習近平が日本の手を借りて団派(中国共産主義青年団出身者からなる派閥)や上海閥を消滅するのが目的 | 日本のお姉さん

習近平が日本の手を借りて団派(中国共産主義青年団出身者からなる派閥)や上海閥を消滅するのが目的

★小誌通巻4000号記念特大号まであと2号!
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年8月11日(日曜日)
通巻第3998号
■BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー☆
近代国家建設の大事業は歴史の舞台裏でこうやって展開された
大久保、木戸が去って岩倉も病逝し、すべては伊藤博文の肩に掛かったが。。

伊藤哲夫『明治憲法の真実』(到知出版社)
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憲法論議がついに本格化する様相を見せている。
96条改正という矮小な話ではない。占領憲法にすぎない現行の「日本国憲法」は国際法に照らしても違法ゆえに廃棄するのが、主権国家のやるべきことだが、この意見は『暴走老人』以外からはあまり聞こえてこない。ま、正論が通りにくい日本の現状を鑑みれば、それも当然の理の帰結であるが。
もし法理論にしたがえば、明治憲法に復元し、それを改正するプロセスが適切だが、そもそも枢密院も貴族院もなくなって半世紀以上を閲してしまったから、適法を適用する法源が消滅している。状況からしても正論は通用しなくなった。
なにしろ押しつけ憲法を墨守して66年、史上こんな体たらくな国はなかった。
廃棄か、自主憲法か。今後の議論を進めていく上で、自民党の改正案、読売新聞と産経新聞の改正案も出そろい、ほかにも私擬憲法草案がいくつか出ている。
さて。
憲法論議の前に、われわれは明治憲法を知らなければならない。いったい明治憲法の何をわれわれは知っているというのか?
この憲法はGHQや左翼歴史家、メディアの左翼らによって「反動的」「封建的」「独裁的」などと滅茶苦茶な攻撃を受けてきた。攻撃する側はおそらく誰一人として明治憲法を読んだことも検証したこともないだろう。
明治憲法は当時の国際情勢に照らしても超一流の憲法、世界にほこるべき開明的な民主主義憲法であった。
その議論は、しかし別の機会に譲る。

本書が明らかにしているのは明治憲法の成立までの裏話と交渉秘話と、そして何よりも伊藤博文、明治天皇の濃密な関与。そのうえ、まだまだ知らなかったことが夥しくある。
すなわち、明治憲法はいかなる理想を掲げて、どういう過程をへて制定されたか、具体的にドキュメント風に或いは小説風にかかれた書籍が過去にほとんどなかったという驚くべき現実である。
明治初期、廃藩置県によって失業した武士が二百万。その不平不満は佐賀の乱、神風の乱、萩の乱、秋月の乱、そして思案橋事件を付随したが、ついに下野していた西郷隆盛がたって西南戦争となり、戦争中に木戸孝允が病没し、戦後すぐに大久保が暗殺されて、岩倉のほかに強い政治力をもつ政治家がいなくなった。
板垣は在野にあって民権運動を展開し、またルソーやミルが翻訳されて、民主主義議論が在野に沸騰していた。憲法の制定は急がねばならず、だからといって鹿鳴館の西洋かぶれのような猿まね憲法はつくれない。

伊藤哲夫氏は、この歴史の空白、その制憲史の謎に挑んだ。
前作の『教育勅語の真実』もしっかりした歴史考証を重ねての労作だったが、本書を通じて、明治人らがいかに愛国精神に燃え、基本の精神には尊皇のこころがあり、五箇条のご誓文の基礎の上に、イギリスとプロシアから学びつつも、しかも外国人顧問の法律的専門意見を聞きながらも、古事記以来の伝統を重んじた条文となった。
苦労に苦労を重ねてやっと制定に漕ぎ着けたこと。条文を逐一討議する参議の会議に、なんと明治天皇が皆出席されていたという歴史的事実も評者(宮崎)は、本書とを通じて初めて知ったことだった。
明治憲法には日本の魂がこめられたのだ。
さらに条文の検討の過程に政変がからみ、板垣、大隈らが介入し、自由党、改進党を懐柔するために条文案の取引があり、これほどの波瀾万丈のドラマが背後に展開されていたことも知るよしもなかった。
憲法論議を前に、本書は必読文献のひとつとなるだろう。

■BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー☆

習近平が狙う尖閣戦争の本当の狙いは奈辺にあるのか
ベトナム懲罰戦争は、林彪派閥を殲滅して貰う目的があったように

黄文雄『中国人と韓国人が作ったインチキ神話に繰られる日本人』(ヒカルランド)
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題名は長いが本書の中枢は文明論、歴史解釈と未来予測である。
第一に米中同盟は将来ホントにあるのか。
第二に中国が2050年には軍事力でも米国を上回るなどとする予測は本当か?
第三に尖閣諸島問題が端緒となって「日中戦争」は起こるか?
第四に中印露同盟があるか。とどのつまりはハンチントンが言った「儒教文明国 + イスラム圏」という考えにくい同盟が理論的に成り立つか、どうかを検証する。これは壮大な試みを企図した文明論として読める。
黄文雄氏は歴史家である。本書のなかでこう言われる。
「米中間の文明の衝突より、中国内部における中華文明と、その他の文明との衝突のほうが、可能性が高いのではないか」。
つまり北京政府とウィグル自治区と、或いはチベット自治区との対立はいずれ火を噴くだろう。
過去にも何回か、これらの文明との衝突があったように。
中印露の三国同盟もありえない、と黄氏が断言するのは、中国は人民専制政治、露西亜は民主化へ移行しつつあり、印度は民主主義国家。その溝は大きく、つぎの問題は資源である。資源争奪戦争は続行されるだろう。

したがって「三国同盟ではなく、むしろ三国鼎立、すなわち新しい『三国志演義』開演の可能性のほうがずっと高い」と予測する。
さて本書でもっとも注目すべき予測ないし分析は日中戦争勃発の可能性である。
可能性は高いが、中国の其れはむしろ「借刀殺人」である、という。
ベトナム戦争しかり。中国は対越戦争を懲罰戦争などと言いつのり、トウ小平は、じつは林彪の部隊を最前線に送り込んで、「ベトナム軍の力をかりて殺して貰う目的があった
ということは尖閣戦争でも、「それは習近平が日本の手を借りて団派(中国共産主義青年団出身者からなる派閥)や上海閥を消滅するのが目的」に置き換わるだろう、と大胆な分析予測を展開する。

なんとも中国人が本当に考えていることは複雑で面妖なのである。
なにせ戦争を煽って部隊に司令しながら、まっさきに逃げるのは司令官。
それが中国の戦争の遣り方だった。
「愛国」などと虚言を吐く連中が、BMWやベンツに乗り、どら息子らはフェラーリやらランバルギーニに乗っている矛盾をわれわれは日々、目撃しているように。
樋泉克夫のコラム
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【知道中国 949】
――「お酒は飲み放題である」・・・これを太平楽という(柳田の5)
「北京」(柳田謙十郎 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)


次いで7月27日だが午前は天壇見学、午後は北京大学訪問、夜には“お待ちかね”の宴会が用意されていた。

「昔の帝王がここで天にむかって五穀の豊穣いのったのだという」天壇を眺めながら、「昔の帝王」に向かって、「彼らは民衆のためと称し、おためごかしをやりながら、実は人民からとり立てる税金でかくも豪華な建築をおこし、ぜいたくのかぎりをつくしたのである」と悪態をつき、「何しろ土地もひろく人口も大きいので、さく取の可能性も日本などとはくらべものにならない、大建築、大造営、どうしたら金をふんだんに消費できるのか、金のつかいみちに困った人間のやる仕事だから仕かけが無やみやたらに大きい、全くばかばかしくなるほどに豪華なものである」と続ける。

戦前は西田哲学を学んだというなら、もう少しはマトモな議論を綴ってもよさそうなものだが、かくも単純で底の浅い「おためごかし」の帝王批判を繰り出すしか能がないとでもいうのだろうか。

柳田はゴ丁寧にも、「こんなものを人民の政府がどうして大金をかけて大切に保存するのか」と通訳の女子大生に聞き質す。
すると彼女は、「それは勤労人民の高き文化的作品である」と“教科書通り”の答を返してきた。

その予め要された余りにも教条的な答を聞いて柳田は、「なるほど金を出したものは帝王かもしれない、これを命じたものは君主かもしれないが、実さい手をかけてつくったものは勤労人民であり、人民の科学技術である」と納得し、「こういう考え方はソ連にも共通なものであるが、私たちをして深く反省せしめるものをもっている」と反省した後、「そう思って見ればまことに美しい、巨大な力感にあふれた美である」と感心してみせる。

柳田は「金をだしたものは帝王かもしれない」というが、では、その「金」を誰が生み出し、帝王はどのようにして手に入れたのか。『善の研究』の西田哲学からマルクス主義唯物論哲学に転じた柳田ほどの学識がなくても、唯物史観に立てば、その答は明らかだろう。

つまり人民が生み出す「金」を帝王が権力に任せて搾取し、人民に塗炭の苦しみを味あわせながら、栄耀栄華な生活を満喫した、ということになる。であればこそ帝王などという権力者が出現する以前の、搾取も被搾取もなく、万人が平等で、各々が持てる力を十二分に発揮し、互いに助け合った原始共産制社会が理想であり、その理想の実現を目指して共産主義革命に勤しむということになるのだろう。

にもかかわらず柳田は「金」にまつわる一切の“矛盾”を語ることなく、「私たちをして深く反省せしめるものをもっている」などと簡単に反省してしまう有様だ。その昔に流行った「反省なら猿にでもできる」というキャッチ・コピーに倣うなら、柳田は猿程度ということになる。
いや猿程度ではない、挙句の果てにいうに事欠いてか「「そう思って見ればまことに美しい、巨大な力感にあふれた美である」などとノー天気極まりない台詞である。呆れてものがいえないとは、こういうことを言うのだろう。

午後、柳田は北京大学に向かう。哲学科の教授の話から、「ここでは大体哲学史の研究が中心になっているらしく、中国革命の現代に応じた政治的実践の指導方針と直接結びついた研究をするところまではまだいっていないのかもしれない」と、当時の中国の哲学研究の課題を指摘する。「理論と実践とのほんとうの結びつきの問題は革命社会ができてもなおのこされた重大な問題のように思われる」とした後、「哲学がアカデミズム化して大衆の生きた生活要素からはなれる危険はひとり日本ばかりではないのかもしれない」などと生真面目に・・・だが夜は招待宴だ。
固い話は早々に切り上げて、パ~ッといきましょうや。
《QED》
(読者の声1) ベトナムのビンホア村にある、『韓国軍憎悪碑』です。韓国軍はベトナムで三十万とも言われる非戦闘員を虐殺し、婦女子数十万を強姦、その置いて行かれた混血児は三万五千名です。
ベトナムのビンホア村にある、『韓国軍憎悪碑』

(一読者)


(宮崎正弘のコメント)そのベトナムへもっとも果敢に進出しているのが韓国です。ハノイ、ホーチミンばかりかダナンへもソウルから直行便があります。受け入れるベトナムは、寛容なのか、なにか策略あってのことか。
まさに蛙の面になんとか、厚顔無恥。羞恥というものは存在しない?

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『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第二弾 ワック、945円)

『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第壱弾。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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