中国は北朝鮮には制裁の抜け道さえ提供してきた。
中国も北朝鮮を見限るのか 「永遠の友」から「不釣合いなカップル」へ
2013.03.24 Sun posted at 13:13 JST
(CNN) 北朝鮮は、中国の長年の同盟国ではあるが、ロケット発射や核実験、中国人漁民拉致などで、何年もの間、中国をいら立たせてきた。
それでも中国は、国連では対北朝鮮制裁に介入し、北朝鮮には制裁の抜け道さえ提供してきた。
だが、今年2月の3回目の核実験、米国を攻撃するとの無謀な脅迫、そして、朝鮮戦争の休戦協定破棄により、ついに中国も我慢の限界に達しただろうか。
厳しいとも言われている国連制裁に今回は賛成した中国だが、制裁を骨抜きにする動きは続けている。
中国企業が北朝鮮の制裁逃れを手助けしてきた過去の経緯からも、中国が制裁適用に本気であるのかはまだ不明だ。
中国は、現状維持を強く望んでいるため、北朝鮮に強くは出られないのだ。
北朝鮮にとって重要な石油や食料の供給を遮断した場合に、政権崩壊や朝鮮半島の不安定化を招きかねないことを中国は恐れている。
中国にとっての悪夢は、北朝鮮の核兵器が適切に管理されなくなることや、北朝鮮難民の大量流入だ。
また、北朝鮮の崩壊により南北朝鮮が統一されると、米国の同盟国としての統一朝鮮が、中国との国境近くに米軍を駐留させかねないことも中国には懸念材料だ。
さらに、北朝鮮の存在は、米軍が台湾の防衛に集中することを妨げており望ましいとの声も中国ではよく聞かれる。
常に厄介な北朝鮮でも、無くなれば中国は非常に困るのである。
しかしながら、故毛沢東(マオツートン)主席が「唇と歯のように近い関係」とまで表現したような中朝関係はもはや存在しない。
学者などが北朝鮮への不満を公言することが増えており、中国漁民拉致の際には、インタ-ネット上に怒りの声が溢れた。
最近では、中国政府への政策提言機関である中国人民政治協商会議においても、北朝鮮との関係を維持すべきか見捨てるべきかといった議論が公になされている。
中朝関係は、永遠の友から不釣合いなカップルへと変化してしまった。
同盟関係を結んだ当時は、ともに非友好的で孤立した弱小貧困国であり、冷戦時代の米国と同盟国にとっての封じ込め対象であった。
北朝鮮はそこから変化していないが、中国は40年間にわたる目覚しい経済改革・発展の結果、豊かな大国へと急速な変貌を遂げた。
中国は世界各地で様々な利害関係を持ち、安定の維持がその発展にも重要となっている。
中国の米国との関係は緊張することもあるが、毛沢東時代とは異なり、重要な貿易パートナーであり、様々な分野で結びつき、共通する利害も少なくない。
中国はまた、貿易拡大などにより韓国とも良好かつ深い関係を結んでおり、2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」の撃沈や韓国北西部の大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃のような北朝鮮による韓国人殺害は、韓国との関係悪化にもつながる挑発行為であり見過ごせなくなっている。
中国は、国際社会における地位にも無関心ではいられない大国となった。
周辺国を攻撃し自国民を虐待する北朝鮮の残虐な政権を支持することは、中国自身の人権問題にも注意を引くこととなり、そのソフトパワーにもマイナスの影響を及ぼすのである。
北朝鮮崩壊は朝鮮半島の不安定化をもたらす可能性があるため、中国は、北朝鮮を保護し続けるのかもしれない。しかし、両国の利害の乖離(かいり)がますます広がっているため、中国の北朝鮮に対する不満は高まるだけなのだろう。
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本記事は、ダートマス大学のジェニファー・リンド准教授(政治学)よるものです。http://www.cnn.co.jp/world/35029712.html
チュウゴクは、まだ以下のことをわかっていないと思う。↓
周辺国を攻撃し自国民を虐待する北朝鮮の残虐な政権を支持することは、中国自身の人権問題にも注意を引くこととなり、そのソフトパワーにもマイナスの影響を及ぼすのである。