火器管制レーダーはその(目標の)方向に向けてずっと追いかける | 日本のお姉さん

火器管制レーダーはその(目標の)方向に向けてずっと追いかける

政府、レーダー情報の開示検討=防衛相「証拠持っている」―中国公船の動きは沈静化
時事通信 2月9日(土)9時21分配信
 中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダーの照射に関し、日本政府は護衛艦が捕捉した電波データや撮影した画像などの一部開示に向け、検討に入った。中国政府が日本側の発表を「完全な捏造(ねつぞう)」と全面否定したことを受け、レーダー照射の事実を裏付ける証拠を国際社会に示す必要があると判断した。
 小野寺五典防衛相は9日午前、都内で記者団に「証拠はしっかり持っている。政府内で今(どこまで開示できるか)検討している」と表明。「防衛上の秘密にも当たる内容なので慎重に考えていきたい」とも語った。
 防衛省内には「自衛隊の解析能力を相手に教えることになる」として、開示に否定的な意見が強い。このため日本政府は、中国側の今後の出方も見極めながら、外務・防衛両省を中心に、公開できる情報の範囲を慎重に検討する方針だ。
 中国側は、軍艦が照射したのは通常の監視レーダーで、射撃用の火器管制レーダーではないと主張している。これに関し、防衛相は「通常のレーダーはくるくる回って警戒監視をするが、火器管制レーダーはその(目標の)方向に向けてずっと追いかける」と指摘。その上で「私どもは相手の船のどのレーダーが火器管制レーダーか分かっている。それが一定期間ずっとわが方の船を追いかけていた証拠がある」と語った。
 さらに、火器管制レーダーについて「電波を発する機械で、しかも(周波数などが)特殊なレーダーだ。それもしっかり記録しており、証拠として間違いない」と強調した。
 一方、防衛相は9日午前の読売テレビ番組で、東シナ海での中国の動向に関し、「(レーダー照射を)公表した5日以降、尖閣(諸島)周辺の中国公船の動きは収まっている」と述べ、中国軍などの日本に対する挑発行為が沈静化していることを明らかにした。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130209-00000040-jij-pol  


<レーダー照射>中国「日本の言い方は捏造だ」
毎日新聞 2月8日(金)21時43分配信

中国の華春瑩・副報道局長
 中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は8日の定例記者会見で、中国軍艦船による日本の護衛艦などへの火器管制レーダー照射に関連し、「日本の言い方は完全に捏造(ねつぞう)だ」と非難した。照射を否定した国防省とともに中国政府の統一見解を打ち出した形で、日本政府の再調査要求に応じない姿勢を鮮明にしたものと言える。

 華副局長は国防省の8日の見解と同様に「日本が虚偽の状況を計画的にまき散らして中国のイメージに泥を塗り、中国脅威論を宣伝して緊張をつくり出しながら国際世論を誤った方向に導こうとしている」と批判した。

 軍事専門家の小川和久・静岡県立大特任教授によると、自衛隊のヘリや艦艇は、広い幅で照射している通常の監視レーダーの電波には警報は作動しないが、射撃用に狙いをピンポイントでつける火器管制レーダーの電波を受けると作動するという。「警報が作動したのは、中国側が火器管制レーダーをあてたということだ」と語る。

 レーダー照射をめぐっては、日本に揺さぶりをかけるために中国共産党指導部も了解して行ったとの分析もあるが、日本側の発表から3日後に全面否定するなど対応に苦慮した様子もうかがえ、軍独自の判断との見方が強まっている。

 中国政府としては今後も「照射はなかった」との主張を繰り返すことは確実で、日本政府との対立が一層深刻化する事態も予想される。抑え気味だった中国メディアの報道も、「日本の発表は事実に合致しない」とした国防省の見解を大きく扱う一方、一部メディアは「日本の挑発への対応で言えば照射は当然のことだ」とする軍事専門家の意見を紹介していた。

 ただ、小川氏は中国政府の対応については「知らなかったふりをしたり、日本が挑発的だなどと批判し、国としての関与はないと強調しているようにみえる。日中関係の仕切り直しに影響が出ないようにしたいのではないか」と話す。【北京・成沢健一、西田進一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130208-00000107-mai-int


レーダー照射:首相、中国に謝罪要求「国際ルール違反」
毎日新聞 2013年02月08日 21時50分(最終更新 02月08日 23時36分)


 安倍晋三首相は8日夜のBSフジ番組で、中国艦船が海上自衛隊の護衛艦などに射撃用の火器管制レーダーを照射した問題について「中国はそういうことがあったら認めて謝罪し、再発防止に努めてほしい」と述べ、照射を全面否定した中国に反論した。首相は公明党の山口那津男代表が1月下旬に習近平総書記と会談したことを挙げ、「対話がスタートする中で(照射は)きわめて不可解だ」と批判。日本側と、「捏造(ねつぞう)」と反発する中国との応酬が続いている。
 首相は「中国がこういうことを繰り返すのは国際ルール違反だ。中国自身が国際社会で信用を失っていく」とあらためて批判。


「中国がやっているような情報戦に応じるつもりは全くない」としたうえで、目視やレーダーの向きも含め写真などから確認しているとして、日本の正当性を訴えた。


一方で「対話の扉を閉じるつもりはなく、首脳レベルも含めた対話は必要だ」と述べ、日中首脳会談の実現を含めて冷静に対応する考えも示した。


 また、外務省の河相周夫事務次官は8日、中国の程永華駐日大使を外務省に呼んで再抗議。河相次官は、火器管制レーダーを照射された護衛艦が受信した電波データを、海自の電子情報支援隊などが解析したと説明した。


レーダーの周波数や護衛艦と中国艦との位置関係も詳細に分析したとし、「中国の説明は全く受け入れられない」と遺憾の意を伝えた。


中国が周囲の船の位置を知るための艦載レーダーに過ぎないと反論していることにも、防衛省幹部は「射撃用のレーダーとは周波数が違い、見分けるのは容易だ」と自信を示した。


政府高官は「知らなかったと言えば『中国軍は勝手にそんなことをする前近代的な軍隊だ』となる。しかし政府の意図だと言えば、国際社会から批判される」と中国側の苦しい立場を推測した。http://mainichi.jp/select/news/20130209k0000m010088000c.html


 程大使は「(日本が感知したのは)別のレーダーだ」と改めて否定。会談後、記者団に「日本がセンセーショナルに緊張をあおり立てるやり方は遺憾だ」と主張した。
 中国が否定・反論したことも日本側は半ば織り込み済みだ。