、「反日」化する韓国司法の裏には、憲法裁と大法院のどちらが憲法解釈の最終権限を有していて、法曹キャリアとして上なのかという権限争いもあると思う。憲法裁「慰安婦・被爆者『不作為』違憲」(11年8月)→大法院「徴用工 『憲法の核心的価値と全面的に衝突』(12年5月)
韓国の憲法の規定上、大法院と憲法裁は同格だが、事実上、長い間、大法院の方が格上だった。ところが、違憲審査権を有する憲法裁が2000年代に入って社会的に注目されるようになり、法曹キャリアとしても同等とみなされるようになってきている。
違憲審査権について、憲法裁は自らが占有していると主張している反面、大法院は大統領令などについては憲法裁には権限はないと反論。つまり、憲法の最終守護者は誰なのかをめぐって、大法院と憲法裁の間には権限争いがある。一連の「反日」判決の裏側にはこの争いがある。
最近、朴正煕時代の緊急措置を「違憲・無効」としているのは大法院。「憲法裁に違憲審査も占有させてはならないし、何より、9名の裁判官のうち3名は大法院長が指名してるじゃないか(超訳)」というのが大法院の立場。生々しいけど、韓国の司法府の権限争いも一因だと思う。
こう考えると、一連の徴用工をめぐる訴訟を高裁に差し戻したときに、大法院が「強制徴用以前に日帝強占は大韓民国憲法の核心的価値と全面的に衝突」と断じた別の理由も見えてくる。つまり、「大韓民国憲法の核心的価値」を見定めるのは、(憲法裁だけでなく)大法院である、と。あくまでも仮説ですが。
<太田>
潘「事件」を振り返ると、OINK説・・国際的ルール無視でエゴを押し通す・・にも
っともらしさが?↓
「潘国連事務総長 資質問われる偏向「介入」発言(8月28日付・読売社説)」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130827-OYT1T01453.htm?from=ylist
それでは、その他の記事の紹介です。
「<集団的自衛権に関する>政府解釈を変更するには、三つの方法があります」って
何のこと?
一つ目の方法に、「二つ目の方法」を伴うものと伴わないものとがあるってだけだろ。 また、「じっくり憲法改正を待っていたのでは、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国 の軍事力増強など、わが国周辺の安全保障環境の激変に対応できないままになってしま います。」は間違い。
集団的自衛権に関する政府解釈を変更しなくたって「わが国周辺の安全保障環境の激変に対応でき」らい。
シリア化学兵器問題の続きだ。↓
<3か月前に国連調査委の1メンバーが化学兵器を反体制派が使用した可能性ありと言明しているし、トルコが、アルカーイダ系反体制派向けにシリア領内に搬入されよう としていたサリンを押収している。(今回、シリアの旧宗主国でスパイ網をシリア国内 に持っていると思われるフランスが、今回のは真っ先にアサド政権の仕業だと言明した
ことは大きいとボクは思うがね(太田)。)↓>
・・・Three months ago, the UN Syria human rights commission member・・・
said there were "strong concrete suspicions" that rebel fighters had used
the nerve gas sarin, and Turkish security forces were reported soon afterwards to have seized sarin from al-Qaida-linked al-Nusra Front units heading into Syria.
・・・rebel responsibility "can't be ruled out", even if the "balance of
probability" points to the regime or a rogue military commander. ・・・
<今回の化学兵器使用で322人死亡したと反体制派は主張しているが、エジプトじゃ、 大部分が一般住民であるところの1295人が2日間で死んだものの、米英仏は何もしよう としなかった。↓>
The Syrian atrocity, where the death toll has been reported by opposition-
linked sources at 322 but is likely to rise, was damned as a "moral
obscenity" by US secretary of state John Kerry. The killings in Egypt, the
vast majority of them of civilians, have been estimated at 1,295 over two
days
. But Barack Obama said the US wasn't "taking sides", while Kerry earlier
claimed the army was "restoring democracy".・・・
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/aug/27/attack-syria-chemical-
weapon-escalate-backlash
<露中だけじゃなく、イランも国連による調査結果が出るのを待てと言っている。イランはイラクに化学兵器を受けてひどい目にあっている。イランだってアサド政権にる化学兵器使用を大目に見るはずがない。↓>
・・・The Russians and Chinese have said they want “fair and professional
inspections” in Syria. The Iranians have also agreed. In this matter they
have a serious interest; the Iranians have suffered most in the world from
the use of chemical weapons in their war with Iraq during Saddam [Hussein]’s
time.
They are not condoning the use of chemical weapons by their friends in
Damascus.
<だから、調査結果を受け、国連安保理でアサド政権非難決議がなされる可能性は大いにある。↓>
In my view, it is certainly a possibility that you can achieve world
condemnation of Syria in the Security Council -- including from Russia,
China, and Iran -- if inspections prove the suspicions.・・・
<もとより、露中は軍事介入には反対するだろうが、軍事介入したところで、化学兵器貯蔵庫そのものを爆撃するわけにはいかない。周囲に危険を及ぼすからだ。↓>
China and Russia will not accept military action. That is true. But・・・
attacking stockpiles with cruise missiles, as I understand it, has the
disadvantage that is might spread chemical weapons in the vicinity of any
attack.・・・
http://www.csmonitor.com/Commentary/Global-Viewpoint/2013/0827/America-is-not
-the-world-s-policeman-in-Syria-or-Iraq
<様々な意味で1999年の(クリントン政権時における)コソボでのNATO空爆が一応先例だが、当時も国連安保理のお墨付きは得られず、自衛権行使の主張もなされなかった。↓>
・・・the most likely, though by no means perfect, historic parallel is
the 1999 NATO air campaign in Kosovo. Then, as now, civilians were involved
in atrocities perpetrated by the government in power. Russia had ties, too,
to Slobodan Milosevic’s regime, so President Clinton was unable to secure a
UN resolution. Instead, he used NATO backing as endorsement for US air
strikes.・・・
・・・the legality of the Kosovo action was and remains acutely
controversial, too -- domestically, because the president acted alone,
without
a self-evident basis for doing so and without announcing his legal rationale
publicly,・・・and internationally, because (again) the Security Council did
not sign off and no self-defense claim was implicated there, either. So
Clinton’s actions were certainly controversial legally, then as now.・・・
http://www.csmonitor.com/USA/DC-Decoder/Decoder-Wire/2013/0827/Does-Obama-
need-Congress-to-approve-Syria-strike
⇒国連常任理事国の米英仏が、いずれも、国連憲章によって、国連安保理決議のお付きなくして軍事力を行使できるのが、自衛権(集団的自衛権を含む)の行使の場合だけとされた、という、日本での通説的な認識など、全く持っていないことは明らか。
これは、米英仏が、どうでもいいことは国連にやらせるけれど、大事なことは国連を無視する、ということを意味する。
考えてみればそれは当然のことであり、非自由民主主義国である露(国連創立時はスターリン主義国家)と中(国連創立時はファシスト国家)を常任理事国とするような国連である以上、国連が発足した時から、こうなることは予見されていた、と言えよう。
日本は「独立」した上で、(自由民主主義国家をメンバーとするところの、)
NATOを拡大させ、それに加盟するとともに、その第二国連化を図るべきだ。
「独立」後、上記構想が実現するまでの間においても、日本は、人道的介入を含む国際法違反を正すための軍事介入を集団的自衛権でもって法的に正当化することを提案し、そのことの一般国際法化を目指すべきだ。
米国の白人と黒人の経済的不平等度は、半世紀前も現在も同じだってさ。↓
Even as racial barriers have tumbled and the nation has grown wealthier
and better educated, the economic disparities separating blacks and whites
remain as wide as they were when marchers assembled on the Mall in 1963.・・・
<白人家計の中位資産は黒人家計の10倍。↓>
・・・white households had median wealth of $265,000, compared with $28,500
for black families, nearly a 10-to-1 gap. ・・・
<なお悪いことに、米国経済そのものが現在沈没しつつある、と。↓>
“The economic backdrop to the anniversary of the march is the persistence
of racial disparities, but you also have black people mirroring larger
trends,・・・<g>iven that the March on Washington in 1963 occurred during
the golden era of the U.S. economy, the desire to get on the boat made sense
because the boat was rising. But now people may be getting on the boat, but
it is sinking.”・・・
http://www.washingtonpost.com/business/economy/50-years-after-the-march-the-
economic-racial-gap-persists/2013/08/27/9081f012-0e66-11e3-8cdd-bcdc09410972
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