ニート、過去最多2.3%=若者白書ー出社無理でも…旅行や趣味はOK 「新型鬱」 | 日本のお姉さん

ニート、過去最多2.3%=若者白書ー出社無理でも…旅行や趣味はOK 「新型鬱」

ニート、過去最多の2.3%=若者白書

時事通信 6月18日(火)8時49分配信



政府は18日午前の閣議で、2013年版「子ども・若者白書」を決定した。15~34歳の若者を対象に12年の雇用状況などを調べたところ、職に就かず学校にも行っていない「ニート」の割合は11年比0.1ポイント増の2.3%で、統計を開始した1995年以降、最も多かった。内閣府は「社会での能力発揮を支援する対策が必要」と分析している。
若者の失業率は全体の雇用環境の改善を反映して減少傾向にあるものの、雇用者に占める非正規雇用者の割合は25~34歳で26.5%と、11年に続き過去最多。15~24歳は11年比1.2ポイント減の31.2%だった。




自殺者15年ぶりに3万人下回る うつ病、多重債務対策など奏功

産経新聞 6月18日(火)10時49分配信



政府は18日、平成25年版「自殺対策白書」を閣議決定した。24年の全国の自殺者数は前年比2793人減の2万7858人となり、9年以来、15年ぶりに3万人を下回った。内閣府自殺対策推進室は「国や自治体などで進められてきた鬱病患者や多重債務者らへの自殺予防策が一定の成果をあげた」と分析。一方、20歳代の自殺死亡率(10万人あたり)は高まる傾向にあり、若年層への効果的対策を急ぐ必要性も指摘した。

白書によると、24年の自殺者数は男性1万9273人(前年比1682人減)、女性8585人(同1111人減)。動機別では「健康問題」が1万3629人と最多で、生活苦、多重債務など「経済・生活問題」が5219人、夫婦関係の不和、家族の将来悲観など「家庭問題」が4089人-などと続いた。

年齢階級別の自殺死亡率は40歳代以上で低下傾向にあるのに対し、20歳代で高まる傾向にあるのが特徴。自殺動機には「就職失敗」や「進路に関する悩み」をあげるケースが目立った。

国内の自殺者はバブル崩壊による金融不安や景気悪化が拡大した10年に3万人を突破。15年には最多の3万4427人となり、18年には「自殺対策基本法」が施行された。



出社無理でも…旅行や趣味はOK 若者に増える「新型鬱」
配信元:
2013/05/19 08:32更新
朝になると気分が落ち込み仕事には行けないが、休んでしまえば旅行も趣味も楽しめる。そんな従来にはなかった「新型鬱(うつ)」を発症する若者が増えている。とくに五月病のシーズンは相談が急増。なかには本当に病気か疑わしいケースもあるといい、企業の担当者や精神科医らを悩ませている。(伊藤鉄平)

◆辞めると言えない

「大型連休で気が緩んだ5月中旬から6月は『心の病』に関する相談が一気に増える。特に昨年は新入社員ら若手の相談が多かった」

全国180社と契約し、社員らのメンタルヘルス(心の健康)対策を請け負う「ジャパンEAPシステムズ」(東京都新宿区)の臨床心理士、松本桂樹さんは打ち明ける。これまでに面談した新入社員は1千人以上。従来の鬱症状は、40代以降に多かったが、5、6年前から20代の相談が増え始めた。

「自分では仕事ができると思っていたけれども、思っていたよりできなかった」「朝がつらくて会社に行けないが、辞めるなんて言えない」など相談は“社会とのギャップ”に関する悩みがほとんど。突然会社に来なくなり、人事担当者を介して相談に訪れる若手社員も多いという。

◆深刻なケースも

こうした悩みが悪化し、鬱病となるケースも少なくない。3年ごとの厚生労働省の患者調査によると、鬱をはじめとした気分障害で、平成23年に精神科にかかった20代の患者は全国で7万9千人(推計値)。東京女子医科大学の山田和男教授(精神医学)は「若者に多いのは俗に『新型鬱』と呼ばれる症状。一見して元気に見えるが、ときには深刻で、抗鬱剤が効きにくく、治りにくいのが特徴だ」と語る。

山田教授によると、従来型の鬱では、生真面目さが災いし、仕事でのミスが続くと「自分は無価値だ」と自らを責め、徐々に心に変調を来していく-というのが典型だった。

ところが「新型」は正反対。都合の悪いことが起きると社会のせいにしがち。すべてのことに興味を失う従来型と違い、会社には行けないが、趣味や旅行などは楽しめる、などの特徴があるという。

なかには「会社を休んじゃったので診断書をください」と来院する“患者”もいるが、「2週間以上眠れないといった症状があり、会社に行けないなどの社会生活に問題が出ていれば、鬱病と診断せざるを得ない」(山田教授)という。

◆理不尽への耐性後退?

なぜこうしたケースが増えているのか。松本さんは「ゆとり教育」の影響を指摘。競争や体罰なく育ったことで、「極めて合理的な思考を持つ一方、理不尽に対する耐性が落ち、『(上司が)やれと言えばやる』というような社会の状況に適応できなくなったのでは」とみる。


また、突然会社を休んだ社員に周囲が不満を持たないようにする▽本人から労災をめぐる訴訟を起こされないようにする-などのため、軽い症状でも精神科医を紹介するケースも多いといい、受診者の増加は「ある意味、会社側の都合ともいえる」という。

一方、山田教授によると、精神科医が診断に用いる「DSM-IV-TR」という米国の診断基準がインターネット上に“流出”。医師の質問にどう答えれば、診断書がもらえるのかを指南するサイトもあり、「本当に病気か怪しいケースもある」という。

山田教授は「従来型の患者には『頑張って』などの言葉は禁句だったが、新型は別。様子をみながら、ハッパをかけるような対策も必要だろう」と話した。

■首こり原因?

「新型鬱」は、首こりが原因と指摘する医師もいる。東京脳神経センターの松井孝嘉氏(脳神経外科医)は「パソコンやスマートフォンで下を向いた姿勢を続ける若者は、注意が必要だ」と述べる。

松井氏によると、首は全身の神経とつながる重要部位。下を向いた姿勢を続けると、首の筋肉が硬直し、自律神経失調などの悪影響が起きるという。

松井氏は「首こりは副交感神経の働きを阻害して緊張状態をもたらし、頭痛やめまい、全身のだるさなどの症状が出る。こうした状況が長く続くと、やがて精神にも悪影響が出て、鬱につながる」と説明。

予防には、蒸しタオルで首を温めたり、組んだ両手で後頭部を支えながら頭を後ろに30秒間倒したりして、首の筋肉を定期的に緩めることが効果的だとした。

8割の会社員が“うつ予備軍”だった 衝撃の実態に迫る
配信元:
2013/06/15 05:00更新


★「8割の会社員がうつ予備軍」の衝撃

「最近うつっぽい」と感じることや、職場や友人が実際にうつ病になってしまうetc.



うつとまったく無縁の生活を送っている人はむしろ珍しい昨今。でも、自分が実際にうつ病になるなんてことはさすがにないはず……と侮ってはいけない。SPA!の読者世代であるアラフォーサラリーマンは、実は最もうつになりやすい世代。うつのさまざまな原因、多様化する職場環境、休職制度の今後まで、我々を取り巻くうつの最前線に迫った!

2013.06.11

厚生労働省のデータでは’99年の約44万人から’11年の約95万人と、この10年ほどで絶対数が2倍以上に増加しているうつ病。
男性の場合は40代の割合が最も多いのだが、なぜ40代男性はうつになりやすいのか?
うつ病を専門とする防衛医科大学校病院長の野村総一郎氏は以下のように分析する。

「もともと40代男性は、体力が衰えてきたり、家族への責任が生じてきたり、親の死や介護に直面したりと、うつになる要因が多い年代。

出世レースの結果も見えて、プライドと折り合いをつけなければならないのも、自負心の強い男性にとってはつらいですよね。
加えてここ10年ほどの急激な労働環境の変化も、うつを生み出す要因になっています」


非正規雇用の増加、リストラ、降格や減給も当然の成果主義……。労働環境の変化に対応できないと、うつへと追い込まれていくのだ。


「あとは、昔より気軽に精神科で受診するようになったため、うつ病と診断される人数が増えたこともあります。他人事ではない身近な病気として認知されるようになったのはよいことですが、診断も受けずに“うつっぽい”と言う人が増えると、本当に困っている患者に対して“怠けているだけじゃないのか”という悪いイメージがつきかねないので、その点は注意が必要かもしれませんね」(野村氏)
■野村総一郎氏 ’49年生まれ。防衛医科大学校病院長。うつや双極性障害が専門で、読売新聞では人生案内の回答者を長く務めている。主な著書に『うつ病の真実』(日本評論社)など



サラリーマンを“うつ”に追い込む構図 産業医が解説
2013.06.12

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「『会社は私に何もしてくれないんですね。わかりました。今から死にます』なんて脅迫まがいのメールを送りつけてくる会社員も増えてますからね。見てしまった以上、医師としてはもちろん対応せざるをえないのですが……」とは多くの有名企業の産業医として、サラリーマンのうつ病の症例を見てきた榛原藤夫氏(仮名)。匿名を条件に各業種のうつ病の実態を明かしてくれた。


「サラリーマンの8割はうつ予備軍と言っても過言ではないでしょうね。
適度なストレスは仕事の生産性を高めますが、一定以上のストレスは、生産性を低めるだけ。
現在は、多くのサラリーマンが、図1でいう抑うつ状態になる危険性のある、過度なストレスのなかで働いているんです」


榛原氏によると、うつを生む職場環境は4つに大別できるという。

「図2のように、仕事のストレスは、“仕事の要求度”と“仕事の裁量・上司の支援・報酬”とのバランスで決まります。
ストレスが多く、うつを生みやすいのは、まず要求度は高いのに報酬が低いブラック企業型。

次に、報酬は高いが、常に実力以上の働きを求められ、達成できなければクビ、という外資企業型。

そして、カリスマ的トップの下、外資企業型の働きを求められる中間層と、ブラック企業型の働きを求められる下層が混在する新進イケイケ企業型です」


ストレスが少なくてもうつを生む職場環境もある。

「報酬は高いのに、仕事の要求度は限りなくゼロに近い、昔でいう窓際族。給料が高いから辞められないけど、仕事はなくて、周りにもバカにされている。今どき役にも立たない窓際族を飼っておけるのは、企業にゆとりがある証拠。敬意をこめて“最後の楽園型”と呼んでいます(笑)」(榛原氏)


現在もっとも多いタイプは?

「最後の楽園型が多かったのが、企業に余裕がなくなり、新進イケイケ企業型の職場環境へと変革を迫られている過渡期の状態ですね」

職場環境の急変によってストレスがたまってうつが増えていく……これがアラフォーサラリーマンをうつに追い込む構図なのだ。
■榛原藤夫氏(仮名) 社員の健康管理を専門とする産業医として、現在まで10社以上の企業での産業医に従事。うつ病で休職中のサラリーマンの復帰を支援するリワーク制度にも関わっているうつを生む4つの職場環境 ブラック、外資、イケイケ、楽園
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.■ブラック企業型

薄給なのに実現不可能なノルマを課され、達成できないと恫喝される理不尽がまかり通る。上司の言うことは絶対で、パワハラやセクハラが常態化。
過重労働の上、毎晩上司の飲みに付き合わされ、異常に濃密な人間関係を強いられることも。あげく、日々の仕事はスキルアップに繋がらない単純労働
。「某外食チェーン社長の『自分は店を2店持った時点で欲望を固定した。
溢れた分を社員に。さらに溢れた分を東南アジアへ』という発言が象徴的。
薄給でこき使われ、社員の欲望は全然満たされていないのに(笑)。
完全に部品扱いなんです」(榛原氏)

(例)外食チェーン業界、小売業界などに多い


■外資企業型
一部にはバーンアウトを起こすくらいの激務社員が存在する。
目標管理システムが徹底しており、年に何度も「あなたは何になりたいの? どうしたいの?」と決断を迫られる。
「常に能力の限界以上の目標達成を強要し、言質を取って、達成できなければ『あなたが決めた目標でしょう』と責められる。
ほどほどの仕事量でワークライフバランスを重視する人間にとってはかなりしんどい職場ですよね」(榛原氏)。
専門性を重視するため、社内での人事異動が極端に少なく、人間関係が固定化されてしまうことによるストレスも大きい

(例)コンサルティング会社、IT系、金融系などに多い


■新進イケイケ企業型

カリスマ性のあるトップはイケイケの躁状態で、3年以内に東証一部上場だの、世界進出だの大きな夢を掲げる。
社員はトップの夢に振り回されてうつ状態に。
中間層の社員は目標管理や自分磨きを強要され、下層の社員はノルマに疲弊しているという構図。
「中間層の割合が増えると外資企業型になり、下層の割合が増えるとブラック企業型になる。
一見外資企業型に見えるが、下層社員の割合が多い“隠れブラック企業型”の企業もあるので要注意。
トップにはブラックの自覚がないので、あからさまなブラック企業型よりもタチが悪い(笑)」(榛原氏)

(例)某大手通信会社、某大手アパレル会社など


■最後の楽園型

働かない社員にも高額の給与を払える余裕があったり、労働組合が強かったりで、現在まで完全な終身雇用制を貫いており、休職制度も社員に優しい場合が多い。
「閑職部署で一日中ソリティアをやっているような社員も。『エクセルも使えないのかよ』などと年下社員やアルバイトにもバカにされるが、働かなくてもクビにならないのでスキルを身につけない。
周囲に白い目で見られながらの会社生活は、ある意味ぬるい地獄。
給料がいいから辞められないというのも、逆に言えば『逃げられない』わけで、結果、追い込まれてうつになる」(榛原氏)

増え続ける“新型うつ”の深刻度…従来型との違いとは?


従来型うつと新型うつの違い

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「仕事中はうつ状態だがプライベートでは元気」という症状に悩む20~30代サラリーマンがここ数年増えている。

これは非定型うつ(通称“新型うつ”)と呼ばれ、従来型のうつよりも軽度に分類されるが、“新型うつ”の増加は決して軽視できない社会問題だ。


「図のように、休みの日は元気で、趣味にはやる気満々だったり、過食・過眠気味になったりと、従来のうつとはまったく違う症状。投薬よりもカウンセリングが重要なことや、自分ではなく他人を責める傾向があることから、“単なるワガママ病なのでは?”と思われることも多いのが厄介です」とは、NPO法人教育研究所所長の牟田武生氏。

ひきこもり、ニートの自立支援を行う、若者のうつのエキスパートである同氏は“新型うつ”増加の原因をこう分析する。


「生まれたときから不況しか知らず、『頑張ればそのぶん報われる』という価値観がそもそもないのが今の20~30代。
『会社のため、世の中のために頑張って役に立ちたい=滅私奉公』よりも『頑張っても報われないなら、なるべく他者とかかわらず、楽をして生きたい=滅公奉私』という価値観で育たざるを得なかった時代背景が“新型うつ”を生んだ側面もある」


また、“新型うつ”は若者特有の症状ではないこともアラフォーにとっては注意が必要だ。


「“新型うつ”の症状が注目され始めて10年弱。
当時アラサーだったサラリーマンも今やアラフォー。
バブル崩壊後に就職したアラフォーは、『終身雇用制度の崩壊』『年功序列の崩壊』と、“頑張れば報われる”価値観からの転換を迫られた“新型うつ”のはしりの世代なんです」(牟田氏)


前出の産業医・榛原氏も「今のアラフォーは従来型うつと“新型うつ”の過渡期。どちらの症状の患者もいるため、結果的に最もうつの患者が多い世代」と言う。

20代の部下の新型うつを心配しながら、自身も“新型うつ”になってもおかしくない背景を抱えている……。「最近の若いヤツは」なんて言っていても、明日は我が身ということも有りうるのだ!
■牟田武生氏 NPO法人教育研究所所長。40年にわたり不登校、ひきこもりの臨床研究、相談、サポートを続けている。近著に『現代型うつ病予備軍「滅公奉私」な人々』(ワニブックス)

職場の同僚が“新型うつ”に… そのとき上司は? 同僚は?


「“新型うつ”は単なるワガママではなくて、れっきとした病気」とわかってはいても、同じ職場に“新型うつ”の人間がいたら、業務上困らされてしまうのは事実。実際に同じ職場の人間が“新型うつ”になった例を紹介しつつ、どう対応していくのが効果的なのかを、前出の榛原氏と牟田氏に聞いた。


まずは、「バブルの名残を知っているからこそ厄介」と同僚である加藤博さん(仮名・38歳・情報関連)が語る40代新型うつリーマンの話。


「“非定型うつ”と診断されたのをきっかけに閑職に異動した同僚(40歳)は、その部署の仕事はほとんどしていない。
それでいて、景気がよかったころの派手な遊びを知っているから、アフターファイブは古巣の取引先を呼び出してはフグ、すっぽん、フレンチを食べ歩き。
プライベート同然の飲食費を経費で計上するんです。
“プライベートは元気”という“新型うつ”の特徴を聞いて、なるほどと思いましたよ……」


休職中に資格取得に余念がない新型うつリーマンもいる。

「診断書を提出して以降、休職してさっぱり会社に来なくなったと思ったら、その間に社会保険労務士の資格を取得していた後輩(35歳)。
結局辞めたけれど、ちゃっかり古巣である僕らの部署に営業に来るんです

休職のせいで、仕事量が増えてどれだけ苦しめられたかわかっていない。
過労でこっちがうつになりそうでした」(宮田浩二さん・仮名・41歳・住宅関連)


【残業中、休職した後輩の「バリ島なう」の投稿を発見】

休職中なのにSNSに元気な姿をアップしている例も少なくない。


「プレス対応が主な仕事で、海外出張も多かった派手な担務から、エクセル、パワーポイントでの数字の管理、資料作成がメインの担務に替わった途端、診断書を提出し、そのまま休職した後輩女子(32歳)。
こっちは尻拭いに追われているのに、フェイスブックに『バリ島のきれいな空気に癒されています』なんて書き込んでいるのを見ると、療養中なんだとは思っても、どうしても腹が立ちます」(小松隆さん・仮名・37歳・広告)


こうした例に対して、榛原氏は「同じ部署の人間が休職中だったり、休職はしていなくてもいつ休むかわからないために責任ある仕事が任せられない状態では、当然周りに仕事のしわ寄せがきます。

“半年間この状況が続くようなら、必ず人員を増やすようにするから”など、上司がタイムラインを提示することが何より大事でしょうね」と提案する。
同様に、牟田氏も「仕事量が増えた分、人事評価に反映したり、給与に反映したりと、目に見える形での評価をしてあげるべき」と指摘。


仕事のしわ寄せによる過労で、周囲にうつが伝染る前に、しかるべき対応が必要なのだ。]



“成功者”もうつになる? 杉作J太郎が克服した方法は
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仕事でも成功し、金銭的にも豊かならうつとは無縁なのかというと、そうでもないから厄介だ。「サブカル・スーパースター」たちがうつに見舞われた経験をまとめた『サブカル・スーパースター鬱伝』の著者・吉田豪氏は語る。


「『役者は体力勝負なのに体力が衰えてきて、そこに離婚が重なった』(松尾スズキ)、『おもしろコラムを書くのが鬱陶しくなってきた』(リリー・フランキー)。体力の衰えや仕事のフェーズの変化、離婚など、成功者でも、不惑の男がうつになる背景は普通のサラリーマンと同じなんですよね」


成功してもうつになるのかと思うと夢も希望もないが、背景が一緒なら、克服法も共通しているはず。どう克服していったのか?


「杉作J太郎さんは、アニメやアイドルにハマることで、大分回復したみたいですね。
アイドルにお金を突っ込んで、集客の悪いイベントに駆けつけて、感謝されることで『役に立ってる感』を得られるし、フリを覚えれば運動になるし、ファン友達もできるし。アイドルの追っかけには、うつを治すのに効果的な行動が詰まってるんです。
地下アイドルくらいだと、俺が支えてあげないと!という実感をより得やすいので、サラリーマンの皆さんにもお勧め(笑)」


治す必要はないという意見も。

「リリーさんも『こんな腐った世の中では少々気が滅入らないと。
うつは中年の思春期。大人の嗜みですよ』と言ってますからね」

腐った世を憂う感受性を持つ証拠と思えば、うつも男の勲章!?

■吉田 豪氏 プロインタビュアー、プロ書評家。資料を駆使した徹底的な事前取材に基づいたインタビューが特徴的。最近では『情熱大陸』でもその仕事ぶりが紹介され、話題になった

取材・文/佐藤留美 中村裕一 牧野早菜生(SPA!)