脳脊髄液減少症という後遺症
脳髄液圧減少症の認知度について
taratoikuragohanさん
脳髄液圧減少症の認知度について
天候の変化に体調が左右されるのですが、その症状は主に、頭痛(偏頭痛)、首・肩周辺のこりや痛みやゾワゾワする気持ち悪さ、めまい、吐き気、とてつもないだるさなどです。最近、急激な天候変化で例年よりも酷く、寝込んでなにも手に着かない日が何日か続いたりします。
中学の時にこの症状を発症し、その時は詳しく検査してもらったのですが偏頭痛と首の骨が真っ直ぐとの診断・思春期という時期が体に影響しているのではないかと判断され、しばらく苦しんだあと改善したのでそのままだったのですが、5年前に再び寝込む日が一ヶ月ほど続き、MRなど精密検査をし脳髄液圧減少症の診断が下りました。
今年は、天候不順のせいか、いつもよりも酷い感じがします。そして、試験がせまっているため、勉強が体調に左右されとても焦ってイライラしています。脳髄液圧減少症は以前改善した時に治ったと思ったので、気候病?が原因で今は体調不良なのかと思ったのですが、あまりに苦しいため、先日大学病院に行きました。
そこで最初診断されたのは、ホルモン系の異常かうつ病でした。しかし、血液に異常はなかった上、過去に脳髄液圧減少症になっていたこともあり、違う科で今詳しく見てもらっています。しかし、内科を含め3人ほどの医者に見てもらったのですが、脳髄液圧減少症を一度起こしたと聞いた時、「う?ん。。」「その診断は本当か?」「どこの病院?」といった、なんだか煮え切らないような反応をされて少し気になっています。また、昔から精神的な面が影響しているだけではと言われ、いくつかの病院をたらい回しにされ、かなり辛い思いをしたので、今回もうつ病かもと言われた時、すごく悲しい気分になりました。このからだの辛さが、結局、精神的な問題と片付けられるのかと思っていたので、脳髄液圧減少症の診断が下ったときとてもホッとした過去があります。
インターネットで検索すると、イマイチ定義がされていない・治療が出来る病院が限られているといったことでした。この病気の医者の間での認知度はどれくらいなのですか?また、それは何故ですか?正直、この病気なのに、精神的な病気だと判断され苦しんでいる人は相当いると思うのですが。。特に思春期の人には、酷で可哀想だと思います。私は中学の時、診断がはっきりしなかったので学校に登校拒否扱いされました。もっと認知されて欲しいです。
この質問は、活躍中のチエリアンに回答をリクエストしました。
質問日時: 2010/10/8 00:33:13
解決日時: 2010/10/12 16:11:02
閲覧数: 468 回答数: 2
ベストアンサーに選ばれた回答
tw0pjagさん
学生時代はテストに出る疾患ではなかったですね。
私は大きい病院で研修中の医師です。お恥ずかしいながら、神経内科を回って知りましたね。担当した患者さんが脳脊髄液減少症でした。多産の女性でした。しんどくてずっと寝てられました。立つと頭から背中が痛いっておっしゃってました。点滴とベッド上安静で軽快しました。その時に、神経内科の先生が、「この病気は、気づかれなくて、精神科にいかされたり、不登校になったりする人が多い。かわいそうな人が多い」って言ってました。なので、その患者さんはテレビに出て知ってもらおうとしたんですけど、テレビ局は、「大家族のママ、脳脊髄液減少症で入院。その間も兄弟で頑張る」みたいな大家族スペシャルになってて残念でしたが。とにかく、あなたのようにかわいそうな思いをされた方が本当にいらっしゃるんですね。まさに神経内科の先生がおっしゃってた通りですね。あなたのような方は日本にたくさんおられると思います!!
MRで診断するんですよね。二回別の撮り方で撮ってたような。脊髄液の漏れが、人によってMRでわかる方とわかりにくい方がいるんですよね…。何例か画像を見せてもらいましたが難しかったです。脳脊髄液減少症の患者さん、多いですよね。外来から入院になる人が多くて、ふつうにメジャーな病気なんだなぁと思いました!
一般内科医には厳しいですよ。神経内科医はそういう患者さんを見てきているので、経験的にすぐ疑えますがね。だから夜中の救急外来に来て、神経内科の先生じゃなかったら、頭のCTとって脳出血じゃないのを確認したら痛み止めだして経過観察でしょうね。しっかりした神経内科の先生にみてもらえるように昼間の神経内科外来にいったら、大丈夫だと思いますよ。
編集日時:2010/10/8 02:35:33
回答日時:2010/10/8 02:28:30
質問した人からのコメント
この病気の悪い部分は、症状よりもむしろ周りの不理解だと思います。中学時はいくら不調を訴えても、ダダこねだと思われ毎日親に引きずられて学校に通わされ、学校に行けなくなると不登校呼ばわりをされ、本当に辛い思いをしました。運悪く父が違う科の医師だったので、理解されるのに余計時間がかかりました。
もっと、この患者さん達のケアが周囲の理解と共に充実されることを祈るばかりです。
コメント日時:2010/10/12 16:11:02
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ベストアンサー以外の回答
k8userさん
交通事故の後遺症として、等病態はそこそこ認知されていますが、診断基準が明確でないためMRIや脳槽シンチといった検査をしても診断は主治医の判断となったりします。治療も髄液の漏れがある人にのみ、ブラッドパッチという治療が有効なことがありますが、稀に神経圧迫による麻痺等重大な副作用がありますし、原因として外傷がなければ髄液漏れはあまり疑ってかかりません。また、症状も多彩であり、まずは有効な治療があり同じような症状を呈することのある別の病
交通事故 示談 髄液減少症 むちうち
whitesnake_heavyさん
交通事故 示談 髄液減少症 むちうち
交通事故 ■示談について■ むちうち 髄液減少症
私の友人が追突されて、髄液減少症と診断されたそうです。
10対0の完全に加害者に過失があったそうで、
車は廃車にしたそうです。
示談金100万をうけとったとの事ですが・・・
(相手の保険会社から)
その病状がひどくなって、手術しなければならないかもしれないようです。
この病状は病院で保険が効かないとの事ですが(?)その辺はよく私はわかりません。
質問ですが、『示談金を受け取った後ですが通院費用を相手から支払ってもらう事は可能なんでしょうか?』
※半年~1年前の事故です。前々からその症状はあったらしいのですが、
最近になってひどくなってきたようです。
現実問題、こんな事態になるとは思っていなかったらしく、示談金100万円は車の
買い替えに使ってしまっているそうです。
保険適用外で、手術費に30万円かかるそうです。
対処方法があればアドバイス下さい。宜しくお願いします。
質問日時:2008/10/18 18:01:38.
解決日時:2008/11/2 04:05:34.
ベストアンサーに選ばれた回答
jiko110banさん
脳脊髄液減少症=CSFHは、交通事故との因果関係を厚生労働省が否定しています。
手術とは、EBP=自己血を硬膜外に注入するもので、自由診療では、15万円、30万円が請求されています。
脳脊髄減少症は、少し前まで低髄液圧症候群と呼ばれており、健康保険適用で治療やEBPが行われていました。
低髄液圧症候群は、健保で治療が出来る傷病名です。
ところが脳脊髄液減少症と傷病名が変更された途端、治療は自由診療となっています。
あえて詮索はしませんが、異例な方針変更です。
示談当時に予想し得なかった症状が発現、事故との因果関係が立証されれば、示談を白紙にすることが出来ます。
これは、S43-3-15の最高裁判決を根拠としています。
錯誤や脅迫による示談も撤回が出来ますが、これは被害者が立証しなければならず、困難を伴います。
本件は、CSFHの悪化によるEBPです。
厚生労働省が因果関係を認めておらず、入通院費用の請求は不可能です。
以上です。
交通事故110番 宮尾 一郎
.回答日時:2008/10/20 15:26:13
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「髄液減少症 」を知恵袋で再検索
ベストアンサー以外の回答
hirokun141coさん
髄液減少症は、確か「事故では発症しない」
と、国交省が認めていたと思うのですが。
(ハッキリしないので、確認してください)
>事故との因果関係が認められている場合
その症状が、後遺障害に認められている場合などは、
示談書を交わしていても、示談書の最後に
>本件示談の際に予想しえない後遺障害が発生した場合には、
当該等後遺障害に基ずく損害賠償については別途協議する。
と書いているはずです。
>上記に当てはまる場合保険会社に相談してください。
.編集日時:2008/10/21 20:18:55
回答日時:2008/10/19 12:24:59
juggr_nautさん
示談は原則としてやり直しはできません。
原則として追加請求は認められませんが、
例外が有ります、示談も法律上の一種の契約です
無効とか取り消しは考えられます。
①示談する時に錯誤有った、
②脅迫されて示談をした、
③示談解決の額が社会常識から見て余りにも小額で有る、
④騙されて示談をした場合、
⑤さら示談をした時と事情が著しく変わった時、
最示談も考えられますが
実際の所ハードルは大変高く厳しい話しに成るのが現状です。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1419979799
aice_cafeさん
髄液圧減少症について教えて下さい。
髄液検査による副作用はどれほどのものがあるのでしょうか?
ある病気の検査と言われ、腰椎から針を刺し隋液を採取する検査を受けられた友人がいます。
内科的な急病から救急車で運ばれ、その検査をしなくてはいけない状況となり あれよあれよと検査した結果
疑わしかった病気ではない事が発覚し、ホッとしていたのですが…、
隋液を抜いた事からひどい頭痛に襲われ
起きてられないほどになってしまいました。
救急車で運ばれた時は非常勤医だったので日が代わり担当の内科医も決まり
頭痛の様子を点滴をしながら見てきましたが。一向に頭痛が治まりません。
収まるどころか2日目くらいには微熱も出たほどです。
普通このような隋液検査をすると2~3日で頭痛も治まるそうですが、3日目の彼は痛みに悩んでいます。
色々なサイトを見たところ 長くかかる人でも1週間ほどで収まると書いてあり、
たまたまMRIで同行してくれた外科医の先生も1週間あれば収まるよと 言って下さっていたにもかかわらず、
今朝回診で来た担当であるはずの内科医は そんなに長引いた患者さんは僕は見た事がない どうしますか?的な投げやりな対応だったようなのです。不安いっぱいで入院
している患者に対してそんな投げ捨てるような診察をして
患者はどうすればよいか不安になってしますよね?
この頭痛ホントに治るのでしょうか?合併症など起こしたりしないのでしょうか・・・。
どなたか詳しい方がいらっしゃったら教えて頂けませんか?
質問日時:2011/6/8 14:13:41.
解決日時:2011/6/10 22:11:35.
ベストアンサーに選ばれた回答
the_o5313さん
詳しくないですが、経験者です。
自分の場合、微熱と強烈な頭痛が一週間くらい続きました。
現在は頭痛は治まりましたが、体温は高いままです。元気なのですが…。
医者も異常なしと。
髄液漏れのない低髄液圧症候群では結局痛みどめや抗鬱薬等をだらだら使うような感じですし。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1148295036
回答日時:2011/6/9 21:16:18
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質問した人からのコメント
辛い思いをされたご経験者なのですね。
まったく同じような症状に悩まされる友人をどうすれば元気づけられるかと、本当に
悩みました。 経験された方のご意見は説得力がありまた 治るんだと思うきっかけにもなる言葉です。 ありがとうございました。the_o5313さんも今後もご自愛下さいませ。<(_
_)>
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1264038042
脳脊髄液減少症
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■脳脊髄液減少症とはどのような病気か
脳脊髄液が増えて脳の中心にある脳室が拡大し歩行障害、尿失禁、痴呆症状を呈し、たまった脳脊髄液を手術で腹腔に導くことにより劇的に症状が改善する正常圧水頭症という病気は比較的知られています。反対に脳脊髄液が減少することにより様々な症状を呈する脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は殆ど知られていません。この病気が初めて報告されたのは1938年のことですが長いあいだ注目されずにいました。いまから15年くらい前に脳MRIで診断できるようになってから症例の報告が多くなりました。しかしながらきわめて稀な病気と認識されています。現在知られているのは特発性低髄液圧症候群といって明らかな原因なしに立っているか座っていると激しい頭痛がして横になると改善し、腰椎穿刺で髄液圧を測定すると正常より低く、造影脳MRIを行うと脳を包んでいる硬膜が肥厚していることが特徴です。これまでの報告は比較的急性期(発症して1ヶ月以内)が多いのですが慢性期の脳髄液減少症ははるかに多く、上に述べた3つの特徴がそろわないことが多いので見逃されている患者さんの数は膨大です。交通事故の後遺症ことに鞭打ち後遺症で苦しんでいる患者さんは数十万人に上ると推定されますが脳脊髄液減少症が多くふくまれていることがわかってきました。約7割の患者さんは適切な治療で症状が改善し仕事や日常生活が何とかできるように回復しています。また慢性疲労症候群や線維筋痛症といった難治性の病気と関連があることもわかってきました。しかしこの疾患はまだ解明されていない部分が多く今後の研究により病態解明や治療法が進歩すると思われます。以下これまでにわかっていることを述べます。
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■脳脊髄液減少症を理解するための最小限の知識
脳や脊髄は無色透明な脳脊髄液で満たされています。脳脊髄液は脳室のなかにある特殊な構造をした脈絡叢という血管から作られクモ膜下腔を循環します。クモ膜は硬膜の内側にあるオブラートのように薄い膜です。脳脊髄液の一日の産生量は約500mlで成人では180ml前後の髄液が溜まっており1日に3-4回入れかわっています。髄液は主に脳のてっぺんにあるクモ膜顆粒で吸収され静脈に戻ります。その他少量は脊髄神経根の静脈やリンパ管からも吸収されます。髄液は血液から作られ血液に戻っていきます。髄液の役割は実のところよくわかっていません。ひとつ確かなことは脳や脊髄を衝撃から守るショックアブソーバーの役割です。そのほかにも脳や脊髄の機能を正常に保つ働きがあるといわれています。なお、髄という字は同じですが血液を作る骨髄とはまったく別です。
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■低髄液圧症候群と脳脊髄液減少症の関連は
前の項で特発性低髄液圧症候群について述べました。実際には髄液圧を測定すると必ずしも低くなく、慢性期では多くは正常圧内におさまっていることがわかりました。そこで低髄液圧症候群という病名は正しく病態を反映していないので脳脊髄液減少症という名称をひろめることになりました。この名称は米国の有名なメイヨークリニックの神経内科医であるモクリー教授が提唱しているものです。モクリー先生によると原因の不明な特発性低髄液圧症候群であっても軽微な外傷で起こるのが多いのではないかとのことです。
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■どのような症状を呈するか
脳脊髄液減少症の症状はきわめて多彩です。いわゆる不定愁訴がそれに相当します。いくつかの症状群に分けてみると、第一に痛みです。初期には起立性頭痛が特徴的です。起きていると頭痛が強く横になると治まる。ただし慢性期になると横になっても頭痛が治まらないことがしばしばです。頭痛の性質はさまざまで片頭痛タイプであったり緊張型頭痛であったり三叉神経痛様であったりします。多くは鎮痛剤の効果が乏しいようです。頭痛以外にも頚部痛、背部痛、腰痛、手足の痛みなどまさに痛みのデパートです。多くの患者さんは頚部、肩、背部の筋肉が石のように硬くなっています。
第二に脳神経症状です。もっとも症状が出やすいのは聴覚に関連した症状です。耳鳴り、聴覚過敏、めまい、ふらつきなどでメニエール病や特発性難聴と診断された患者さんも多くみられます。つぎに目に関連した症状です。ピントが合わない、光がまぶしい、視野に黒い点や光が飛ぶ、視力が急に低下した、物が2重に見えるなどの症状です。そのほか三叉神経が障害されると顔面痛、しびれ、歯痛、顎関節症になることがあります。顔面神経が障害されると能面のように無表情になる、顔面痙攣、唾液や涙が出にくいなどの症状がでます。そのほか嚥下障害、声が出にくい、味覚・嗅覚異常もみられます。
第三に自律神経症状です。自律神経のひとつである迷走神経は脳神経の一部ですがあえてここで述べます。微熱、体温調整障害、動悸、呼吸困難、胃腸障害、頻尿などの症状がでます。特に胃腸症状は迷走神経の機能異常が原因で胃食道逆流症、頑固な便秘が多くみられこれらの症状は治療阻害因子でもあり治療はしばしば難渋します。いわゆる更年期障害に症状が一致するのでそのように診断されることがしばしばです。
第四に高次脳機能障害があります。脳挫傷の後遺症としての高次脳機能障害ほど症状は強くないのですが、仕事や家庭生活を営むうえで大変不自由します。記憶障害の特徴はなにげなく話をした内容をわすれてしまうとか読んだ本の内容を覚えられないので読書ができないとか、忘れ物が多くなるなどです。ひどくなるとメモを取るまもなく数秒前のことを忘れてしまうこともあります。このほかに思考力、集中力が極度に低下してスムーズに仕事ができなくなることがあります。いつも頭がボーとしてもやがかかっているようだと訴えます、うつや無気力もよく見られる症状です。精神科や心療内科で治療を受けている患者さんがたくさんおられます。髄液が減少すると脳の機能とくに海馬や脳梁の機能が落ちるのだろうと推測しています。
第五に極度の倦怠感、易疲労感、睡眠障害、免疫異常により風邪をひきやすくなる、アトピーの悪化、内分泌機能異常として性欲低下、月経異常、子宮内膜症の悪化などの症状がでます。脳脊髄液減少症はひとつの症状のみを訴える患者さんは少なく、いくつかの症状が組み合わされるのが大部分です。見た目にはどこも悪くなさそうなので気のせいとかなまけ病とか言われることが多いのですが一旦この病気にかかると深刻です。まわりの人に理解してもらえない苦しみは病気の苦しみを倍増させます。
これらの症状にはある特徴がみられます。一つは天候に左右されることです。ことに気圧の変化に応じて症状が変化します。雨の降る前や台風の接近により頭痛、めまい、吐き気、だるさなどが悪化する傾向があります。体をおこしていると症状が悪化し横になると軽快する傾向もみられます。二つ目は脱水で症状が悪化することです。十分な水分が摂れないときや下痢、発熱時のような脱水状態で症状が悪化することが多く見られます。
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■どうして脳脊髄液が減少するのか
脳脊髄液が減少するメカニズムは3つ考えられます。ひとつは髄液の産生低下です。熱が高くなり十分に水分を補給しないと脱水状態になり脱水になると髄液産生が低下します。極端に水分を取らない患者さんで典型的な髄液減少症状を呈し、脳MRIでも髄液減少所見がみられ、1日1500mlの水分をとるようにしたら3ヶ月ですっかり症状がよくなった方がおられました。つぎに過剰な髄液吸収です。実際にこのようなことが起こっているのかはっきり確かめたことはありません。多くは髄液の漏出です。RI脳槽シンチで髄液の漏れを見ることができます。治療により漏れがとまることから脊髄レベルで髄液が漏れることは確かです。転倒して頭部を打撲しその後脳のクモ膜に裂け目ができて髄液が硬膜下に貯留することはよくみられます。脊髄レベルでも鞭打ち症のように比較的軽微は外傷でクモ膜に裂け目ができることは容易に想像できます。
鞭打ちの場合は一時的に髄液圧が急上昇し圧が津波のように下方に伝わって腰椎の神経根にもっとも強い圧がかかりクモ膜が裂けると考えられます。解剖学的神経根の部分でクモ膜と硬膜の間が疎な場合は神経根の硬膜末端から髄液が漏れるのではないかと考えています。この点に関しては今後の研究の成果を待ちたいと思いますがいずれにせよ髄液が硬膜外に漏れるのはまちがいないようです。漏れを引き起こす原因としては交通外傷、スポーツ外傷、転倒転落、出産などがあげられます。
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■診断はどのようにして行うか
問診で7割くらい診断がつきます。軽微な外傷のあとに多彩な症状が出現し持続すれば可能性はたかく、横になると症状が楽になる、天気が悪くなる前が調子悪いなどがあればこの病気の可能性はさらに高くなります。この病気は画像診断が可能な点で大変助かっています。ただし適切な画像診断ができる医師がまだ少数であるのは残念です。最初に脳MRI検査を行います。通常の撮り方では髄液減少所見を見るには不十分なので矢状断、前額断でとります。造影剤を用いると静脈拡張や硬膜の造影効果がみられます。
チェックポイントは脳の下垂と静脈拡張です。脳の下垂は具体的には硬膜下髄液貯留、小脳扁桃下垂、側脳室狭小、脳幹部扁平としてMRIにみられます。後者は頭蓋内の容積は一定で脳+髄液+血液=一定というモンロー・ケリーの法則により髄液が減少すると血液がその分増加します。血液が増えることはMRIでは静脈拡張としてとらえられます。具体的には頭蓋内静脈拡張、硬膜造影効果、脳下垂体腫大がみられます。脊髄レベルでも静脈が異常に拡張する所見がしばしばみられます。低髄液症候群の脳MRI所見としてはこれまで瀰漫性硬膜肥厚のみが強調されてきましたが脳の下垂や静脈拡張の重要性を強調したいと思います。
髄液が増えたかどうか客観的に評価するには脳MRI検査は大変役に立ちます。
髄液の漏れを調べるにはインジウムというラジオアイソトープ(放射性同位元素)を用いたRI脳槽シンチグラムがもっとも鋭敏で有効な検査です。腰椎穿刺を行ってアイソトープを髄液中に注入し時間ごとに(通常1.3.6.24時間)アイソトープの分布をみることで髄液漏出の程度と部位がわかります。漏れている場合は3時間以内に膀胱内にRIが集積し、典型的な例ではクリスマスツリーのように漏れが写ります。ただし頚椎のわずかな漏れはRI検査で検出するのは困難なようです。
RI検査の後に症状が悪化することがあります。もともと少ない髄液が腰椎穿刺でわずかでも漏れれば症状はさらに悪化します。 RI検査に引き続いてブラッドパッチ治療を行えば症状の悪
化を予防できます。近年MRミエログラフィーで髄液の漏れを調べることができるようになりました。 ことに頚椎部の漏れに関してはRIよりも検出率が高いようです。ただし硬
膜外に髄液が貯留する場合は高率に漏れが疑われます。
[NEXT]
http://atami.iuhw.ac.jp/shinryou/nogeka/gensyo1.html
脳脊髄液減少症 頭部、背中強打で頭痛が続く
2013年1月29日
脳脊髄液減少症の患者に、ブラッドパッチ治療をする高橋浩一医師=東京都港区の山王病院で
頭部や背中を強打するなどして起こる「脳脊髄液減少症」。脳と脊髄を覆っている硬膜が破れて髄液が漏れ、目まいや頭痛などの症状が出る。傷害としての認知度が低く、診断も難しいため、心の病と誤診されて適切な治療を受けられていない患者も多い。スポーツ外傷がきっかけとなることもあり、文部科学省も注意を呼び掛けている。(細川暁子)
「脳脊髄液減少症の患者は、起立性調節障害やうつ病などと誤診されがち。仮病と思われ、不登校やひきこもりの原因になっている可能性もある」。国際医療福祉大熱海病院(静岡県熱海市)の脳神経外科の篠永正道教授は指摘する。
問題は認知度の低さだ。脳脊髄液減少症は、脳神経外科医の間でさえ長年認められてこなかった。外部からの衝撃で硬膜に穴が開くことに否定的な見方が強かったためだ。篠永さんは二〇〇〇年ごろ研究を始めたが、「最初に学会で発表しようとしたときは、奇人扱いだった」と振り返る。〇七年に厚生労働省の研究班ができ、一一年にようやく、交通事故などの外傷で髄液漏れが起こることが公式に認められた。
川崎市の中学二年の男子(14)は昨年一月、柔道の授業中に首と後頭部を強打した。市内の脳神経外科で頭部をコンピューター断層撮影(CT)で調べて、異常は見つからなかった。ただ、その後も目まいや耳鳴りが続き、学校生活にも支障が出た。五カ月後に、別の病院で脳脊髄液減少症と診断された。
東京都内の中学三年の女子(15)は二年前の夏、民間の体操クラブで練習中に平均台から落ちて首などを強打。整形外科で打撲と診断されたが、締め付けられるような頭痛が続き、小児科では「思春期特有の症状」といわれた。症状は軽減せず三カ月後に港区の山王病院脳神経外科で、髄液漏れが見つかった。
「子どもの脳脊髄液減少症は、スポーツによる外傷が原因のことが少なくない」。同病院脳神経外科の高橋浩一副部長は指摘する。文部科学省も昨年九月、スポーツ外傷後に子どもに頭痛や目まいなどの症状が見られる場合には、医療機関を受診させるよう全国の教育委員会に通知した。
ただ、髄液漏れを見つけるのは難しい。最終的に髄液漏れで同病院で治療した十五歳以下の子ども五十人のうち、頭部の磁気共鳴画像装置(MRI)で異常が疑われたのは半数以下。確定診断には、微量の放射線を放つ薬品を腰から入れ、特殊な画像装置で髄液環境を観察する検査を行う必要がある。
全国的な疫学調査はなく、患者数の実態は不明。ただ篠永さんは「潜在患者は数十万人いるのでは」と推測。高橋さんも「脳脊髄液減少症を知らなかったり認めなかったりする医師もいて、耳鼻科や眼科などをたらい回しになっている患者も多い」と指摘する。
<脳脊髄液減少症> 脊髄に近い首や背中などの硬膜から髄液が漏れ出すことが多い。髄液の中に浮かぶ脳の位置が下がり、その影響で頭痛や吐き気、耳鳴り、目まいが起きる。体を起こしているとひどい頭痛がするが、横になると治る起立性頭痛が典型的症状。
◆早期発見欠かせない ブラッドパッチ治療が有効
治療には、自分の血液を髄液が漏れている部分に注射する「ブラッドパッチ」が有効とされる。血液の凝固作用を利用して、かさぶたのようにふさぐ方法だ。一回では効果が薄く、複数回受ける人もいる。
山王病院では、受傷後一年以内にブラッドパッチを受けた子どもの改善率は96%。治療効果は発症から年数がたつほど低下傾向だった。受傷直後なら、水分を補給して二週間程度安静にすれば治ることもある。高橋さんは「早期発見が欠かせない」と話す。
ブラッドパッチは昨年、厚生労働省の基準を満たした医療機関で治療を受ければ費用の一部が保険適用される「先進医療」に認められた。同病院の場合、入院費用なども含め一回当たり自己負担は十五万円程度。
ただし、保険適用は画像で髄液漏れと確認できた場合のみ。厚労省の研究班の調査では、典型的な起立性頭痛でも二割以下にしか適用されなかった。高橋さんは「不明な点が残されており、治療成績向上のため研究を重ねる必要がある」と話している
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013012902000142.html
低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)
概要 概説 / 症状 一般的な治療法 病後の経過 / 生活上の注意 関連情報 概説 マスメディアを通じて、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)という病名が注目されていますが、低髄液圧症候群は、「腰椎穿刺(ようついせんし)の処置後に、硬膜(こうまく)にあいた針穴から髄液が漏れ、激しい頭痛が続くことがある」現象として知られたのは、19世紀の古きにまで遡ります。しかし、最近注目されている最大の理由は、「交通事故後、長期間経っても、頭痛、頸部痛、めまい、集中力低下などの症状が続き、治療が効果を示さない患者の少なくとも一部は、低髄液圧症候群である」という事実に、篠永正道先生(国際医療福祉大学附属熱海病院脳神経外科教授)が2000年に気づき、「ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入、後述)という比較的簡単な処置で完治することがある」ことを世間に発表し始めたためです。
低髄液圧症候群は、1990年代後半には、頭部MRI検査での特徴的な所見を中心に症候群として集大成された感がありました。しかし、篠永先生の提唱する低髄液圧症候群は、上述の教科書的知識から外れた多くの非典型的症例を含み、「慢性疲労症候群」「慢性頭痛」や「線維性筋痛症」など、原因不明で難治性疾患の少なくとも一部が、低髄液圧症候群であることを示したことから、医学界への反響が大きく、同時に反発も強い状況が生まれています。なお、髄液圧は正常であることが多いため、低髄液圧症候群という名称は誤解を与えるおそれがあるため、「脳脊髄液減少症」(Cerebrospinal
Fluid Hypovolemia)へ名称変更されつつあります。
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症状 多彩な不定愁訴を示しますが、中心的な症状を敢えてあげれば、[1]頭痛、[2]後頸部痛や肩こり、[3]疲れやすさ、集中力低下、記銘力低下の3つです。それ以外に多い症状は、[4]背部痛や腰痛、[5]立ちくらみ、めまい、耳鳴り、[6]上肢あるいは下肢も含む痛みやしびれ感、などです。その他、視力障害、微熱、動悸、頻尿(ひんにょう)、などを伴うことがあります。
頭痛の特徴としては、後頭部痛が最も多いのですが、こめかみ部の痛み、頭のてっぺんの激痛など様々で、筋緊張型頭痛(緊張型頭痛参照)や片頭痛と診断される場合が多いのですが、投薬による効果に乏しく、時には、くも膜下出血のような突然の激しい頭痛で救急外来を受診する場合があります。顔面や顎の痛みを訴えることも多く、また、背部痛として肩甲骨の裏側の部位を示す場合も、低髄液圧症候群が示唆されます。
髄液は、腰椎部から漏出していることが多いため、横になって寝ている場合には漏れにくく、立ったり座ったりした位置では、静水圧差が生じて髄液が多く漏れるために、典型例では、朝、目が覚めたベッド上では頭痛がなく、起きあがって、洗面など身繕いをしたり、朝食を作っている間に激しい頭痛が始まります。昼過ぎ、あるいは夕方に頭痛が強まると訴えることもありますが、慢性化すると、日内変動がなくなることも多いです。
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診断 原因として交通事故以外にも、スノーボードやスキーでの転倒など、スポーツによる打撲で、「むち打ち症」と類似の事態がなかったか聞き出すことが重要ですが、出産がきっかけになることもありますし、3分の1は原因不明です。激しいスポーツでなく、ゴルフやテニスの熱心なプレーヤーにも生じることがあります。
1)頭部MRI
造影剤を静脈内注射し、肥厚(ひこう)した硬膜増強効果を示す所見が重要とされていますが、こういった典型症例はごくまれです。円蓋部(上矢状洞の直下)で大脳が下垂し、年齢からは強すぎる硬膜下水腫の所見を示すことが多く、また、小脳扁桃の下垂もよくみられます。通常の水平断(axial)だけでなく、冠状断(coronal)を加え、矢状断(sagittal)は少し狭い幅(中央部を3mm幅で11スライス)で施行すると小脳扁桃下垂がとらえやすくなります。しかし、MRI所見が正常であっても、低髄液圧症候群は否定できませんから、確定診断にはRI脳槽シンチグラムが必要です。
2)RI脳槽シンチグラム(システルノグラフィー)
腰椎穿刺にてインジウムというRI(放射性同位元素:ラジオアイソトープ)を髄注し、1時間、3時間、6時間、24時間、と髄液の漏れを経時的に調べます。腰椎部(時には胸椎部を含む)に明らかな漏れが認める場合には確定診断となりますが、明白な漏れの部位がなくても、膀胱に1時間後あるいは3時間後にRI集積を示す場合も、髄液の早期漏出と診断されます。つまり、RIが髄液路の上矢状洞へ達し、血液循環へ入り腎臓から尿として膀胱へ至るのは正常で4時間後であるため、膀胱への早期集積は、髄液が脊髄硬膜外に漏れて周囲の血管から血液循環へ吸収されていることを意味するからです。
3)MRIミエログラフィー(頸椎、胸椎、腰椎)
RI脳槽シンチグラムは腰椎穿刺が必要で、穿刺後に針穴から髄液が漏れるため、低髄液圧症候群の患者は頭痛など従来の症状がさらに悪化することがあります。そのため、より非侵襲的な検査として、施設によってはよく使われます。しかし、現時点ではMRIの機種によって画像の鮮明度が違ったり、髄液漏出の判定基準が必ずしも明快でないため、診断が不確実で、今後の研究の発展が必要です。
4)腰椎穿刺による髄液圧測定
髄液圧は正常圧であることが多く、時には20cm水柱以上の高圧であることもあるため、「髄液圧が低圧でないから、低髄液圧症候群ではない」と断定することは間違いです。なお、髄液の細胞数、タンパク量はほとんどすべての場合に正常です。
その他の検査として、上肢のしびれ感の場合、頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群との合併が少なくなく、頸椎MRIなどにより鑑別診断が必要です。また、めまいの場合はリンパ漏が原因のこともあり、専門の耳鼻科受診が必要です。
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http://health.yahoo.co.jp/katei/detail/ST000050/2/