NK細胞は笑うと出てくるし、落ち込むと減り、社会貢献をすると免疫が上がる。 | 日本のお姉さん

NK細胞は笑うと出てくるし、落ち込むと減り、社会貢献をすると免疫が上がる。

時事ドットコム
ヨーグルトの秘めた実力
医食同源。バランスの取れた食事を通じて病気を予防、治療しようとの考えは、古くから知られている。元々は中国の薬食同源思想に基づいているが、近年、欧州で生まれたヨーグルトに免疫力を高める効果があるとの研究に注目が集まっている。効果に個人差があるのは免れないが、多数の患者を毎年出すインフルエンザや風邪の予防とヨーグルト摂取に関する広域調査が実施され、一定の働きをしていることが分かってきた。
免疫力とは何か、
健康を維持するための大切な機能で、生まれながらにして持っている自然免疫と、感染などを通じて得られる獲得免疫があるが、いずれもウイルスやがん細胞など体の中にあってほしくないものを排除する仕組みをいう。

この防御システムで重要な働きを担っているリンパ球の一つに、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)がある。

NK細胞は自然免疫を担っており、普段は血液中にいて悪者がいないかパトロール。
そして、インフルエンザなどのウイルスに感染した細胞や、初期のがん細胞などを察知すると退治していると考えられる。

体の中では、1日に3000~5000個の細胞ががん化しているといわれるが、そうした初期のがん細胞やウイルスはNK細胞などが排除しているからこそ、多くの人が健康を維持できているわけだ。

このNK細胞は、年齢を重ねるにつれて働きが弱くなるが、生活習慣によって元気になったり、活動が低下したりすることが知られている。

具体的には、喫煙、食習慣や睡眠、ストレスなどが影響しているとされるが、近年の研究により、ヨーグルトに含まれる乳酸菌や乳酸菌の菌膜外側に産出する菌体外多糖類(EPS)が免疫力を高めることが明らかになってきた。

こうした中、EPSを大量に産生する乳酸菌株が見つかり、「1073R-1乳酸菌」(R-1乳酸菌)と名付けられた。

R-1乳酸菌が産生するEPSは、腸管粘膜を経由するなどしてNK細胞を活性化し、免疫活性化作用があると考えられる。

こうした中、ヨーグルトの摂取を通じた、風邪やインフルエンザの予防効果に関して、山形県舟形町に住む健康な高齢者57人(69~80歳)と佐賀県有田町に住む85人(59~85歳)を対象に調査が行われた。

この調査はR-1乳酸菌を使用したヨーグルトを1日90グラム食べるグループと牛乳を1日100ミリリットル飲むグループに分けて実施。

舟形町では2005年3月13日から8週間、有田町では06年11月14日から12週間にわたって継続的に摂取してもらって体の状態を比較した。

その結果、いずれの地域でも、ヨーグルトを食べた高齢者はNK細胞が活性化。
風邪を引くリスクに関しても比較したところ、ヨーグルトを食べたグループのリスクは牛乳を飲んだグループの半分以下に低減する結果に。

こうした結果は英国の学術誌でも紹介された。

また、10年9月7日から11年3月18日にかけて、佐賀県有田町役場が地元の病院と協力して、小中学生を対象にしてヨーグルトとインフルエンザ予防に関して調査した。

対象は町内の小・中学校に通う児童・生徒計1904人。
R-1乳酸菌を使用したヨーグルトを登校日に1日112ミリリットル摂取してもらい、インフルエンザにかかる割合を周辺の自治体や県全体と比較した。

その結果、インフルエンザにかかる有田町の小学生は感染者が0.64(県全体4.73)、中学校は0.31で(県全体は2.57)で、周辺自治体や県全体よりも大幅に低かった。


【インタビュー】
藤田紘一郎・東京医科歯科大名誉教授
ー健康の維持と免疫力の関係が注目されています。免疫力を高めるには、どんな生活が望ましいのでしょうか。
ー腸内細菌を増やさなくては、いけない。増やすためには餌である穀類、野菜類、豆類の手づくり食品を摂る。

それから発酵食品。
お漬物、ヨーグルト、納豆などの発酵食品を摂ることです。
(NK細胞を含む)免疫細胞は70%が腸内にあり、そこへ情報を出しているのが腸内細菌で、腸内細菌によって(免疫細胞)が作られています。
残る30%は、笑う、良いことをイメージする、運動するといったことが影響している。

NK細胞は笑うと出てくるし、落ち込むと減り、社会貢献をすると免疫が上がる。

心の動き、メンタルな面が多いのです。

ー乳酸菌を摂取すると風邪にかかりにくくなるとの調査結果も出ています。

当たり前だと思います。(NK活性を高める)乳酸菌を飲めば、免疫力があるNK細胞がワーッと出てきて、風邪をバーッとやっつける。
NK細胞が強ければ、風邪になっている日数も、風邪の回数も減っています。
きれいに差が出ており、当然です。
インフルエンザでもそう。
(NK細胞は)病原体と直接、戦っている。
がん細胞に対しても同じで、NK細胞は自然免疫の先兵です。

年間1万人が新型インフルエンザで騒ぎましたが、普通のインフルエンザで死ぬ方がずっと多く、お年寄りはインフルエンザで亡くなる率が非常に高い。
(高齢者の免疫力が下がるのは)、タンパク質が不足しているためで、タンパク質不足がNK細胞の活性を落としています。
免疫力を上げるには、

(NK細胞を造る)腸内細胞の餌になる野菜、豆類は毎日、そして週2回はステーキを食べる。さらに、笑って、楽しく、生きがいのある生活をすれば、満点です。

http://www.jiji.com/jc/v4?id=oono0003
2013/3/13