★日本は、プーチン・ロシアとどうつきあうべきか?1 | 日本のお姉さん

★日本は、プーチン・ロシアとどうつきあうべきか?1

ロシアは裏切るし、ウソつくし、信用できない国だとわかった上で利用するなら仲良くしてもいいと思います。チュウゴクは、ウソつくし、恩知らずだし、傲慢でしこいし、強盗みたいな連中なので、ロシアは、チュウゴクより、多少マシかも?

でも、たとえプーチンが北方領土を2島返しても次の大統領が、奪い返しに来ないとは限らない。外国とはそういうものだと思う。

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ロシア政治経済ジャーナル No.895
 2013/1/12
★日本は、プーチン・ロシアとどうつきあうべきか?1
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。

(●美人はホントにこわいと思いました。
詳細は【編集後記】で!)

ここ数日、なぜかたくさんの人から「プーチン」に関する質問をさ
れました。

そこで、今回は「プーチン・ロシアとどうつきあうべきなのか?」
を考えてみましょう。


▼ロシア外交の変化1(ソ連崩壊からリーマンショックまで)


最初に、ロシア外交を復習しておきましょう。


1991年12月、ソ連崩壊。


新生ロシア初代大統領は、エリツィンさん。

90年代、ロシアは金がなく、日欧米および国際金融機関に依存
していました。

それで、ロシアは概して、欧米に従順。

日欧米とロシアの関係は、概ね良好だったのです。


しかしそれは、ロシア側からみると、「欧米の属国」のような立場
で不満でした。


2000年、KGB(正確にはFSB)のトップまでのぼりつめた男プ
ーチンが大統領になります。

彼は「ロシアの自立」を強く願っていました。


当初は、力がなかったこともあり、アメリカとの融和を狙います。

01年からはじまったアフガン戦争。

ロシアは、アメリカの戦争に協力しました。


しかし02年、イラク戦争を画策するアメリカとロシアの関係は
悪化していきます。

なぜなら、ロシアは、イラクの石油利権に入り込んでいた。


ロシアは、同じ立場にあるフランス、中国、

そして、(石油利権はないが反戦だった)ドイツと共に、

アメリカの一極支配に反対する「多極主義陣営」を構築していき
ます。


しかし、独仏中ロが一つになっても、アメリカを止めることはでき
ず、イラク戦争ははじまってしまいました。


アメリカは、イラクの次にロシアの石油利権を狙います。

具体的には、当時ロシアの石油最大手だったユコス買収。

同社社長(当時)のホドルコフスキーは、ユコスをエクソン・モー
ビルあるいはシェブロン・テキサコに売ることに同意していまし
た。

しかしプーチンは、「ロシア唯一のドル箱を、アメリカに売らせる
か!」と激怒した。

それで、ホドルコフスキーを逮捕し、ユコス売却を阻止したので
す。



今度はアメリカが激怒。

ロシアの勢力圏にある旧ソ連諸国で、次々と革命をオーガナ
イズしていきます。


03年、グルジア・バラ革命。

04年、ウクライナ・オレンジ革命。

05年、キルギス・チューリップ革命。

これらの国では、「親米反ロ傀儡政権」が樹立されます。



プーチンは危機感を強め、ものすごい行動にでました。

ロシアの仮想敵NO1はアメリカ、仮想敵NO2は中国。

「敵の敵は味方」ということで、中国との「反米同盟」を決意したの
です。

私はこれを、現代版「薩長同盟」と呼んでいます。


両国は、上海協力機構を強化することで「反米の同志」を増やし、
アメリカの一極支配に抵抗していきます。


米ロの関係はドンドン悪化し、「米ロ新冷戦」なる言葉もうまれま
した。

そして両国関係の対立は、08年8月のロシアーグルジア戦争で
ピークに達します。

これは、アメリカの傀儡グルジアとロシアの戦い。


ロシアはこの戦争で圧勝。

グルジアの南オセチア、アプハジアの「独立」を承認、実質支配
下におくことに成功しました。


米ロ関係は、このまま悪化しつづけていくのか???

誰もがそう思ったとき、事件は起こったのです。


▼ロシア外交の変化2(リーマン・ショック以降)


グルジア戦争は08年8月。

この翌月08年9月、リーマン・ショックが起こりました。

世界経済は、07年に「サブプライム問題」が顕在化してから悪化
しつづけていましたが、これで決定的になります。

いわゆる「100年に1度の大不況」がはじまったのです。


アメリカとロシアは、危機への対応が忙しく、「新冷戦」どころじゃ
なくなった。

ちょうど役者もかわった。

米ロ新冷戦時代の大統領は、アメリカ・ブッシュ、ロシア・プーチン。


ロシアでは、ブログ、ツイッター、フェイスブック大好き男メドベージ
ェフが大統領になっている。

アメリカではブッシュ後、「核なき世界をつくる!」と宣言したオバマ
が大統領になった。


こうして、米ロ関係「再起動」の時代が訪れます。

以後、09年、10年、11年、米ロ関係は概して良好でした。


アメリカすきのメドが大統領である。

彼の唯一の願いは、アメリカと欧州に認めてもらうこと。


当然、反米の同志・中国、上海協力機構との関係は弱まっていき
ました。



しかし、2012年、プーチンが大統領に返り咲いた。

プーチンは、再び中国、上海協力機構、ブリックス諸国との連携
を強化。

アメリカにとどめを刺そうとしているのです。


▼日ロ関係の変転


次に日ロ関係の流れを見てみましょう。


90年代、概して日ロ関係は良好でした。

なぜでしょうか?

一番の理由はソ連が崩壊したこと。

ボロボロになったロシアは、もはや日本の脅威ではなくなって
いた。


一方、ロシアも金が欲しいので、日本との良好な関係を求め
ていました。


さらに、最大の脅威ソ連崩壊で、「日米安保」の意義が失わ
れたという理由もあります。

アメリカは、もはや遠慮なく日本を搾取できるようになった。

それにウンザリした日本は、中国やロシアとの関係を重視す
ることでバランスをとろうとしたのです。


90年代半ばまで、非自民の総理が3人つづきました。

細川さん(日本新党)、羽田さん(新生党)、村山さん(社会党)。


その後は自民党の総理、

橋本さん、小渕さん、森さん。


いずれも、ロシアと良好な関係を保っていました。


しかし、新世紀に入り、小泉さんが「国際協調路線」から「親米従
属路線」に転換すると、日ロ関係も悪化していきます。、


以後、両国関係は、それほど大きく動くことはなくなりました。

(鳩山さんは、有名な親ロ政治家ですが、日ロ関係を改善する
前に失脚している。)



とはいえ、日本の大手企業は、ほとんどロシアへの進出をはたし、
この国の経済に大きく貢献しています。

▼世界情勢とロシアの立場の変化

最近、プーチン側から、「日ロ関係を改善したい」というシグナル
が発信されている。

世界情勢を追っている皆さまは、気づいておられることでしょう。


これはなんなのか?



1、リーマンショック後、中国は浮上し、ロシアは沈んだ

08年まで、ロシアは中国と組んで、アメリカ幕府打倒に尽力して
きた。

そして、08年その願いがかなった。


しかし09年、同志だったロシアと中国で明暗がわかれます。

ロシアのGDPはこの年、なんと7.9%も落ち込んだ。

(主に、原油価格がバレル140ドル台から30ドル台まで大暴落した
のが原因。)


一方の中国は、9%以上の成長をはたし、「一人勝ち」状態。


「世界はG2(米中)の時代に突入した!」


という話がはやった。

つまり、ロシアはアメリカと共に沈み、中国だけが浮上した。

これが中ロ関係をギクシャクさせる原因になりました。



2、増長する中国

「ロシアは沈み、中国は浮上した」

これだけなら、別に「嫉妬」のレベル。

しかし、最近はついに「実害」もではじめています。

増長した中国は、ロシア極東のみならず、東シベリア全体も



「中国固有の領土だ!」



と主張しはじめている。


特に極東問題は、深刻です。

中国は、ロシア極東にドンドン人を送り込み実効支配を進めて
いる。

ロシア極東には、ロシア人が700万人しかいない。

一方、そこに近い中国東北3省には、日本並みの1億2000万人
いる。

これは、侵食されてしまいますね。


既に、ロシアの仮想敵NO1はアメリカ、NO2は中国と書きました。

ところが、アメリカは弱体化が著しいので、中国が「仮想敵NO1」
に浮上しつつあるのです。

(しかし、表向きは、「反米」で一体化しているが・・・・)



3、シェール革命の影響

ここ数年、世界(というかアメリカ)で革命的・歴史的変革が起
こっています。


それが、「シェール革命」。


アメリカ・エネルギー革命の主役とは、「シェールガス」のこと。

シェールガスってなんだ?

ここからは、SankeiBiz2011年10月31日を参考に見てみましょう。


まず、シェールガスって何?



<シェールガスは、頁岩(けつがん=シェール)と呼ばれる堆積岩
の中にたまっている天然ガスだ。

採掘が難しいとされてきたが、高圧の水で岩を割る「水圧破砕」や、
岩を水平方向に掘る技術などが確立され、商業生産が可能にな
った。>

(SankeiBiz2011年10月31日)



頁岩にたまっている天然ガス。

採掘法の進歩により、コストが下がり、商業生産が可能になって
きたと。


アメリカではどの程度普及しているのでしょうか?



<シェールガスのように新技術の開発によって採掘が可能になった
ガスは、採掘が容易なこれまでの天然ガスと区別し、「非在来型」と
呼ばれるが、米国のガス生産量はすでに非在来型が過半数。>

(同上)



アメリカでは、シェールガスに代表される「非在来型」がガス生産量
の半分以上を占めていると。

さらに衝撃の事実がつづきます。




<米国は天然ガス生産量でロシアを抜いて世界トップに立ち、

「シェールガス革命」との言葉も生まれた。>(同上)



↑これは驚きですね。

これまで、「天然ガス」といえば、「世界一はロシア」が常識だった。

それが「シェールガス」のおかげで、アメリカが一位に躍り出たと。


さて、この「シェールガス」。

エネルギー革命を起こすためには、「どんだけ量があるの?」かが
最重要ですね。

アメリカ・エネルギー情報局(EIA)によると、

これまでの(いわゆる在来型)天然ガス埋蔵量は、

6600兆立方フィート。


これに対して、シェールガス埋蔵量は

6622兆立方フィート(!!!)。


要するに、シェールガスの登場により、世界の天然ガス埋蔵量は、

一気に倍増したのです。

これは、まさに「エネルギー革命」とよぶにふさわしいのではない
でしょうか?

シェールガス埋蔵量NO1は中国で1275兆立方フィート。

アメリカは862兆立方フィートで世界2位につけています。



ちなみに「エネルギー革命」を起こしそうなのは、シェールガスだ
けではありません。

頁岩からは、なんと油もとれるんです。

これを「オイルシェール」といいます。

そして、オイルシェールは、石油の代替エネルギーになる。

長くなるので、詳細には触れませんが、重要ポイントだけ書いて
おきましょう。


・オイルシェールの推定埋蔵量は2兆8000億~3兆3000億バレル

・これは、世界の原油埋蔵量の2~2.5倍である

・アメリカのオイルシェール埋蔵量は、全世界の60%以上(!)である 



まあ、簡単にいうと、「世界には、ガスも油も『ありあまるほど』ある」
ってことなんです。


今まで人類は常に、「原油はいつ枯渇するのだろう?」と恐れてき
ました。

それが、戦争の主な原因でもあった。

しかし、もはや、「いつ枯渇するのかな?」と恐れる必要がなくなっ
た。

すばらしいニュースなのですが、ロシアにとっては困った事実なの
です。


だって、供給量が増えれば、値段が下がるでしょう?

実際、天然ガスの値段は、「シェールガス革命」でどんどん下がっ
ています。




これらが08年以降の変化です。

長くなりましたので、つづきは次号で!

ちなみに今回の話、

たとえば、「イラク戦争」「ユコス問題」「カラー革命」等々。


駆け足で書いたので、十分な資料や証拠を提示することができま
せんでした。

はっきりとして証拠・資料、詳細などを知りたい方は、こちらの本を
ご一読ください。







「もし、プーチンが日本の首相だったら?」



【3刷決まりました!】

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●「プーチン最後の聖戦」 (集英社インターナショナル)

(詳細は→ http://tinyurl.com/8y5mya3 )



<プーチン本はいろいろ出ているが、これが独特で面白い。>

(立花隆 「週刊文春」2012年7月12日号)

↓「危機克服本コーナー」へ
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★北野の「危機克服本」コーナー


はじめての方は、まず「危機克服本」の動機と意義について、
こちらをお読みください。↓
http://rpejournal.com/osusumehon.html 



★「なぜ日米開戦は避けられなかったのか?~“外交敗戦”
の教訓

(詳細は→ http://tinyurl.com/c8orwsw )



日本は、2012年から、本格的な「国難」の時代に突入してい
ます。

中国は、同じく日本と領土問題をかかえるロシア、韓国ばか
りでなく、

【アメリカ】をも巻き込んで


【反日統一戦線】を構築しようとしている。


(詳細は↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20121118015324000.html )


それで、日本では


「毅然とした対応を!」

「弱腰外交はもうやめろ!」


などなど、とにかく「強気一辺倒でいけ!」と勇ましい主張があ
ちこちで聞かれるようになってきました。


もちろん、「弱腰外交」「自虐史観外交」も困りものですが。

「強気一辺倒」でいけば、中国に勝てるのでしょうか?


私たちにいま一番必要なこと。

それは、「なぜ第2次大戦に負けたのかな?」と熟考してみる
ことです。

私はいつも書いています。


「日本は、戦争がはじまった時点で既に負けていたのだ」と。


なぜか?


だって、日本の敵は、アメリカ、イギリス、ソ連、中国ですよ。

こんな大国群を同時に敵にまわして、勝てるはずがない。


では、どうすれば勝てたのでしょうか?


それを知るためには、日米戦争がはじまった1941年、日中
戦争がはじまった1937年

よりもずっと前までさかのぼってみる必要がある。


この本では、


・満州の権益で、米英と対立を深めていく日本

・満州建国と国際連盟脱退で完璧に孤立した日本

・なぜ日中戦争がはじまったのか?

・なぜ日米交渉は決裂したのか?


をじっくり学ぶことができます。

これを読めば、「おいおい、今の日本は、戦前の(負けた)日本
に似てきてないか?」

と冷静に分析できるようになります。

いずれにしても、


・日本人は悪い民族だから負けた(自虐史観)

・日本はずる賢いアメリカに嵌められて負けた(脱自虐史観)


二つの単純思考では、今の時代はこえていけません。

きっちり過去の失敗から学び、

今度は、必ず勝ちましょう。

できれば、戦争せずに・・・。



★「なぜ日米開戦は避けられなかったのか?~“外交敗戦”
の教訓

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★カナダ在住Mさまからのおたより


北野さん

お久しぶりです。

カナダ在住のMです。

今回のメルマガはなるほどと思わされました。


私のように、どうして安倍さんは就任してからいきなりトーンダウ
ンしてしまったんだろう、といったイメージをもった人は少なくない
と思います。

私などは安倍さんが本当に日本のことを考えている数少ない政
治家の一人だと思っていたので、今回のメルマガでその疑問が
解消されてよかったです。

外交というのは本当に駆け引きなんですね。

正しいからと声高に唱えたからといって国益になるかは別の問
題なんですね。

それでも、私はもし安倍さんが靖国参拝を控えたり、尖閣諸島へ
の常駐を「検討」レベルにとどめるのならば

その理由を今回北野さんがわかりやすく届けたように、国民に
広く知らせるべきだと思います。

安倍さん自身がそれをやるというのが問題なのならば、きちんと
したメディア対策室などを作って

しっかりと世論を作っていく必要があるのではないでしょうか?


そうでなければ、本当の理由を知らない世論がまた一方的なマ
スメディアの情報操作によって

安倍たたきにのっかり短命政権に終わることが心配でなりませ
ん。


きっと私だけでなく多くの読者が北野さんのメルマガを自信を持
って友人に勧めているとおもいます。


今後も北野さんのメルマガが広がって私達日本国民がもっと賢
く世界と渡り合えるようになれればいいと思います。

本年もよろしくお願い致します。
★編集後記


仲間由紀恵さんといえば、「ごくせん」とか「トリック」など、

「美人だけど、コミカルでおっちょこちょい」の役がよく似合い
ます。


「ありふれた奇跡」のように、「正統派美女」の役もありますが。

「リング」のように、超恐ろしい役もあり・・・。


ところで、仲間さんが「男をだまくらかし、破滅させていく」という
面白いドラマがはじまっています。

仕事熱心で、子ども好きの看護師・仲間さんには、おそろしい裏
の顔がありました。

ジャーナリスト、病院の院長、弁護士などを、自由自在にあやつ
り、破滅させていきます。


「謎解き」のようなストーリーになっているため、仲間さん演じる
主人公「サキ」さんの意図はわかりません。

わかんないから、「つづきをみたい」と思っちゃうんでしょうね~。


まだ、はじまったばかりですので、2回目からごらんになってみ
てください。


ちなみにロシア在住日本人の間には、


「美人がきたら  スパイ  と思え!」


という格言があります。

「サキ」はスパイではありませんが、スパイよりこわい。


皆さんも、美人にはお気をつけください。

(ていうか、これは美人に弱い私自身への戒めでもあります・・・・。)


公式HP・予告はこちら。

http://www.ktv.jp/saki/index.html

RPEジャーナル
北野幸伯
ロシア政治経済ジャーナル No.896
 2013/1/15