推薦候補として「長長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)を決定した。
世界文化遺産:「長崎の教会群」候補に 文化審が推薦決定
毎日新聞 2013年08月24日 東京朝刊
文化審議会の特別委員会は23日、2015年夏の世界文化遺産登録を目指す文化庁の推薦候補として「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)を決定した。世界文化遺産の推薦は原則各国1件に制限されている。文化審とは別に、内閣官房の有識者会議が「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、長崎など8県)の推薦 を検討しており、今後どちらを国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦するか政府内で調整し、9月中に関係省庁連絡会議で最終決定する。
「長崎の教会群」はキリスト教伝来と信仰の歴史を示す資産で、大浦天主堂(長崎市)などの教会、「島原の乱」の舞台となった原城跡、平戸島や天草の崎津集落など13件で構成。文化庁は4月、暫定リスト記載の10案件の準備状況を精査し、「長崎の教会群」を唯一「推薦可能」と判断し、文化審に報告していた。
◇内閣官房は「産業革命遺産」
一方、内閣官房の有識者会議が検討している「産業革命遺産」は、長崎県・端島(軍艦島)をはじめ炭鉱や造船所、製鉄所など近代日本の産業史を示す資産で構成され、稼働中の資産を含む。27日の会議で推薦方針を決める予定。
青柳正規文化庁長官は特別委終了後、記者団に「長崎の教会群」について「キリスト教が長崎に伝わり、禁教の時代を経て復活していく歴史的流れの中、集落が形成された跡がみられることが委員から大変評価された」と述べた。特別委では内閣官房の依頼で「産業革命遺産」の保全方法などについても議論したが「内閣官房の有識者会議があるので、内容は言えない」とした。
今後、政府は9月末のユネスコへの申請期限に間に合うよう調整する。【福田隆】
http://mainichi.jp/feature/news/20130824ddm012040041000c.html