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カンボジアには、今、日本企業が結構入っているから他人事ではない

カンボジア 鳥インフル流行 2カ月で8人死亡 最悪ペース
SankeiBiz 3月13日(水)8時15分配信

カンボジアでは、生きたままの鶏が市場へ運び込まれることが多い。近代的なスーパーマーケットは都市部にしかない=プノンペン市内の市場(今期の感染地域とは関係ありません)(写真:フジサンケイビジネスアイ)
 カンボジアで鳥インフルエンザウイルス(H5N1)のトリからヒトへの感染が広がっている。1月から2月下旬までの約2カ月で、9人の感染が確認され、そのうち8人が死亡。今期の感染では世界最悪の状況となっている。ヒトからヒトへの感染はないものの、フン・セン首相は強い懸念を表明し、関係当局に緊急の対応を求めた。

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 国連の世界保健機関(WHO)や地元紙の報道によると、死亡した8人は、1歳5カ月から9歳までの子供5人と、17歳から35歳の3人。感染した9人のうち、1月上旬に感染が発覚した8カ月の男児だけが回復している。多くの場合、感染したとみられるトリとの接触があったようだ。

 死亡した人々の居住地は、いずれもカンボジア南部のカンポット州(3人)、タケオ州(2人)、コンポンスプー州(2人)。ただし、8人目の犠牲者で、2月25日に亡くなった35歳の男性の居住地は、これら南部の州から首都プノンペンをはさんで北側に位置しており、トリの感染範囲が拡大しているのではないか、との懸念も出ている。

 カンボジアでは2005年に最初の鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が見つかっており、その年に国内で4人が死亡した。以降、ヒトへの感染は毎年確認され、これまでに27人が死亡しているが、死者数が単年で8人に上ったのは11年以来で、最悪のペースとなっている。

 この状況を受け、香港では1月31日にカンボジアからの鶏卵の輸入を禁止する措置がとられた。香港へは年間約17万個の鶏卵がカンボジアから輸出されているという。

 カンボジアのフン・セン首相は3月初旬に、声明を発表。「鳥インフルエンザ感染の拡大について専門家による予防措置が取られてはいるが、この死者数は懸念すべきレベルである」として、農業、保健衛生関係当局や警察に対し、緊急対策をとるよう指示した。

 ◆「ヒトからヒト」懸念

 鳥インフルエンザウイルスのなかでも毒性が高いH5N1は、1997年に香港で最初のヒトへの感染が確認された。トリへの感染とともに、トリからヒトへの感染が世界的な広がりを見せたのは03年以降で、WHOなどによると、13年2月末までに15カ国で622件のヒトへの感染を確認。このうち371人が死亡している。今年に入ってからは、カンボジアの感染9件(うち死者8人)を国別で最悪とし、中国の2件(同2人)、エジプトの1件(同1人)が報告されている。

 鳥インフルエンザウイルスは、そのままではヒトからヒトに感染しないが、ヒトの体内で突然変異を起こし、ヒトからヒトへと感染する「新型ウイルス」となる可能性がある。つまり、トリからヒトへの感染件数が増えれば増えるほど、突然変異の恐れは高まる。そして新型ウイルスによるヒトからヒトへの爆発的な集団感染(パンデミック)が発生すれば、多数の死者が出るとともに、社会機能がまひし、経済活動にも甚大な影響を与えると予想される。

 カンボジア政府当局は予防策として、病気で死んだ家禽(かきん)類を発見したら、直接触れたり食べたりせずに当局に報告することを求めている。だが、鳥インフルエンザの感染が疑われた場合、発病した家禽以外の家禽も、感染拡大阻止のために大量に処分されることから、報告は遅れがちだ。

 またカンボジアでは、病気の家禽の報告を義務付けたり、家禽類を処分する際に政府が補償したりする制度が未整備で、感染拡大阻止に最も効果的とされる「早期警戒」を困難にしている。(在カンボジア・ジャーナリスト 木村文)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130312-00000024-fsi-bus_all