頂門の一針
◎.F35、三原則「例外」容認へ 紛争地輸出の恐れ
安倍内閣は、米国などと共同生産する自衛隊の次期主力戦闘機の最新鋭ステルス戦闘機F35に関し、日本国内で製造した部品の輸出を、武器輸出三原則の例外措置として認める方針を固めた。
F35はイスラエルも導入予定だが、「国際紛争の助長を回避する」との政府方針には矛盾しないと判断し、近く官房長官談話を発表する調整に入った。
F35(米ロッキード・マーチン社製)は、レーダーに探知されにくいステルス性能を備え、2011年に野田内閣が航空自衛隊の次期主力戦闘機として選定。
米英など9カ国が共同開発しているが、自衛隊への導入を機に、日本企業も参加して国内で関連部品を製造する方針だ。共同生産の方針を安倍内閣は引き継ぎ、13年度予算案で国内生産ライン整備のため830億円を計上。日本で作られた部品を使ったF35の機体が今後各国へ売られる可能性がある。
一方、武器輸出を原則禁じた三原則は、11年に野田内閣が例外措置の新基準を示し、これまで禁じてきた武器輸出が大幅に緩和された。今回のF35についても、日本の安全保障に役立ち、共同開発・生産が米国中心であることから、新基準の枠内で対応できると判断。
新基準になって初の例外適用に踏み切る考えで、先月の日米外相会談でも、日本側は米国に例外適用へ調整を進めると伝えた。
朝日新聞デジタル 2月4日(月)10時28分配信
3)F-35向け日本製部品輸出の第三国移転で「国際紛争当事国か、その恐れがある国」の原則に抵触する恐れがあるとして、武器輸出三原則の有名無実を懸念する声が挙がっています。その発端がイスラエルのシリア空爆というセンセーショナルなニュースであることを考慮すると過剰反応としか思えません。
そういう方々には先ずは自分の足元を見つめ直す事をお願いしたいと思います。即ち、日本は果たして「国際紛争当事国か、その恐れがある国」ではないと言えるのかどうかです。
尖閣や竹島など領土問題で冷静な対応が求められている一方、航空自衛隊がスクランブルをかけ、海上保安庁の巡視船が取締りに当たっている中、予期せぬ出来事で一触即発の危険性が高まっている事も事実ではないでしょうか。
斯かる国を「国際紛争当事国か、その恐れがある国」と非難し、正当な権利を奪い取る事が果たして支持すべき対応方法なのでしょうか。
今回の焦点となっているイスラエルはアラブ諸国との歴史的対立の中で、イスラエルの殲滅を掲げているレバノンのヒズボラに対するシリアによる軍事支援を阻止する目的で軍事行動に踏み切った訳ですが、それがゆえに「国際紛争当事国か、その恐れがある国」として拒否反応を示すのは果たして公平・公正な反応なのでしょうか。
自国民及び財産を守る為の自己防衛目的で起こした軍事行動は、日本が尖閣や竹島等を守る為に取る行動とどう違うのでしょうか。
「紛争当事国か、その恐れがある国」として日本製部品が取り込まれたF-35の第三国移転に反対して、その結果、イスラエルが殲滅させられた場合、今回
のような感傷的な反応をしている人たちはどう思うのか聞いてみたいものです。
「国際紛争当事国か、その恐れがある国」とはどのような状態にある国を指すのか、冷静な議論と公正・公平な政治判断を期待して願いません。
(TN)