ロシア政治経済ジャーナル No.9162013/4/16アメリカ国内にお金がとどまるようになる
ロシア政治経済ジャーナル No.9162013/4/16
北野です。
クレムリンは、キプロスや英領ヴァージン諸島など、
「オフショアつぶし」の黒幕は「誰」と考えているのでしょう
か?
★オフショアつぶしの黒幕
全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
北野です。
クレムリンは、キプロスや英領ヴァージン諸島など、
「オフショアつぶし」の黒幕は「誰」と考えているのでしょう
か?
★オフショアつぶしの黒幕
全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
(●TPP交渉っていまどうなってるの?
詳細は【おたよりコーナー】で!)
今回は、「世界の資金の流れになにが起こっているか?」という話です。
▼キプロスの金(ゴールド)
ネタ元は、ロシア国営テレビRTRの「ヴェスティ・ニデーリ」(2013年4月14日)です。
RTRは国営放送なので、「クレムリンが何を考えているか?」知りたいときに役立ちます。
この番組の面白いところは、「米英情報ピラミッド」内では絶対でてこない情報が出てくること。
もちろん洗脳されないように気をつけることも大事ですが・・・。
それでも、「こんなこといってるよ」と知っておくのは有益です。
(その場でメモをとっているので、翻訳ではなく、番組の要約になります。念のため)
「キプロスの金(ゴールド)」の話から始まります。
<キプロスが金(ゴールド)を売り始める可能性があると報じられました。
キプロスには、約14トンの金(ゴールド)があります。
EUはキプロスに、この金を売却し、EUからの債務返済にあてるよう要請しました。
キプロスは、10トンの金を売却するよう要求されています。>
↑キプロス大変ですね。
しかし、この話はキプロスだけにとどまらず、世界に影響を与えることになりました。
金の価格は、4月12日1560ドルだったのが、1440ドルまで急落したのです。
司会者のキシリョフさんは、「夏までに金はさらにさがり1400ドルを割り込む」という予測を紹介しています。
しかし、司会者がいいたいのは「ゴールドの価格」ではありません。
毎週のように「国際的ルールが変えられる世界だ」ということ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いったいなんの話をしているのでしょうか?
<今年の初めまで、企業はEU内にあるキプロスの銀行に、安心してお金をおいておくことができました。
今は、そのお金のほとんどが、奪われたり、凍結されています。
世界は変わりました。
ルールは変わったのです。
今はお金に、「家に戻ってこい!」という命令が出されています。>
↑
これに関連して。
キプロス危機最大の被害者はロシアである。
そして、ロシアは、危機を操っているのはアメリカだと確信している。
そんな話を以前しました。
まだ読んでいない人は、理解が深まりますので、こちらをご一読ください。
↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20130327213015000.html
2013/03/27★キプロス危機は、アメリカとロシアの戦い???
▼狙われたイギリス領ヴァージン諸島
「キプロスの金が奪われたからって、『毎週のようにルールが変わる世界』なんて大げさだな~~~」
と思いますね。
キシリョフさんは、「キプロスだけの話じゃないのだ」ということで、世界最大のオフショア
「イギリス領ヴァージン諸島が狙われた」
という話に移っていきます。
<ヴァージン諸島には法人税がありません。
個人所得税も消費税もありません。
先週末、このヴァージン諸島を利用している12万社のリストが暴露されました。>
キシリョフさんが言及している記事
<Secret Files Expose Offshore’s Global Impact>
はこちら。↓
http://www.icij.org/offshore/secret-files-expose-offshores-global-impact
世界的に有名な会社、有名人が「脱税目的」でヴァージン諸島を利用していることがバレタと。
面白いのは、このリストを公開したジャーナリストたちに対するキシリョフさんの反応です。
彼は、「ジャーナリストががんばっていることは疑いないが、諜報機関が関わっていなければ、こんなリストは入手できない」と断言します。
彼にいわせると、「ジャーナリストは、諜報機関の『隠れ蓑』にすぎない」と。
さてさて、どの国の諜報機関が、「オフショアゲート」に関わっているのでしょうか?
▼黒幕とその意図
キシリョフさんは、世界を見回して、「オフショアの規制強化」から逃れている地域もあると指摘します。
一つは、イギリス領「ケイマン諸島」
ここは「イギリス領」なのですが、西インド諸島にあり、アメリカから近い。
それで、アメリカ人がもっとも利用するオフショアとして知られています。
もう一つ、アメリカ国内のオフショアとして知られるデラウェア州。
ウィキから転載してみましょう。
↓
<デラウェア州の会社法(州法)は極めて著名である。
他州に比べ、会社の設立や解散が容易で、多くの判例があるため裁判が予測可能などといった特徴を持つ。
そのため、州外で事業活動をする会社でも、同州に登記上の本社を置くことが多い(会社設立における法律回避を参照)。
また、小さな州にも拘らず、ニューヨーク証券取引所で上場している会社の約半数はデラウェア州の会社法に準拠して設立されていると言われる。[要出典]
例えば、世界最大の化学会社であるデュポンの米国法人、日本アイ・ビー・エムの親会社であるIBMワールド・トレード・コーポレーション(米IBMではない)、生命保険会社のアメリカン ライフ インシュアランスカンパニー(アリコ)の本社など、多くの有名企業がデラウェア州法により設立されている。>
↑
いってみればアメリカの国内オフショアですね。
「アメリカ国内のオフショア、アメリカ人がもっとも使うオフショアの情報はリークされていない」
ということで、キシリョフさんは、「アメリカが黒幕なのでは?」と疑うわけです。
「世界の諸悪の根源はアメリカ」というのは、ロシアでもっとも一般的な思考です。
では、なんのために?
一つは、「敵をつぶすため」に。
たとえばキプロスがいい例。
国営も含むロシア企業は、キプロスの銀行に多額の資金をおいていた。
それが、アッという間に口座が凍結され、資金の約4割を没収されてしまった。
キシリョフさんは、「EUも被害者だ」といいます。
なせか?
諸国の財政問題で、EU本部とEU加盟国がケンカをし、分裂の危機が生じているからです。
「『次のキプロスはない』とEUはいうが、信じるのは難しい」
キシリョフさんは、そういいながら、「若者の失業率」を見せました。
イタリア 38%
ポルトガル 38%
スペイン 56%(!)
ギリシャ 59%(!)
もう一つは、「資金をオフショアからアメリカに帰還させるため」。
アメリカは17兆ドルの債務を抱えているので、なりふりかまっていられない。
世界中でバッシングが起これば、企業は資金をオフショアに流すことができなくなる。
そして、アメリカ国内にお金がとどまるようになることでしょう。
▼この情報をどうとらえるべきか?
というわけで、ロシア国営放送RTR「ヴェスティ・ニデーリ」からの情報でした。
この前のキプロスの話もそうですが、「アメリカにしてやられた!」
というくやしさがにじみでていますね。
もちろん、アメリカがホントの黒幕か、確固たる証拠はありません。
だから、あんまり妄信するのもよくありませんが。
それでも、
もしこの話が事実と仮定すると、二つのことがわかります。
一つは、アメリカの財政状況がかなりヤバイということ。
(皆知ってますが。)
もう一つは、「腐っても鯛」というか。
アメリカは、経済力、軍事力で相対的に衰えていますが、「ルールを変える」力はまだもっているのですね。
中国、ロシアもだいぶパワーをつけていますが、結局「米英が定めた枠内にいて、ルール作りには参加できない」ことにはかわりありません。
日本も中ロのことを笑えません。
思ったとおりというか、TPPはやはりアメリカの「言いなり」なのですね。
TPP=まさに「ルール作り」。
というわけで、今回は「オフショアつぶしの黒幕」についてでした。
プーチンはどう逆襲するのでしょうか?
知りたい方は、こちらをご一読ください。
↓
「もし、プーチンが日本の首相だったら?」
↓
【3刷決まりました!】
【アマゾン(社会・政治部門)1位!】
●「プーチン最後の聖戦」 (集英社インターナショナル)
(詳細は→ http://tinyurl.com/8y5mya3 )
↑
<プーチン本はいろいろ出ているが、これが独特で面白い。>
(立花隆 「週刊文春」2012年7月12日号)
★北野の「危機克服本」コーナー
はじめての方は、まず「危機克服本」の動機と意義について、こちらをお読みください。↓
http://rpejournal.com/osusumehon.html
●「成功への道しるべ」
(詳細は→ http://tinyurl.com/gfz65 )
こういう本を「成功のバイブル」というのでしょう。
成功に必要なことが全部書いてあります。
・目標設定の仕方
・行動計画の立て方
・アファメーションの力(←びっくりしますよこれはマジで)
・ビジュアリゼーションの力
・トータルに成功するということ(つまり成功=金だけじゃない)
しかも、事例が超豊富で、○○することの効果がイメージできるようになります。
例えば、
・毎年最下位だった広島カープの監督になったルーツは、常に「なんのために練習するんだ?」と質問した。
そして、選手たちには「優勝するためです!」と常に回答させた。
結果、広島カープは万年最下位から脱し、連続優勝にかがやいた。(目標設定の力)
・信長は「天下布武」という明確な目標をもったため、他の戦国武将を圧倒した。(目標設定の力)
・松下幸之助は、「成功したのは運がよかったから」と語った。
具体的にどう運がよかったかについて、以下の3点を挙げた。
1、学歴がない 2、体が弱い 3、実家が貧乏
(成功の心構え)
・フランスのド・ゴールは、ドイツ軍が迫ってくるとき、教会でこう祈っていた。
「神様、心配することはありません。フランスのことは、この私におまかせください」(成功の心構え)
・サッカーのトルシエ監督は、「ミーティングに遅れないこと」を選手に徹底させた。
成功している人は、凡事を徹底する癖がついている(成功の心構え)
・スズキメソッドでは、子供たちに一つの曲だけ何か月も練習させる。
一曲でも「世界的レベル」でひけるようになれば、技術をこえて、精神の領域に入っていける。
反復が重要。(成功の心構え)
・オートウェーブの広岡社長は、社員に「オイル交換に人生をかけろ!」と指導している。
たかがオイル交換と思わず、人生をかける気合いでやっていれば、精神の領域に入ることができる。(成功の心構え)
・トヨタ系列で1000億円を売り上げる会社の社長は、たった一つのことをやるだけで、ここまで出世した。
それは、「明日やることをリストにする」こと。
(目標設定 実践編)
・シャープの町田社長は、1年で株価を倍にした。
それを成し遂げたのが、「もうちょっと作戦」。
つまり100提供できるところを、101やるように努力し、それ
をつづけること。
100できるところ、120にすることは難しい。
しかし、101なら少しの努力でできるし、つづけることもできる。(成功は鼻の差)
等々。
私もいろいろ成功本を読んできましたが、何度読み返しても学びがある本は多くありません。
それと、著者の田中さんとは何度かメールでやり取りしていますが、本当にすばらしい人です。
すばらしい人が書いた家宝級、人によっては人生激変級の本です。
●「成功への道しるべ」
(詳細は→ http://tinyurl.com/gfz65 )
★天野さまからのおたより
北野さん
お世話になっております。
天野統康です。
安倍自民党政権のもとで、TPP加入に爆走中の日本です。
以下の記事はよくまとめてありと思います。
ご参考までに
なめきられる日本
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130414-00024398/
★編集後記
春は眠いですね。
「あ~~~~~~、私も眠い!」
そんな方に、一発で目が覚める曲があります。
マジソンスクエアーガーデンに向かう彼らは、
「日の丸の旗を背負って歌うのだ」
と決意を固めていました。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=eHHoGTwV6Sg
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