1年後のW杯本大会に向けて、チームとしてはさらなる上積みを | 日本のお姉さん

1年後のW杯本大会に向けて、チームとしてはさらなる上積みを

ザック監督キレた!!イラク戦、本田抜きでも勝つ!!
スポニチアネックス 6月11日(火)7時1分配信
ザッケローニ監督は練習で厳しい表情を見せる(右は本田)
◇W杯アジア最終予選B組 イラク―日本(2013年6月11日 ドーハ)

ザックがキレた。日本代表は11日、カタール・ドーハでイラクとのW杯最終予選最終戦に臨む。4日のオーストラリア戦で日本を5大会連続のW杯出場に導いたエースMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)は欠場が決定的で、10日の公式会見ではチームの「本田依存」を指摘されたアルベルト・ザッケローニ監督(60)が激怒。15日開幕のコンフェデレーションズ杯(ブラジル)に向けた重要な一戦で、本田不在でも勝てることを証明する。

【写真】会見で笑顔を見せるザッケローニ監督と遠藤

一瞬にして表情が変わった。11年1月のアジア杯で準々決勝までの食事会場となったホテルの一室で行われた公式会見。ザッケローニ監督は、日本代表での初タイトル獲得につながった縁起の良い場所に感慨深げな表情を見せていた。だが「本田不在のチームは欠点を抱えている。その課題を踏まえ、どう戦うのか」との質問が飛ぶと一変。怒りに満ちた表情で「その意見には同意できない」と真っ向から否定した。

怒りは簡単には収まらなかった。「ケイスケがいない試合で良い結果を残せていないというのは事実ではない」と反論。本田を欠きながら2試合を残して最終予選進出を決めたW杯3次予選、さらには、かつて0―5で敗れ「サンドニの悲劇」と言われた舞台で1―0の歴史的勝利を挙げた昨年10月のフランス戦を引き合いに出し「3次予選も最終予選でも、ケイスケ抜きで戦った試合はたくさんあった。フランス戦も良い内容の試合をしたが、そこには彼はいなかった」と切り返した。

ザックジャパンはここまで34試合で5敗しかしていない。ただ、昨年10月のブラジル戦を除く4敗はいずれも本田不在。本田依存と言われても致し方ないのも事実だ。イラク戦は消化試合となるが「コンフェデ杯で良い結果を残すためには、あすの試合も良い結果を残さないといけない」と語る指揮官にとって、自身の言葉を証明するためにも絶対に負けられない。

この日はW杯本大会までの1年についても言及。コンフェデ杯までをひと区切りとし、その後を「最終章」と位置付けた。「そこからは全選手がスタート地点に立って本大会への切符を勝ち取らないといけない。Jリーグにも素晴らしい若手がたくさんいる。激しい争いとなるだろう」とレベルアップに向け、さらなる競争を促した。

本田については「最近あまりプレーしていなかったので、われわれは彼を調整しないといけない。限られた出場時間の中で、どれだけクオリティーのある使い方をするか」。今後もケガや出場停止などで本田を欠くことはあり得る。イラク戦は「本田依存からの脱却」という意味でも重要な試合となる。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130611-00000015-spnannex-socc


本田がブチ切れた岡崎の“ワッキー事件”

東スポWeb 6月7日(金)17時4分配信










同点PKを決め絶叫する本田(囲み写真はワッキーの真似をする岡崎=昨年6月のオマーン戦)

ブラジルW杯アジア最終予選オーストラリア戦(4日、埼玉スタジアム)で日本代表は、ケガから復帰したMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)が土壇場で劇的な同点PKを決め、1―1のドロー。B組1位で、5大会連続となるブラジルW杯出場となった。立役者のエース本田は舞台裏でも大奮闘。チームメートにブチ切れた“ワッキー事件”があったことも判明し、世界最速のW杯出場を決めた男は並々ならぬ決意を示していた。

ブラジルW杯出場を決めたのは、やはりエースだった。1点リードされて迎えた試合終了間際の後半46分に、日本はPKのチャンス。6万2172人の大観衆の視線が集まるなか、本田がゴール真ん中に突き刺した。土壇場での同点弾。イレブンにもみくちゃにされた本田は両人さし指を天に突き上げた。

世界最速でつかんだブラジルW杯切符。だが、舞台裏では1年前から続くエースの奮闘があった。チーム立ち上げから無敗を続け、2011年にはアジアカップ優勝、続くW杯アジア3次予選も突破した。「史上最強」と言われ始めたころから本田は、チームに気の緩みを感じていたという。迎えた昨年6月3日のW杯アジア最終予選オマーン戦(埼玉)で“事件”は起きた。

FW岡崎慎司(27=シュツットガルト)は3点目となるゴールを決めると、お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキー(40)からテレビ番組を通じてリクエストされた「び~よよよ~ん」なるギャグをピッチ上で披露。これに本田が大激怒し、試合後に岡崎に向かって「そんなことするな!」と説教したという。

実はこのころ、日本代表メンバーの“風紀”の乱れは、日本サッカー協会でも問題視されていた。テレビ番組に出演した際、選手の身体的な問題を笑いにしたり、下半身の話題を提供するなど、浮かれムードが蔓延。そんななかで起きた本田のブチ切れ事件。もちろん岡崎に対して激高しただけではなく、他のチームメートに向けた苦言でもあった。

かねて本田は「モチベーションが1人でも低いヤツがいるとチームとして機能しない」と話している。はたから見れば、岡崎の行為は笑って済ませられる、ささいなもの。それでも自らが掲げた「W杯優勝」の実現へ向け、チーム全体に緊張感を与えるため、キレてみせたのだ。

その姿勢はその後も変わらなかった。「まだまだ個人個人がレベルアップしていかないとW杯では勝てない。どこまで自分を追い込んでやれるか」と話したように、さらなる進化のため周囲には厳しく接した。「嫌われ者」になることもいとわない。ロシアでの記者会見(1日)でも、自身がケガで不在だった3月の予選ヨルダン戦、5月30日の親善試合ブルガリア戦で連敗を喫した原因について「気の緩み」と切って捨てた。

その成果が史上最速の出場権獲得につながったといっていい。もちろん、本田はブラジルW杯へ向け今後も厳しく接していく方針。この日の試合後も、ピッチで歓喜する選手、関係者の輪へ積極的に加わろうとはしなかった。取材エリアでも「お疲れっス。しゃべらないっスよ」と不敵な笑みを浮かべ、移動バスに乗り込んだ。あえて距離をとる姿が本田の決意を示していたのは間違いない。

W杯出場に沸く現状に反発するかのような態度を示したエース。自らが貫く、ストイックな姿勢をチームメートに強要しながら「世界制覇」の実現を目指す――。


名波浩が斬る「今の日本代表に『W杯優勝』なんてできない」

webスポルティーバ 6月7日(金)11時57分配信



6月4日に行なわれたW杯アジア最終予選のオーストラリア戦。日本は1-1で引き分けて、5大会連続のW杯出場を決めた。

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ゲームの主導権は序盤から日本が握っていた。相手のオーストラリアも前から積極的にプレッシャーをかけて、気持ちを前面に押し出して向かってきたが、それに対して日本は怯(ひる)むことなく、落ち着いて対処。徐々に香川真司と本田圭佑が相手守備網のギャップを突き出すと、ポゼッションが増して、選手個々の動きの質も高まっていった。

なかでも、香川のドリブルや岡崎慎司の飛び出しなど、相手の裏をとる動きは、テストマッチのブルガリア戦(5月30日、0-2で敗戦)に比べ、極めて良かった。パス回しも各選手が止まった状態にある“ステーションパス”が少なく、テンポのいいボールの出し入れからフィニッシュまでいくシーンが多く見られた。選手個々のゴールへの意識も高く、香川や本田、そして遠藤保仁も果敢にシュートを打っていた。

ただ、オーストラリアの守備の巧さや、ギリギリのところで体を張ってくるプレイの前に、なかなかゴールネットを揺らすことができなかった。

後半も、日本のペースだった。日本のボール回しの速さと、人が次々に入れ替わる展開に、もうオーストラリアはついていけなくなっていた。そのため、オーストラリアのDF陣は自陣のペナルティーボックス近辺まで下がって守らざるを得なかった。が、それでも日本がゴールを奪うまでには至らなかった。

本来、こういう状況になったら、ゆっくりとボールを展開して、相手をいなしながら攻めればいいのだが、日本はちょっと仕掛けを急ぎ過ぎてしまった。特に問題だったのは、味方同士の距離を近づけるのが早過ぎたことだ。オーストラリアがペナルティーボックスの周りで人数をかけて守ろうとしているのに、日本もそれに合わせて味方に慌てて近づいていって、わざわざ人数をかけて狭いところを突破しようとしていた。

もちろん、香川と本田がワンツーで決定機を生み出したような形が常にできればいい。あれは、世界中のどの国も脅威に感じるだろう。しかし、敵の選手が密集しているところに突っ込んでいっても、そうそう崩し切れるものではない。それも、味方選手同士の距離が近過ぎれば、スペースが余計になくなり、窮屈なパス交換を強いられるため、なおさら突破を図るのは難しくなる。

それに、うまく抜け出すことができなければ、前線に何人かの選手が取り残されて、カウンターを食らってしまう。事実、長友佑都の裏をつかれて、ピンチになりそうなシーンが何度か見られた。この日は、オーストラリアの攻撃が単調だったし、今野泰幸や吉田麻也がよく対応していたからいいものの、もっと上のレベルのチームとやっていたら、かなり危険なシーンが増えていたかもしれない。

また、味方との距離が近過ぎると、居場所をなくしてしまう選手がひとりかふたり、必ず出てくる。とりわけ後半は、中央から左サイドに人が偏り過ぎて、岡崎の存在が完全に消えていた。それは、とてももったいないことで、全体的には非常に効率の悪い攻撃をしていたように見えた。

最終的に1-1という結果を残したのは評価できるが、こういうサッカーをしていては、さすがに世界では通用しない。選手たちは「W杯で優勝する」と言っているが、現状のままではとても実現できないだろう。

攻撃に関しては、もっとボールを動かして、いろいろなバリエーションを作っていかなければいけない。例えば、サイドチェンジやロングボールを使った展開がもっとあってもいい。サイドチャンジが1本あれば、その分、人が動くし、スペースもできるから、違った形が生まれるだろうし、人数をかけた中央突破もより生きたはずだ。にもかかわらず、この試合では効果的なサイドチェンジがまったく見られなかった。長谷部誠から長友へ、遠藤から内田篤人へ、というサイドチャンジをするにはいいタイミングが何度もあったが、同サイドの狭いところにボールを運ぶシーンが目立った。

特に最近は、対戦相手が日本のことをよく研究している。W杯予選で負けたヨルダン(3月26日、1-2で敗戦)にしても、この日のオーストラリアにしても、テストマッチで対戦したブルガリアもそうだった。そういう相手を迎えたときこそ、普段やらないことをもっとやるべきだ

自由な動きが認められている中、意図的にスペースを空けるとか、意図的に長い距離を走るとか、意図的にサイドを変えるとか、劇的に局面を変える動きやプレイをさらに意識して、実践していくべきだろう。例えば、ストロングポイントである左サイドからの仕掛けを、あえて突破することだけに使って、本田や香川が右サイドに流れて組み立ててもいい。岡崎がダイアゴナルランで、右サイドから左サイドまで抜けていって、チャンスをうかがってもいい。「W杯で優勝する」と言っているわけだから、いつもと違う戦い方をチームの“色”として持ち合わせていくことも、今後は必要になる。

守備に関しては、それほど大きな問題は抱えていないと思う。中盤のプレッシャーはよくできているし、各選手のボールアプローチも速い。たとえ相手に突破されても、ひとりひとりの帰陣が速く、次のブロック、そしてまた次のブロックと、守備ゾーンがすぐに作れているのも強みだ。そうした対応をこのまま続けて、さらに精度を上げていくことが大事だろう。

何はともあれ、1年後のW杯本大会に向けて、チームとしてはさらなる上積みを図っていかなければいけない。今回のW杯最終予選に関しても、最初が2試合連続のホーム戦という、レギュレーションの恩恵を受けた。要するに、日本は決して圧倒的な力を持っているわけではないのだ。そのことを自覚して、個々の選手はもちろんのこと、チームとしてもあらゆる面に肉付けして、レベルアップしなければいけない。この1年、W杯で優勝を目指すチームの覚悟を見せてほしい。

名波浩●解説 analysis by Nanami Hiroshi