結論では、人民解放軍(PLA)が要注意であることに異を唱えていません。
中国の過度な軍事拡張 「拡大する任務」と「遂行能力」の限界
WEDGE 12月3日(月)13時42分配信
10月1日付ウェブThe Washington Quarterly誌(2012年秋季号)で、Andrew Scobell米RAND研究所上席研究員及びAndrew J. Nathan米コロンビア大学教授は、連名で論文を発表し、中国人民解放軍の任務は膨大であり、その遂行能力には自ずから限界がある、と論じています。
すなわち、中国脅威論者は、20年前に比べ人民解放軍(PLA)は強大化したと主張するが、実際にPLAは現在「延び切って」おり、その能力は国内及び国境付近の中国の喫緊の軍事的任務を十分遂行するには程遠い。
PLAにとっての真のテストは、より多様化しつつある重大な平時・有事の緊急事態に対し、新兵器システム、装備、編成を統合運用するため、如何にPLA自身の錬度を向上するかである。
PLAは単なる軍隊ではなく、経済的、政治的責任をも負っており、その任務を飛躍的に拡大した2004年の新歴史的使命を遂行するのは容易なことではない。
PLAに課された任務は、国内治安の維持、14000マイルもの陸上国境と9000マイル沿岸の防衛、台湾解放、第一・第二列島線の防衛、在外中国人の避難・救出、エネルギー供給、シーレーン確保、核抑止力の維持など実に膨大であり、その任務遂行は決して容易ではない。
更に、PLAが増強されても、米軍と周辺諸国の軍隊も同様に増強される。現在の中国の延び切った軍隊では他の主要国の軍隊を、中国の外延地域からは勿論、中国の周辺地域からも放逐することは出来ない、と述べています。
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中国の軍事的台頭が懸念される中で、PLAの能力をその「拡大する任務」とその「遂行能力」という視点から分析した秀逸の小論文です。
内容的には、近く出版されるChina’s Search for Security(Columbia University Press, 2012)の要約となっていて、同書では更に詳しい実証的分析が行われるものと推察されます。
内容的に見て、この二人は対中穏健派に属するのでしょうが、一方でその二人ですら、「PLAは脅威ではない」とは主張していません。それどころか、結論では、PLAが要注意であることに異を唱えていません。
PLAの能力については過大評価も過小評価も禁物です。その意味で、この論文は、比較的バランスの取れた内容に仕上がっていると思われます。
著者:岡崎研究所
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121203-00000301-wedge-cn
日本は、自衛隊があっても、軍に関しては3段階遅れているらしいから
今から軍隊を作ったとしても使えるようになるのは10年後だと思う。
その時、チュウゴクはさらに10年分、さまざまな兵器の近代化を遂げているのだ。今から軍隊を作っても遅いぐらいだ。