出生前診断で妊娠異常が分かったら、母親の8割もが中絶を選ぶという | 日本のお姉さん

出生前診断で妊娠異常が分かったら、母親の8割もが中絶を選ぶという

実際に生まれたらダウン症でなかった場合、「良かったですね」との祝福が寄せられるだろう。それは、ダウン症の人やその親にとっては、「気の毒ですね」と言われることに等しい。

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出生前診断、異常わかるのは3種類だけ ネットでも母親の切実な声
2013/4/ 2 20:04
血液検査だけで分かる新型の出生前診断が2013年4月にスタートしたが、ダウン症など3種類だけの臨床研究段階に留まっている。賛否が割れていて、なかなか実施も進まないようだ。
Q&Aサイト「ヤフー知恵袋」には、出生前診断について、いくつもの切実な相談が寄せられている。
診断で異常が出たら、母親の8割もが中絶選ぶ?

Q&Aサイトでも論議に
出生前診断に賛成というある女性(36)は2012年8月30日、「先天性の内臓疾患で入退院を繰り返し、結婚後も遺伝を懸念し妊娠に躊躇している」と知恵袋への質問で明かした。そして、自らの経験から、障害を持った子どもが生まれたとき、「どれだけ大変か知っているの?」と投げかけた。
この女性は、望んで妊娠したなら障害児でも親が愛すのは当然としながらも、生まれた障害児本人の苦しみは計り知れないと訴えた。幾度も手術を受けなければならないこともあるからだ。
「私は健康な子供がほしい」。女性はこう言い切る。もし妊娠したら診断を受け、障害児と分かれば中絶を選ぶことを示唆し、どう思うか問いかけている。
こうした考え方をする女性は、実際に多いようだ。
ある女性誌は、出生前診断で妊娠異常が分かったら、母親の8割もが中絶を選ぶという専門医のコメントを紹介した。ネット上の投票でも、同様な結果が出ているケースが見られた。
今回スタートした新型出生前診断は、母親らの要望に応えたものだ。
お腹に針を刺す羊水検査は、流産のリスクもあったが、血液を調べるだけの新型は、体への負担が軽い。また、妊娠10週からとより早く検査でき、2週間ほどで結果が出るのもメリットだ。ただ、保険適用がなく、自費で20万円ほどを負担しないといけない。

羊水検査で診断を確定させずに中絶の恐れも
今のところ、診断の対象者は、「高齢妊娠」となる35歳以上の女性と、超音波検査などで染色体異常が見つかったケースに限られる。診断を受ければかなりの精度で染色体異常が分かるが、陽性でも診断を確定させるには、羊水検査を受けなければならない。
診断で分かるのは、ダウン症のほか、重い心疾患や奇形などが見られるエドワーズ症候群と、呼吸不全や奇形などが出るバトー症候群だ。後者2つは、生後1年まで生きるケースは限られるという重い病気だ。
しかし、現状では、この3種類しか診断できず、これは先天異常の2割ほどに留まるそうだ。「命の選別」とも指摘される中絶には、賛否が割れているため、臨床研究から幅広く実施に進むには、まだハードルが高そうだ。
産婦人科医の宋美玄(ソン・ミヒョン)さんは、読売新聞・医療サイトのコラムで、「羊水検査も高額であることなどから確定診断を省いて中絶する例が出る可能性もあると危惧する産科医も少なくありません」と指摘した。また、3種類しか診断できず、「営利目的の外国企業が日本に乗り込んで混乱を及ぼしたり、中絶だけが日本の母体保護法指定医に依頼されたりすることは十分に考えられます」と言っている。
宋さんは、ツイッターで「出生前診断は命の選択だ、中絶は殺人だというのも一理。が、現状維持じゃ病気の子どもを産んだ時点で親に求められる自己犠牲は非常に大きく躊躇するのは仕方ない。そういうことも議論しないと」とも指摘した。そして、障害を持った子どもや産むことを選んだ母親らのケアもしっかりしないといけないと、問題提起している。
http://www.j-cast.com/2013/04/02172290.html?p=1

東尾理子「第1子ダウン症の可能性」公表  激励コメント殺到、一方で「怒りこみ上げた」と松野明美
2012/6/ 8 18:23

プロゴルファー、東尾理子さんがブログで、出産予定の第1子にダウン症の可能性があると書いたことに、元マラソンランナーの松野明美さんが物申した。ブログ上での公表に、ダウン症の子を持つ母親として納得できない様子だ。
松野さんは、妊娠中に赤ちゃんがダウン症であるかを調べる検査について否定的なようだが、デリケートな問題であり人によって考え方はさまざまだ。
82分の1の確率で赤ちゃんがダウン症の可能性
東尾さんは2012年6月3日のブログで、「クアトロテスト」を受けた結果、82分の1の確率で赤ちゃんがダウン症の可能性があると言われたと明かした。クアトロテストとは、母体から血液を採取して検査するもので、赤ちゃんがダウン症や開放性神経管奇形になる確率を調べられる。必ずそうなると分かる検査ではないので、確実に知るには羊水検査を受ける必要が出てくる。東尾さんの場合は、羊水検査は受けないとブログでつづっている。
ブログへのコメント数は6月8日時点で4700件を超え、東尾さんを激励する内容が並ぶ。妊娠中と思われる女性からの投稿も多く、「私も羊水検査しません」「なにがあってもこの子を生んで大切に育てたいと思っています」と、東尾さんに共感を寄せている。
しかし、東尾さんがブログで公表したという事実に異を唱えた人物が現れた。松野明美さんが「女性セブン」の取材に「公表するようなものではないと、私は思いました」とこたえたのだ。松野さんの二男はダウン症。メディアでの「明るく元気」なイメージを守ろうとするあまり、当初はその事実を隠そうとしていたという。「発育が遅い」といらだつこともしばしばだったと、自身のウェブサイトで認めている。それでも徐々に成長する二男を見るうちに考えを改め、今は同じ境遇の人を励まそうと積極的に二男の話を表に出している。
では、東尾さんの行動の何が不満だったのか。松野さんは「いろんな意見があると思う」と前置きしたうえで、生まれる前にダウン症の「可能性がある」とわざわざ言うことではない、という主張のようだ。自身がダウン症の子を育てているだけに、「怒りがこみあげてきました」と少々手厳しい。
インターネット上では、松野さんに賛同する意見も見られた。実際に生まれたらダウン症でなかった場合、東尾さんには「よかったですね」との祝福が寄せられるだろう、そうなれば結果的にダウン症の人やその親を傷つけることになりはしないか、との指摘だ。そのうえで、「82分の1の確率」をあえて明らかにする意図が分からないという。

羊水検査の実施に賛否分かれる
松野さんの場合、二男がダウン症だと知ったのは生後10日目で、羊水検査は受けていない。個人的にはこういった出生前診断は「余計なお節介」と考え、その理由を「生まれる際に障害の有無にこだわってほしくない」と説明する。妊娠中に「こうなるかもしれない」と仮定の話をしても仕方がない、「あるがまま」を受け止め、生まれてきたわが子に精いっぱいの愛情を注げばよいというのが松野さんの主張とも考えられる。
慶應義塾大学病院の医療情報サイトを見ると、東尾さんや松野さんが回避した羊水検査とは出生前診断の代表的な方法で、主に胎児の染色体を調べるのが目的だ。妊娠15~18週に、羊水を吸引して調べる。検査の実施により0.2~0.3%の確率で前期破水や流産、早産のリスクが伴うが診断精度は高い。
羊水検査をめぐっては、賛否が分かれる。「反対派」の言い分は、胎児の健康状態に関係なく出産を決意しているので受ける必要がない、という内容が多く見られる。検査自体も100%安全というわけではなく、費用も安いとはいえない。
だが一方で、胎児の状態を確実に知りたいと考える妊婦がいるのも事実で、ネットの質問投稿サイトには「検査を受けようと考えているが、経験者の意見を聞きたい」との書き込みが多い。さらに踏み込んで、検査で「陽性」の結果が出た場合にどうしようとの悩みも聞こえてくる。ダウン症で生まれてくる赤ちゃんを育てる自信がない、というわけだ。
ある女性はブログで、羊水検査を受ける意図をつづった。結果内容にかかわらず出産を前提としているが、検査を受けることで出産後の準備に万全を期す時間が得られる、夫婦でいろいろな話ができるので、仮に赤ちゃんが障害を抱えて生まれてきたとしても子育てについて共通の価値観を事前に養っておける、といったメリットを強調している。
http://www.j-cast.com/2012/06/08135056.html?p=1