グーグルのめがね型端末-発売前から着用禁止の事例 | 日本のお姉さん

グーグルのめがね型端末-発売前から着用禁止の事例

グーグルのめがね型端末に非難集中 発売前から着用禁止の事例が続々

JBpress2013/5/9 11:34
小久保 重信

米グーグルが開発中のめがね型インターネット端末「グーグル・グラス」。
まだ一般消費者向けの製品はなく、発売は来年にずれ込む見込みだ。

だが、すでにそのテスト用端末が多くのアプリ開発者の手に渡っており、ここ最近この端末を巡る議論が大きくなっている。

この端末は、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する拡張現実(AR)の機能を備えている。右目部分に小型の透過ディスプレイを搭載しており、情報が目の前に表示される。

スケジュールや気象情報、地図などを閲覧できるほか、動画や写真の撮影もでき、それを同時にネットに投稿したり、テレビ電話の相手に見せたりもできる。

こうしてスマートフォンと同じことができるめがね型端末はハンズフリーで様々なことが可能になるため、我々の社会生活に支障が出ると指摘されている。

■早くも運転中の使用を禁止する法案

例えば、米ウェストバージニア州では今年3月、自動車の運転中にヘッドマウント型ディスプレイ付きウエアラブルコンピューターを装着することを禁じる法案が提出された。これが可決されれば、同州では運転中のグーグル・グラスの使用が交通違反になり、最大で300ドルの罰金が科されることになる。

同州では、公道で自動車を運転しながら、携帯電話でメールをしたり、ハンズフリー機能のない携帯電話を操作したりすることを禁じている。法案ではこれに、ディスプレイ付きウエアラブルコンピューターの使用を違反対象に加えた。注意力が散漫になり、メールなどと同様に危険運転になるというのが理由だ。

グーグル・グラスを巡っては、米ワシントン州シアトルにある飲食店の店主が、顧客へのプライバシー侵害につながるとして店内での使用を禁止するとフェイスブックに投稿したことも話題になった。
店主によると、フェイスブックへの投稿は半分ジョークだったが、半分は大まじめだったという。「店は隠れ家的で、怪しげな雰囲気が売りのプライベートな空間。そんな場所でグーグル・グラスを使用されたら迷惑千万」というのがその主張だ。

また米ニューヨーク・タイムズによると、ラスベガスのカジノではグーグル・グラスを装着してギャンブルをしたり、ショーに参加したりすることを禁止している。多くのカジノでは、コンピューターや記録装置の使用を禁止しており、グーグル・グラスはこの規則に違反するというのだ。

■今度はウインクだけで撮影可能に

こうして見ると、グーグル・グラスを巡って使用を禁止する動きが続々と出ており、混乱はさらに拡大していきそうな様相を呈している。

グーグルは当初、グーグル・グラスの操作方法について、音声命令のみの操作を強調して説明していたが、今年3月に公開した動画では、指先でめがねの側面をタップし、次々と画面を切り替えて操作する方法を紹介している。これに加え、先ごろはあるアプリ開発者がウインクするだけで写真撮影できるプログラムを開発したと伝えられた。

こうしてグーグル・グラスはいとも簡単に人に知られることなく撮影でき、それをインターネットを通じて世界に流せてしまう。これは由々しき問題だという非難の声が広がっているというわけだ。

グーグルは、消費者向け製品の商品化を前に開発者などにテストしてもらうことを目的として、グーグル・グラスの早期バージョン「エクスプローラーエディション」を販売するプログラムを実施した。

ニューヨーク・タイムズによるとその第1回目の対象者は2000人で、すでに多くの人に届けられている。グーグルのエリック・シュミット会長も先ごろ英BBCラジオのニュース番組に出演し、今後数千人の開発者の手に届くと述べていた。

米ウォールストリート・ジャーナルは3日付の記事で、こうした早期導入者に向けた「マナーガイド」という記事を掲載している。

例えば、利用者は顔にカメラを装着していることを念頭に置き、更衣室や公衆トイレ、会議室、映画館といったカメラの持ち込みが禁止されている場所では外すべきだとしている。また10秒ごとに目を上や横に動かしている人と話をするのはイライラするもの。誰かが目の前にいる時は外した方が礼儀正しいとしている。

技術革新を進めて、利用者の言論・表現の自由も守りたいグーグル。これに対し、プライバシー侵害や公共マナーの悪化を懸念する声。グーグル・グラスはそんな相反するものがぶつかり合い、議論を呼んでいる端末となっている。http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130509-00037743-biz_jbp_j-nb


発売前から物議を醸す「グーグル・グラス」 「盗み撮りが蔓延する」と米国の飲食店店主が非難
JBpress2013/3/12 11:34
小久保 重信

米グーグルがまもなく市場投入する、めがね型のインターネット端末「グーグル・グラス」が発売前から物議を醸している。

この端末は、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する拡張現実(AR)の機能を備えている。右目部分に小型の透過ディスプレイを搭載しており、視界を妨げることなく情報が目の前に表示される。

スケジュールや気象情報、地図などが閲覧できるほか、様々なアプリも利用でき、内蔵のマイクを使って音声で操作するというものだ。

例えば、「よし、グラス」と呼びかけた後に、「ビデオチャットにしてくれ」などと命令すれば、目の前に相手の顔が現れ、そのまま顔を見ながら会話ができる。「道順を案内してくれ」と頼めば、徒歩ルートを地図検索し、ナビゲーションの指示どおりに道を進むことができる。

と、ここまではよいのだが、問題は「動画を撮影してくれ」「写真を撮ってくれ」といった命令だ。グーグル・グラスにはカメラも内蔵しており、スマートフォンでできることは一通りできる。ただ、スマートフォンと違うのは、それと気づかれることなく撮影できてしまうこと。これがプライバシー上非常に問題があると指摘されているのだ。

■「当店ではグーグル・グラスお断り」

今、米メディアを賑わしている騒動の発端は米ワシントン州シアトルのとある飲食店の店主がフェイスブックに投稿したメッセージ。この中で店主は、「当店は、グーグル・グラスを禁止するシアトルで最初の店になる。違反者には店を出ていってもらうつもりだ」と書き込んだ。

ここには詳細について述べられていなかったが、後に米マイノースウエスト・ドットコムというメディアが店主にインタビューしたところ、その店は隠れ家的に利用されているバーで、怪しげな雰囲気が売りなのだという。人に知られたくないと思う客が多く来るプライベートな空間で、そんな場所でグーグル・グラスを使用されては顧客が迷惑するというのだ。

特にこの店は、米アマゾン・ドットコムの本社が近くにあり、テクノロジー好きの人も店に来る。そういう人たちがグーグル・グラスを利用するのはよいが店内では困ると店主は言っているという。

グーグルの説明によると、グーグル・グラスは撮影した写真をその場でネットにアップロードし、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で共有できる。また撮影した動画はリアルタイムでビデオチャットの相手に見せることもできる。

つまり、グーグル・グラスをかけた人があちらこちらにいる近い将来は、監視カメラが今以上に増えることになり、その映像が許可なくネットに公開される恐れがあるというわけだ。

グーグルのめがね型端末に非難集中 発売前から着用禁止の事例が続々

米フォーブスの記事は、現在市販されているどんなスマートフォンでも公共の場にいる人々を撮影できてしまうが、グーグル・グラスがスマートフォンと違うのは、いかにもこっそりそれができてしまうことだと伝えている。華々しいデビューが予定されているこの製品は、発売前に何らかの措置が必要だろうと報じている。

■グーグル・グラスが普及する近い将来はどんな世界に?

一方米アルステクニカの記事は、今回の議論のきっかけとなった投稿は、シアトルの店主の売名行為であることは明らかだが、近い将来の我々のグーグル・グラスに対する反応を垣間見るものかもしれないと伝えている。

というのもグーグル・グラスには、撮影中に赤いLEDライトが点灯する措置が取られるため、撮られている方はその行為に気づくという。

我々の近い将来に問題となるのは、知らないうちに撮影されるということよりも、むしろ撮影されていることに簡単に気づくこと。これにより人は撮影者に敵対的な反応をする。

将来多くの人がグーグル・グラスをかけて出歩くようになれば、街中で騒動が起きる可能性があるとアルステクニカは伝えている。

なおグーグルが公開している紹介ビデオや写真では、この端末をかけた人の視点からの映像だけが写っており、グーグル・グラスが撮影中であることをどのように被写体に知らせるかは確認できない。

グーグル・グラスの発売時期はまだ明らかにされていないが、早ければ米国で今年の半ばにも出荷されると言われている。価格は1500ドルで、販売対象はこれまで開発者に限られていたが、米国ではこのほど一般消費者も購入できる応募プログラムを開始した。このプログラムは現在締め切っているが、グーグルは後日再開するとしている。