中国赤十字会が臓器売買をやっております。-中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」
中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」
SankeiBiz 7月15日(月)8時50分配信
中国・河北省(写真:フジサンケイビジネスアイ)
中国政府が運営する人道団体の「中国赤十字会」が、臓器移植を斡旋する見返りとして、移植手術を行う病院に礼金を要求し徴収していたと、中国紙が11日までに報じた。倫理的に透明性と公平性が不可欠な臓器移植をめぐる金銭授受は、国際的なタブーであり、中国の法律でももちろん禁止されている。だが、生まれ変わりの「輪廻転生」を信じる人が多い中国では臓器提供者が少なく、慢性的に臓器が不足。国際的に批判されている死刑囚からの提供が行われ、臓器売買も横行するなか、移植仲介の中核を担う団体の金銭授受という不透明な実態がまた一つ明らかになった。
礼金徴収問題は、北京のタブロイド紙「新京報」が、病院職員や赤十字会職員の証言として報じ、中国国営新華社通信(英語電子版)やフランス通信(AFP)などが一斉に伝えた。報道によると、広州にある病院の職員は新京報に対し、臓器斡旋に対する礼金の平均額は10万元(約160万円)だと証言。「礼金がどう使われるのかは、一般の人々には分からない」と話した。
江蘇省の病院職員も、臓器提供者であるドナーの家族宛てとして、5万元(約80万円)を赤十字会に渡したと明かした。さらに広州陸軍病院の職員、ヤオ・リンさんは「深セン市の赤十字会の臓器提供コーディネーターはいつも、提供者の死が近くなると連絡してきて、直後に移植手術がアレンジされた。しかし病院側が礼金の支払いをやめるとコーディネーターは何の情報もよこさなくなった」と、暴露。「赤十字会から礼金の使い道の説明はなかった」と付け加えた。
これに対し、中国赤十字会の職員は新京報に対し、「礼金は地域によって異なり、その大半は臓器提供者の医療費に充てられている」と述べ、礼金徴収を認めた。金銭授受の背景には、ドナーの家族に礼金を渡さないと、慢性的に不足する臓器を確保できないという事情があるとみられる。中国では急激な高齢化の進展で臓器移植の需要が高まる一方、輪廻転生を信じ死後も完全な体を保つ必要があると考える人が多いため、自発的な臓器提供者は極めて限られている。
在外華人向け米日刊紙エポック・タイムズ(大紀元)電子版によると、中国では毎年、150万人の患者が臓器移植を希望するものの、実際に提供を受けられるのは100分の1にも満たない1万3000人にとどまる。その臓器も大半が死刑囚からの提供とされる。国際的な批判を受け、中国衛生省は昨年、死刑囚からの提供を停止する方針を打ち出したが、今後1~2年は続けるとしている。
違法な臓器売買も後を絶たず、昨年8月には北京市や河北省など18省・市にまたがる臓器密売組織が摘発され、医師18人を含む137人が拘束された。ネットで臓器提供者と患者を募集し、提携病院で移植手術を行っていたという。政府は臓器移植の透明性を高めるため、2010年3月から新たな臓器移植制度を導入。その一環として、礼金徴収を報じられた中国赤十字会が今年1月に「中国臓器提供管理センター」を設立したばかりだった。中国の臓器移植の闇は深い。(SANKEI EXPRESS)