「頂門の一針」 2762号
わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 2762号
2012(平成24)年10月22日(月)
メディアが仕組んだ政権交代
━━━━━━━━━━━━━
伊勢 雅臣
■1.「安倍の葬式はうちで出す」
「安倍の葬式はうちで出す」とは、安倍内閣当時、ある朝日新聞幹部の発言だという。
対立政党ならともかく、事実の報道を使命とする新聞が特定の政治家の打倒を目指すものなのか。
政治評論家・三宅久之氏は、こう発言したそうだ。
<朝日新聞の論説主幹の若宮啓文と会った時にね、「朝日は安倍というといたずらに叩くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか?」と聞いたら、若宮は言下に「できません」と言うんですよ。
で、「何故だ?」と聞いたら、「社是だからです」と。安倍叩きはうちの社是だと言うんだからねえ。社是って言われちゃあ・・・。>
[1,p3]
どうやら、日本の一部のマスコミは、能動的・主体的に特定の政治家を打倒することを目指すようなのだ。
ということは、報道によって別の政権樹立を目指すことも当然あるだろう。
民主党政権は過去3年間、日本を混乱と停滞に追い込んできたが、自民党から民主党への政権交代を実現したのも、一部のマスコミだということを小説の形で暴露したのが『真冬の向日葵』である。
これを読みながら当時を思い起こすと、今更ながら、あれが偏向報道だったのか、と気がつく部分が多々ある。その一部を紹介しよう。
なお、小説の形なので、登場人物は本名に近い偽名に変えてあるが、本稿もそれに従う。
■2.「安城もしくは岡崎だったからいいけど」
政権交代前に最後の自民党政権を担った朝生一郎は、自民党総裁選挙の段階から、バッシングを受けていた。
平成20(2008)年9月14日、リーマン・ショックの前日、朝生は名古屋で
選挙演説を行い、その前月末に岡崎市を襲った豪雨災害に触れた。
「公共工事を皆、悪の事のように言うけれども、このあいだ、愛知県は
どうでした?
岡崎で降った雨、1時間に140ミリだよ、140ミリ。・・・それでこれが、
安城もしくは岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたら、
この辺全部洪水だよ。
これが今、起きている。新しい気候現象に対応して、我々は、しかるべ
きものをやらなければ。
公共工事は何も田舎だけじゃない。都会でも新しい時代に合わせて、そういう投資を、きちんとした社会資本整備をやらなければいかんのじゃないんですか」。[2,p137]
この発言のうち、「安城もしくは岡崎だったからいいけど」の部分のみ
がクローズアップされ、失言としてマスコミから猛烈に批判された。
発言全体の文脈を辿れば「豪雨が安城もしくは岡崎だったから、この辺は大丈夫だったけど」という意味だと分かるが、この部分だけを切り取って報道することで、さも「安城や岡崎なら洪水になってもいいけど」
と言ったように、世間には伝えられたのである。「失言」を意図的に作り出す偏向報道である。
住民の安全を守るためにも公共工事が必要だという、朝生の本質的な問題提起はまったく無視された。この問題は、後に民主党の「コンクリートから人へ」というスローガンでさらに隠蔽されていく。地震や津波、洪水から「人を護るためのコンクリート」があることは完全に無視されてしまった。
■3.朝生を敵視した理由
朝生が一部のマスコミから敵視されていたのは、おそらく安倍内閣時代に外相として「自由と繁栄の弧」というビジョンを掲げたことが、主な
原因だろう。
このビジョンは、日本から台湾、東南アジア、インド、中近東、そして
欧州と、ユーラシア大陸の沿岸を囲む弧の形で、「自由と民主主義、市場経済と法の支配、人権の尊重」を旨とする国々が連帯していこうという、壮大かつ明確なビジョンであった。このビジョンは、米国はもとより、欧州各国からも熱烈な支持を寄せられた。[a]
この「自由と繁栄の弧」こそは、戦後初めて、日本が国際社会に向けて発信したビジョンであったろう。
しかし、この明確なビジョンは、敵をも明確にする。「自由と繁栄の弧」
に包囲されるのは中国である。左翼的な心情から中国に親近感を持つ多くのジャーナリストが、朝生を「敵」と見なしたであろう。
また祖父・吉田茂から「日本はとてつもない国なのだ」と聞かされて育った朝生は、戦後の教育やジャーナリズムを支配した自虐史観からの脱却を目指していた。
朝生が首相として存分に活躍すれば、戦後レジームにおける自分たちの既得権益が失われると危惧したジャーナリストも多かったであろう。
■4.「総理! 解散総選挙はいつですか!?」
9月22日の総裁選挙に勝って、朝生内閣が発足すると、野党とマスコミは揃って「選挙管理内閣」と呼び、マスコミは「総理! 解散総選挙はいつですか!?」という質問を繰り返した。
首相官邸で新聞記者たちに囲まれて、質問に答える「ぶら下がり会見」を内閣発足後の1ヶ月の間に28回受けたが、そのうち17回、「解散総選挙はいつか」という質問を受けたのである。
このように、相手に悪しきイメージをもたらすレッテルを貼り、それを
繰り返すプロパガンダ手法を「ネーム・コーリング」と言う。
朝生も、当初は早期解散を念頭に置いていたが、リーマン・ショックで
経済が大混乱に陥った時期に政治的空白を作る解散総選挙など出来る筈もなかった。
朝生政権は10月には第一次補正予算を成立させた。主に雇用対策や中小企業の資金繰り対策に重点が置かれた。銀行が貸し渋りや貸し剥がしの傾向を見せ始めており、中小企業が資金繰りで倒産し、雇用が失われる事態は何としても避ける必要があった。
さらに民主党による参院での審議拒否に悩まされながらも、翌年初には第2次補正予算を成立させた。今回は定額給付金、高速道路料金の大幅引き下げなど、国民の消費拡大に重点が置かれた。
■5.政策論議を無視したネガティブ・キャンペーン
必死に日本経済を護ろうとする朝生政権の努力を無視して、マスコミは個人攻撃を続けた。
その一つが「漢字の読み間違え」だった。朝生が演説の中で、「未曾有」を「みぞゆう」、「踏襲」を「ふしゅう」と読み間違えたことを受け、
マスコミは「朝生は漢字も読めないバカだ」と大キャンペーンを張った。
尻馬に乗った民主党副代表が、国会の場で首相に漢字テストを行うという前代未聞の愚行まで行った。政策論議を行うべき国会を、ネガティブ・キャンペーンの場にしてしまったのである。
また朝生がホテルのバーで酒を飲んでいる事を取り上げ、「朝生は資産家だから、庶民の気持ちが分からない」などと批判した。これも政策とはまったく関係のない個人攻撃である。
マスコミは些細なことで朝生を貶(おとし)め、「総理を批判する『国
民の声』が聞こえないんですか!」と叫び続けた。
ほとほと呆れた朝生は、ある会見の場で、「それは『国民の声』ではな
く、『あんたの声』だろうが」と返答して、記者たちの神経を逆なでし
た。朝生とマスコミの関係は、ひたすら悪化する一方だった。
■6.財務相の「酩酊会見」
朝生内閣は第1次、第2次に加え、第3次の補正予算に取り組んだ。第3次は次なる景気対策として「公共事業拡大」が中心となると予想されていた。
そこに、もう一つの敵が現れた。今まで公共事業総額を抑え込んできた財務官僚にとって、朝生政権の政策は許容限度を超えていたのである。
特に朝生首相に見込まれて財務相を務めていた中井昭二は、経済・財政に関する造詣も深く、財務官僚が操りやすい大臣ではなかった。中井財務相は、財務官僚にとって、「排除の対象」と見なされるようになった。
2009(平成21)年2月、ローマで開かれたG7にて、中井財務相は、IM
F(国際通貨基金)を通じて、金融危機に陥った加盟国への資金提供などのために、日本が最大1000億ドル(約9兆円)を貸し付ける提案を行った。
加盟国による資金提供としては過去最大で、IMFのスタースカーン専
務理事は「人類の歴史上、最大の貢献である」と言って、謝意を示した。
大役を終えた中井財務相は、随行した財務官僚やジャーナリストから祝杯を上げようと誘われた。義理堅い中井はそれを受け入れたが、後で記者会見を控えているために、さすがに酒をセーブせざるをえなかった。
しかし、2杯目のワインを飲んだところで、なぜか気分が悪くなった。
酒の強い中井がこれだけの量で酔うことは考えられない。
記者会見では、中井はさらに体調が悪化しているように見受けられたが、左右に座る財務官僚は、記者会見をそのまま強行させた。記者会見は大臣が体調不良でキャンセルしても問題になるようなものではなかったのだが。
中井は傍目にはほとんど泥酔者のように見えた。日本のテレビは「酩酊会見」のシーンを執拗に繰り返し、野党やマスコミは一斉に大臣辞任を要求した。それと同時にスタースカーン専務理事が「人類の歴史上、最大の貢献である」と絶賛した事実も、伏せられてしまった。
不思議なことに、随行した財務官僚も、ジャーナリストも、国内での大
騒ぎを一切、中井に伝えなかった。中井がそれを知ったのは、成田について妻に電話した時だった。もはや、中井には辞任以外の道はなかった。
■7.「政権交代選挙」
朝生内閣は4月10日に15兆4千億円の財政支出を中心とする第3次補正予算を成立させた。その中には、学校や病院の大規模な耐震化工事も含まれていた。
しかし、マスコミはそういう内容についてはまともに報道せず、わずか
117億円の「国立メディア芸術総合センター」のみをクローズアップして、「国営のマンガ喫茶」などと批判した。
朝生内閣の奮闘ぶりは国民に伝えられず、マスコミの意図的なネガティブ・キャンペーンで、支持率は下がり続けた。
7月21日、朝生は衆議院解散を宣言した。マスコミは「政権交代選挙」
と繰り返した。一般国民の間では「政権交代」さえ実現すれば、すべて
が良くなるというような根拠のない期待が広まっていった。
その「政権交代」の担い手となる民主党の鳩山代表は、外国人地方参政権に関連し、「日本列島は、日本人だけのものじゃないんですから」と語った異様な国家観の持ち主だったが、それが新聞やテレビで取り上げられることはなかった。
民主党のビジョンも「子ども手当」「高速道路無料化」「農家個別所得
補償」などのバラマキ政策ばかりで、財源については明確な根拠は示されていなかった。
選挙期間中の朝生総理と鳩山代表による党首討論を、自民党はノーカットで放送するよう各局に求めた。テレビが都合のいいように映像を切り貼りする偏向的な報道の防ごうとしたのである。
しかし、各局はノーカット放映を拒否した。これによって、自民党は国
民の前で、民主党政策の欺瞞を暴露する機会を失ったのである。
■8.「裁かれるべきは」
こうして平成21(2009)年8月30日、マスコミの思惑通り、歴史的な「政
権交代」が実現し、民主党が政権を握った。その異様な国家観と、財源の裏付けもないバラマキ政策は、日本と国民を3年間、苦しめ続けている。
期待を裏切られたと多くの国民は思っているだろう。しかし、その期待
は、そもそもマスコミの作った幻影だった。小説『真冬の向日葵』の主
人公である新米記者の雪乃は、こう語っている。
「わたしはこれまで、マスコミによる歪んだ報道や、国民に対する刷り
込み、根拠のないバッシング、高慢なレッテル貼りに怒りを持ってきた。しかし今、気付いた。・・・裁かれなければならないのは、その情報を受け取る"人"なのだ。
人。マスコミやネットなどの媒体から情報に疑問を持たず、情報の真偽を確認もせず、与えられた情報によって判断をくだす、人。彼らは無責任だ。自分の頭で考えないということは、明白な罪。罪を自覚すべきは、裁かれるべきは、わたしたち人間だったのだ。
報道が人間の仕業である以上、何らかの意図をもって、情報の受け手を左右しようとする輩は、いつの時代になっても存在するであろう。民主主義国家に必要なのは、そういう偏向報道に操られない国民なのだ。
■リンク■
a. JOG(570 「自由と繁栄の弧」を創る ~ 日本に元気を
「自由と繁栄」をめざす国々を後押しすることが、元気で自信に満ちた
日本を創る。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257Enippon/jogdb_h20/jog570.html
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
1. 小川 榮太郎『約束の日 安倍晋三試論』★★★、幻冬舎、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4344022378/japanontheg01-22/
2. 三橋貴明、さかき漣『真冬の向日葵 ―新米記者が見つめたメディア
と人間の罪―』★★★、海竜社、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4759312625/japanontheg01-22/
> ■■ Japan On the Globe(770) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■
> Media Watch: メディアが仕組んだ政権交代
> メディアは自民党政権をひたすら攻撃し、民主党政権への幻想を国民の
> 間に吹き込んでいった。
> ■転送歓迎■ H24.10.21 ■ 40,287 Copies ■ 3,602,470Views■
> 無料購読申込・取消: http://blog.jog-net.jp/
転載
中国が無人機で尖閣を攻める
━━━━━━━━━━━━━
古森 義久
尖閣諸島奪取のための中国の戦略のひとつです。
米中央情報局(CIA)出身の専門家集団が運営する民間調査機関が19
日、中国軍が尖閣諸島の主権の主張に無人機を多用する戦 略を進めてい
ることを明らかにした。
中国側は海軍艦艇から飛ばす無人機を尖閣領空に侵入させ、偵察を進め
るとともに日本側の統治をも弱める意図だという。
元CIA専門官が組織する国際安全保障の調査機関「リグネット」は同
日、「中国が無人機で紛争諸島の主権を強化する」という題の報告を作
成し、中国海軍が最近、海洋での無人機使用を強め、とくに尖閣諸島に
向けて将来、頻繁に飛行させる計画だと指摘した。
同報告によると、中国人民解放軍は軍事用無人機の開発や使用に熱心で、
オーストリアのシーベル社製S100型無人ヘリ18機をすでに購入したほか、
国産 の多様なデザインの無人機も開発あるいは配備している。
2011年6月に中国艦隊が尖閣近海を航行した際も、フリゲート艦上から
ヘリ型の無人機1機が発進 され、尖閣付近を飛行した。この無人機はS
100ではなく中国製のようだったという。
報告によると、中国海軍は東シナ海での尖閣諸島を中心とする将来の作
戦活動でも、無人機をフリゲート艦あるいは新配備の空母「遼寧」から
出動させ、尖閣 諸島の日本側が自国領空とする空域にも侵入させて、日
本側の活動を偵察させると同時に、尖閣地域での中国側の「領空権」や
「主権」の主張を強める効果を意 図しているという。
報告はまた、日本側がこの無人機への対応に苦慮し、「日本の現在の憲
法の制約下では、たとえ自国の領空侵犯でも外国の無人機を撃墜はでき
ないだろう」との見方を示し、中国側も日本のその制約を知っているた
め、無人機の尖閣空域への飛行をあまり恐れない、としている。
しかし、報告は中国軍の無人機の尖閣空域侵入は他の飛行機との衝突の
危険があり、さらに日本側の硬化で日中間の緊張を高めるだろうという
予測をも明らかにした。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/2902739/
商婦と正しく呼べば日韓が名誉回復
━━━━━━━━━━━━━━━━
大礒 正美
日韓合併時代の朝鮮民族は「日本の奴隷」だった、と中国が公式に確認
した。国連総会の一般演説で、揚けっち中国外相が事実上、そう想起さ
せたのである(9/27)。
この演説で中国は初めて、日本が尖閣諸島を「盗んだ(stole)」と非難
して世界に衝撃を与えたが、これはポツダム宣言が追認した「カイロ宣
言」(1943年 8月1日)にある文言を、突然持ち出したものだ。
いわゆるカイロ文書は英米中の三首脳(中は蒋介石・中華民国総統)が
合意して発表したが、署名した原本がなく、英国は後に存在を否定した
という経緯もある曰く付きの歴史的文書だ(平成17年7月30日コラムに詳
述)。
この文書では「日本国が清国人より盗取したる一切の地域 (all the
territories Japan has stolen from the Chinese) を中華民国が回復す
ること」とあり、現在の中国首脳がこの表現を世界に思い出させると同
時に、自分たちが英米側すなわち国連を創設した連合国の一員であるこ
とを、強く印象づけようとしたことは明らかだ。
しかしカイロ宣言には、続けて朝鮮に関する一項があり、そこでは「三
大国は朝鮮の人民の奴隷状態に留意し(mindful of the enslavement
of the people of Korea) 朝鮮を自由かつ独立のものたらしむるの決意
を有す」と書かれている。
この文書を日本が受け入れて降伏したことにより、歴史上の事実として、
朝鮮人民は日本の「奴隷だった」と確定しているのである。後に独立し
た大韓民国と北朝鮮が、改めて異議を唱えたという形跡はない。
これは、面白い展開になったものだ。中国は日本の尖閣領有権を否定す
る根拠に困り、誰かの淺知恵で戦勝国の論理を持ち出したのだろうが、
それが同時に韓国を日本の奴隷とした歴史を思い出させる効果を生んで
しまった。
この失敗に中国は気づいているだろうか。
韓国政府は青くなっただろうが、もちろん知らないふりを続けるだろう。
日本政府やメディアは、まだ気づいていないようだ。
韓国民(北朝鮮を含む)が日本の奴隷制の下にあったこと、すなわちア
メリカの歴史にあったような奴隷(スレイブ)だったと米英中が断定し
ていたということを、現在の韓国民は決して受け入れないであろう。
しかし韓国民にとって都合の悪いことに、日本を糾弾し侮辱する材料と
していわゆる「慰安婦」問題を世界に売り込み、その英訳を「comfort
women」から軍の性奴隷「military sex slaves」に悪化させることに、
ほぼ成功したところだったのだ。
奴隷という言葉に敏感な米国議会や国務省では、sex slaves がもはや普
通に使われ、知日派の代表として知られるアーミテージ元国務副長官で
すら、何の疑問もなく「従軍慰安婦=強制的に日本兵の慰みものにされ
た朝鮮少女」という情報工作にはまっていることが明らかになった(日
経インタビュー、8/25)。
そういうタイミングに中国の情報工作で、朝鮮人民が日本の奴隷だった
とする戦勝国側の認定がよみがえると、「そうか、やっぱり婦女子だけ
でなく全部が奴隷だったんだな」という認識がいっぺんに世界に拡がる
ことになるだろう。
これは、はたして韓国民が望んだことだろうか?
中国がカイロ宣言に言及すればするほど、朝鮮民族は奴隷民族だったと
浮き彫りにされることになる。中国も無傷では済まされない。戦勝国と
は現在も存在する中華民国であり、共産党独裁の大陸政権ではないこと、
またその両政権とも清国の後継者ではないという事実が表面化する。
中韓ともに「天に向かって唾する」という警句が現実になったと知るべ
きである。
そこでまず日韓の間で、慰安婦という日本で作られた婉曲表現をやめ、
新たに「商婦」と呼ぶことを提唱したい。
これは当コラムの新造語だが、説明の必要はないくらい一目瞭然であろ
う。
かつて英国のチャールズ皇太子がスピーチで、自分のことを「世界で2
番目に古い職業の一員」と紹介して笑いを取った。いうまでもなく「世
界で最も古い職業が何か」は常識であることを前提にしている。
西欧の一部では個人の職業として誇りを持ち、組合まであるという話を
聞くが、世界的には客に対して「親に売られた」とか「騙されて連れて
こられた」と、自分を被害者に仕立てるのが一般的だろう。
客もそれに話を合わせることになっている。古典落語や明治文学、江戸
文学などではおなじみの世界である。
個々の商婦の事情は千差万別だから、同情する人は心に寄り添う努力を
するしかない。それを政治的に利用しようとすれば自分に跳ね返ってく
る。
なぜ日本人で元日本軍相手の商婦がひとりも名乗り出ないのか、なぜ韓
国側でそういう日本女性を探して共闘を呼びかけないのか。李明博大統
領にぜひ訊いてみたいものだ。
韓国政府は国連の場で、人道問題として日本を厳しく糾弾しているが、
韓国軍兵士がベトナムに残した数千人の混血児が、韓国自体の人道問題
として浮上してきている。
そういう問題を回避するために、予め業者を手配して管理した旧日本軍
と比べて、どちらがより「人道的」か、国際社会に広く知らしめる機会
が巡ってきた。
世界最古の職業は、現在過去未来、人類と共に存在し続けるだろう。そ
ういう常識を無視した韓国は、性奴隷という虚構と、民族が奴隷だった
という虚構の板挟みとなった。
どちらをとるかではなく、両方を否定するしかないのである。歴史を捏
造し続けた結果、天罰が下ったのだと謙虚に受け止めてほしい。
未来の韓民族のために、商婦を正しく評価しようではないか。
(おおいそ・まさよし 2012/10/22)
(国際政治学者、シンクタンク大礒事務所代表)
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/5562/column/column-menu.html
日本人のお辞儀と握手
━━━━━━━━━━
渡部 亮次郎
敗戦の1945年8月、わたしはわずか9歳、4年生。やがてアメリカ兵たち
が占領軍として秋田市にもやってきた。旧八郎潟にやってきたアメリカ
兵たちはシベリヤから渡ってきた鴨(かも)をカービン銃で狙い撃ちし
ていた。
そうしたある日、秋田市内の旧制中学に通っていた兄から「知事がアメ
リカの司令官に握手の手を差し出したところ、司令官に手を払われた」
と聞かされた。「司令官は被占領民が握手を求めるなど失礼だ、と払った
のだ」と。
日本人はそれまで握手の習慣は無かった。相手にする挨拶はお辞儀と決
っていたのだ。結論から先に言えば、日本に握手を持ち込んだのは国会
議員たちである。
有権者と握手を繰り返すうち、腱鞘炎になる候補者は多い。
ヨーロッパを旅行すれば分かるように、彼らの祖先たる狩猟民族は獲物
を追って森の中を駆け回った。その時、武器を手にした者同士がいきな
り森の中で鉢合わせになる。どうするか。
武器は所持していても相手には敵意は持っていないことを示すために掌
を空けて見せて握手を求めたのである。これがヨーロッパにおける握手
の始まりだ、と高校の英語の教科書で習った。
挨拶の仕方は民族の数ほどあるといってもいい。我々は西欧の代表的な
挨拶である握手を知っているだけ。その代表的挨拶の握手もギリシャ・
ローマ時代からあったわけではなく、200年ぐらい前からという説もある。
おそらく近代になって平等思想が生まれ、相互に挨拶を交わす握手が民
主的で身分の差を感じさせない方法として受け入れられたという説。
手を改めるだけでは安心できない場合は、相手を抱きよせ背中をたたい
て武器を隠していないか探る。(ラテン系、スラブ系に多い習慣)その
後、安心して笑顔と共にもう一度握手するわけか。
握手の歴史がこのようなものだとすれば、握手は男性のもの。何故なら
マナーとして男性が女性に握手を先に求めることは禁止されています。
日本人はその微妙な呼吸を計るのに苦労するが、マナーとしては本当だ
ろう。
一方、日本にはいつの頃か、文化先進国中国にもなかった相互に頭を下
げて挨拶する、何回でも頭を下げることに抵抗感がない、習慣があった。
一説では高温多湿な日本では体を触れ合う行為は嫌われたともいわれる。
人の体には一種の霊が宿るという原始信仰の名残りで他人の体に触れる
ことを避けたのではないかと考えるひともいる。
明治になって脱亜入欧でヨーロッパの事物を盛んに取り入れた日本人が
何故か握手の習慣には馴染めなかったのは注目に値します。高温多湿な
気候のせいだけでは納得できないが。2012・10・21
話 の 福 袋
━━━━━━━
◎小池容疑者、女性と同居してた 葬儀会社ピン…死亡判明
父子連続殺人・放火事件で指名手配されていた小池俊一容疑者の死亡が
判明したきっかけは、同居していた女性(67)が葬儀を依頼した岡山市
内の葬儀会社の機転だった。
岡山県警によると、女性は県警や病院、葬儀会社に対し、男性の名前を
「小笠原準一」と説明した。だが、葬儀会社が「名前が違うのではない
か」と不審に思い、20日午前11時ごろ、県警に相談。県警が指紋を照合
した結果、小池容疑者と一致した。
女性は2005年ごろから岡山市北区のビルで小池容疑者と同居していたと
いう。ビルは岡山市中心部の繁華街にあり、県警から西に約500メートル
の距離にあった。
同じビルに住む20代の男性は「あれが小池容疑者だったんですか」と驚
いた。「短い髪を茶髪に染め、ぽっちゃりしていて、どこにでもいそう
なおじさんだった」。パチンコ店などでポスターを見ることはあったが、
違って見えたという。「目はポスターよりつり上がった感じだった」。
顔を合わせれば、あいさつをしたという。
朝日新聞デジタル 10月21日(日)11時25分配信
◎貿易赤字3兆2千億円、2半期連続で過去最大
財務省が22日発表した2012年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報)
によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、3兆2190億円の
赤字だった。
赤字額は、比較可能な1979年度以降、過去最大だった11年度下半期(10~
3月、2兆7257億円)を上回り、2半期連続で過去最大を記録を更新し
た。
11年度上半期(1兆6929億円の赤字)以来、3半期連続の貿易赤字となっ
た。東日本大震災後、原発停止に伴い、需要が増えた火力発電燃料とな
る原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入額が増加し、輸出額を大き
く上回っているためだ。
12年度上半期の輸出額は前年同期比2・0%減の32兆1603億円、輸入額
は2・6%増の35兆3793億円だった。
読売新聞 10月22日(月)9時1分配信
反 響
━━━━━━━
1)http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1672.html
「通名禁止の拡散と、人権委員会設置法案反対国会請願署名へのご協力
のお願い」。緊急の課題は「人権委員会設置法案」に反対することです。
(まこと)
2)解散をするかしないかでもめている、しかも細野政調会長は、
「社会保障改革は喫緊の課題だから、今は民主党とか、自民党とか、公
明党とか、いっている場合じゃなくなったんだ」と言ったとラジオは喋っ
ていた。
3年前は党派別区切りがあって、その後も党派別区切りを付けていたが、
ここにきて、民主党とは言っても自民党みたいなもんだし、自民党だっ
て民社党みたいなもんだと、言い連ねてきたことになる。党派について
は顕名せず、匿名性を発揮していこうと切り替えたのか。
それでは、違憲状態にある選挙区別議員定数割り振り数の是正にも必要
なのだから、せめて、憲法改正国民投票に必要な国会議員投票における
拒否権廃止くらいは、各党の合意は取り付け得るのだから、これを今度
の国会冒頭で決議することこそ、喫緊の課題だ。新聞テレビラジオ雑誌、
総力を挙げて、ここへ持ち込まねばなるまい。
もう、君らに解散を頼まない、選挙民が地元選出議員1人1人を説得して、
議員辞職を自発的にさせていく。このような議員馘首の草の根運動で、
解散と同様の効果を発揮させる。 そのようにして、先ず憲法96条の拒
否権条項を取り払って、草の根首切り処分後の総選挙で、国民投票で憲
法改正をするのだ。
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、
国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。
この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票
において、その過半数の賛成を必要とする。2 憲法改正について前項
の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すもの
として、直ちにこれを公布する。(酒井富雄)
3)「ちょっと待て、その無所属も 民主党」
これからは、隠れミンスもコロリと撃退!
RV #拡散【周知】 山形県酒田市長選が21日告示され選挙戦に突入し
ました。
酒田市長選に「無所属」で立候補している和嶋未希氏は、この前まで
「民主党衆院議員」でした。KzK
4)被害者に落ち度はなかったか:平井修一
沖縄で米海軍兵2人による集団女性暴行致傷事件が起き、2人は逮捕され
た。沖縄では抗議集会が開かれたという。
<両容疑者の逮捕容疑は10月16日午前3時35分ごろから同4時20分ごろの
間、共謀して本島中部の屋外で女性を暴行し、首に擦過傷を負わせた疑
い。容疑者らと女性に面識はなく、帰宅途中だった女性に突然襲いかか
ったという。両容疑者は酒を飲んでいたという>(琉球新報)
真夜中というのか未明というか、そんな時間に一人で女性が歩いていた
ことが小生にはケゲンである。それは犯罪をそそのかすような非常識な
ことではないのか。犯罪を犯すことは悪だが、被害者に落ち度はなかっ
たのか。被害者の落ち度を指摘してはいけないのだろうか。
この世は天国ではなく、悪意に満ちており、いつ犯罪被害に遭うか分か
ったものではない。十分に安全に気を配り、犯罪を招くような危険な行
為、粗忽な行動をしないなど、警戒して万一に備えることは人間として
の常識ではないのか。
少なくとも小生は未明に外出することは控えている。これが普通の国民
の常識、理性だろう。こうした当たり前の主張が報道されないのはどう
いうわけだろう。
米国を含めた諸外国では、女中さんやハウスボーイが高価な食器などを
盗まないように主人が戸棚に鍵をかけるが、これは主人が雇い人を疑っ
ているというのではなく、鍵をかけなければ雇い人をその気にさせて犯
罪を犯させかねないから、それを防ぐためであり、雇い人のためなのだ
という。
自動車の中にバッグを放置しておけば盗まれて当たり前というのが多分
世界の常識だろう。
猫の前に食べられては困るようなものを置くようなことはしないという
ことで、犯罪を招くような行動は慎むべきである。安全を信じていた被
害者には気の毒なことなのだろうが、小生は同情する気にはなれない。
あまりにも被害者は無防備、愚かであり、自業自得と言われても仕方が
ないのではないか。
女性は擦り傷の軽傷だったようだが、運が悪ければ殺されたかもしれな
い。油断すれば被害に遭うのだということを学ばなくてはならない。こ
んな当たり前の常識を報道しないマスコミは狂っているのではないか。
5)指導者に恵まれない野田総理:前田 正晶
21日朝のTBSに時事放談では常連的な存在の藤井裕久が登場した。私が気
になることは、この同学校年齢の一度は引退したはずの長老風の元大蔵
官僚が、如何にも指導者然として野田総理に「こう進言した」の「こう
すべきだと言っている」と断定口調で自己陶酔の如き表情で語ることだ。
藤井は以前にもこの番組で、野田がぶれずに「税と社会保障の一体改革
を推進し、成し遂げたぶれない姿勢が立派である」と表情を変えずに賞
賛し、如何にも自分の指導通りであるという感じが濃厚だったのが気に
なった。自分が後見人で指導しているのだと言いたげなのである。
今朝ほどは「絶対に憲法違反の解散を打ってはならない」と言ってある
と、昂然として述べ、野田は明らかにその長老のお言いつけを守って見
せているではないか。
それはそうだろうと思う。あの無知無定見の野田佳彦は財務次官から大
臣にかけて勝前事務次官等の官僚に指導されて消費税率引き上げという
か、「待ったなし」と彼が言う財政再建?だったはずの増税に突き進ん
だのである。
聞くところでは、財務官僚は「最も御しやすかったのが菅直人で、次が
野田」と言っているそうだ。野田自身は如何にも自分の政策の如くに言
うが、蔭には藤井を筆頭に官僚が後か前にいて操ったとしか見えない。
彼には君側の奸として輿石幹事長がいるかの如く見える。だが、私には
寧ろ野田総理の方が輿石の側近の如くに見えるほど、彼の解散の延期、
党内融和と称する反対派の排除、大臣の乱造、離党予備軍の食い止め等
では彼の力に依存しているように見えて仕方がない。恐らく野田に言わ
せれば「権限移譲でお任せしている」とでもなるだろうが、実に自分自
身では何もしない宰相なのである。
先頃の三党首会談でも、ものの見事に「近いうち解散」を有耶無耶にし
て見せた政権護持というか維持の姿勢には、さぞかし藤井も輿石もご満
足だろう。私は藤井が如何にも国士然として、一々断定的に発言するの
が極めて不快である。彼は自分が「蓄積してきた経験と知識が古物化し
てしまった」時代なのに全く気付いていないとしか見えない。
藤井は未だ官界・政界に立派な経歴と経験をお持ちで、野田の指導者然
として振る舞い、野田が有り難がるのも解らないではない。だが、語る
に足る経験が日教組でしかない古手の政治家の輿石に頼るのは、これま
ででハッキリしているように国を危うくするだけではないか。
何れにせよ、民主党は徒に政権を私物化するのを早く止めて、負けると
解っている解散総選挙をして本来のポジションである野党に戻って、時
の政権の批判に明け暮れていれば良いだけの存在であると一刻も早く悟
ることだ。
主宰者より:藤井は自民党・田中内閣の官房長官秘書官として、内閣の危
機管理の経験がある。威張られても仕方ない。政権維持の経験は彼にし
かないもの。
身 辺 雑 記
━━━━━━━
22日の東京湾岸。快適な秋晴れ。だが、あすはもう雨と予報。何とか心
と秋の空と昔から言われている。変わりやすいのだ。
支持率ガタ落ちの政権。党内の突き上げは益々強くなる。解散で傷の誰
死に濃厚。
署名なき投書は採用しません。必ずご本名を記した上にハンドルネーム
か「匿名希望」かを書いて下さい。
読者:5072人
渡部 亮次郎