「中国シェール革命」は幻 ー中国政府が探鉱・開発に資金を投入しないから。 | 日本のお姉さん

「中国シェール革命」は幻 ー中国政府が探鉱・開発に資金を投入しないから。

 中国の生産目標は非現実的だ。
目標を達成する唯一の方法は中国政府が探鉱・開発に資金を投入し価格統制を緩和することだ。
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「中国シェール革命」は幻 世界最大量埋蔵で野心的な目標…実現は厳しく (1/4ページ)
2013.2.21 05:00

中国海洋石油など中国資源大手は海外の非在来型ガス資源などに巨額投資を行っているが国内の採掘技術は十分でないと認識している(ブルームバーグ)【拡大】
 主要経済国の中で最もエネルギー消費拡大ペースが速い中国は、米国でブームになっているシェール(頁岩(けつがん)層)ガスの国内開発で野心的な目標を設定したが、実現は難しいようだ。
 野心的目標設定も
 中国は現在、シェールガスの商業生産を行っていないが、2020年までに総需要見込みの23%に当たる800億立方メートルを生産する目標を設定した。
 ブルームバーグが行った調査によると、アナリスト7人の予想平均値では20年の生産量は180億立方メートルにとどまる見通しとなった。1年前の予想では230億立方メートルだった。


 米ダラスに本拠を置くシェール掘削会社、ブライトリング・オイル・アンド・ガスのクリス・フォークナー最高経営責任者(CEO)は電子メールで「中国の生産目標は非現実的だ。


 目標を達成する唯一の方法は中国政府が探鉱・開発に資金を投入し価格統制を緩和することだ」と述べた。同社は中国で開発計画を協議中だ。


中国は中央集権経済の下で燃料価格を統制しているため、採掘業者の損失リスクが大きくなりシェール開発への投資が阻害されている。



落札者に、天然ガスの掘削実績のない炭鉱会社と地方自治体の投資会社が含まれていたからだ。


中国の2大ガス生産会社である中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(シノペック)は落札できなかった。


 マッコーリー・グループのアナリスト、ジェームズ・ハバード氏は「産業をゼロから立ち上げたいなら、多額の助成金制度を導入するか、自由市場の力を使って普及させる必要がある」と指摘。


 成長を効果的に促すには、助成金を現行の1立方メートル当たり0.4元(約6円)から1.5元に引き上げる必要があるとの見方を示した。


0.4元は、北京市民がパイプライン経由で送られるガスに支払う2.28元の17.5%に相当する。


油田サービス会社SPTエナジー・グループ(華油能源)のワン・グオチャン氏も1月29日のインタビューで「奨励金を引き上げる必要がある」と語った。同氏は中国のシェールガス産業が軌道に乗らなかった場合の保険として、中央アジアと中東への投資を増やしている。


 中国のシェールガス生産はまだ商業ベースに乗っていない。


英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルは11年に、中国初の水平掘削でCNPCを支援した。欧州3位の石油会社トタルは先週、シェールガス探査について中国側のパートナーと詳細な話し合いを行っていると発表した。


 中国海洋石油(CNOOC)やシノペックなどは海外の非在来型石油・ガス資源に57億ドル(約5338億円)以上を投資しているが、国内の採掘技術は十分でないと認識している。



結果的に輸入増
 中国には世界最大のシェールガス埋蔵が見込まれているが、開発目標が未達に終わると、外国のガス市場からの輸入が予想を上回ることになる。



 国際エネルギー機関(IEA)は昨年のリポートで、今年は中国にLNG基地が5基新設され、年間受け入れ能力が157億立方メートル増える可能性があると指摘した。


 これらはCNOOCやシノペックが建設中の基地で、完成すれば中国の年間輸入能力が現行の290億立方メートルから54%増加する見通しである。

さらに年間受け入れ能力75億立方メートルの基地も15年に完成予定である。(ブルームバーグ Benjamin Haas、


北京の中国海洋石油総公司の本部前に掲示された掘削リグの写真。これを「動く領土」と言い切るところに中国の本性がみえる(AP)【拡大】


 「お役人様」を筆頭に、中国での宴会における、アワビなど高級食材の食べ残しが大きな社会問題になっている。


 「料理完食」は「料理不足」を意味するため、主催者は面子(めんつ)を重んじ、食べきれぬ量で饗応(きょうおう)するのが慣例だとか。海外で評価された日本の「もったいない」観とは価値観の差を際立(きわだ)たせる社会問題だ。中国は「衣食足りて礼節を知る」という格言とは縁遠い国。国家・国民にとり衣服・食物は生活の基(もとい)で、それらが満たされれば心にもゆとりができ、ある程度の礼節はわきまえるものだ。

だが、食い散らかした揚(あ)げ句、足りなくなった資源を他国より奪う国柄(くにがら)はもはや、価値観の差では済まされない。

中国は食料・エネルギー略奪に向け、国家挙げて“海賊”と化そうとしている。



台湾・朝鮮半島有事で米軍が来援するとすれば、西太平洋~東・南シナ海が防衛圏(対米接近阻止・領域拒否戦略)だと、中国が認識している証左でもある。食料・エネルギーと防衛圏の確保という2大戦略は相関関係ということになる。


まるで、獲物を求めて他国領を蹂躙(じゅうりん)する古(いにしえ)の狩猟民族のようだが、凶暴な中国の漁民と海上取締当局の連携による無体は目に余る。


2012年4月、フィリピン海軍艦が違法操業中の中国漁船8隻を臨検した。


現場の南シナ海スカボロー礁(しょう)は比ルソン島より230キロ、中国からは1200キロも離れている。

その直後、中国海上取締当局は自国漁民逮捕を阻むべく監視船を急派。

比中両国の海上取締当局艦船と漁船は2カ月間対峙(たいじ)し続けた。


 比海軍によれば、中国漁民が密漁したのは高級中華料理に欠かせぬフカや地球最大のオオシャコ貝、珊瑚(さんご)など。


いずれも食用・観賞用として高値で売れる高級品で、いずれも激減が懸念されている。


背景には、中国経済の発展=収入・人口増が海産物需要を極端に押し上げる「中国人の成金・胃袋」問題が横たわる。


1970年には5キロだった1人当たりの消費量が2010年には25キロになったのだから驚く。


 数十カ国で「漁場荒らし」
 結果は「海洋汚染」に「乱獲」が加わる自業自得が、2000年頃より、漁獲量の半分を占める沿岸漁業を次第に沖へ沖へと追いやっている。


韓国には、黄海に2カ所の密漁取締拠点を建設する非常事態をもたらした。


しかも、養殖率を7割台にのせても、漁船団縮小や漁民の転職を行政指導しても、飢える漁民・漁船は増える一途(いっと)。


内陸から出稼ぎする貧困農民が、俄(にわか)漁民と化しているためでもある。



南・東シナ海ばかりか、「遠洋漁業隊」なる漁船団は06年時点で2000隻まで激増し、アフリカや南米など35カ国の排他的経済水域(EEZ)で「漁場荒らし」を行っている。


中国版沿岸警備隊・公安辺防海警総隊の要員養成学校・辺防総隊海警学校では「食料不足時には、まず外洋資源を獲得せよ」とたたき込んでいるほどだ。


 一方経済発展は、中国をエネルギー資源獲得へと狂奔させる。


1993年に石油輸入国となった状況を受け、当時の李鵬(り・ほう)首相(84)は「防衛対象に海洋権益を含める」と宣言。着々と実行に移している。


 ロイター通信は、専門家の観測を引用し、香港南方沖320キロで石油掘削(くっさく)中の中国々営石油大手・中国海洋石油総公司(CNOOC)が、これまで手付かずで、埋蔵量がより豊富な、南シナ海のさらに南方の深海底掘削にも進出する、と報じた。


「海洋掘削技術が向上した」(中国南シナ海研究所の劉鳳・上級研究員)結果のようだ。


確かに、米エネルギー情報局や英国を本拠とする国際石油資本BPの報告書は、南シナ海中央部~南部海底を中心に

(1)中国の60年分の需要を賄(まかな)う石油が眠る

(2)サウジアラビアとベネズエラに次ぐ3位の埋蔵量-と分析。


中国々営・新華通信社は「南シナ海の石油・天然ガスの7割がたまっている」と伝える。


 「掘削リグは動く領土」
 しかし、中国メディアが「第二のペルシャ湾」と期待するこの海域は、中国はじめベトナム、フィリピン、マレーシア、台湾、ブルネイが領有権を主張している。



 それ故(ゆえ)、厦門(アモイ)大学エネルギー経済研究所中国センターの林伯強・所長は「CNOOCがやらなけらば他国がやる」と、「南下」は必至と見る。


CNOOCの王宜林・理事長に至っては「大型深海掘削リグは、中国の海洋石油産業発展を促す、動く領土であり、戦略兵器だ」と野望を隠さない。



ところが、昨年12月~1月中旬まで、ベトナムが主張する領海を侵犯した中国漁船は2988隻。


昨年1年間の2倍以上の隻数に達した。


2988隻はなぜか、主にベトナムが天然ガス田開発する北・中部沿岸と、複数国が領有権を主張するスプラトリー(中国名・南沙)、パラセル(中国名・西沙)両諸島の周辺海域に集中した。


昨年も、中国資源探査船の「領海」内における100件以上の活動が確認された。


ベトナム政府筋は「明らかに中国政府の指示に基づく」と警戒している。


 ところで、冒頭「衣食足りて礼節を知る」の出典は、当の中国における「法家(ほうか)」の書物「菅子(かんし)」。


法家とは、「徳」による政(まつりごと)=徳治を説く「儒家」に対し、「法」による政=法治を唱える中国戦国時代(紀元前403~紀元前221年)の学派を指す。


ただし、今も中国は「法」とも「徳」とも無縁の国。


国際の資源を貪り喰らい、無くなれば他国領を侵す「衣食足りても足らざるとも傲岸(ごうがん)無礼」な国。

「漁」を「了」とすれば「領」を盗られることになる。

(政治部専門委員 野口裕之/SANK EI EXPRE SS)

 だが、深海域が手付かずだったのは、中国の深海底掘削技術の未熟に加え、世界の石油開発資本が複数国による領有権主張を考慮し、緊張下での開発を自重(じちょう)してきたからこそだった。
 「共存共栄の心」など端(はな)からない中国政府は沿岸漁業を制限しつつ、遠洋漁業にシフト。
 「中国人の胃袋」問題
 その過程で他国領域を支配できれば一石二鳥。一部中国漁民が海上戦闘訓練を施された、他国島嶼(とうしょ)支配の先兵・海上民兵だとの見方は、この辺(あた)りから来る。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130211/mcb1302111527016-n1.htm
 液化天然ガス(LNG)を供給する米エクソンモービル、オーストラリアのウッドサイド・ペトロリアムや中国にパイプラインでガスを送っているトルクメニスタンなどの国々が恩恵を受けそうだ。中国の昨年のLNG輸入額は前年対比41%増の83億ドルとなった。 サンフォード・C・バーンスタインのニール・ベバリッジ氏はインタビューで「これらの企業はシェールガス採掘の経験を持たない。他社と提携して埋蔵資源に近づく必要がある」と述べた。 シェール熱の冷え込みは、12月に政府が実施した最大のシェールガス探査権の入札で明らかになった。http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130221/mcb1302210503019-n3.htm

「衣食足りても礼節を欠く」中国 食料・エネ略奪へ、国家挙げて“海賊”化 (1/5ページ)2013.2.11 15:26