降下した放射性物質の月別推移グラフ | 日本のお姉さん

降下した放射性物質の月別推移グラフ

降下した放射性物質の月別推移グラフ [原発事故] [編集]
ずいぶん前に書いた「福島原発事故と大気圏内核実験のフォールアウト」という記事で引用した「降下した放射性物質の月別推移」という以下のグラフが「おかしい」というコメントをもらった。

日本のお姉さん
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降下量100から上が対数目盛になっていないのは恣意的
降下量1000の目盛りは間違い
ストロンチウム+セシウムで表さないと今回の降下量と比較できない
急激に降下量が減少しているが被曝量としては少ない
被害を強調したいのはわかるがこの図誤解を招く事を意図している
(2012-05-28 03:19)
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とのことなのだが、何だかよく分からない。
産経の元データはこれで、
これだと、まるで福島原発事故のフォールアウトが大気圏内核実験のそれと変わらないように見えるから、誰かがこの上に目盛りを「付け足して」、降下量の違いが「視覚的により正しく見えるように」、グラフを加工したのだと思う。
たしかに、「対数目盛り」と「線形目盛り」を継ぎはぎしているのだから、グラフとしては「間違っている」のだろう。
しかし、元記事では、この対数グラフに対して「福島のフォールアウトは1960年代の大気圏内核実験と同じ水準」という見出しが付いていたのだから、そっちの方が「おかしい」だろう。
では、1目盛りを100ベクレル/平方メートルに統一してみたらいいのではないか?
するとこうなる。↓
左が元の対数グラフ。真ん中が誰かが加工したやつ。右が大雑把に自作した実数グラフ。
こうやって見ると、元の「対数グラフ」は、大気圏内核実験のフォールアウトに比べてチェルノブイリが突出して見えるし、福島原発事故と大気圏内核実験の「茨城・つくば」における降下量はたしかに似たようなものにも見える。そして、0.5ベクレル/平方メートルというような福島原発事故前の平常値がとても多く見える。
一見、何だか日本は1960年代からずーっと放射能汚染され続けているようにも見える。
正しく数値さえ読み取れば、グラフとしては「正確」なのだろう。しかし、これをもって「福島原発事故のフォールアウトたいしたことない」と言うなら、それこそ視覚的印象を利用して恣意的に「誤解」を招こうとしているのではないのか?
反対に自作の「実数グラフ」で見ると、60年代の大気圏内核実験による日本へのフォールアウトは、チェルノブイリ事故由来よりもひどいのが分かるが、同時に、平常値が限りなく0に近いことも分かる。
つまり、「大気圏内核実験」と「チェルノブイリ」で日本はひどく放射能汚染された上に、福島原発事故でさらに何十倍何百倍ものひどい汚染を受けたのだ。
東京(赤い丸)の3月の降下量はチェルノブイリ事故時のピークの30倍以上、4月でも1.5倍だ。
「茨城」(青い丸)の2011年3月の降下分はこの大きさだと収まり切らない。そこで、縮小して2万6000ベクレル/平方メートルまで入れてみる。
なんだ。「意図的に汚染を過剰に見せようとした」と言われる継ぎはぎ加工データがおとなしく見えるぐらい、逆に「圧倒的におそろしい汚染」であることが分かるじゃないか。
福島は、一体このグラフをどこまで突き抜けて行くのだろう?
大気圏内核実験やチェルノブイリによる降下物とは比較にならない「とんでもない量の放射性物質」が福島原発事故によって東日本に降り注いだことは間違いなく、その「汚染」こそが現実なんだと思う。
ここに「ストロンチウム他」のβ線、α線核種が加わるのだから、一体どれだけの「被害」になるのか。
間違っても「大気圏内核実験やチェルノブイリと同程度の汚染」などとは言えないし、そういう意味では、加工されたグラフの方が現実に近いと思う。
「いやいや、チェルノブイリは8000km離れてこれだけの被害なのだから、当時のベラルーシやウクライナでは、福島と比較できないぐらい、もっともっとひどいセシウム、ストロンチウム、プロトニウムの降下物があった」と言うなら、福島原発事故による「茨城・つくば」への放射性物質降下量と、チェルノブイリ事故によるキエフのそれを比較して、例えば4万ベクレル/平方メートルとか1万ベクレル/平方メートルの汚染でどんな健康被害が出たかを見てみればいいし、それしか比較の意味がないだろう。
あえてこの「対数データ」を引っ張って来て、そこに今回の「茨城・つくば」の降下量の値を加えて何になるか?
「大気圏内核実験の時に放射能汚染されてもみんなピンピンしてるんだから、今度も大丈夫だ」と言う「過小評価」のために使えそうだったからだろう。
しかし、どうひっくり返したって、都市住民がこれまで一度も経験したことのない「ひどい放射能汚染」であることには変わりはないのだ。
2012-05-29 22:09 nice!(1)
コメント 6
いろいろ突っ込みどころがあるんだけど、とりあえず、ストロンチウムはβ線源だから。せめてそのぐらいは勉強してから語ってもらいたい。
by だあじりん (2013-02-13 23:35)
そうですね、常識ですよね。修正しました。他には何かございますでしょうか? ずいぶんと「お勉強」されたのですね。「いろいろな」突っ込みどころを「一瞬で見切り」、それを手短かなコメントに脳内集約して吐き捨て、何か正しいことを「言った気」になる。「通りすがりの論理」にはつくづくかなわないなあ、と思います。
by colin (2013-02-14 12:44)
いろいろ調べてきたんだけど、あなたがつぎはぎしている元データと同じものをついに発見できなかったわけなんだけど、どこから拾ってきた数字なのかな?このデータが万が一正しかったらここに出ている市町村はすべて避難の対象になってるはずなんだけど、そんなはずはないし、こんなに放射性物質が降ったって言う事実もないんだよね。
まず、ちゃんとした元データを開示してくれるかな?
って言うのはね、手元の資料の中から似たような傾向を示すデータを一つだけ見つけられたんだけど、これと同じあたりがデータの出元だとしたら、その元データは単位がMBq/km^2になってるんじゃないかと思うんだけど、違うかな?
単位の換算しないで張り付けてるでしょ、たぶん。それで、ひたちなか市はこんなとんでもないことになってるとか書き立てるのは、風評被害の流布にほかならないからね。実際にひたちなか市はこんなとんでもないことにはなっていないし、避難する必要もないのだからね。
僕の推測通りだったら、即刻このページは削除されなくてはいけないし、間違ったデータを流布したことを謝罪したうえで、リンク先のページにその旨を通告する必要があると思うよ。
きちんと対応してくれるかな。
by だあじりん (2013-02-15 03:43)
とっくに検索されていると思いますが、ご参考まで。
http://hotspot311.seesaa.net/tag/%82%D0%82%BD%82%BF%82%C8%82%A9%8Es
関東、特に北関東の線量の高い地域から自主避難した人、したいと考えている人に「避難する必要もない」と言えるあなたは誰ですか?
神様ですか?
by NO NAME (2013-02-15 20:29)
ああ、この便所の落書きレベルのサイトでしたら見ましたw。いたずらに不安をあおりたてているだけの有害サイトですね。はっきり言ってこのレベルの放射線ですと、統計学的に言って、ガンになる可能性が上がると言う事はありえません。
それよりもですね、皆さんがまき散らしている風評被害の方がはるかに被害レベルは大きいのです。今回の原発事故の放射線の影響で死んだ人は住民レベルでは居ませんよ。ですけど、風評被害で自ら命を絶つ人は今でも後を絶たないのです。
皆さんは、皆さんのくだらない思い込みが人を殺しているのだと言う事を自覚するべきだと思います。
by だあじりん (2013-02-15 23:56)
MBq/km^2をBq/m^2に単位換算すると、結局同じ数値になります。
悲しい日本の通りすがり理性のレベル?
by Cosmo (2013-02-24 10:53)
http://beautifullife2.blog.so-net.ne.jp/2012-05-29
降下した放射性物質の月別推移グラフ?2 [原発事故]
降下した放射性物質の月別推移グラフにまたケチをつけて来た人がいる。
まあそれはどうでもいいんだけど、
たしかにこの元グラフ(真ん中の対数グラフと実数グラフを継ぎ足したもの)は、
monthlyfalloutcomparison.jpg
どこの測定値を使ったのか明記していない。そしてグラフの上に「文科省のデータと若干違うので、次回は文科省のデータを使ってグラフを作ってみる」と書いてある。
では文科省のデータを使って実数グラフを作ってみよう。単位はMBq/平方キロメートルだから、単純にBq/平方メートルに換算する。
参考資料は以下。
文部科学省環境放射能水準調査結果(月間降下物) H23年3月分
fallout_march_2011.gif
文部科学省環境放射能水準調査結果(月間降下物) H23年4月分
fallout_april_2011.gif
この文科省データで作った実数グラフと元の引用先不明の実数グラフを比較してみよう。
cs137_fallout_tokyo_ibaraki.gif
なんだ、ひたちなか市3月分以外、たいして変わらないじゃないか。
3月の東京の降下量なんて文科省のデータの方が悪い。しかもセシウム134もヨウ素131も入ってない。
それに、文科省のデータの「3月分」には、3月12日原発爆発後から3月18日9時までの測定値は含まれていないと見られる。
ということは、3月15日の大規模フォールアウトは換算されていないのだから、元のグラフがそれを加味しているとするなら、決して間違ってはいないのではないか?
いずれにせよ、「大気圏内核実験」や「チェルノブイリ原発事故」の時の日本とは比較にならないほど「とんでもない量」の放射性物質が降り注いだことに間違いはないわけだ。
デマも風評も何も、この福島原発事故の原因も収束方法も被害の実態も何も分かってないんだから、僕ら一般人はいろんなデータを引っ掻き集めて「推測」するしかないわけだ。
だれも「これが真実だ」なんて言ってない。これも一つのデータに過ぎず、それを判断するのは各個人だ。
こういったグラフを見て、「この程度じゃガンは『統計学的に』増えない」と思える人はそう思えばいい。
心配しなくても、「確率論的」には、放射能が原因で「ガンにならない人間」の方がはるかに多いのだから、「全体的に見れば」安全派が勝利するのは確約されている。
それに「ガン以外」のどんな病気になっても、放射能との因果関係なんて証明されないだろう。
だからもし「自分」や「自分の子供」がそうなった時には、一人さびしく、孤独に、死ぬまで、その病気とお付き合いしていくだけだ。
「どうせ人間は放っておいたって病気になって死ぬんだ」
そう思う人は、1万ベクレルだろうが10万ベクレルだろうが、どうでもいいから、食べ物も子供の未来も何も気にせず好きなように生きればいいと思う。
http://beautifullife2.blog.so-net.ne.jp/2013-02-16