子供を産む女性を大事にしない国
残業しないで早く帰ることが罪なのか?
日本の企業では、おじさんたちは、日中、だらだら打ち合わせをして時間を潰し、残業して残業費を稼ぐことが常識化している。5時半で帰る人が怠け者であるかのようなイメージがあるが、実は、日中、まじめに効率よく仕事をこなしているのは、子供を育てている働くお母さんたちなのだそうだ。
5時頃、会議を始めたり、仕事を部下に与える上司は部下を奴隷化しているだけ。日本の企業は、男性社員たちを効率よく使っていない。
男性社員たちがもっと早く家に帰れるようにして、働くお母さんたちが、仕事と家事でフラフラにならないよう、男性も家事や育児を手伝うようになってほしい。
働く女性が育児休暇をとり、時間短縮で早く仕事を切り上げようとしたら、他の女性社員も文句を言うらしい。社員が少なくて仕事が多いので1人が休んだり早めに仕事を切り上げると、他の社員が苦しくなるのだそうだ。
子供を産む女性を大事にしない国は、いずれ滅びる。もっと、男性と女性が会社によけいな時間を奪われないですむ方法を国が考えていかねば。
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育児休暇から復職したら閑職に異動。拒否できるか
プレジデント 2013/4/9 11:45
志戸岡社会保険労務士事務所代表 志戸岡 豊 構成=村上 敬 撮影=坂本道浩
不利益な取り扱いとされる具体例
■「不利益な取り扱い」は禁止されている
2011年度の雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取得率は87.8%に達して、過去3番目に高い取得率となりました。女性の育児休業取得が高まるのは歓迎したいところですが、一方で復職後のトラブルも目立ちます。その典型が、戻ってきたら閑職に異動させられたというケースです。
育児介護休業法では、育児休業を取得した社員に対する不利益な取り扱いを禁止しています。育児休業から復帰した社員が、それを理由に不利益な配置転換を命じられたら、社員はそれを拒否することが可能です。
ただ、人事権は経営側に認められている権利であり、人事異動そのものは禁止されていません。復職後の人事異動が不利益にあたるかどうかは、社員が受ける不利益の程度と、配置転換を行う合理性のバランスを見て判断されることになります。
一般的に不利益と見なされやすいのは、賃金その他の労働条件が著しく変化した場合です。たとえば育児休業前は役職者であった社員が復帰後に役職から外されれば、合理性のある人事異動とは見なされにくい。また、これまで正社員であった人をパートに転換させることも合理性があるとはいえないでしょう。
異動によって通勤時間が大幅に延びた場合も、不利益な異動と判断される可能性があります。たとえば子どもの保育園の送り迎えが可能かどうか、またその代替手段があるかどうかを確認せずに遠方の事業所に配置転換すれば、会社側が配慮を怠ったと見なされます。
では、逆に子育てに配慮して家から近い場所に異動になったものの、総合職だった女性が工場勤務になり、パートと同じ仕事をやらされることになった場合はどうでしょうか。このケースでは、目に見える明確な不利益はありません。会社側も「いろんな仕事を経験させるために必要な異動だった」と主張することが可能であり、通常の人事権の範囲と考えられます。賃金が下がるなどの不利益がないかぎり、異動を受け入れざるをえないでしょう。 ちなみに、必ずしも復職時の賃金引き下げが許されないわけではありません。09年の育児介護休業法改正により、企業は3歳未満の子どもを養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務づけられました。短時間勤務制度は、1日の労働時間が原則6時間。勤務時間が短くなれば、それに応じて賃金も引き下げられます。つまり本人が短時間勤務制度の利用を申し出た場合は、賃金はおのずと下がるのです。
もちろんこの制度を会社側から強要するのはアウトです。本人が望まないのに勤務時間を短縮させたら、不利益な取り扱いにあたります。
もし不利益な取り扱いを受けたと感じたら、各都道府県労働局に設置されている雇用均等室に相談するといいでしょう。ここは育児休業法や男女雇用機会均等法が定める事項に関する紛争について、助言や指導を行ってくれる行政機関。会社に何らかの法違反があれば、指導を実施します。労働基準監督署ほどの強制力はありませんが、自分で会社と直接交渉するより、ずっと効果的です。
会社側にもアドバイスを1つ。育児休業取得者の復職については、原則として取得前の職務に戻すことを前提にしたほうがいいでしょう。それによってさまざまな支障が生じ、求められる職務や職責を果たすことが困難な状況が見られれば、配置転換を実施しても合理性が認められやすいはずです。その際も、対象者とよく話し合うことが大切。育児の負担は1人1人違うので、個別の事情に応じて柔軟な対応を心がけてください。
プレジデント 2013/4/9 11:45
志戸岡社会保険労務士事務所代表 志戸岡 豊 構成=村上 敬 撮影=坂本道浩
不利益な取り扱いとされる具体例
■「不利益な取り扱い」は禁止されている
2011年度の雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取得率は87.8%に達して、過去3番目に高い取得率となりました。女性の育児休業取得が高まるのは歓迎したいところですが、一方で復職後のトラブルも目立ちます。その典型が、戻ってきたら閑職に異動させられたというケースです。
育児介護休業法では、育児休業を取得した社員に対する不利益な取り扱いを禁止しています。育児休業から復帰した社員が、それを理由に不利益な配置転換を命じられたら、社員はそれを拒否することが可能です。
ただ、人事権は経営側に認められている権利であり、人事異動そのものは禁止されていません。復職後の人事異動が不利益にあたるかどうかは、社員が受ける不利益の程度と、配置転換を行う合理性のバランスを見て判断されることになります。
一般的に不利益と見なされやすいのは、賃金その他の労働条件が著しく変化した場合です。たとえば育児休業前は役職者であった社員が復帰後に役職から外されれば、合理性のある人事異動とは見なされにくい。また、これまで正社員であった人をパートに転換させることも合理性があるとはいえないでしょう。
異動によって通勤時間が大幅に延びた場合も、不利益な異動と判断される可能性があります。たとえば子どもの保育園の送り迎えが可能かどうか、またその代替手段があるかどうかを確認せずに遠方の事業所に配置転換すれば、会社側が配慮を怠ったと見なされます。
では、逆に子育てに配慮して家から近い場所に異動になったものの、総合職だった女性が工場勤務になり、パートと同じ仕事をやらされることになった場合はどうでしょうか。このケースでは、目に見える明確な不利益はありません。会社側も「いろんな仕事を経験させるために必要な異動だった」と主張することが可能であり、通常の人事権の範囲と考えられます。賃金が下がるなどの不利益がないかぎり、異動を受け入れざるをえないでしょう。 ちなみに、必ずしも復職時の賃金引き下げが許されないわけではありません。09年の育児介護休業法改正により、企業は3歳未満の子どもを養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務づけられました。短時間勤務制度は、1日の労働時間が原則6時間。勤務時間が短くなれば、それに応じて賃金も引き下げられます。つまり本人が短時間勤務制度の利用を申し出た場合は、賃金はおのずと下がるのです。
もちろんこの制度を会社側から強要するのはアウトです。本人が望まないのに勤務時間を短縮させたら、不利益な取り扱いにあたります。
もし不利益な取り扱いを受けたと感じたら、各都道府県労働局に設置されている雇用均等室に相談するといいでしょう。ここは育児休業法や男女雇用機会均等法が定める事項に関する紛争について、助言や指導を行ってくれる行政機関。会社に何らかの法違反があれば、指導を実施します。労働基準監督署ほどの強制力はありませんが、自分で会社と直接交渉するより、ずっと効果的です。
会社側にもアドバイスを1つ。育児休業取得者の復職については、原則として取得前の職務に戻すことを前提にしたほうがいいでしょう。それによってさまざまな支障が生じ、求められる職務や職責を果たすことが困難な状況が見られれば、配置転換を実施しても合理性が認められやすいはずです。その際も、対象者とよく話し合うことが大切。育児の負担は1人1人違うので、個別の事情に応じて柔軟な対応を心がけてください。