中国軍機が第1列島線を通過したのを確認したのは初めて。
<中国>早期警戒機Y8 沖縄本島-宮古島間の公海上を通過
毎日新聞 7月24日(水)20時30分配信
沖縄本島と宮古島の間を通過した中国軍の早期警戒機Y8=航空自衛隊撮影
小野寺五典防衛相は24日、中国軍のY8早期警戒機1機が同日午前から午後にかけ、東シナ海から沖縄本島-宮古島の間の公海上を飛行して太平洋に通過したと発表した。2島間は中国が軍事的防衛ラインの一つとしている「第1列島線」にあたり、中国軍機が第1列島線を通過したのを確認したのは初めて。航空自衛隊のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応。防衛省は異例の事態とみて警戒を強めている。
【尖閣周辺の接続水域に】中国のパトロール部門4隻、巡視船が初確認
Y8は東シナ海上空から第1列島線を抜けて太平洋上の沖縄本島の南東約700キロ付近で旋回し、同じルートで東シナ海へ戻った。小野寺氏は視察先の鹿児島県鹿屋市で記者団に「中国の海洋進出の一つの方向ではないか」と懸念を示した。外務省は「公海上の飛行なので国際法違反ではない」(関係者)としつつも、中国外務省に日本政府の「関心」を伝えてけん制した。
レーダーと通信機器を備えるY8は海上の警戒監視が主な任務とみられ、これまでは東シナ海上を飛んで第1列島線の手前で引き返す飛行が多く確認されていた。防衛省幹部は、14日に宗谷海峡を通過した中国艦船がその後、日本列島を一周する形で航行したと明らかにし、「Y8の飛行もリンクした動きだ」と指摘。日本側には、参院選で大勝した安倍政権に対する中国の警戒感の表れ、との見方もある。【青木純】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130724-00000073-mai-pol
中国:尖閣対応強化 国家海洋局を改編
毎日新聞 2013年07月10日 20時34分(最終更新 07月11日 01時21分)
尖閣諸島。手前から、南小島、北小島、魚釣島=沖縄県石垣市で2012年9月、本社機「希望」から
【北京・石原聖】中国政府が海洋監視活動の強化などを目的に関連部局を再編し、監視船を統合運用する「中国海警局」を新設したことが10日分かった。警察にあたる公安省の指導を受けると規定。警察権が付与されたことから、日本の海上保安庁に相当する海上警察組織が発足したことになる。3月の全国人民代表大会(全人代)で中国海警局の設置は決まっていた。
中国の海洋監視は、国家海洋局「海監」▽公安省「海警」▽漁業を監督する農業省「漁政」▽航行安全を担当する交通運輸省「海巡」▽税関総署の密輸取り締まり船「海関」--がそれぞれ実施。再編で、海巡を除く4組織の船舶が「中国海警」に一本化される。
また、実動部隊として北海、東海、南海の3分局に計11の「海警総隊」を置き、1万6296人を配置した。所属船艇は3000隻を超えるとされ、東シナ海、南シナ海に派遣される。
10日付の中国紙・京華時報によると、政府系シンクタンク・中国社会科学院の研究者は「日韓の海上保安機関は準軍事的な力がある」と指摘し「海警には武器が配備されており、周辺国が中国漁民に力をもって法執行すれば、強力な報復措置を取れる」と語った。
沖縄県・尖閣諸島では中国公船の領海内巡視が常態化しているが、中国海警が中国の警察権を行使して日本漁船の取り締まりなどを行えば、次元の異なる日中摩擦に発展することは避けられない。http://mainichi.jp/select/news/20130711k0000m030047000c.html