この「中国夢」を支える大きな柱が、清国もなし得なかった「海洋強国」の実現である。 | 日本のお姉さん

この「中国夢」を支える大きな柱が、清国もなし得なかった「海洋強国」の実現である。

目指すは「偉大な復興」習主席の中国夢 日中関係は煙霧の中…
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2013/03/18 11:59更新
 【国家主席 習近平の中国夢】(上)
 中国の新政権を発足させた習近平国家主席は17日、全人代の閉幕演説で、昨年11月の総書記就任から好んで使う「中国夢」(チャイナ・ドリーム)という中国語の言葉を9回も織り込み、熱っぽく訴えた。
 「中国の夢の実現には中国精神を必ず高く掲げよ。それは愛国主義を核とする民族精神であり、改革刷新を核とする時代の精神である。興国の魂、強国の気迫こそがその神髄なのだ」
 実質的な国家主席の就任演説となったこの演説では、この他にも「中国の道」「中国の力」といった言葉が続いた。太平洋を挟んだ米国で語られる「アメリカン・ドリーム」の語感とは対照的に、「中国夢」という言葉は、ナショナリズムの熱気を強烈に放つ。
 習氏自身がこの日も繰り返したように、「中国夢」の定義は「中華民族の偉大な復興」であり、アヘン戦争(1840~42年)の敗北を起点として「170年余りにわたり、中華民族がたどった歴程の総括」によるものなのだという。
 アヘン戦争に敗れる以前の清国は、モンゴルやシベリア東部まで治め、自国を世界の中心とみる「天朝上国」の世界観に浸り切っていた。大国の地位回復は、孫文や蒋介石、毛沢東ら歴代の中国指導者にとって宿願だったが、結果的に「見果てぬ夢」と終わった。

天安門事件(1989年6月)後の指導者たちが繰り返してきた「中華民族の偉大な復興」。世界2位の経済力をバックに登場した習氏は「中国夢」の一言に凝縮して、新政権の象徴に掲げた。
 ■日中関係改善 煙霧の中
 この「中国夢」を支える大きな柱が、清国もなし得なかった「海洋強国」の実現である。
 後ろ盾となる人民解放軍では、許其亮・中央軍事委員会副主席が、この全人代で、国家主権と領土の防衛に触れつつ、「強国夢と強軍夢の実現に奮闘を」と訴えた。「強軍」などの言い換えは、「中国夢」という政権目標を軍部の強化に吸収した格好だ。
 トウ小平時代から海軍力の増強に努めてきた中国は、空母「遼寧」を実戦配備するなど、遠洋海軍の体裁を急速に整えつつある。この全人代では、軍よりも前面で海洋権益の確保を図る国家海洋局の強化と海洋警察「中国海警局」の設置も決まった。
 「定遠」など装甲型戦艦の導入で明治日本を驚かせた清国の夢は、21世紀に結ばれるのか。

中国が「強軍夢」を語るほど、日本など周辺のアジア諸国はもとより、アジア回帰戦略をめざす米国の懸念は高まる。



射撃レーダー照射、改めて否定=日本の一部報道で中国国防省
 【北京時事】中国国防省報道事務局は18日、中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射問題で、中国軍幹部が射撃管制用レーダー照射を認めたとする日本の一部メディアの報道について「事実に合致しない」と改めて否定する談話を発表した。
 同局は「日本側がマスコミを使って大げさに宣伝し、中国軍の面目をつぶして、国際社会を誤解させるのは、下心があってのことだ」と非難。「日本側は深く反省し、無責任な言論の発表をやめ、実際の行動で両国関係の大局を守るべきだ」と求めた。(2013/03/18-14:44)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2013031800465

 全人代開会中の今月12日、クラッパー米国家情報長官は、ワシントンでの米上院情報委員会で、「中国は、南シナ海と東シナ海の領土主張を支える法の執行活動を後押しするため、進んだ軍備をさらに強化している」と証言した。
 中国海軍の動向とともに、習近平政権がどういった外交政策で、米国や近隣諸国と向き合うのかが、今後の周辺情勢で鍵となる。
 就任後初となった17日の記者会見で、李克強首相は「中米両国に相違があることは否定しないが、相手の重大な懸念について互いに尊重し、相違をうまく扱えば、共通の利益が必ず相違を超える」と述べるなど、米中の対話に前向きな姿勢を打ち出した。
 米中それぞれが抱える「重大な懸念」。中国・国家海洋局の「中国海洋発展報告」(2012年版)をみると、「米国は海洋のコントロール権限をきわめて重視する。(中略)米国への挑戦者として中国を見ている」と冷静に分析する一方で、国家主権、領土保全、国家統一などの6項目を「中国の核心的利益」に挙げて、絶対に譲らない姿勢を示す。
 台湾問題にとどまらず、中国が軍備の増強を含めた高圧的な姿勢で、「核心的利益」の範囲を広げた結果が、米国や周辺国をとまどわせ、緊張を高める結果となった。周辺国の見方はこうだが、中国の内側からみれば、こうした強い態度こそ、まさに歴史の雪辱を果たす「中国夢」の具現化となりかねない。
 日本に対しては、「敗戦国」でありながら、戦後国際秩序の破壊を図っていると指弾するキャンペーンが、中国メディアで続く。北京を覆う激しい煙霧と同様に、習近平政権下で日中関係を打開する糸口はまだ見えてこない。(北京 山本秀也)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/639036/
中国、レーダー照射認め「艦長の判断」
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2013/03/18 11:50更新
記事本文
 中国海軍のフリゲート艦が1月に海上自衛隊の護衛艦にレーダー照射した問題で、中国軍の将官級など複数の高級幹部は17日までに、共同通信の取材に対し、攻撃用の射撃管制レーダーを照射したことを認めた。その上で「艦長の緊急判断だった」と述べ、計画的な作戦との見方を否定、偶発的な事案と強調した。幹部の発言について、防衛省には「心理戦」だとする分析と、軟化の兆候とみる2つの見方がある。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/639035/

「愛国」で描く習主席の夢 全人代が閉幕 強硬路線鮮明に
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2013/03/18 00:04更新
 中国の習近平(しゅう・きんぺい)新国家主席(59)は3月17日、全国人民代表大会(全人代=国会)で閉幕演説を行い、人民解放軍に「戦争に勝てる強い軍隊をつくるという目標に沿って能力を高め、断固として国家主権、安全、発展の利益を守らなければならない」と指示、日本との対立などを念頭に戦争も辞さない強硬路線を鮮明にした。さらに習氏は演説で「中国の夢」という言葉を9回も繰り返し、「中華民族の偉大な復興」を目標に掲げた。愛国心を鼓舞することによって共産党の求心力を高める狙いがあるが、深刻な官僚腐敗や環境汚染、格差拡大などで庶民の怒りは沸騰しており、夢の実現には難題が山積している。
 ■民族復興の宿願
 10年に1度の政権交代が行われた今回の全人代で習氏が(3月)14日に国家主席に就任し、党・軍・国家の三権を掌握して以降、公の場で演説したのは初めて。実質的な国家主席の“就任演説”で習氏は、「中国の夢の実現には中国精神を必ず高く掲げよ。それは愛国主義を核とする民族精神であり、改革刷新を核とする時代の精神である。興国の魂、強国の気迫こそがその神髄なのだ」と高らかにうたい上げた。
 演説ではこの他にも「中国の道」「中国の力」といった言葉が続いた。米国で語られる「アメリカン・ドリーム」の語感とは対照的に、中国の夢という言葉は、ナショナリズムの熱気を強烈に放っている。習氏自身がこの日も繰り返したように、中国の夢の定義は「中華民族の偉大な復興」であり、英国とのアヘン戦争(1840~42年)の敗北を起点として「170年あまりにわたり、中華民族がたどった歴程の総括」によるものなのだという。

 アヘン戦争に敗れる以前の清国は、モンゴルやシベリア東部まで治め、自国を世界の中心とみる「天朝上国」の世界観に浸り切っていた。大国の地位回復は、孫文や蒋介石、毛沢東ら歴代の中国指導者にとって宿願だったが、結果的に「見果てぬ夢」と終わった。
 天安門事件(1989年6月)後の歴代指導者が繰り返してきた「中華民族の偉大な復興」。世界第2位の経済力をバックに登場した習氏は、これをまさに歴史の雪辱を果たす「中国の夢」の一言に凝縮して、新政権の象徴に掲げたわけである。
 ■揺らぐ統治の正統性
 一方で習氏は演説で、対外政策に関して「終始変えることなく平和発展の道を歩み、果たすべき国際的な責任と義務を履行する」とも述べ、世界各国との友好を推進する意向も表明した。だが、北京で全人代が開かれていた(3月)12日、ワシントンでの米上院情報委員会でジェームズ・クラッパー米国家情報長官(72)は「中国は、南シナ海と東シナ海の領土主張を支える法の執行活動を後押しするため、高度化した軍備を強化している」と証言。中国が「夢」を語るほど、日本など周辺のアジア諸国はもとより、アジア回帰戦略をめざす米国の懸念は高まる一方なのが現実だ。
 夢を語る習氏にとって、共産党による統治の正統性が揺らいでいるのも頭が痛い問題である。中国では近年、官僚腐敗や不当な農地収用を告発する陳情に代わり急増しているのが抗議活動だ。2011年には約18万件に上り、5年前から倍増した。裁判や直訴での解決は絶望的で、庶民に残された手段は「実力行使だけ」(中国人研究者)なのが現実という。多くが貧困にあえぐ8億の農民にとって、共産党が民族解放政党として大手を振ったのは過去の話だ。図らずも習氏は演説で「人民の監督を受けることを自覚し、国民の信託に背かない」と約束した。夢は語るは易(やす)し、行うは難(かた)しである。
 (SANKEI EXPRESS)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/638918/